遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



  コーヒーを頼みトランヴェールの特集”東北のジャズ”を読んでいるうちにあっけなく新幹線は上田に着いていました。わたしは騒ぐ胸を押さえながら若い頃幾度か立ち寄った上田駅に降り立ちました。.....信州の工芸、籐のサンドウィッチケースを買った梁の黒光りしていたみやげ物屋さんはどこだろう...?ジーンズのワンピースを着替えにと求めた洋品店は?...たしかいい感じの喫茶店があったはず....けれど、昔の面影はなにひとつありません。グレーとベージュのどこにもある小奇麗なビルが駅前に積み木のようにならび、お馴染みのセブンイレブンやドトゥールの看板が出迎えてくれました。

  やがて、斎藤ホテルのバスが迎えにきてくれました。スタジオプラネットのオーナー、ラヴェンダーさんにお誘いいただいて、信州鹿教湯温泉に行くのです。バスは20名ほどのお客を乗せてみどり、緑の山なかを走ります。駅前の変容にいささかがっかりしていたわたしは、山の気に遠い記憶のような衝動のようななにかが呼び覚まされるように感じました。そしてなにかしらつつじの娘を語りたくなって、ものがたりを追っているうちに眠り込んでしまいました。

  ロビーでウェルカムドリンクをいただいてラヴェンダーさんのお部屋に案内していただき、わたしたちは再会しました。窓から、川が見下ろせます。山あいから八雲立ち緑したたる素晴らしいロケーションでした。四方山話に旧交をあたため、ラヴェンダーさんの案内で温水プールに向かいます。夜には天窓から月が空に浮かんでいるのが見えるとか....わたしもゆらゆら水にまかせ浮かんでいました。プールに入るのは何年降りでしょう。全く泳げないのですが、大いなる野心が湧きました。よーし このあいだ見つけたスポーツ施設に通ってみよう。泳げるようになるかなぁ...

  プールの脇にはサウナやトレーニングルームがあってマシンがならんでいます。20歩ほどで大浴場です。泉質はやはらかくまろやか...かけ流しの湯です。お風呂はそこそこにさぁ夕食....食事はビュッフェのかたちでフレンチ、和食、好きなものをチョイスします。日本のホテル百選にも選ばれたという美味しい料理でした。デキャンタで白と赤のワインをとって、話ははずみます。甘党の方には...デザートもケーキ3種やババロア2種フルーツ...デザートもフルコースしっかりいただきお部屋に戻っても話は尽きず心溢れわたしはいつになくしあわせでした。。


  ラヴェンダーさんから斉藤ホテルのことは幾度かうかがっていましたが、あたらしい湯治のかたち、休暇の過ごし方のかたちがあるように思いました。リピーターの方が多いこと、滞在者がいらっしゃることもうなづけます。ホテルの周辺は自然ゆたかで散策を楽しむこともできますし、ライブラリも備えています。観光スポットを訪ね歩き確認する観光も楽しみですが 自分の身体をいとおしみその声を聴き、自然のなかで深く呼吸し交流する...そのようなおとなのための贅沢な時間がもっとあってもいい...このホテルのありようはその一つの提案のように思います。

  深夜のロビーにはヘンデルのアリア、オンブラ・マイ・フがながれていました。このホテルに流れる静謐...宿泊者やスタッフのなかにながれることばにしがたい雰囲気....にその旋律はかなっているように思われました。
 

写真はあとでUPします。

斉藤ホテルサイト






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