数カ月ぶりに友人とランチ。
気遣いの細やかな彼女とは、元は夫とその友人の妻同士の付き合いで、
子供達の年齢は彼女の息子たちのほうが5、6歳年上だったが、
2家族でスキーに行ったり、軽井沢に泊まりがけて遊びに行ったりする家族ぐるみの付き合いだ。
子供が手を離れてからは、スケジュールが合えば、
一緒にコンサートに行ったり、カルチャー講演を聴きに行ったりする程度の仲ではあるが、
プライベートでは互いの家庭の悩みを打ち明けられる数少ない友人の1人でもある。
イタリアンの店で待合せして
シェフの《気まぐれランチ》のパスタコースとピザコースを注文してシェアしながら
近況報告と雑談に花を咲かせ、
気がつけば3時間…
追加のドリンクを飲み終えて店を後にしたが、
食欲の割に数カ月ぶりの彼女は以前より少し痩せて見えた。
健康診断で幾つか気になる数値が出ているとは言っていたが、
大丈夫だろうか…
自分だって、2日前に受けた被爆2世健診の結果次第では再検査になる可能性もあるが、
この年になれば、どこかに異状がないワケはないのだ、
とりあえず、痛みがなければ良しとしよう。
それにしても…
TVもネットも夕方からずっと有名芸能人の突然の訃報を伝えている…
実は、この手のニュースが1番、辛い。
昨年の夏に急死した従妹を思い出す…
ひとり暮らしで、発見された時の状況がほぼ同じ…
1年経って、ようやく従妹の死を受け入れられるようになった矢先でもある…
あの時のショックが蘇る…
病気などの予兆もなく、いきなり大切な身内を喪くすというのは、予想していた以上に精神的なダメージが大きい。
事故に遭って亡くなるに等しいのだ…
芸能人だから必要以上に大きく取り上げるのは仕方ないが、
どうか、騒がずに静かにしてほしい。
夫が私の心情を察したらしく、
このニュースが始まると即座にTVのチャンネルを変えた。
昨夜は、
亡き母が夢に出てきた…
夢で母に会えるのは嬉しいが、
母がまた亡くなる夢だった…
抱きしめた母の身体は、まだ温かくて
私は何もできず、ただ泣いていた…
母に会いたい。