遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



   ステージに立つことはひとを活性化します。血が騒ぎ、血管に漲り.....そしてあの孤高の一瞬がある、逃げようにも逃げられない自分を信じ賭けるしかない一瞬がある....聴き手との交流がある.....今回の朗読ワークショップの発表会でも、それを知ってしまったひとたちがいます。昂揚...インスピレーション...達成感.....さぁ彼らはこれからどうなるでしょうか? 問題は実はこれからなのです。

   生命が声にこもっている、それだけでひとを感動させることができるのだ....とわたしは今回しみじみと思いました。くせのない素直なわかい声はうつくしい...わざもなにもなくても聴く人の魂に響き揺り動かすことができます。指導者のH先生がなさったことの多くはアクセントのくせや語尾をひっぱったり、消えかかってしまうくせ、あるいは芝居がかったくせを修正することでした。一度ついてしまったくせは自分ではわからないし、なかなかなおりにくいものですが、10回ほどのレッスンとそれぞれの努力でみるみるうちに修正されてゆきました。それとともにそれぞれの個性がにわかに耀きだすのを目のあたりに見るのは実に愉快でした。

   もうひとつの指導は動機...だったように思います。そのことばを発するには必然の動機があるわけで、その心情に気がつかせる....するとものがたりの登場人物が生きてきます....今まで苦しんできたのがうそのように表現する喜びを知り有頂天になり、もっと表現したくなる....。けれども自分がうまい...と思ったらそれは即声に出てしまう....声とは実に精妙な楽器でなにも隠しようがないのです。若い方々が一層の修練をたのしみながら積まれていくように願ってやみません。

   わたしにとっても今回のステージは特別のものでした。出番になってことばを発する前の恐怖感といったら.....。いつも思うのです。.....なぜこんなことはじめたのだろう....けれども終わるとまた次を考える.....11月、12月、2月、そしてその次.....今、自分にできる最上の語りを手渡したいと思います。とても不思議です。なにかが起きるたびに、それは発表会であったり、会社が盛り超えるべきさまざまなアクシデントであったり、一通の手紙であったりするのですが...わたしの内部で目覚め羽ばたくものがある。施された封印がはがれわたしはすこしずつ自由になる.....

   出雲で願った四つの願いのひとつ、内なる封印の解除とは突然雷が落ちるようになるのではなくステップを踏むように成就してゆくのだとわかって、目の前にある登攀不可能な山も越えられるのではないか...みっつの願いすらかなうのではないかと....わたしは慄きつつ思うのです。






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