ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「青天の霹靂」、劇団ひとりの初監督作品です

2014-05-31 17:46:53 | 日本映画

おススメ度 ☆☆☆

劇団ひとり、自作の小説の映画化。

準主役も演じています。

35歳の場末のマジックバーで働くマジッシャン。金なし、恋人なしのしがない生活。でも、テレビのオーディションを受けそれなりの出来。

その返事待ちの時、警察から浮浪者の父親が死んだとの連絡が。

そして父の住いの河原で雷に打たれ、自分の生前にタイムスリップ。

これが、青天の霹靂だ(青く晴れた空に突然に起こる雷という意味で、思い掛けず起こる突発的事変)。

そして、たどり着いた浅草の演芸場。頼み込んでマジックショーをやることに。

スプーン曲げの芸で受ける。そこで助手についた悦子。実は彼女こそ母親だった。

のちに、父親と組んで、マジックショーをコンビですることに。(大泉と劇団ひとりの掛け合い漫才)

そして、明かされる出生の秘密。

物語は単純で、かつ、タイムスリップという仕掛け、マジッシャンという職業。

そして、母子物語が涙を誘う。

まあ、お膳立ては十分。

初監督としてはよくやっているといえるのでは。

主人公に大泉洋。母親に柴咲コウ。と役者もそろっている。

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「ぼくたちの家族」、母が末期の脳腫瘍を患って再生する家族の物語

2014-05-30 18:10:13 | 日本映画

おススメ度 ☆☆☆
 家族問題に興味のある方 ☆☆☆☆

早見和真が、実体験を基に記した小説を、「舟を編む」の石井監督が映画化。

東京郊外に住むサラリーマン家族。だが、父は、リストラで始めた事業に失敗借金を背負い込む。

母が、じょじょに、記憶障害となり、ために、静かにしていた家族の本音が暴露されることに。そして病院で末期の脳腫瘍と診断される。

一方、家に母が借りまくったサラ金の付けが。

長男夫婦に子供ができることになり、祝福すべきだが親の借金のため大変なことに。

前半は、こうして、よくないことの連続で、見るほうも暗い気持ちにさせられる。

父は、優柔不断。長男は、引きこもりの経験があるお悩みムード。次男はお気楽トンボで頼りにならない。

母の病気で、初めて、家族が崩壊の危機にあることが露呈する。

しかし、この映画、後半に前向き映画となって復活する。

この辺が、石井監督の面目躍如。

役者たち(父:長塚京三、母:原田美枝子、長男:妻夫木聡、次男:池松壮亮)の熱演が光って、盛り上げる。

東京近郊所帯の、一見どこにでもありそうな風景だ。

医者のセカンドオピニオンが、物語を救うが、現代の医療の在り方を示唆している。


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「野のなななのか」、大林宣彦監督の死生観ファンタジー

2014-05-29 15:32:17 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆
  大林ワールド好き ☆☆☆☆

大林監督は最近、インディーズデジタルムービーを撮り、商業映画と一線を画している。

2年前、「この空の花 長岡花火物語」で長岡を舞台に映画化。今回は炭鉱の町北海道芦別市を舞台に描く。

古物商、元町医者鈴木光男を主人公に映画は巡る。

題名の「なななのか」は、仏事の七七日、すなわち四十九日のことである。

92歳で他界した鈴木光男。その葬儀に家族たちが集まってくる。といっても、妹以外は、孫やひ孫だ。

死ぬまで生活を共にしてきた次男の娘カンナが、最期をみとったこともあり、芦別市を案内する一種ご当地映画でもある。

随所に大林ワールドが展開され、普通の映画を期待した向きには、いささか戸惑いを覚える作りだ。ファンタジーと言うか、生と死の世界が同時に展開したりする。

ましてや、終戦後のソ連の侵攻とか、原爆投下は北海道も視野に入っていたとか、前の戦争のあまり知られざる事実が語られたり、反戦色が強いので戸惑うかも。

だが、途中から現れる元看護婦の登場で、光男の恋物語が展開されロマンチックでもある。

2時間51分の長尺ものだけに、人によって、長いと感じるか短いと感じるか?

いずれにせよ、78歳にして、長尺のファンタジーを撮れる大林のエネルギーは素晴らしい。

登場人物も多く、それぞれを、ベテラン俳優が演じて、舞台を盛り上げる。
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「母なる復讐」、高校生の娘が強姦され、その復讐に立ち上がる母親

2014-05-28 18:31:57 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆☆

韓国で大ヒットした映画だという。

日本では、「未体験ゾーンの映画たち 2014」で上映後、DVD発売。

実話にもとづいた映画だ。

夫と離婚した母親、高校生の娘と再出発をした。

スイミングスクールで知り合った男性との交際もスタート。新しい人生が開けるはずだった。

転校した高校に通う娘。同級に心ときめかす男性がいた。

友人の制止もきかず、出会いをメールで送った。

だが、男性は、ほかに二人の高校生と共謀。

強姦したのだった。すっかり意気消沈した娘。

母親はすぐ、警察に知らせ、裁判に持ち込んだ。

しかし判決は、少年院観察と無罪だった。

少年法に守られて、罪が軽いのが韓国の現状だ。

さらに事件は発展し、母親の復讐が始まるのだったが。

犯罪映画の得意な韓国映画にしては、復讐という割には、えげつなさやオカルト度が少ない。実話の映画化とあって、物語自体は悲惨なのだが、描写自体はいたっておとなし目。

少年法の不備を突いた社会派映画なので、かなり暗い気分で終わることになるが。

映画自体は、トントンと進む。

韓国社会の悲劇とでもいおうか?
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「おしん」、橋田寿賀子の連続テレビ小説の映画化

2014-05-27 17:28:39 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆
  おしんファン ☆☆☆☆

あまりにも有名になったテレビドラマの映画化。

32話にわたる大ドラマを少女時代に絞って、展開。子役の濱田こねこの頑張りもあって、結構楽しませる出来になっている。お涙ちょうだいだけの映画ではない。

ただ、残念ながら、今の若い人にはそっぽを向かれたようだが。

明治40年山形県最上川の上流の寒村。当時村は貧しく、喰うものにも困り、娘は7歳で奉公に出された。

はじめは嫌がっていたが、母親が子をみごもり、冬の川につかり、子をおろそうとしたのを見て決心。

だが、奉公先では、徹底的にしごかれ、果てには盗人扱いをされ家出。冬の山奥で助けられ、そこにいた脱走兵の男に、文字などを教えられる。

脱走兵は軍によって射殺され、家に帰ることに、そして二度目の奉公。そこでは、人の気持ちのよくわかるおばあちゃんがいて、つらい奉公も、慰められる。

そこで、母親も働きに出ているのを知り、街で出会う。

最後は、再び自らの意志で奉公に出るおしんで終わる。

苦労話と誤解していたが、前半でかなりいじめられるが、そこここで親切な人や、人生を教えてくれる人がいて、一種の成長物語だ。

そういう意味ではもっと見てくれる人が多くあってほしいとすら思う。折角の国際的な「おしん」物語なのだから。
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「No one lives ノーワン・リヴス」、北村龍平のアメリカ映画です

2014-05-26 17:18:26 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆
 スプラッター映画・ホラー映画好き ☆☆☆

「あずみ」「ゴジラ FINAL WARS」などの北村龍平のアメリカ映画第2弾です。R-15のスプラッター映画です(血や肉が飛び交う)。

ソフトではありますが、気の弱い方は止めておいたほうがいいでしょう。逆に好きな人もいますね。

昨年一部で劇場公開。

冒頭森の中を必死に逃げる女性。捕まって逆さづりにされる。

話は変わって、トレーラーを引いてアメリカ旅行中の男女。いい仲だ。

モーテルに着いた後、近くのバーへ行く。

そこには、無謀な強盗団がいた。

強盗団は、その前にひと仕事していた。

そして旅行中の男女をかもにしようと、かなりえげつない脅しよう。

女性は首を掻っ切られる。

そこから、男対強盗団のせめぎあいが始まります。

ちょっろおぞましい殺され方をするので、えぐいです。

実は、トレーラーの中に、前半で出てきた逃げまくった少女が監禁されていました。

一人また一人、恐怖のどん底です。

話自体がちょっと凡庸なので、好きな人には物足りないかもしれませんが。

いずれにせよ、アメリカで活躍する監督にエールを送りましょう。

男に扮するルークエバンスは男前で、女性にはたまらないでしょう。

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「Mの物語」、マリー、愛の物語です!

2014-05-25 17:07:37 | フランス映画
2003年。

カンヌ映画祭でパルムドールを受賞した『美しき諍い女』のジャック・リヴェット監督とエマニュエル・ベアールが、12年振りに新たな官能の世界の扉を開いた衝撃作。気まぐれで奇妙な行動をとる謎の女・マリーには、隠された秘密があった…。R-15作品。

でも官能部門にありますが、それほど激しいシーンはありません。

いかにも、フランスヌーヴェルヴァーグ作品です。

というのも、主人公となる、時計職人の日常を細かく描写し、一見眠くなるような作りになっています。

登場するマリーという女性は、まことに不可解。それもそのはず、この世に存在しないのですから。

そんな、サスペンスフルな作りに、綺麗なエマニュエル・ベアールのセックスシーンが見られる。

それだけで堪能できればいいのですが。

物語は複雑。

でも、時計職人と、訪れた美人とのはかない恋の物語として、その行く末を見守ってあげられれば、それも良しの映画です。

150分の長尺に、退屈するかも。


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カンヌ映画祭、河監督作品受賞ならず!

2014-05-25 09:47:26 | 映画
テレビでも、河監督の「二つ目の窓」が紹介され、受賞の期待がかかったが、

その後の報道で苦戦の様子が、

結局、受賞はならなかった。

奄美大島での自然の中での営みを描き、好評のようであったが、残念。

だが、7月公開予定。

受賞作は下記の通り

パルムドールは、トルコのヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の「冬の眠り」。

グランプリはイタリア映画「ル・メラビジブル」(驚異)が、審査員賞は地元フランスの巨匠ジャン・リュック・ゴダール監督のスイス映画「グッド・バイ・トゥ・ランゲージ」とカナダのグザビエ・ドラン監督のカナダ、フランス合作映画「マミー」が受賞。監督賞は米映画「フォックスキャッチャー」のベネット・ミラー監督が受賞した

男優賞は英映画「ミスター・ターナー」主演の英俳優ティモシー・スポール、女優賞はカナダ、米国、フランス、ドイツ合作映画「マップス・トゥ・ザ・スターズ」の米女優ジュリアン・ムーア、脚本賞はロシア映画「レビアタン」のアンドレイ・ズビャギンツェフ監督

写真は受賞の模様
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「ニューヨーク冬物語」、100年を超えて、ラブファンタジー

2014-05-24 17:40:28 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆
 ラブファンタジー好き ☆☆☆

なぜこの季節に冬物語。

原作は、1983年に出版されて以来、シェイクスピアと並ぶとまで絶賛されたベストセラー、「ウィンターズ・テイル」。

この作品に惚れて映画化したのがアキバ・ゴールズマン監督。

100年後の恋愛とか、白馬の登場とかかなりファンタジーなので、この雰囲気に乗れないと置いていかれる。


1894年、ニューヨークを目指した船に幼いピーターは乗っていた。

そして両親と離れ離れになり、ニューヨークの闇社会に身を置いていた。

実は、ニューヨークは、ウィルスミスが元締めで、ラッセル・クロウ演じる親分が闇社会を牛耳っていた。

1916年、ピーターは、親分を裏切り、追われる身に、その最後の盗みに入った豪邸で、出会った美女に一目ぼれしてしまう。

結核で余命短いという、でも、2人はラブラブな数日を過ごす。

だが彼女も死に、ピーターもクロウに橋の上から落とされてしまう。

そして、海岸から抜け出たピーター、実は100年後のニューヨークだった。

そこで、運命の出会いが待っているのだが。

1894、1916、2014年と年を重ねたニューヨークの背景は実に美しくファンタジーを盛り上げる。

ピーターをコリンファレル、病に倒れる美女をジェシカ・ブラウン・フィンドレイが演じ、ラブラブなシーンが展開される。そしてきわどいシーンでは、白馬が現れ危機を救う。

ラスト、エヴァ・マリー・セイント が老いた姿を見せ驚かされる。





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「キッズリターン 再会の時」、北野武の「キッズリターン」の10年後の話

2014-05-23 17:14:07 | 日本映画
おススメ度 ☆☆
  青春映画好き ☆☆☆

どこかで聞いた作品だと思って借りたら、やっぱり、北野武の1996年の作品だった。

その10年後の物語だというから期待は高まる。

ただ、この映画、昨年10月公開されたが、客の入りが悪く早々と打ち切られたらしい。

高校卒業して10年後、マサルとシンジはばったり会う。シンジはボクサーを目指し、一度は頭角を現したが、かませ試合にいや気が差し、今は、道路工事のバイト中。

一方、マサルは、ヤクザの道に入り、務所から出てきたばかり、組は分裂、勢いを失っていた。

二人は、再会を喜び、シンジにボクシングで生きることを進言。

シンジは再びボクシングを始める。

マサルは、親分に九州へ行くよう促されるが、おじきのやり方が、極道の中でも経済極道のやり方なので、それに反目し、逆にやられる。

シンジがボクシングに成功していくのに、マサルが、また争いにはまっていき、最後は事件に巻き込まれる。

二人の青春物語だが、今一つパンチに欠ける。

武の映画の助監督をしていた清水浩の作品だけに惜しまれる。

平岡祐太と三浦貴大が、主人公を演じている。平岡は、3か月の猛特訓をしたらしいが、お相手がプロのボクサーだけにちょっと見劣りが。ただ、ボクシングシーンは結構力が入っている。
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