山崎豊子原作のドラマ化は以前にも見た記憶があるが、
すぐに忘れてしまう私には、今回のニ夜連続放送は新鮮だった。
キャスティングも豪華で、
特に宮沢りえさんが光っていた。
目の表情だけで、あれほどの表現が出来る女優さんは滅多にいないように思う。
どうしても気になるのが時代設定だが、
やはり昭和の設定のせいか、
遺産の内訳に関しては若干違和感がある…
例えば、
長女が相続した「不動産」は今ではおそらく「負動産」のレベルだし、
「山」なんぞ、うっかり相続すれば管理するのに年間2千万もかかってしまう…
株券だって、いつタダの紙切れになるかわからない…
老舗の着物屋さんも、
今の時代、店売りだけではやって行けない…
そんな事を考えながら観るのは、
バブル後やリーマンショックを経験している世代だからだろうが、
何度もドラマ化された名作であっても、時代の流れには逆らえない…
見終わった後の違和感は、
おそらく時代にそぐわないという事だろうと思う。
女系存続がNGなんて、
特に最たるものだ。
主義や思考、行動まで昭和にならざるを得ないのは、やむを得ないが
価値観が変わってしまっている現代では、このストーリーを受け入れるのは、
なかなか難しいのではないか…
と、
物語に入り込めない私は思うのだ。
単に《強欲な人間模様を描いた作品》として観れば、
十分に満足できるドラマではあるが…
(ー ー;)