ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件」、明日私が殺される!

2024-03-08 16:54:16 | フィリッピン映画

おすすめ度 ☆☆☆

Unext鑑賞  2012年製作  R15+

フランス・フィリピン・ドイツ・イギリス合作

フィリピンで実際に起きたイスラム過激派による誘拐人質事件をドキュメント風に追ったサスペンスドラマ。やはりフィリピンの暗部をスリラー色濃厚に描き出した「キナタイ」を撮ったブリランテ・メンドーサが監督。

2001年5月、フィリピン南部のリゾート地が武装グループの襲撃を受け、外国人を含む21人が拉致される。その様子を臨場感たっぷりに描き出す手腕はさすが。襲われる人々の恐怖に顔が引きつる様子もリアルだ。

だが、2時間、ドキュメントタッチで魅せられると??

資金稼ぎのために人質をたてに身代金を要求するというのが彼らの狙い。映画はもちろん彼らの非道ぶりも克明に描いているが、それと同等ぐらいにあるいはそれ以上に政府の対応や軍隊の救出活動のまずさをも描いている。それ以外にも武装集団と呼ばれる自警団ふうの組織も追いかけてくる。

過激派らに同行させられる人質たちは、彼らから容赦なく銃撃を食らう。一方逃避行は長期に渡り、その間嫌でも過激派と顔を突き合わせているうちに仲間意識のようなものも芽生えたりする。その辺をフランス人NGO職員、テレーズ(イザベル・ユペール)の視点で捉えることで、西洋人(キリスト教文化)と東洋人(イスラム文化)との対立構造として浮かび上がらせている。

やがて9月11日、アメリカで同時多発テロが発生し……。

 

 

 

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「売られた女 セックスの代償」、母親に支配され体を売る女!

2023-12-14 20:21:19 | フィリッピン映画

おすすめ度 ☆☆

官能映画好き ☆☆★

劇場未公開  

Unext で鑑賞

フィリピン発の官能サスペンススリラー。

売春で生計を立てる女性と、娘を売り飛ばした狂気の銭ゲバ母親の愛憎を描いた、エロティック・スリラー。

母親・ノラの支配下で、幼い頃からエスコート嬢として働かされているエリス。そんなある日、ノラはエリスのために殺人を犯した。ふたりだけの秘密は、母娘をより固く暗い鎖で繋ぎ止めることになり…。

ラストで驚異のネタばらし。

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「リプレイス 絡みあう欲望」

2023-12-02 20:50:25 | フィリッピン映画

おすすめ度 ☆☆★

官能映画 ☆☆☆

劇場未公開

Unext 鑑賞

国際的に高く評価されているフィリピン映画界の鬼才・ブリランテ・メンドーサ監督作。愛、友情、欲望を通して、複雑に絡み合う4人の若者の姿を、広大な自然の風景と共に、繊細なタッチで描いた官能ドラマ。

なかなかきれいな美人姉妹。のどかなフィリピンの農村風景。

ジェンは婚約者のジェームスと故郷・グマカに帰省した。幼馴染みのマリーとアルの結婚式に出席するためだ。久しぶりの再会に3人は喜ぶが、ジェームスはアルがジェンの元恋人だと知って嫉妬する。しかしジェンにはもう一つ、彼に隠している秘密があって…。

2組のカップルはグマカの大自然の中でお互いを見せつけあうように、激しく欲望を解き放ち、快楽の泉に溺れていく…。渓谷でのラブシーンは美しい。

 

 

 

 

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「立ち去った女」、女は帰ってきた、驚愕の3時間48分!

2023-06-24 16:56:35 | フィリッピン映画

おすすめ度 ☆☆☆

問題提起のある良作だが、何しろ長い。3時間48分。長尺映画二本分。

各国の映画祭で高い評価を受けるフィリピンの鬼才ラブ・ディアス監督が第73回ベネチア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)を受賞した作品。

クローズアップや説明的な描写を排除し、フォーカスもコントラストも鮮明なモノクロのヴィジュアルは、とりわけ夜間シーンに絶大な魔力的効果を発揮する。

殺人の罪で30年間投獄されていた無実の女ホラシアが出所した。事件の真の黒幕で、彼女を陥れたかつての恋人ロドリゴに復讐するため、ホラシアは孤独な旅に出る。そんな彼女の前に、困っている者、弱い者たちが現れる。貧しい卵売りの男、物乞いの女、心と身体に傷を抱えた謎の女、彼らに手を差し伸べ、惜しみなく愛を注ぐホラシア。そんな彼女を慕う者たちの助けにより、ホラシアは復讐のターゲットとの距離を次第に縮めていく。

フィリッピンで誘拐事件が多発した1997年を起点とする本作は、無実が証明されて出所した元教師の主人公ホラシアが、かつての自宅に立ち寄ったのち、憎き元恋人ロドリゴが住む街へとたどり着くまでを、厳密な固定カメラの長回しショットを連ねて映し出す。

ゲイや障碍者といった社会のメインストリームから零れ落ちた人々の苦境をリアリスティックに表出し、冤罪によって一家離散に追い込まれてしまった女の禍々しくもあり、哀しくももある行動をミステリアスに紡いだ作品。

ラストは、行方不明の息子を探すビラに埋もれてさまよう。

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「義足のボクサー GENSAN PUNCH」、義足のボクサー、フィリピンで挑戦!

2022-12-23 17:14:13 | フィリッピン映画

おすすめ度 ☆☆☆

ボクシング映画好き ☆☆☆★

フィリピン・日本合作

フィリピンの名匠ブリランテ・メンドーサが、プロボクサーを目指して日本からフィリピンに渡った青年の実話を基に描いたヒューマンドラマ。

沖縄で母親と2人で暮らす津山尚生(なお)は、プロボクサーになる夢を抱いているが、幼少期に右膝から下を失い、義足であることことから、日本ではプロライセンスが取得できない。夢をあきらめきれない尚生は、フィリピンへ渡ることを決意。そこではプロを目指すボクサーたちの大会で3戦全勝すればプロライセンスを取得でき、さらに義足の尚生でも毎試合前にメディカルチェックを受ければ、ほかの者と同じ条件で挑戦できる。尚生はトレーナーのルディとともに、慣れない異国の地で夢への第一歩を踏み出す。

地味だが、実話がベースなので、説得力がある。

フィリッピンのボクシング事情がよくわかる。

ハンデがあるにもかかわらず。果敢に挑戦する姿は感動ものだ。

 

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「ダイ・ビューティフル」、トランスジェンダの突然の死、日替わりのメイク!

2021-01-10 13:59:59 | フィリッピン映画

おすすめ度 ☆☆☆

「ミスコンの女王」と称されたトランスジェンダーのトリシャ・エチェバリアの人生を笑いと涙を交えて描き、2016年・第29回東京国際映画祭のコンペティション部門で最優秀男優賞(パオロ・バレステロス)および観客賞を受賞したフィリピン映画。

フィリッピンは、トランスジェンダには比較的寛容な国。

そのため、この映画の主人公のように、死んでも、7日間、異なったメイクをして供養するという不思議な行いが。

出演する俳優たちは、トランスジェンダーではないらしいが、みなとってもきれい。

まあ、こういう、異なった風習の映画は、興味をそそられる。

時間が行ったり来たりするのでちょっと戸惑うが慣れると何とか。

 

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「アサルト 狙撃兵」、フィリッピン産スナイパー列伝!

2020-11-28 19:13:35 | フィリッピン映画

おすすめ度 ☆☆

戦争映画好き ☆☆★

フィリピン軍&国家警察特別部隊の全面協力で描かれる本格派アーマード・アクション!

狙撃の一点に絞られて描かれているので、結構楽しめる。

おまけに、75分と手ごろな時間。

フィリピン軍特殊部隊の隊長として多くの部下に慕われているアベル。ある日、部隊にジャングルに潜むテロ組織掃討命令が下される。困難を極める作戦はアベルを隊長とする精鋭部隊の活躍で見事に成功した。


数日後、部下の家族との洗礼式の場で、何者かが仕掛けた爆弾が炸裂。アベルは偶然にも爆破を逃れるが、部下とその家族を含む多くの命が奪われてしまう。

さらに、家族にまで、手が及んで、一人奮闘する。

狙撃シーンは堪能できる。

ただ、配役陣は、見慣れぬ顔ばかり。

 

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「立ち去った女」、ベネチア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)受賞作!

2018-06-28 16:12:39 | フィリッピン映画

おすすめ度 ☆☆☆

228分(約4時間)の作品。途中の中休みなし。仕方なくDVDを待ちやっと鑑賞。

鑑賞に3日かける。

アクションとか、恋愛とか、いわゆる娯楽映画ではないので、覚悟が必要。

だが、映画マニアにとっては、美しくも徹底的な長回しと、蠱惑的なロングショット。動かない白黒画面にいつしか吸い寄せられてしまう。

殺人の罪で30年間投獄されていた無実の女ホラシアが出所した。

彼女を陥れたかつての恋人ロドリゴに復讐するため、彼のいる島へたどりつく。

物乞いの女やアヒルの卵を売る男、心身に傷を抱える謎の女ら生きることに疲れている人たちが現れる。

彼女は、彼らにやさしく接する。

子供たちに読み聞かせる物語や詩、歌、それらが、生きる、神と結びつき。

一方、金持ちになったロドリゴも、悩み牧師に悩みを聞いてもらおうとする。

心身をズタズタにされたゲイの男ホランダ。彼女突然日本語を使いだす。フィリピンも意外と日本と近い。彼女(彼)をやさしく受け入れるホラシア。

そして、意味深なラスト。

見終わった後のずっしり感は、もう一度見てみたい気を起こさせる。

監督ラブ・ディアス、主演チャロ・サントス・コンシオ。

 


 

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