ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「笑いのカイブツ」、あの頃何かになりたかったすべての人へ!

2024-12-18 21:29:01 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆

あの頃何かになりたかった人 ☆☆☆★

「伝説のハガキ職人」として知られるツチヤタカユキの同名私小説を原作に、笑いにとり憑かれた男の純粋で激烈な半生を描いた人間ドラマ。

何をするにも不器用。人間関係も不得意なツチヤタカユキの生きがいは、「レジェンド」になるためにテレビの大喜利番組にネタを投稿すること。5秒に1本。狂ったように毎日ネタを考え続けて6年。その実力が認められ、念願叶ってお笑い劇場の作家見習いになる。しかし、笑いだけを追求し、他者と交わらずに常識から逸脱した行動をとり続けるツチヤは周囲から理解されず、志半ばで劇場を去ることになる。自暴自棄になりながらも笑いを諦め切れずに、ラジオ番組にネタを投稿する“ハガキ職人”として再起をかけると、次第に注目を集め、尊敬する芸人・西寺から声が掛かる。ツチヤは構成作家を目指し、意を決して大阪から上京するが─。情熱や努力だけでは上手くいかない現実。不器用にしか生きられないもどかしさを抱えて傷だらけになりながらも、自分の信じる道を猛進するツチヤとその熱量に突き動かされていく人たち─。観る者の魂に突き刺さる、圧倒的な人間ドラマが誕生した。

いちおうそんな彼でも見捨てない西寺(仲野大賀)やピンク(菅田将暉)とか恋人(松本穂花)らの存在が映画では救いになっていた。人間嫌いではあっても全くの孤独ではない。家には呆れながらも迎えてくれる母(片岡礼子)もいる。だから死の淵から立ち戻れることができたのだと思う。

岡山天音が主演。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「52ヘルツのクジラたち」、その声はあなたに届く!

2024-12-17 19:34:30 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★

2021年本屋大賞を受賞した町田そのこの同名ベストセラー小説を、杉咲花主演で映画化したヒューマンドラマ。

タイトルの「52ヘルツのクジラ」とは、52ヘルツという「高い周波数」で鳴くため、その声を他のクジラには聞き取れず、「世界で1頭だけの孤独なクジラ」を意味している。
まさに、その境遇にある人間にフォーカスし、丁寧に人間模様を描き出していく作品。

東京から逃げるようにして海の見える家に越してきたキナコ(杉咲花)の視点で何らかの理由で孤独に追いやられた人々の苦しみが描写される。
前半はキナコの毒母とのエピソードを軸として、越してきた先で出会ったやはり母親から育児放棄された少年との交流がスケッチされる。自分の子どもに頼りきりでいてそのくせ暴力的な毒親が色濃く描かれている。

後半はまた別の苦しみが描かれる。自身のジェンダーに悩みを抱えているアン(志尊淳)のエピソードがそれ。キナコの回想として東京での紆余曲折が展開されていく。前半と比して後半のそのエピソードはいささか作り物めいていてドキュメント性さえ感じさせた前半とはだいぶ趣を異にする。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「映画 窓ぎわのトットちゃん」、君のこと忘れないよ!

2024-12-11 16:59:39 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★

黒柳徹子が自身の子ども時代をつづった世界的ベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」をアニメーション映画化。

落ち着きがないことを理由に、小学校を退学になってしまったトットちゃん。新しく通うことになったトモエ学園は、電車の教室がある一風かわった学校だった。独自の教育方針を持つ校長の小林先生は、出会ったばかりのトットちゃんに優しく語りかける。「君は、ほんとうは、いい子なんだよ」すべてが初めてだらけの、トットちゃんの元気いっぱいな日々が始まった……。

戦前から戦中へかけての時代。

トモエ学園では、プールがあって、生徒たちは全裸で水泳教室。

小児まひの青年と知り合いになり、木登りとか、お転婆のトットちゃん大活躍。

やがて、戦争になり、教室も壊されてしまう。奔放なトットちゃんも、戦争によって、翻弄されていく。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「正体」、信じる、君を。この世界を!

2024-12-09 17:04:09 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆☆ (劇場鑑賞) 

骨折依頼初めての劇場鑑賞、楽しくみられた。

染井為人の同名ベストセラー小説を、横浜流星の主演、「新聞記者」「余命10年」の藤井道人監督のメガホンで映画化したサスペンスドラマ。

死刑囚鏑木慶一(横浜流星)は自傷行為で救急車に乗せられ病院へ移送されていたが、中で暴れ裸足のまま雪の舞う道路を走り去る。警察史上最大の汚点となり、捜査一課長の又貫(山田孝之)は
刑事部長の川田(松重豊)から厳しい叱責を受ける。

逃亡先で、父淳二の痴漢冤罪と闘っている沙耶香と接触し、危うく捕まるところを逃がしてもらう。

鏑木慶一は、無罪を勝ち取るため、失踪し、唯一の証言者に近ずく。

そして、雪深い介護福祉施設で、証言者に迫る。

冤罪事件の被害者と加害者である刑事との意外な接点。

横浜と山田の演技合戦も見もの。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ゴールデンカムイ」、猛きものたちよ、奪い合え!

2024-12-06 17:07:01 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★

“週刊ヤングジャンプ”誌で連載された、野田サトルによる超人気コミックを実写映像化するプロジェクトの第1作。

舞台は気高き北の大地・北海道、時代は、激動の明治末期―。

冒頭の日露戦争での二〇三高地の戦闘シーンから、俯瞰のショットで全体像を映し出すなど、邦画レベルを凌駕。ロシア機関銃攻撃に対し、闇雲に突撃を繰り返させられる消耗品としての兵士たちの理不尽さが伝わってくる。ロシアの小箱みたいな手榴弾をはじめてみたが、あれは史実なんだろうか。ともかく、主人公杉元(山﨑賢人)の驚異的な強さ、生命力を印象付けるのに二〇三高地は格好の舞台になっている。

その鬼神のごとき戦いぶりに「不死身の杉元」と異名を付けられた元軍人・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく、北海道で砂金採りに明け暮れていた。 そこで杉元は、アイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。
金塊を奪った男「のっぺら坊」は、捕まる直前に金塊をとある場所に隠し、そのありかを記した刺青を24人の囚人の身体に彫り、彼らを脱獄させた。

その後のアシリパとの出会い、ヒグマとの死闘、さらに金塊を巡って次々と猛者どもが乗り込んでくる展開も、ほぼ原作通り。決してダイジェスト版のような忙しなさでなく、しっかり入念に印象を刻みながら進んでくれるのが嬉しい。

山崎賢人が杉元、「彼女が好きなものは」の山田杏奈がアシリパを演じ、眞栄田郷敦、工藤阿須加、玉木宏、舘ひろしら豪華キャストが個性豊かなキャラクターたちを演じる。

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「からかい上手の高木さん」、西片ただいま!

2024-12-05 16:55:16 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★

アニメ版も話題を集めた山本崇一朗の人気コミック「からかい上手の高木さん」を、「愛がなんだ」「街の上で」の今泉力哉監督のメガホンで実写映画化。

中学時代の淡い初恋が10年後に再会して恋に結実する男女の物語。

からかいすなわち初恋。

からかうことで恋心を伝えようとする女の子のなんと可愛らしいことか。そんな乙女心を理解できない、これまたうぶな男の子は、本気でからかいかえすことに執着する。
こういう、めんどくさい恋物語を今泉監督が手を抜かずに描く。

「西片、ただいま。」
母校で体育教師として奮闘する西片の前に、高木さんが教育実習生として突然、現れたのだった!
10年ぶりに再会した二人の、止まっていた時間と、止まっていた「からかい」の日々が、再び動き出す―。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「変な家」、あなたはこの家の間取りの異常さがわかりますか!

2024-12-04 16:37:51 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆

違和感だらけの“変”な間取りの裏に隠された驚きの真実に迫る展開で話題を集めたYouTube動画をもとに、動画制作者・雨穴が自ら物語の続きを加筆して書籍化したベストセラー小説「変な家」を映画化。

この家、何かが、変、ですよね? 
間取りには、必ず作った人の意図が存在する。 
そこには、むやみに触れてはいけない人間の闇が見えることも・・・ 
“雨男”の名前で活動する、オカルト専門の動画クリエイター・雨宮(間宮祥太朗)は、 マネージャーから、引越し予定 の一軒家の間取りが“変”だと相談を受ける。そこで雨 宮は、自身のオカルトネタの提供者である、ミステリー愛好家の 変人設計士・栗原さん (佐藤二朗)にこの間取りの不可解な点について意見を聞いてみることに…。次々と浮か び上がる奇妙な“違和感”に、栗原さんはある恐ろしい仮説を導き出す…。 

心霊の類ではなく土着的な縛りから起こる惨劇。救いがない・・・。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「レディ加賀」、新たな夢に向かって踏み鳴らせ、おもてなしのリズム!

2024-11-29 19:49:26 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆

石川県の加賀温泉を盛り上げるために結成された旅館の女将たちによるプロモーションチーム「レディー・カガ」から着想を得た、ダンスで温泉街を盛り上げる女将たちの姿を描いた小芝風花主演のドラマ。

能登地震、水害と、不幸続きの石川県。加賀温泉を盛り立てようとの頑張り映画。

タップダンスを選んだのは、フラガールの向こうを張ったのか。

温泉街だけに、和風でのタップダンス。お見事。

主演の小芝風花、タップの名手かと思ったら、まったくの素人。でもこの踊りができるなんて、天才だね。

ただ、タップ以外は盛り上がりに欠ける残念な出来。

でも、日本映画にはミュージカル風が少ないだけに、頑張ったなと。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「愛しきソナ」、ヤンヨンヒ、家族の肖像!

2024-11-29 09:18:07 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆

ドキュメンタリー好き ☆☆☆★

Unext 鑑賞  2009年製作  韓国・日本合作

在日2世のヤン・ヨンヒ監督によるドキュメンタリー。

「ディア・ピョンヤン」と「かぞくのくに」も見てるけど、ヤンヨンヒ監督はあくまでも半径1メートルの範囲で映画制作を続けてる。それはこの人の持つ立派な作家性である。

帰国事業により1970年代に北朝鮮に移住したヤン監督の3人の兄と姪のソナにフォーカスをあて、日本と北朝鮮という近くて遠い2つの国をつなぐ家族の強いきずなと愛情を描く。

北朝鮮の当時の事情がクローズアップ・

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「シコふんじゃった。」、人肌脱いだ!

2024-11-27 19:42:12 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★

NHK BS プレミアム 鑑賞  1991年製作

楽して人生を乗り切ろうとする典型的現代学生、山本秋平は卒業単位と引き換えに廃部寸前の相撲部に入部させられ 試合に出場することになる。
しかし彼が足を踏み入れた相撲の世界には、それまで経験したことのなかった、熱く魅力的な何かがあったのだ!
やがて彼は試合に勝って相撲部を救うためだけでなく、自分自身のためにシコを踏み始める。

まず、相撲部へのリクルート作戦。

集まったメンバーはユニーク。デブのクリスチャン田中。イギリスからの留学生スマイリーは、まわしの下にパンツをはくぶざま、さらに女性も参加と。

伝統的な相撲と、民主主義の衝突。

最後は、スポ魂で勝利を。

がんばる姿やそれぞれの思い、そしてギャグ。気楽にも観られるし、熱くもなれる。時代が変わっても都度エンターテインしてくれる、周防監督の力作。

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする