
ツラの皮は厚いのに

なぜか肌はますます弱くなったらしく、
医療用のテープでかぶれるし、
下着の化繊でも被れやすくなった。
定期的に通院している皮膚科医に相談すると
乾燥が原因だという…
「なんせ、美肌ランキング最下位ですからね」
と、
ドクターはニコリともせずに真顔で言いながら、
乾燥させないよう毎日塗りなさいと処方してくれたのが、
ヒルドイドのローション。
( あぁ、コレがあの話題の…)
と思ったが、
なるべく平静を装っていると、
ドクターは続けて
「毎日、塗っているとこんな感じです」
とシミひとつないツヤツヤした手の甲を見せた。
( とても70近いオジサンの手とは思えない)
「うわー!先生の手、キレイですねぇ!」
と、目を見張る私に、
何かを感じ取ったのか
「絶対に顔には塗らないでくださいね!」
とドクターは、念を押した。
帰宅後、夫にヒルドイドを見せながら
「顔には塗っちゃダメだって」
と言うと、
「そう言わないと、ウソついて処方して貰おうとするのがいるからだろう」
と言う。
すかさず、
「顔に塗ると火照って赤くなる人もいるってよ」
ドクターの忠告を伝えると、
「そりゃ、色々使い過ぎた結果だろう。美容オタクなら、他の化粧品とか使っているからね」
と、どこかのネット記事から拾ったようなウンチクを垂れながら、
「やっぱり顔には塗らない」
と言う私に、
「何も塗らずに…ヒルドイドだけならいいんじゃない?」
と、やたらと勧めてくる…
自分が試す前に、
私で試そうとしているのかも…
「でも、もし顔に塗って、それが原因でかぶれちゃったら?」
と言うと、
「皮膚科に行きゃいいじゃないか!」
本末転倒とは、この事だ。
「そんなかっこ悪い事はできない!」
私は、こう言うところだけはマジメなのだ。
しかし、
皮膚科医って、
何故あんなに肌がキレイなんだろう…。
