おすすめ度 ☆☆☆☆
イギリスの作家レイチェル・ジョイスによる小説「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」を、「アイリス」のオスカー俳優ジム・ブロードベント主演で映画化。
ある朝、旧友で元同僚のクイーニーから、手紙が届く。800キロ離れた北部の町で癌のためホスピスに暮らしているとの知らせだった。
短い手紙を書き、「ポストまで行ってくる」そう妻に告げて家を出た。
しかしポストに投函できない。郵便局まで行ってもやはり出せない。ハロルドは、着のみ着のまま歩き出していた。
ひたすら歩く苦行のような道中で知り合う人たちとの現在のドラマと、亡き息子のことや、お互い心が離れてしまった妻のことなど過去の思い出が交錯する構成。奇跡は起きなかったと嘆くハロルドだが、妻モーリーンとの関係をはじめ、周囲の人に少なからず影響を与えていると分かるラスト。じっくり見せるロードムービー。