タイトルから抱くイメージとは全く異なる深い人間ドラマだったように思う。
アカリちゃんと呼ばれる可愛いけれど不器用な登場人物も、
自己肯定感が低くて、その意外な性格や思考に惹かれた。
登場人物の意外性は、
《田中さん》をはじめ、一見すると平々凡々と生きている人たちの持っているコンプレックスは根深く、
このドラマのテーマのように思えた。
美しいベリーダンスと音楽も良かった。
ベリーダンスはムリだが、あの打楽器はやってみたいと思ったほどだ。
そのドラマの原作者の訃報が大きな波紋を呼んでいる…
脚本の問題や制作者側とのトラブルが取り沙汰されているらしい。
ネットの書き込みをみると、一部のファンからは脚本家を攻撃するものも寄せられている…
真相究明を急がせる記事も多い。
そして、必ずと言っていいほど
《いのちのダイヤル》の相談窓口がずらずらと書き添えられている。
私は、
この記事の下にある《いのちのダイヤル》他の列記に強い違和感を持っている。
もし、
そんなところで事情を知らない人に聞いてもらって気が晴れるのなら…それはそれでよいとは思うが。
そんな方法で解決できるとは思えない。
特に創作を生業とする人たちの思考は、我々一般人よりも、
もっと複雑なのではなかろうか?
今回の原作者の訃報でわかったことは、
作品は命を削って作り上げるもの…だということだ。
長い時間をかけて推敲し寝る間を惜しんで作り上げるからこそ、
作者の魂が作品に宿る。
我々の知らない表面に出ない苦悩がそこには多く存在する。
かつて、音楽劇の原作を担当していた知人の脚本家が、
「セリフの『てにをは』を勝手に変えるのはやめてもらいたい」と、総監督にクレームをつけているのを間近で見たことがあったが、
原作者の強いこだわりに驚いたものだ。
いや、その強い思いがあるから物語は成立するし、面白くなるのだ。
原作者に対する尊厳、
そして感謝の心は忘れてはいけない。