ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「夏物語」

2007-01-30 15:21:05 | Weblog
韓国の恋愛ドラマは「夏物語」という程、甘くはない。

69年末、朴政権下で学生たちが農村へ下放していたとき、

それまで裕福な家庭でのほほんとしていた青年に

恋が芽生える。

イ・ビョンホンが、20代の青年時代から60歳の大学教授まで

見事に演じている。

特に、警察に捕まり、恋人と知りながら黙秘せざるを得ない状況で

最後に恋人を抱きしめるシーンは涙を誘う。

二人は、ちょっとした時間で別れ別れとなり

彼女の言葉が「ずっと手を離さないで」だ。

この二人を時代は、一緒にさせない。

ロミオとジュリエットなのだ。

ジョンインを演じるスエが初々しくて、好演だ。

薄幸の人生で得た、一筋の光をいつも、手の届くところで失ってしまう彼女。

ただの恋物語でない、力強さを感じる。
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ダーウィンの悪夢

2007-01-26 19:59:35 | Weblog
アフリカの現実を描写したドキュメンタリーだ。

アフリカの貧困は救いがたいほどだ。

タンザニアのヴィクトリア湖の湖畔では、

巨大魚ナイルバーチのおかげで一大産業が存在する。

でも、そこで繰り広げられる産業の裏側は

貧困と隣りあわせだ。

売春婦、エイズ、麻薬、ストリートチルドレン、さらには武器と

生臭い話ばかりだ。

国際的には、援助の手が差し伸べられているが、

貧困の循環から脱しない限り、空回りだ

産業の裏では、公害に泣く人がいる。

さらにこの大魚はダーウィンの悪夢なのだ。

心ならずも放流された肉食魚が

生態系を破壊し、湖を汚している。

地球の遠くでありながら、この現実をほっておけるのか?

ただ、映画を見てため息をつくばかりだ。





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「長い散歩」

2007-01-21 14:34:13 | Weblog
奥田瑛二もだいぶ手馴れてきた、というか、本作はかなり準備したように見える。

愛知地方の山奥を舞台に、

定年後、妻を亡くした男が、少女を連れて長い散歩(いわゆる放浪だ)をする。

男を演じる緒方拳。彼なくしてはありえないというか、

彼だからこその映画だ。

家庭を顧みず、妻に先立たれ、娘に「人殺し」とののしられ、贖罪の旅なのか。

今までの山崎作品に殺人鬼が何作かあるが、それとだぶる。

最後に流れる主題歌は、最近の社会を嘆く歌だ。

自殺、他殺、殺伐とした現代のひずみを象徴したかったのか。

奥田も刑事役で、映画を引き締めている。

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「愛の流刑地」

2007-01-19 17:38:05 | Weblog
やはり、寺島しのぶがいい。

なんかとってもきれいになったみたい。

母親役で実の母富司純子が出ている。

愛の行為の最中に、殺してと頼まれて、首を絞めてしまう。

映画は、この行為を先に描いている。

その後は、裁判になる。

愛の物語と思えば、何か裁判映画だ。

殺してしまって、無実もないが、

殺すほど愛するという行為が理解できなければ、

映画にはのめりこめない。
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ラッキーナンバー7

2007-01-19 11:38:04 | Weblog
ジョシュ・ハートネットの甘いマスクがジェームスディーンを思わせる。

この、一寸とぼけた味が映画を面白くしている。

ルーシー・リュー扮するリンジーとの恋物語だ。

映画のはじめは、めがぐるしく事件が起こり、その脈絡がないため

何が起きているのかがよくわからない。

競馬の八百長がこの事件の端緒だといわれるが、

若い二人が登場すると、もうそっちのけになってしまう。

こんどは、二人の大ボスの対決だ。

これを、モーガン・フリーマンとベンキングスレーという大物役者が演じて

貫禄を見せる

さらに、ブルース・ウイリス扮する殺し屋が、勘所を押さえる演技で泣かせる。


二人の恋物語の楽しい雰囲気を彩るには余りすぎるミステリーだ。

後半謎が明かされるにしたがって、その前の場面が再度登場する。

だが、物語の複雑さは再度映画を見たくさせる。
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「スタンドアップ」

2007-01-14 16:46:50 | Weblog
アメリカミネソタ州の鉱山・そこで働く女性たちは、

男性の職場を奪うといって、ことごとにいじめを受ける。

でも、仕返しが怖くて、誰も面と向かって抗議をしない。

そんなところへ、美人の人妻が入ってきた。

暴力夫に耐えかね、離婚して子持ちで実家に帰ってきた。

働かなければならず、父の働く鉱山に職を求めたのだ。

美人で勝気、格好のいじめ相手だ、まして、男たちに取って、セックスの相手にも相応しい。

散々な目に会い、上司や役所に訴えるが、世間は冷たい。

そこで、立ち上がった。弁護士を立てて法廷闘争にでたのだ。

最初は、皆冷たかった。

しかし、彼女が幼いころに性的暴力を受けていたことがわかって

皆が立ち上がった。

実際にあった話をもとに描いた映画だ。

主人公に扮する、シャーリーズセロンはあの「モンスター」の女優だ。

彼女の美しさと機敏さが適役であり、この映画を盛り上げる。

アメリカもこういう問題を真剣に取り上げる国なのだ。

大人の映画である。

娯楽を求めると一寸難しいかも。
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鉄コン筋クリート

2007-01-11 17:49:08 | Weblog
頼もしい劇画だ。

声優が二宮と蒼井だ。特に蒼井がいい。

シロとクロという若者が、縦横無尽に未来(いや過去かな)のまちで活躍する。

地上げ屋とか、やくざと戦い街を救う。

でも、彼らもまちのチンピラだ。

やくざに、コテンパンにやられるが、小さいシロが最後。敵をやっつける。

メルヘンだけどシリアス。

一寸、はまりそうな映画作りだ。
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パトリス・ルコントのドゴラ

2007-01-10 11:31:29 | Weblog
あの「髪結いの亭主」の監督ルコントの作品だ。

エティエンヌ・ペルションという作曲家の「ドゴラ」という曲に触発されて

カンボジアを描いた作品だ。

作品に流れるのは、カンボジアの風景と叙情的な音楽だけだ。

カンボジアそこはまだ開発途上、

たとえば、都会ではバイクが主流だが、それも3人乗り、4人乗り

もっと大勢が乗っている。

地方では、自転車、それも大きな荷物を載せて

さらに、工場では、徒歩で人々は移動する

田舎では、はだしで、はだかで、ひとびとが生活する。

のんびりというか、いまだ未開発の貧しいが自然な生活。

都会では、スラムのような汚い市街地

さらにゴミの山をあさる人々。

それは決してきれいな絵ではないが、人々の生きる様が活写されている。

音楽がいい、悠然とでも時にはダンサぶるに

こんなに、ストーリーがなくて、ただ、情景の描写だけで1時間余も

もたせるなんて、そして人々の感動を呼ぶなんて。

知らずに、ルコントの映画だというだけで見ると、がっかりするかも
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敬愛なるベートーベン

2007-01-08 15:35:34 | Weblog
年末のベートーベン第九に合わせて公開された。

その第九の作曲にまつわる物語だ。

新しく写譜師をするために志願してきた女性に

そのころはもう耳が遠くなっていたベートーベンが

彼女に打ち解け、卑猥な場面をも見せてしまう。

尻を出したり、卑猥なことを言ったり。

そんなベートーベンの創作活動を垣間見せる。

でも、かの楽豪をこんな姿で描かれることにちょっと違和感を持ってしまう。

ベートーベンを演ずるエドハリスが真剣に演じているだけに

こっけいに感じてしまう。

音楽だけを楽しむ向きには、どうなのかな。

かといって映画としてはいま一つ。
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「犬神家の一族」

2007-01-04 11:13:24 | Weblog
こんな古めかしい物語が、今でも受け入れられるなんて?

おどろおどろの物語だが、現在のホラー映画に比べたらなまっちょろい。

まあ、そういう意味では懐古趣味の人の見る映画か。

話は、前作と殆ど一緒、名作である横溝正史の推理小説を読むようなものだが、

それなら、前作そのままでもよい。

わざわざ、今回も製作されたのは、市川昆の思い入れか?

それにしては、中味のないそれこそ、消えかかった菊人形のようなものだな。

新しい技術でもういちど撮りたかったのかな。

ただ一点、富司さんの名演にうならされた

でも、もっといい作品で力を発揮して欲しいな。
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