おすすめ度 ☆☆☆☆ (劇場鑑賞)
黒人たちの不満が爆発して起こった1967年のデトロイト暴動と、その暴動の最中に殺人にまで発展した白人警官による黒人たちへの不当な尋問の様子をリアリティを追求して描いた社会派実録ドラマ。
冒頭、奴隷制度から始まる黒人差別の経緯が語られる。
自動車産業の町デトロイト。だが、繁盛した産業の裏で、貧富の差別は拡大していた。
そして根底にある黒人差別。
町田氏によると、白人警官による、黒人への無法射殺は、現存し、いずれも裁判で無罪を勝ち得ていると。だから、この映画は、50年たった今をも告発している。
事件の緊迫感は、何もしていないのに、居合わせた黒人がおもちゃのピストルで威嚇したのをたてに、執拗に告白を求め、そのいけにえとして、一人また一人と射殺する理不尽さ。
監督と役者の絶妙なるタッグで、ホラー映画並みの怖さだ。
だが、そのあと、彼らの裁判が行われるが、明らかに黒人差別の判決が。日本人の感覚では唖然としか言いようがない。
ただ、アメリカでは、いまいち盛り上がっていない。やはり黒人差別がいまだに根にあるのか??
監督は、「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」のキャスリン・ビグロー。