ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「失くした体」、映像が織りなす人生賛歌!

2024-12-17 10:29:40 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆

Netflix 鑑賞

2019年・第72回カンヌ国際映画祭批評家週間でグランプリを受賞し、世界最大のアニメ映画祭である第43回アヌシー国際アニメーション映画祭でも最高賞のクリスタル賞と観客賞をダブル受賞、第92回アカデミー賞の長編アニメーション賞にノミネートもされるなど高い評価を獲得したフランス製長編アニメーション。

美しくユニークにアニメーションされたフランス映画。切り離された手が自分の体と再会しようとする物語で、パリを舞台にしながら喪失とアイデンティティのテーマを深く掘り下げている。

作品は、彼(手)の動きと共に、もう1人の彼(全身)ナウフェルの生活を映し出す。都会で孤独に暮らすビザ配達員のナウフェル、ひとりぼっちの彼が思い出すのは、子どもの頃、今は亡き両親との日々。ピアノを弾いたり、父から教わったハエの掴み方だったり、元気だった右手も映し出される。

そんな寂しいナウフェルは、ピザ配達に失敗した夜、彼はある女性に恋をする。インタフォン越しに話しただけの女の子に。ここでも研ぎ澄まされた感覚、聴覚がクローズアップされる。

 

 

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「ジェーンとシャルロット」、あなたのことをもっと知りたかった!

2024-11-30 17:06:41 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆

フランスの女優シャルロット・ゲンズブールが初監督を務め、母ジェーン・バーキンの真実に迫ったドキュメンタリー。

ジェーンは、2023年7月16日に亡くなっているから、その2年前の作品。

ジェーンといえば、全裸出演の映画が印象に残るが、この映画では、もう老年、随所に老いの影が。

ジェーンには、三人の夫にそれぞれ娘がいるが、この映画の監督ゲンスブールは、故セルジュ・ゲンズブールの娘。二女だ。

冒頭、日本が出てくるが、日本にも縁が。

シャルロットの父であり、ジェーンの夫だったセルジュが娘を溺愛したことは言うまでもないが、やはり世の母と娘とは少し異なる間柄だったことがやりとりからも分かる。

フランスらしい香りのする映画。

 

 

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「裸のマノン 解き放たれた愛欲のめざめ」、解き放たれた愛欲の目覚め!

2024-11-24 19:51:41 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆

劇場未公開

人前で裸になること、それは快感
めざめた愛欲は踊り続けるごとに膨れ上がっていく!

主人公はお店でレジのバイトをしていたのだが、つい興味を持ったのがストリップクラブ。
ほんの出来心でストリップクラブに入店。ここで働かせてと頼むもまずはショーを見てからといい見ることに。

際どい格好をした女性2人組が妖艶なダンスやセリフなどでショーを盛り上げる。そんなショーをみた主人公はここで働くことを決意。ストリップクラブのストリッパーになることにした。

若く美しいフランス人形のようなダンサーや、肉感あふれるダイナミックボディを売りにするダンサーから大人の色気をまき散らすベテランまで、さまざまなタイプの女性たち。そこでの交わされる会話からは、単なるガールズトークから客の奪い合いによる嫉妬、店外で稼げるといったなりふり構わぬ甘い誘い、彼女たちの夢、未来が垣間見える。その背景にある苦悩や喜びが本作のドラマを厚くし、フランス映画として存分に楽しめる。

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「モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由」、愛をめぐるそれぞれの理由!

2024-11-19 20:35:38 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆

恋愛映画好き ☆☆☆★

大人の男女の官能的な恋愛を描き、第68回カンヌ国際映画祭でエマニュエル・ベルコが女優賞を受賞、第41回セザール賞主要8部門にノミネートされたマイウェン監督作品。

男女どちらにも感情移入ができない不愉快でわがままな二人の恋愛話。それだけ主役のエマニュエルベルコとヴァンサンカッセルの演技が素晴らしい。カンヌ映画祭女優賞も頷ける。

大人の恋愛、出会っていい時を過ごして裏切られてでも離れられない10年間。

男と女が出会い、恋に落ち、そして結婚、子供ができたまではいい。その後がまあうまく進まない。そこからがまさに男と女、夫と妻の本当の戦い。全く平穏が訪れない。主人公の女はそれを望んでいるのに、相手の男はそんなことお構いなし。

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「ジュリア(s)」、あの時、あの場所で違う選択をしていたら!

2024-11-17 16:29:35 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆

ピアニストを目指す女性ジュリアの人生を、些細な選択の積み重ねによって分岐した4つの展開で描いたドラマ。

フランス・パリ。音楽学校に通うジュリアはラジオでベルリンの壁崩壊のニュースを聴き、寮を抜け出し現場に行ってみようと仲間を誘う。将来を嘱望され、子どもの頃からピアノ漬けのジュリアは、羽目を外してみたくてたまらなかったのだ。夜、親友と共に部屋を抜け出した彼女は…。この辺から平行世界が展開されていく。パスポートを部屋に忘れて取りに戻り先生に見つかってしまうジュリアと、仲間たち(好きな男子ナタンも一緒)と共に壁に座り喜びを分かち合い、壁の前で思いを込めてピアノを弾きスクープされるジュリア。ポールと出会ったジュリアと出会わなかったジュリア。コンクールで賞を勝ち取ったジュリアと、失敗したジュリア。ベルリンで暮らすジュリアと、パリで暮らすジュリア。結婚や出産をしたジュリアとしなかったジュリア…etc。無限に存在する分岐点と、その数だけ存在するたくさんのパラレルワールドが交互に現れる世界は、まるで万華鏡のようで飽きさせない。

例え今に満足できていない人にとっても、どんな人生でも捉え方によって輝けるはず、どの選択や決断でもそれが私やあなたなんだと、優しく肩を抱いてくれるような作品だ。

 

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「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」、ヴェルサイユ史上最大のスキャンダラスな愛!

2024-11-16 18:41:26 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆

18世紀フランスで59年間にわたり在位した国王ルイ15世の最後の公妾ジャンヌ・デュ・バリーの波乱に満ちた生涯を映画化。

フランス革命の断頭台に立ったルイ16世の祖父に当たるルイ15世の時代が舞台となる。この人は愛妾が数多く艶福家と知られる。徳川家斉的な王様。封建時代は領主の血統が第一なので、こうなると歯止めがきかない。子だねの大砲を撃つのだが、ナポレオン戦争の大砲よりましか。
そのルイ15世の晩年期の愛妾ジャンヌ・デュ・バリーのお話。ベルサイユの薔薇ばかりの中、しっかり頭角を現わすのだからただ者ではない。

鏡の回廊での謁見で王に気に入られたジャンヌを待っていた、床入り前のえげつないボディチェック、王に背を向けてはならないという決まりから宮殿の人々に義務付けられるユニークな後退り方、朝、目覚めたばかりの王を待っていた健康診断と列をなす多くの訪問者たち、等々。随所に登場する珍場面はまさに目から鱗だが、王の侍従や娘たちによる根強い差別や冷徹な視線をもろともせず、王の愛だけを信じて自由奔放に突っ走るジャンヌ自身が、物凄い牽引力で物語を引っ張っていく。

ジャンヌ・デュ・バリーを演じるのは、監督その人・俳優マイウェン。

一方、ルイ16世を演じるのは、ジョニー・デップ、フランス語を駆使、渋い。

 

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「ロマンスX」、誰かに抱かれながらあなたを想う!

2024-10-19 20:06:01 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆

Unext鑑賞  1998年製作

主人公と交際はすれども愛の交わり拒むイケメンモデルの彼。

そんな彼を愛してしまったが為に苦悩する主人公。肉欲を解消するべく夜の街を彷徨。

行きずりの男達と肌を重ねはするものの、心には虚しさが…。

特に、暗い闇に青みを帯びた光が僅に射すモノ・トーンに染まる寝室の場面がよい。

彼女の空想に上半身と下半身を壁で遮った娼館が出てくる。下半身は獣欲で満たされ、上半身の部屋では恋人に髪を撫でられる風景。愛と性を分断して考える女性の心理を象徴している場面だ。

ある晩、帰宅したマリーをポールは珍しく抱き寄せるが、マリーのひと言に激怒し、彼女を殴り倒す。だがマリーは、その夜ポールの子を妊娠し、出産を決意。最初は妊娠を喜んだポールだが、やがて荒れていき、陣痛が始まった朝も酔いつぶれて起きない。マリーは、家を出る前にガス栓を次々に開いていく。そして病院で出産。同じ頃、ポールは自宅で爆死してしまうのだった。

 

 

 

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「不実な女と官能詩人」、あいから逃れ、情欲に溺れ、また愛に囚われる!

2024-10-03 15:51:33 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆

官能映画好き ☆☆☆★

Unext鑑賞  2019年製作 R18+

生涯で2500人以上の女性と関係を持ったと言われ、死後に自身が撮影したと思われる大量のポルノ写真が発見されたフランス象徴主義の詩人ピエール・ルイスと、写真のモデルの1人となった親友の妻との関係を官能的に描いたドラマ。

19世紀、パリ。詩人ジョゼ・マリア・ド・エレディアの次女マリー(ノエミ・メルラン)は気鋭の詩人ピエール・ルイス(ニールス・シュネデール)と恋仲にあったが、金銭的な理由から両親はマリーをピエールの親友で貴族出身の詩人アンリ・ド・レニエ(バンジャマン・ラヴェルネ)と結婚させることを決めてしまう。ピエールは打ちひしがれ、アルジェリアに渡ると、女性の痴態や官能美を写真に収め続け、退廃的な暮らしを送るように。

女性が不自由な時代に自由に生きたいと願った一人の人間の人生の記録を、見事に官能の物語として結実させている。

ノエミ・メルランの裸体美。

写真家の恋人がその裸体を撮るとともに欲情する。

夫はそっちのけの不倫だが、夫も公認。

三姉妹も、カメラの餌食に。

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「倦怠」、いやになり怠けること、退屈!

2024-09-27 15:21:17 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆

Unext 鑑賞  1998年製作 R18+  劇場未公開

17歳の少女に溺れる中年教授を描く官能ドラマ。イタリアの人気作家、アルベルト・モラヴィアの原作小説をフランスの若手監督、セドリック・カーンが映像化。出演はシャルル・ベルリング、ソフィー・ギルマンほか。生々しいセックスシーン。

哲学教授マルタンは、執筆の仕事が進まない上、妻とは別居中。公私ともに疲れ果てていた。そんな時、17歳の少女セシリアに出会う。特別美しいわけでもないが、奇妙な魅力のある彼女にたちまち惹かれていくマルタン。やがて、つれないセシリアの官能に溺れて苦悩に苛まれ…。

インテリ中年が不毛な恋愛に転がり落ちていく様を固唾を飲んで見守る。

「ただの興味」だった対象が、彼の中で欠くことのできないものに変わっていく。彼は自分を抑えられなくなっていく。男の感情って暴走を始めたら、こうもなってしまうのだろうか。彼の行動は常軌を逸しているけれど、心のどこかで彼の行動を「そうだろなぁ」と理解できている自分がいることに気づいた。

 

 

 

 

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「プロヴァンスの休日」、幸せに出会えたあの夏を忘れない!

2024-09-13 15:41:19 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆☆★

NHK BS プレミアム 鑑賞   2014年製作

プロヴァンス。そこは、人生の楽しみを教えてくれる場所。南フランスのプロヴァンスで、頑固な祖父と過ごした3兄妹弟のひと夏の物語!

田舎で油の木を栽培する祖父は、母親と仲違いしたのもうなずける程頑固で、孫にも興味を示さず。
都会のパリから会ったこともない祖父母に預けられた思春期の兄妹は、事ある毎に生意気な口を聞き祖父に反抗。
そんな中で、そのいざこざに巻き込まれない耳の聞こえない末っ子の弟がまず祖父と打ち解ける。
ふざけて勝手に兄が登録したSNSを見て、祖父母の昔のワイルドなツーリング仲間が家を訪れ、祖父母の昔を知るうちに、次第に兄も祖父に心を開くように。
過去の苦しみからアルコール依存症に悩む祖父も、孫達との交流を機に、依存症の治療に前向きになる。

プロヴァンスの美しい田舎の風景と、頑固なジャン・レノやお洒落で優しい祖母、末っ子のテオを始め孫達もみんな可愛らしくてgood。
最後に仲違いきたままの母親の手を引いて祖父のところに連れていくテオの可愛いこと。

 

 

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