ひろの映画見たまま

映画にワクワク

クリントイーストウッドの「Jエドガー」、デカプリオが好演!

2012-01-31 16:39:12 | アメリカ映画
日本では、Jエドガーといってもピンとこない人もいるが、フーバーといえば、例のギャング映画などでもおなじみだ。

FBI連邦捜査局の前身から、局長となり、50年にわたりFBIひいてはアメリカの治安を背負ってきた大物の自伝映画だ。

デカプリオは青年から老年までを特殊メイクで見事に演じ分け、謎の多い私生活の部分をさらけ出した。

アメリカの歴史に詳しくないとちょっと混乱するが、一方で私生活に焦点が当てられ、演技陣もそちらに気が配られている。

もともと共産主義を排除しようと始まった連邦警察。リンドバークの息子の誘拐事件から、警察に任せておけないと、科学捜査の手法を取り入れ執念で事件を解決する。

大統領とも近く、秘密情報を入手して、大統領さえ怖がらせた。

一方で、結婚しなかった謎が残るが、母親の存在、秘書の存在、副長官との異常な関係。

物語は、自伝をライターに書かせる老年から始まるが、物語に入ると青年エドガーの精力的な活動。同じ人が演じているとは信じられないデカプリオの演技。

死に至るまでを迫力満点で描き切る。

イーストウッドの力量には感心する。
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NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 川島雄三の「真実一路」

2012-01-30 19:26:19 | 日本映画
1954年の作品。

ちょっと路傍の石と勘違いして、子供の話だと思ったが、

これ、大人の話なんだ。もちろん子供も出てきて重要な役割を担うが、大人の真実一路の話なのだ。

愛する男の子を産むため、気の沿わない相手と結婚。そして子供ができたとき別の男と駆け落ち。そんな女の物語なのだ。身勝手なようだが、それこそが真実だと言いたいのか?

でも映画の前半は、真実を告げられないまま、父親と娘、息子の3人家族。母は男の子の小さいときに死亡としていた。

だが、娘の見合いの相手が断ってきたことに端を発し、母親の存在とその真実が明らかに。

本当のことを言わないのも真実だという、話だ。

父の死から、母親が戻ってきても、うまく収まらないのが人生。

根底に母と子のこれは切っても切れない肉親の愛。一方で、ぐうだら亭主を支え続ける献身的な愛、それは男女の愛でもある。

その二つが交差して、何が真実なのかと問いかける映画だ。

一方で、愛する女に逃げられても、相手を理解しようとする男の真実。

冒頭に、北原白秋の「真実一路」の詩が書かれた墓碑。真実とはなんなのか。



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女性監督が撮った「カケラ」、女同士の恋!

2012-01-29 18:32:48 | 日本映画
2009年作品、今モテモテの満島ひかりが出ています。

奥田瑛二の長女安藤モモ子の監督作品。

普通の女子大生ハルと、生体を作るメディカルアーティスト、リコが出会い、恋をする物語。

細かいデテールがあったり、意味不明の行動があったり、傷つきやすい少女の人を好きになることでの成長を描く。

ちょっとおじさんには、ついていきがたい雰囲気があって、それが、海外で評判を呼んだり、同感する人も多いのだろう。

クリーニング屋の娘が、疑似生体を作る仕事をしていて、乳を亡くした中年女(かたせ梨乃)がからんできたり、執拗にハルを追っかけまわす。

一方、ハルは男友達もいるが、満たされず、リコに惹かれていく。

女二人が、描写では、レズともとれず、とりあえず好きになって、男とは別れてしまう。

大都会での、女の生き様が垣間見れる。

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イギリス映画「家庭の庭」、自己中おばさんの孤独!

2012-01-28 17:09:38 | イギリス映画
マイクリー監督のホームドラマ。春夏秋冬、4シーズンが描かれる。

心理カウンセラーの妻、地質学者の夫、お互いいたわりあう理想的な夫婦。

でも、実はこの映画の主人公は、妻と同じ病院の事務職の女。妻と仲良しで、ホームパーティにも招かれる。

彼女、典型的自己中で、結婚しては分かれる不幸タイプ。妻の家に来ては、まくしたてるように話し、発散している模様。

彼女は、夫婦の適齢期の息子(一回りほど年が違う)に色目を使い、接近する。

いっぽう、夫の友人がパーティに来たときは、年齢的に近いのに、近寄ろうとすると邪険に。

こんな、人間模様が繰り広げられ、ほろ苦いホームドラマになっている。

夫の兄も登場、夫婦と真逆でむつっとした近寄りがたい老人タイプ。

いろんなタイプが出てきて、それぞれが悩みを露呈し、それが意外と当てはまる人が多く、ほろりとさせられる。

地味だが、深みのある映画だ。

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NHK大型ドキュメンタリードラマ「開拓者たち」、満州に夢を求めた開拓者!

2012-01-26 16:52:32 | ドラマ
NHKBS大河ドラマ「開拓者たち」は、4回にわたって放送された。

29日には、第4回の再放送がある。

ドキュメンタリーとあるのは、実際に満州で苦労し、帰国後も苦労した実存の人たちがいた。ドラマは、その実話を脚色したものだが、ドラマの中に、その実存の人たちの証言が挿入される。

実話と、生存者の証言。この二つがあることによって、この異常なまでの稀有なドラマがより真実味を帯びて観る者の心を打つ。

ドラマは、役者が演じるのだが、役者も実話を見聞きすることで、迫真の演技が引き出されたといえるだろう。

一方で、生存者の存在が、ドラマを中断するという危険があるが、ドラマ自体が複雑な人間関係で成り立っているので、その切り替えでそんなに不都合ではない。

宮城県、貧しさゆえに人減らしのため、満州へ送られる。それも見知らぬ開拓者の妻として。

だが、第二次大戦も日本の敗戦で終わる。男たちは終戦間近、戦争に駆り出され、ソ連軍と戦う。

一方女たちは、終戦後徒歩での逃避行を強いられやっと帰国。だが、帰った村の人たちは冷たく、新たな開拓地を求めて那須に定住する。

だが、土地が農業に適さず、不作続き、新たに牧畜を始める。

開拓者たちの苦労は並大抵ではない。

一方、男たちも、収容所の生活を経て、裁判に。そして帰国。

途中亡くなったり、体を壊したり、満足な状態での帰国ではなかった。

しかし、開拓村の人々の団結はすばらしく、生き抜く力強さを教えてくれる。

忘れ去られようとする、大戦の傷跡。

素晴らしいドラマで、後世に伝えてくれよう。
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中上健次原作の映画化「軽蔑」、借金まみれ男とストリッパーの純愛!

2012-01-25 19:20:00 | 日本映画
この映画の評判は散々だ。

でも、借金まみれでありながら、必ず立ち直るという現代風若者と、惚れられた相手に徹底的に入れ込むストリッパー(ポールダンサー)のはかない恋の物語だ。

舞台は、新宿と和歌山新宮。

今でも古い因習の残る和歌山が、東京と対比され、東京では楽しく生きられる男女が、結局和歌山では生きられない皮肉。

町と村の対比は、ずいぶんとゆるんではきたが、いまだに残る古い風習。

そんな田舎で生きようとした二人は、結局行き着くところは?

その一つの表れは、男の祖父の愛人の存在。当時から、そういうモダンなところはあったのだ。

でも所詮それは、はぐれ者としての存在。

愛人が、若い男に夢を見るのはわかる。

最後、男は、いき詰まり、女を一人東京へ帰す。でも、女はあきらめられず男の元へ。

どうしようもない、男と女の情念。

それを描きたかったのだろうが?
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ソ連映画「アフガン」、ソ連が戦ったアフガン戦争!

2012-01-24 18:33:59 | 映画
2005年製作のソ連映画だ。日本劇場未公開。(高くて手が出なかったとか)

アフガニスタン紛争中の1988年1月7日から8日にかけて行われた3234高地を巡る戦いをもとにしている。イスラム武装勢力ムジャヒディンと対峙したソ連軍第345親衛空挺連隊第9中隊の兵士たちを、実話に基づき描いた作品だ。

意思に反して故郷から徴兵された若き兵士たち。過酷な訓練を積んで、数年後落下傘部隊とともに、敵地に降下、アラブ人と闘うという数奇な運命の男たちの物語。

ロシアも、このような軍隊での過酷な訓練と負け戦となる戦車戦を、正面切って描いた異色作だ。

ロシア軍が撮影に協力し、戦車やヘリコプターを動員した。

前半は、日本の軍隊に負けないぐらいの過酷な訓練の日々、(ただ、日本ほど陰惨ではない)

後半は、突然現れた戦車部隊に大慌ての末、援軍ももらえず散っていった若者たち。

戦争の悲惨さを執拗に描いている。

ソ連映画ゆえの重厚さはあるものの、総じてリアルで、戦闘シーンでの爆破画面も迫力がある。

珍しい映画に遭遇した。

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映画「ロボジー」、ロボットと爺様の絶妙な組み合わせ!

2012-01-23 17:10:46 | 日本映画
リアルスチールは、なかなか面白いロボット映画だが、日本では、ロボットに爺様が入るという奇抜な設定が映画を面白くしている。

爺様を演じるのは、五十嵐信次郎。実は、だれだっけと家で調べるまで分からなかった。ミッキーカーチスその人だ。実直真面目老人を見事に演じ、それがまた愛嬌にあふれている。これがこの映画の一つのポイント。

もう一つは、3人のロボット開発チームに扮する濱田岳、河合正悟、川島潤哉のノッポ、でぶ、ちびの絶妙なコンビ。

最後は、ロボットおタクに扮する吉高由里子、のぶっ飛び演技。

企業が、新製品開発で、まだ完成していない前に、デモするというケースはままあるが、ロボットに人間を入れるという裏技を使ってしまうこの三流企業。だが、世の中でブームを呼ぶと引き下がれなくなってしまうという現代の過酷さ。

大学で、講演会を開き、優秀な学生たちが次々ロボット工学を語り始めるあたり、テレビでのロボットコンクールなど、若者の人気を取り入れ、

一方で、老人ホームで、立ち位置を、もとめる老人の生き様と、

現代的な話題を巧みに組み合わせている。

ただ、いかんせん、これだけのテーマだけではいかにも迫力不足。笑と涙もはじけるまでにはいかない。
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韓国映画「わたしの愛、私のそばに」、ルーゲーリック病を患った男を愛した女!

2012-01-22 19:12:12 | 韓国映画
不治の病をテーマにした映画が多いが、この映画のルーゲーーリック病は、体が固まって、結局は数年で死ぬ運命にある。

その患者チョンウを愛してしまった女チス。女は離婚して父親の跡を継いだ葬儀屋だった。おくりびとの世界だ。

唯一の血縁母親を亡くした男は、葬儀で同級生のチスに出会う。

二人は愛し合い1年後結婚する。

しかし、病は進行する。

リハビリで快方に向かったと思ったが、突然倒れてしまう。

身体の自由が効かない。

そして、体重が減り、筋肉が委縮し、手足まで動かない。

目でパソコンを使ったりする。

献身的なチスも、仕事があり、いつも介護というわけにはいかない。

お互いのいら立ちが。

この肢体不自由人間との愛は、「キャタピラー」に通じる。

そして後半、病院生活となるが、そこでは、同じ病の人たちが。

そのエピソードが語られ、大変な病だと教えられる。

暗くなりがちな映画は、チスを演じるキムミョンミンの積極的な演技で救われる。

難病に取り組んだ映画は、韓国では評判を呼んだ。

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園子温監督「ヒミズ」、中学生男女のやりきれない出来事!

2012-01-21 16:19:40 | 日本映画
園監督は、油が回ったのか、昨年の2本に続いての力作。

今や日本映画をけん引する実力派作家だ。

漫画を原作にし、撮影を始めたときに東北大震災があり急きょ設定を変更。被災地の生々しい映像を映画の背景に据えた。

最近の園監督の作品は、性的画面と、バイオレンスというよりか血の映像が充満していたが、本作は、おとなしめだ、なにしろ中学生が主人公だ。

しかし、主人公二人の家庭は、崩壊しており、むしろ、子供たちを食い物にさえしている、

そして執拗なまでに主人公を追いこむ。

男は、父親はギャンブル好きで家出、帰ってきては金をせびる、息子が大事にする金すら巻き上げる、母親は、男とできてトンずら、残された少年は自ら生きるしかない。

さらに追い打ちをかけるのが父親の借金の催促、やくざがからむ。そして、父親から「お前はいらない人間だ」とはじかれる。

これでもかと追いつめられる展開。

一方、女は裕福な家庭だが、ここでも「おまえはいらない」とつまはじき。女は、男への献身愛に命をかける。でも男は、振り向かない、そして殴り合いの大喧嘩。

親からはじかれた子供が最後に見たものは?

カンヌで新人賞を得た染谷と二階堂。迫真の演技は心を打つ。



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