ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「リベリアの白い血」、リベリアのゴム園で働く青年がアメリカでタクシードライバー!

2018-09-30 17:07:16 | 映画

おすすめ度 ☆☆☆

見知らぬ国の映画好き ☆☆☆☆

題名とパッケージから、アフリカの戦争映画と誤解した。アフリカの今を描いた痛烈な作品。

アメリカ、リベリア合作

日本人監督福永壮志作品。

リベリアは、アフリカ西部に位置し、1847年に独立したアフリカの黒人共和国。解放奴隷となったアメリカの黒人がアフリカに戻り建国した。近代アフリカで最も早い独立国であったが、第二次世界大戦後は経済の不振、内部対立で困難が続いている。

本映画は、ゴム園(題名の「白い血」は、ゴムの樹液のこと)で働く青年のアフリカでのストライキ騒動とアメリカへ移民してのタクシードライバーの現実を描く。

その労働環境の厳しさは、まさに底辺。

ゴム園では、原初的な労働。たん桶にゴム汁を入れ、天秤で二つの桶を担いで移動。

こんな世界があると知って驚く。

同時に収録されている『ノーツ・フロム・リベリア』。カメラマンの村上涼さんの作品が、この映画とダブるがこの現状を鋭く突いている。村上さんは、この映画の撮影中にマラリアで死去。

そして、ニューヨークでのタクシードライバー、生活、それぞれのエピソードが痛い。

内戦時の過去が暴かれて、


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「地下室のメロディー」、ジャンギャバン、アランドロン共演のカジノ強奪事件!

2018-09-30 13:29:39 | NHKプレミアムシネマ

おすすめ度 ☆☆☆★

フランス映画 1963年作品

大御所窃盗犯(ジャンギャバン)、刑を終えて出所。

新しい仕事を考えるが、もう若くない。刑務所で知り合った、若者(アランドロン)を仲間に入れ、カジノ強奪の計画を練る。

カジノに自由に出入りできるように、若者を説得、若者は早速、カジノで興行をしているバレエダンサーと懇意に。

今回のアランドロンは、手慣れたすけこましを演じている。

また、金庫室は、厳重な警戒、そこで、通風孔から潜入、エレベータに乗り込み、金庫室へ。

オーナーが、金庫室へ入る時を狙っての犯行。

もっぱら、犯行は若者任せで、親分は、濡れ手に粟。

だが、ラスト10分。

大捕り物の中で、堂々の金銭明け渡し。

豪華ホテルの、海岸よりのプールでの出来事。

プールを挟んで対峙する、親分と若者。

そして、ねたばれのカバン。

うろうろする刑事たち。

映像の切り替えと、人物の映り込みの微妙なカメラアングル。

バックの音楽は。

この緊張感。

この映画の真骨頂。

聞きなれた「地下室のメロディー」が心地よい。

 

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「ザ・シークレットマン」、ウォーターゲート事件の影の告発者!

2018-09-29 18:21:47 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆☆★

「ウォーターゲート事件」の全容と事件を内部告発したFBI副長官の姿を、リーアム・ニーソン主演で実話をもとに映画化したサスペンスドラマ。

1972年アメリカ大統領選挙戦さなかの6月17日、ニクソン再選委員会(共和党)の組織した一味(7名)が、民主党選挙対策本部のあるワシントンDCのウォーターゲート・ビルに侵入し、盗聴器を仕掛けようとしてその作業中にガードマンに発見されて未遂に終わり、逮捕されて起訴され、これが契機となって2年余にわたってアメリカ政界を大混乱に巻き込み、ついに74年8月9日、議会による事実上の弾劾直前になってニクソン大統領を辞任に追い込んだ事件。

「ウォーターゲート事件」の全容を白日の下に晒し「ディープ・スロート」と呼ばれた告発者がいた。その人こそFBI副長官マーク・フェルト。30年以上たってから、判明した。

このマークフェルトが、事件にかかわったいきさつを描いていく。

まず、FBI長官をめぐってのいきさつ、自分が長官になれると思っていたらしい。新しい長官代理に、時間制限を設けられ、新聞社に情報をリークする。

いっぽうで、娘の失踪事件があり、家庭面での悩みも描かれる。

アクションスター、リーアムニーソンが、渋い演技を見せてくれる。

題名からは、ウォーターゲイト事件を読み取れないが、日本ではあまり知られていない事件のせいか。


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「太陽はひとりぼっち」、モニカビッティとアランドロンの不毛の愛!

2018-09-29 12:45:08 | NHKプレミアムシネマ

おすすめ度 ☆☆☆

1962年作品 イタリア・フランス合作

『情事』(60)、『夜』(61)に続く、60年代アントニオーニ「愛の不毛三部作」の最後を飾る作品。

カンヌ映画祭審査員特別賞

「太陽がいっぱい」をもじった邦題。

モニカビッティ主演。

冒頭婚約者との破局シーン。室内のなにげないカット、屋外のアーティスチックな風景。ビッティの心はここにない。

母親が出入りする証券取引所。そこで働くアランドロン。てきぱきと働く好青年。

キューバ危機による株価大暴落で、証券業界は大わらわ。

そこで、ビッティは、ドロンと出会い、逢瀬を重ねていく。

モニカビッティのアンニュイな雰囲気が、この映画のテーマにピッタリ。

唯一気が置けるのは、アフリカの踊りのシーンか。

ドロンとの恋の駆け引き。

ラストは意味深な終わり方。

そして、不毛なシーンのカットバック。

まさに、アントニオーニの真骨頂。

モニカビッティの美しさが光る。

アランドロンは、そのツマにさえ思える。

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「きみの鳥はうたえる」、佐藤泰志原作の函館恋愛物語!

2018-09-28 18:32:11 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★ (劇場鑑賞)

函館郊外の書店で働く“僕”と、一緒に暮らす失業中の静雄、“僕”の同僚である佐知子の3人は、夜通し酒を飲み、踊り、笑い合う。微妙なバランスの中で成り立つ彼らの幸福な日々は、いつも終わりの予感とともにあった。

「Playback」などの新鋭・三宅唱監督作品。

僕を柄本佑、静雄を染谷将太、佐知子を石橋靜河が演じ、絶妙のアンサンブルを見せてくれる。

最初、僕と佐知子は、セックスをするが、佐知子は、勤め先の書店の店長と不倫関係にある。

佐知子が、僕の部屋へ遊びに来るようになり、静雄とも仲良くなる。

三人で、夜、街に出かけ、歌い、踊り、ビリヤードをし、酒を飲む。

そして夜明けの街。

原作者の佐藤は、函館出身。原作は、東京を描いているが、函館に変更、現代の姿だ。

私自身も、酔っぱらって、深夜に繰り出し、青春を謳歌した経験があるが、まさにそれ。

そして、「面倒くせえ」と思っていた僕が、真剣に佐知子を恋するようになる、成長物語でもある。

そもそも、お金がないのに、飲み歩くかとも思うが、この何とも言えない雰囲気が、金をも吹き飛ばしてしまう。

まさにそんな青春を切り取った良作だ。

 

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「アクト・オブ・バイオレンス」、ブルースウイルスは出ているが!

2018-09-27 17:15:27 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆

人身売買を生業とする凶悪組織に立ち向かう捜査官たちの戦いを描いたクライムアクション。

婚約者ミアが何者かに誘拐されたローマンは、元軍人の兄デクランらとともにミアの行方を追い、彼女が巨大な人身売買組織の人質にされていることを知る。一方、人身売買の捜査を担当しているベテラン捜査官のエイヴリーも同じ組織にたどり着いていた。やがて、デクランの仲間であるブランドンの妻が組織に殺されてしまい、復讐を誓うデクランたちにエイヴリーも密かに協力し、組織を追い詰めていく。

退役軍人の3兄弟が、悪徳組織に果敢に戦いを挑むという話。

ブルースリーは、捜査官を演じ、主体の退役軍人の手助けをする役。

警察でもないのに、たくさん武器を持っているのが不思議。

まあ、アクションはそこそこの出来だが。

 

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「太陽がいっぱい」、アラン・ドロンの出世作!

2018-09-27 15:25:05 | NHKプレミアムシネマ

おすすめ度 ☆☆☆☆

1960年製作 フランス・イタリア合作

パトリシア・ハイスミスの原作小説を、巨匠ルネ・クレマン監督が映画化したサスペンスドラマ。

ルネ・クレマンといえば、「禁じられた遊び」や「居酒屋」などシリアスな映画で、知られるが、この「太陽がいっぱい」で、商業映画も撮るようになった。

舞台は、イタリア、アメリカから来た二人の青年。一人は富豪の息子、一人は貧乏青年。

前半、この二人の対比が徹底して描かれ、貧乏青年の殺意が醸し出される。

富豪の息子には愛人がいて、これがその差を助長する。

ヨットに乗って出かけた3人。富豪青年は、恋人との逢瀬に邪魔とばかりに、貧乏青年を、小舟に乗せ、漂流させる。

前半、30分くらい、意外と早く第一の殺人が起きる。

後半は、貧乏青年が、富豪青年になりすまし、金を横取り、恋人も手に入れる。その計画のため、いろいろ奔走する。

富豪青年の友人に見つかり、第二の殺人へ。

今では考えられないちゃちな方法によるパスポートの偽装など、今から見ると粗が目立つが。

貧乏青年を、アランドロンが演じ、この映画で一躍有名となる。相手役は、モーリス・ロネ。

確かに、裸のシーンも多く、かっこいい。

クレマンの演出も的確で、音楽や背景の美しさに支えられ、上出来の作品となっている。

全編、イタリアロケで、イタリアの良さも十分。

サスペンスの盛り上げもきっちり。

肝心の場面の描写(カット割りなど)のすばらしさ。映画の神様クレマンの面目躍如。

 

 

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「1987、ある闘いの真実」、韓国民主化闘争の実話を描いた社会派ドラマ。

2018-09-26 16:57:23 | 韓国映画

おすすめ度 ☆☆☆☆★ (劇場鑑賞)

第54回百想芸術大賞  大賞、脚本賞、主演男優賞、助演男優賞の4賞受賞。

1987年、韓国で実際に起きた「6月民主抗争」を映画化。警察で調査中のとある学生が死亡するも、警察は隠蔽工作を続け…。皆が熱かった1987年の話。

まさに。韓国が、命を懸けて勝ち取った民主化。それをドラマ化した見事な作品。

前半は、尋問中に亡くなった学生の死因を隠ぺいする当局とこれを暴こうとする検事側の、まさに迫真のドラマ。ドキュメンタリータッチで淡々と描かれる。

後半は、刑務所の係官が、事件の実態を知り、それを外部に漏らす、まさにミステリアスサスペンス。

当時の状況を念入りに調査、当時とそっくりのセットを作り、迫真力を高めている。

配役陣も、役者がそろっており、まさに大作。

民衆の手で、直接選挙を勝ち取った民衆の勝利。

ただ、韓国でも、この詳細は知らされていなかったようだ。その意味でもこの映画の持つ意味は大きい。

ラスト、刑務所係官の姪が、恋人を亡くし、敢然と立ちあがる姿は、涙を誘う。

エンドロールで、当時の写真が流れ、ああこれってホントにあったんだなと納得。


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「寝ても覚めても」、そっくりの二人の男性に恋をする女!

2018-09-25 17:56:53 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★ (劇場鑑賞)

日本・フランス合作

原作は、芥川賞作家・柴崎友香の同名恋愛小説。

大阪に暮らす21歳の朝子は、麦(ばく)と出会い、運命的な恋に落ちるが、ある日、麦は朝子の前から忽然と姿を消す。2年後、大阪から東京に引っ越した朝子は麦とそっくりな顔の亮平と出会う。麦のことを忘れることができない朝子は亮平を避けようとするが、そんな朝子に亮平は好意を抱く。そして、朝子も戸惑いながらも亮平に惹かれていく。

ありえない設定だが、濱口竜介監督は、丁寧に感情を描いていく。

そして、東日本大震災がからんでくる。良平と朝子は、ボランティアで参加。

そんな、朝子が、ある日、モデルとして活躍している麦に出会ってしまう。

そして、北海道へ行こうと誘われ、一緒にドライブ。

瓜二つの男に、翻弄される朝子。

突然の行動に出る麦と朝子。

揺れ動く恋心。

不可思議な人の心を、せつなく描く傑作。

だが、二人の男を演じる東出の大阪弁のぎこちなさが、最後まで、気になって、残念。

朝子を唐田エリカが好演。



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「ニキータ」、リュックベンソン、出世作!

2018-09-24 17:11:22 | NHKプレミアムシネマ

おすすめ度 ☆☆☆★

1990年作品 フランス映画

警官を射殺して捕らえられた麻薬中毒の少女ニキータは、政府の秘密機関に属する暗殺者になることを迫られる。3年後、特訓の末にプロの殺し屋になった彼女は恋に落ち、幸せな日々を望んで苦悩するのだった。

リュックベンソンの当時の妻だったアンヌ・パリロー主演。

殺し屋になったニキータだったが、育ててくれたボブにほのかな恋心を抱いていた。

そして、訓練を終え、フリーになったニキータは、スパーマーケットのレジ係のマルコと仲良くなり、指令とは言いながらベニスへ旅行して、ラブラブの気分だった。

だが、指令は厳しく、危うい場面もいっぱい。

女アサシンの危険な任務が、次々と描かれ、一方、アサシンには、美が必要と先輩(ジャンヌモロー)に教えられ、美しくなっていく。

成長していくニキータがとっても素敵で、リュックベンソンの原型がここにある。

ラストの大使館の襲撃事件では、ジャンレノンが無敵の殺し屋を演じていて、これがまた貫禄十分。(この後、ベンソンと「レオン」を撮っている。)

きびきびとしたアクションシーンと恋愛ムード、これは女性向かな。

ラストは意味深な終わり方。

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