声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

キッチンの怪

2021-03-31 14:35:00 | Diary
モンゴルに14対0で勝ったサッカー中継の後、

(なんだよ、権田の出番なかったじゃないか!)

とブツブツ言いながら、

キッチンの洗い物をしていると、

ふと、

妙なモノが目に入った。

冷蔵庫の側面に掛かった陶器の飾り絵の辺りから、

何本もの赤黒い滴のようなものが流れ落ちている…

( …血?)

一見すると血痕にも見えるソレに

私は上から台所用洗剤を吹きかけてカネダワシでゴシゴシ擦った。

生臭さとは違う妙な匂いだ。

やや立体的に膨れ上がった赤黒いモノは時間が経っていると思えて、簡単には取れない、


万が一、
誰かの嫌がらせにしても
見苦しいモノを放置するのはイヤダ。

夜中に、
血痕状のモノを拭き取るために

悪戦苦闘している場面を他者が見たらどう思うだろう…

まるでホラーではないか。

なかなか消えない“血痕”に
だんだん腹が立ってきた。

10分近くゴシゴシやって、ようやく消えた後で取り掛かったのは“盛り塩”だ。

ところが、

盛り塩を作る程の塩がない。

お取り寄せの高級品の《瀬戸内海の塩》で作ろうかと思ったが、

それも、もったいない。

仕方がないので、食品棚に残っていた食塩を集めて、
小さなジョッキに入れて置くことにした。

誰がこんなことをするのだろう…。

ふと離れの方に目をやると

真っ暗な空間に何かが蠢いているような気がした。

それに向かって、
私はドラゴンボールのサイヤ人のように

両手を広げて構え、圧を加えながら
こっちに来るな、とストッパーバリアを作る。


私を怖がらそうと思ってもムダだ。

そもそも人間以上に怖い存在はないのだ。

《儀式》を済ませた後、

2階に上がり、

夫に、

「冷蔵庫の側面に血痕のようなモノが垂れていたよ」

と話すと、

「ゴメン!」

という。

「アレ、オレがうっかり糠味噌をしまい忘れたんだよ」

(ぬ、ぬかみそ?)

「発酵して爆発したのが垂れたかのかなぁ」


生温かい夜だ…。











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