ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「彼女は嘘を愛しすぎてる」、青木琴美の少女漫画の映画化

2013-12-31 18:08:17 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆
  少女漫画好き  ☆☆☆☆

売れっ子の音楽グループの前ベーシストで、作曲家のアキ。商業主義の音楽界にいや気が差し悩んでいた。

そんな彼が、いつも行く川辺で歌を口ずさんでいると、その歌を聞き惚れた一人の少女がいた。

お互いそれぞれの身分を隠して、付き合い始める。

ところが、その少女理子は、高校仲間とバンドを組んでおり、彼女は魅惑の歌声を持っていた。その声に聴きほれた、アキのグループのプロデューサーでもある高橋に認められ、バンドデビューすることに。

とまあ、音楽会の裏話と、恋物語がクロスした映画だ。

アキに扮するのは佐藤健。平坦な物語で,これを持たせるにはかなりの演技力を要するが、結構それなりに頑張っている。

理子を演じるのは、大原桜子、オーディションで発掘された。最初の純な女子高生が、歌姫に変わるまでを、結構うまく演じられている。

この映画は、音楽を通して恋愛も進んでいくのだが、音楽を亀田誠治氏が担当、これが成功している。

東京の風景も美しく、取り立てた起伏のない映画をそれなりに魅せているのは立派。

胸キュンにあこがれる世代には受けるかも
  
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「チャイルドコール 呼声」、息子をDVで亡くした母親を巡るサスペンスです。

2013-12-30 17:11:08 | 映画
おススメ度 ☆☆

サスペンス映画好き ☆☆☆

スェーデン映画、珍しい、なにか国家で予算が決まっていて自由には作れないらしい。

主演は「ミレニアム」のナオミラパス。不安げな母親像を好演。

ノルウェー、オスロ。主人公アナは8歳の息子アンデシュと、夫の暴力から逃れるため、保護監視プログラムのもと 郊外のアパートに引っ越してきた。

しかし、不安を覚えた母親は、チャイルドコールを購入。ある日、突然子供の悲鳴が、しかし息子は大丈夫。聞こえてくるのはどこからか?

電気店に行くと、混線することがあるとの説明を受ける。応対した店員は親切にしてくれる。

息子を学校に連れていくが、なぜか不可解な出来事が。

一方、電気店の店員は、末期がんの母親を抱えている。

主人公アナの主観映画で、ところどころで、人に見えないものが見えるなど、不可解が続く。

そしてラストには事件が、ある程度途中から結末が見えてくるが、それでも最後まで引き込まれる。

北欧らしい、寒々とした風景が余計気持ちを逆なでてくれる。

電気店員とのはかない逢瀬もあるが。

サスペンス好きでないとちょっと辛いかも。

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「プッシャー」、映画「ドライブ」の監督の処女作。

2013-12-29 16:41:00 | 映画
おススメ度 ☆☆
   サスペンス映画好き ☆☆☆

1997年デンマーク映画。

日本でも1999年に劇場公開されたが、今年4月DVD化。プッシャー2、プッシャー3のセットでも売られている。

プッシャーとは、麻薬密売人のこと。

コペンハーゲンの裏社会で生きている麻薬密売人が、警察に追いかけられ、麻薬を失ったせいで、莫大な借金を抱え込む。

親分に催促され、散々いたぶられる。

「ドライブ」の監督ニコラス・ウィンディング・レフィンの処女作。資金が潤沢でなく、屋外での手持ちカメラによる撮影のため、薄暗く画面は揺れに揺れる。そのため臨場感は十分。

親方のねちこい借金の取り立てに、這う這うの体で、資金繰りに走り回る。

一方で、恋人がおり、ラブロマンスでもある。

ただ、主人公に花はなく、まあ、安上がりでよくやっているという感じ。

私の見たDVDには、映画制作の裏話が一本のストーリーとして入っており、才能だけでは食っていけない映画界を痛烈に描いている。

この監督の資金繰りとプッシャーの借金問題が、オーバーラップされる。

デンマークといってもヨーロッパの一部なのだ。

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「きっとうまくいく」、学園生活のエピソードと今の学友

2013-12-28 19:52:06 | 映画
おススメ度 ☆☆☆

インド映画好き ☆☆☆☆

今年は、インド映画がたくさん公開されている。それも秀作ばかり。

この映画も、例にもれずなかなかの出来。

歌や踊りもありますがちょっと控えめ。

10年後会おうと約束した理系一流大学の学生3人。称して三馬鹿トリオ。その一人が行方不明となっていたのが、みつかり、なぜ行方不明となっていたかを探りに出かける。

この現代と過去の大学の寮生活とが交互に描かれ、謎が解かれていく。

学生三人、一人は、本当は動物好きで、カメラマンになりたいファルハーン、一人は、極貧家庭育ちでなんでも神頼みのラージュ。そして行方不明となっていたのは、破天荒で陽気なランチョー。

学生時代、超一流の大学に合格しても熾烈な就職戦線に勝つためには更なる勉強が必要だ。

しかし、三馬鹿トリオ中でも、ランチョーは天衣無縫。後の二人も彼のハチャメチャに付き合うのだ。

悪役になるのは学長と両親。なんとかみんなをよくしようと努力するのだが、生徒にとっては自由がない。そこでいろいろ考えて行動するのだ。

それが、学園ドラマものとして成功して、まったく青春グラビティなのである。

やや、行き過ぎたところや、お下品なところがあり注意が必要。

そして、ランチョーが結婚が決まっていた校長の娘と恋におち、色を添える。

なんといおうか、170分の長丁場を笑いとペーソスで、泣き笑いを取る演出は見事。

10年後の旅は、綺麗なインドの風景を満喫でき、こちらも楽しめる。

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「永遠の0」、百田尚樹原作の0戦の映画です。

2013-12-27 19:38:08 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆☆

特に若い人には見て欲しい意味で ☆☆☆☆☆

かなりの資料を丹念に調べて書き上げた百田尚樹の原作。これパクリだとの批評もありますが、それだけ、現実に即した映画です。

祖母が死んだことから、姉弟の祖父が実際の祖父ではなかったという話で、フリーライターの姉とともに、その真実を訪ね歩きます。

姉弟の祖父は、特攻隊で戦死していました。

だが、最初聞いて歩いた評判は、「臆病者」の一点張り。だが、それは、遺された妻と子に対する「生きて帰る」という誓いの裏返しだったのです。

そして、戦死した祖父の戦時中の物語が語られます。彼は一級の戦闘士で、数々の武勲をたてている英雄でした。

しかし、その英雄がなぜ、死を賭した特高を選んだのかが次の課題です。

実は、彼は、特攻に旅立つ若者たちの教育者だったのです。

自分が教えていることで、次々と死にゆく若者。その姿を身近で接した彼は、じょじょに自らのしていることに疑問をはさんでいったのだということでした。

安倍総理が靖国参拝で、各国から非難を浴びている現状。こんな現状だからこそ、もう一度戦争というものの恐ろしさを体感してもらえるいい機会だと思います。

途中、特攻はテロと一緒という、若者の意見が出てきます。表面的にはそうかもしれませんが、特攻で散った人たちの心情を顧みるいい機会だと思います。

戦闘場面も、最近の画像処理の巧みさとそれなりに金をかけたいい作品になっています。

特攻で死ぬ祖父の若かりし頃を演じる岡田准一をはじめ、いい役者がそろって映画を引き締めています。今更ながら、夏八木氏を亡くしたのは残念です。




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「ブランコニエベス」、スペイン版白雪姫

2013-12-26 17:56:22 | 映画
おススメ度 ☆☆☆
   スペイン好き ☆☆☆☆

スペイン映画。

「アーティスト」と同様、現代映画なのに「サイレント・白黒」映画。

そのハイキーな映像は、スペインの白黒によく映え、抜群のコントラスト、目鼻立ちの整ったスペイン顔にマッチ。そして、白雪姫ゆえのノアールな部分の赤が白黒で輝く。

題材は、闘牛士、常に危険と隣り合わせの商売。何気ない不吉な暗示が、ドラマを呼ぶ。

天才闘牛士は、六頭の牛を何なく処理し、最後の一頭、妻への挨拶に帽子を送るが、これが届かずぽたりと落ちる。


このような演出が随所に。

闘牛士の事故と妻の出産及び死亡。これらの出来事が次々と起こる前半は、ぐいぐいと引き込まれる。

そして、白雪姫の物語へ。

母の死と父の不慮の事故で生まれた白雪姫。祖母に育てられるが、祖母も死に、継母の下へ。

そこで、一人目の女に成長する。

だが、財産目当ての継母に、殺されるが、小人闘牛士に救われる。その後小人闘牛士団で頭角を現し人気闘牛士に。

まあ大筋白雪姫だが、同じでない部分もあり、それは見てのお楽しみ。

世界の童話白雪姫と闘牛士を組み合わせ、白黒サイレントで描き、謎の多いラストを用意した意欲作というべきか。

全編、フラメンコ満載でファンはたまらないだろう。

ただ、スペイン事情に疎い私にとっては、必ずしも良かったとは思わせてくはれなかった。

ブランカニエベスの闘牛姿はかっこいい。

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「悪人に平穏なし」、悪徳警官の追跡劇

2013-12-25 19:02:05 | 映画
おススメ度 ☆☆

スペイン映画。

2004年3月11日にマドリードで発生した同時爆破テロ事件がヒントに映画化された。

ただ、スペインの事情に詳しくない日本人にとって、いささか、難解な映画。

冒頭、あるバーで、酔っ払った客が、突然切れてピストルをぶっ放し、あっけなく3人が殺されてしまう。だが、この男、客でありながら、警察の標識を持っていた。

奥にいた一人の若造に逃げられてしまう。徹底的に証拠隠滅した悪徳警官。

この事件から、見失った男を追ううちに、麻薬とテロの組織が絡んでいた。

一方この事件を追う敏腕女判事と刑事。

バーで暴れた警官をホセ・コロナドが演じ、濃い髭ずらで、悪らしい貫録。好きになれない主人公だが、ラストにまた一大アクションがあって盛り上げる。

ただ、アクションといっても、派手な撃ち合いやカーチェイスはなく、その点ではおとなしめの映画だ。ただ、殺しの瞬発力は素晴らしい。

この悪徳警官の悪の根源の描写(なぜアル中で銃をぶっ放すのか)が薄くわかりづらい。さらに、テロ組織との関連も我々には分かりづらい。その辺がすっきりすれば面白い作品なのかも。
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「氷の処刑人」、妻と子を愛した殺人犯!

2013-12-24 16:20:00 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

京都では今公開です。

1960年代、妻と二人の娘と幸せな家庭を持った男ククリンスキーがいた。その男は殺人鬼アイスマンと呼ばれた。100人とも250人ともいわれる殺人を犯した男。

そんな実在の殺人鬼を描いた映画。

実際のククリンスキーはちょっと太めの男だが、映画では、マイケル・シャノンが演じ、無表情のかっこいい殺し屋を演出、家族を愛する男と非情な殺人鬼の二面を見事に演じ切っている。

冒頭、無表情なククリンスキーが、可愛い女性にプロポーズをする場面から。アニメの編集者だと名乗り、女性に近づいたククリンスキーは、無口で冷やかされるが、結局、一念が通じて結婚することに。

実際はポルノ映画に携わっていたが、ボスに度胸の良さを買われて殺し屋に。そのテストが、通りがかりの浮浪者を殺すこと、このシーンは、何気に近づき、隣に座ったかと思うと話しかけ突然射殺

いずれにしろ、その殺しの非情さと素早さ。確かにプロの仕業だ。


まあ全編、この調子で殺しが繰り返されるが、後半は殺し屋を外され、狂気を帯びてくるシーンが続く。

家族には、秘密を明かさないが、突然キレたり、行動が異常に。

アイスマンの異名は、死体を氷で処理し、殺人の日にちをごまかしたことから名づけられたという。

マイケルシャノンの怖さが異様に光った映画だ。



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「ゼログラビティ」、宇宙で投げ出された宇宙士の奮闘物語ですが!実に壮大!

2013-12-23 18:41:26 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆☆☆

いつもの伝で、2D字幕で見たのは、今回は失敗でした。

やはりぜひ3Dで、宇宙を堪能してください。もちろん、2Dでも十分楽しめますが?

出演者は二人、でも途中で男性はいなくなります。

演ずるは、サンドラブロック。かなりを肉体を使いますが、サンドラは、予め周到に準備したそうです。

何しろ、あの広い宇宙に一人放り出されるのですから。

あのたいそうなロケットではなく、宇宙服を着たまま、放り出されるるのかと思うと、ワクワクも吹っ飛びますよね。

ロープが絡まったり、ベルトが外れなかったり、これ予告編でも見れますよね。

なにしろ、重力はないし、空気はないし、思うように動けないのに、宇宙のゴミは突っ込んでくるのですから。

さすが、アメリカ、宇宙を研究し尽くして、それを再現。まあちゃちという言葉は見当たりません。

一難去って、また一難。91分と短いのですが。

宇宙船が次から次へとこわれまくるのですから。宇宙船のゴミもはた迷惑ですね。

サンドラの役は、もともと宇宙士が本業ではなく、未熟。ベテランの男性がうまく誘導して助けてくれるのだが、この男性をあのジョージクルーニーが演じます。低音の落ち着いた声がなんとも頼もしい限りです。

でも、途中で消えてしまい、最後はサンドラひとりになります。

幻覚があったり、間一髪の滑り込みがあったり、まあ映画らしいドラマもあって結構楽しめます。

ロシアの宇宙船が出てきたり、中国の宇宙船は中国語なのですが何とか使いこなします。

全く新しい宇宙映画として後世にも残るでしょう。



 
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「もらとりあむタマ子」、前田敦子のぐうだら女が見れます。

2013-12-22 17:29:59 | 日本映画

おススメ度 ☆☆☆
   AKB48ファン ☆☆☆☆

モラトリアムとは、広辞苑によると「人間が成長して、なお社会的義務の遂行を猶予される期間。また、その猶予にとどまろうとする心理状態」

タマ子、23歳。現在、無職。東京の大学を卒業して、父がひとり暮らしをする実家で、家事を手伝うこともなく、就職活動をすることもなく、ただ食べて、寝て、マンガを読む生活を送っている。

舞台は、甲府、父親は、甲府スポーツ店を営んでいる。この甲府スポーツ店は実在で、そこを借りて撮影されたらしい。

この映画は、取り立てて事件が起こるわけもない。ひたすら、ぐうたらタマ子と父親の日常である。

一応、父親は、何とかしろとは言うけれど、ぐうたらを大目に見ている。

タマ子に扮するのは、元AKB48の前田敦子。最近は映画にのめりこんで、だんだん役者らしくなってきた。でもこの映画は、素を要求している。それがまたいい味を出している。

一方の父親は、妻に逃げられた口。料理も自分で作り、洗濯もタマ子の下着も洗う。何ともやさしい父親だ。

まずこの親子に絡んでくるのが、写真屋の息子で小学生。恋人がいたりして、結構おませ。

でも後半までこの調子で、秋、冬、春、夏と一年が描かれます。

夏にはさらに進展が、それは父に見合いの話が持ち上がるのです。

そして、2人は動き出そうとするのですが?

この父子の情愛を、丁寧に描いて、共感を呼ぶ仕掛けを作るのは山下敦弘。

まあ、モラトリアムを経験した人や、その子供を持った人には、なるほどとうなずけるエピソードの数々。微笑ましい映画だ。

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