本来は男性が唄う歌を、女性が唄うことに抵抗感を持つ人と、全く平気な人がいます。
オペラなどでは役が決まっているので、それは皆無だと思っていましたが
トゥーランドットのカラフ王子のアリア「誰も寝てはならぬ」を
数年前にソプラノの方がコンサートで唄うのを聴いて驚きました。
ポピュラーソングとして歌う場合はOKという事なのでしょうね。
そういえば、ずいぶん昔の事ですが、
学生時代にシューマンの「詩人の恋」の中の「美しき五月に」を歌いたいと思い、
レッスンに臨んだところ恩師から
「きみぃ…これは男の歌だよ」
と言われた事がありました。
ソプラノ歌手が唄っていたのを聴いて、あまりにも美しい曲なので唄ってみたいと申し入れたのですが、
恩師は、それを許しませんでした、拘りがあったのでしょうね。
大学時代の恩師のS先生は厳しい人で、4年間褒められた事は一度もなく、
きちんとさらっていかないと
十八番の「蚤の歌」を唄う時のような太いバスで
「オイオイ、何やってんだよ!」
と、よく叱られましたが、
卒演前の個人レッスンで自宅に伺った際、レッスン料の入った封筒を渡そうとすると
怖い顔をして
「なんだいそれは…いらないよ」
と言って受け取らない人でした。
恩師が亡くなって来年で10年ですが、私は、まだ一度もお線香をあげに行っていません。(~_~;)
岡山にお墓がありますので
近いうちに訪ねてみるつもりです。
清水由美