今、GYAOで配信している『マエストロ!』は、5年前の映画らしい…
大工道具を指揮棒代わりに振る、
変わり者の指揮者と、
一度解散して再結成されたプロオーケストラの物語。
音のキレを下ネタで表現する方法は、
管楽器出身のプレイヤーにはあるようだが、
不思議と嫌らしさを感じないのは西田敏行さんのキャラのせいだろうか…
ベートーヴェンの《運命》の出だしの
8分休符に緊張感を与えるシーンや、
シューベルトの《未完成》では、
ヴァイオリンのユニゾン、オクターブのEのピアニッシモを3本で弾けるか?と問いかける…
そんな印象的なシーンがいくつかあって、
2時間ちょっとの長い映画だったが、楽しめた。
特に《運命》の演奏会のシーンは迫力満点だ。
今年はベートーヴェンの生誕250年。
トップの写真は今年8月に出された新刊本だが、
この本に出てくる曲をYouTubeで聴きながら読んでみた…
が、
ベートーヴェンはBGMには向かないようだ。
《ワルトシュタイン》では、
アルゲリッチのテンポについていけなくて字面だけを読み流してしまった。
他の演奏家のも、つい真剣に聴いてしまい
文面に集中できない。
結局、同じ箇所を何度も読み返す羽目になった…
(ー ー;)
モーツァルトは作業が捗る場合もあるが、
集中力が続かない私のようなタイプには向かないのかもしれない。
《ベートーヴェンの真実》は、
さすがにドイツの紀行文を多く書かれている著者だ、
客観的で面白い。
これまで知らなかった“真実”が多く出てくる。
ベートーヴェンは、
身長が165cmで肌も浅黒く痘痕面だったらしいが、
女性には頗るモテた。
その原因は、
誰もが惹きつけられる高貴で芸術的な形のオデコにあったらしい。
それらを残された友人知人たちの書簡から読み解いていく…
イメージどおりの話もあるが、意外な事実もある。
養子にした甥の行は、ベートーヴェンの人間性や性格を表す箇所も多い。
貧乏で孤高のイメージもあったが、
けっこう資産家だったらしいし、
生涯にわたって付き合った友人も多かったようで、
フンメルやその妻で《エリーゼのために》を作曲するきっかけになったと言われるエリザベートもその1人だ。
何より、
ベートーヴェンは、
《絶望的な状況に陥った時ほど、凄まじいエネルギーを発して逆境を跳ね返し傑作を生み出す》作曲家だと言われる…
今こそ、
ベートーヴェンを聴くべきかも。