遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
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ヴォイスⅡ.....存在の深い底から......
声
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2008-06-14 00:17:04
ほの暗い湖底から泡が浮かんでくるように、無意識下から浮かび上がってくる想いがありました。そっと掌で包みこまないとたちまちとけてしまいそうな微かな微かな吐息のような…..。
どこが痛いのかわからぬほど混乱して手負いの獣のように闇に蹲っていた頃、三ヶ月たてば傷も癒えるだろう、三ヶ月たてば痛みも消えるだろうという希望にしがみついていたことを思い出したのです。そしてもうひとつケビンという指導者から聞いた「ひとを構成する原子のひとつひとつが全力でそのひとの望みをかなえようとするのだ」ということばも……。
そうか、そういうことだったのかもしれない。三ヵ月後心の底から求めていたことをわたし自身がかなえようとしたのかもしれない。そのうえにハイヤーセルフが見守り、より大きな存在とつながっているにしても……。三ヶ月という時間は...あたらしいステップに行くためにわたしという卵が孵る必要な時間だったのだろう。その考えは奇妙に思えるかも知れないが、胸にしっくり収まってわたしは自分の生命力があたたかく息づいている そのことがうれしかった。
それだけではありませんでした。4人の子の母であって、そのうえに及ばずながら三人を引き受けようとしながら、わたしは今も奥底で母を求めつづけていた…それに気づいた時驚愕しました。専業主婦があたりまえの時代、母は職業婦人の先駆者のひとりとして仕事と家庭のあいだで戦っていました。やさしい母ではなく君臨する母だったのです。自分が同じように仕事を持つ母親になったとき、その母とも心のなかで和解し折り合いがついたはずでした。しかしわたしの中の子どもはずっとずうっと、励まし、褒め、認めてくれる慈愛に満ちた母を求めつづけていたのでした。そのことに思いが至ったときわたしは 因と果が糸のように織り成してゆくひとの心、ひとのえにしの不思議さ、哀しさに胸を打たれました。不条理そのもののひきちぎられるような苦痛の意味を知りました。母なるものから存在を否定されたらいる場所すらありません。
わたしに影響を与え、導いてくれた母たちに感謝します。母たちがいたからわたしは励まされ望みに向かって歩いてこられました。懐疑や絶望さえあたらしく生まれるための糧でした。今わたしは新しい母と出会いました。知性と霊性を兼ね備え、身体の豊かさを熟知しているその母からわたしは昨日多くの示唆を得ました。これからもすこし離れた場所で学んでゆきたいと思います。わたしの中の子どもが安心し成長を遂げてゆくのを見守りながら、わたし自身も、育てる慈しむ癒す母性そのものでありたいと思います。
ユングの元型のひとつ太母は愛情豊かで慈悲深く成長や豊穣を促していく『光』の母性だけでなく神秘と不気味な暗黒を内在し全てを呑み込んでしまう『闇』の母性も併せ持っています。わたしは自分のなかにも闇の部分があること、ときに自分さえ破壊しかねない衝動も持つことを知っていますが、身体という自然の一部と対話をつづけ、自然そのものから力をいただきながら在るがままの望むままの自分に近づいてゆきたいと願っています。
目に見えないものは存在します、目に見えないわたしたちの心の動き、大地の力 人間の預かり知らぬもろもろのものが交流しエナジーとなって目に見える世界を織り成してゆきます。ですから世界は変え得る、今は暗く感じても未来は明るい、わたしはそう信じます。スピリチュアリティはおどろおどろしいものではなく、理性、悟性の延長線上にあって、目に見える現実界とつながっているのです。声によって音によってつながる...とM先生は言います。...だって音は光なのだもの、声もひかり..とわたしは微笑みます。倍音がひかりであることをわたしは知っています。そして声が光になりうることも....。
身体という自然、現実界を見ようとしないことは世界の半分に背を向けることになります。霊性を認めようとしないことは世界の半分を知らないことに等しい。ホリスティックなものが求められているのは医療ばかりではないのです。わたしは語り手たちの会に...語りには身体性と霊性が不可欠...というささやかな標を残してこられたこと、(提案したワークショップでまた語りの世界の原稿で)すこしずつ気づくひとが出てきたことにほっとしそのチャンスをいただいたことに深く感謝しています。あぁ ようやく ひとつ終わりました。
わたしはおそらく倍音の響き、光によって今まで見えなかったことに気づかされたのでしょう。夕べ夫に「もう疲れてしまったの」と告げました。夫は黙っていましたが、営業さんたちを褒め激励叱咤しいくつか仕事をとってきてくれました。銀行の担当者がとてもいい提案を持ってきてくれました。わたしの声が変わりました。肩の力を抜いたからでしょう。事務所に和やかな空気が漂っています。
状況は変わったわけではないけれど、確実に流れがかわりはじめました。気づきが、受け入れることが照明の色を変えたようにステージを変えてゆきます。わたしの身体はほどけくつろいで、こころはさすらうことをやめ 身体の奥から歌があふれます。地から大気からエナジーが喜びの響きとなって身体に伝わり血管を走りわたしを熱くします。
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