ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「劇場版 SPEC 天」、刑事ものですが、ちょっと変。

2013-04-30 16:50:44 | 日本映画
おススメ度 ☆
    SPECファン ☆☆☆

もともと、SPECは、2010年10月期に放送された金曜ドラマ『SPEC~警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係事件簿~』を原点とし、警視庁公安部の特殊捜査官である当麻紗綾(戸田恵梨香)と瀬文焚流(加瀬亮)がコンビを組み、“予知能力”や“念動力”などの“スペック”と呼ばれる特殊な能力を持つ犯罪者に立ち向かうストーリー。いまも根強い人気のシリーズだ。

「劇場版 SPEC 天」は、その流れの中の一作で、これだけを見ると、SF的なご都合主義の変なドラマとしか映らない。

有名な俳優が出ての、青春ドラマっぽいが、子供が愛する「ヒーロー」ものっぽく、ちょっとついていけない。

劇場公開時は、かなり人気があり、今年秋には、TBSでスペシャルドラマが公開予定だ。更に、劇場版も2作が用意されている。

謎の能力保持者がいるという設定なので、格闘とか、銃撃戦とかではなく、超能力の果し合いだから、時間を止めたり、逆行したり、何でもありの感がする。

その割に説教ポイセリフが出てきて、優等生的な言葉を吐くのも、少年漫画の流れだろう。

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「アウトロー 哀しき復讐」、家族を性犯罪に巻き込まれた警官の復讐劇

2013-04-29 17:33:04 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆

これも実話を構成し直したというから、韓国では、性犯罪が多発しているのだろうか。

性犯罪者に監禁暴行され、精神障害を負った女性を暖かく受け入れ結婚までした刑事。しかし、娘が大きくなり、妻と会う約束のレストラン、そのトイレで外人の性異常者により母娘が惨殺される。

犯人は捕まるが、証拠不十分で釈放されてしまう。

そこで、刑事は、復讐を決意、ラストの大博打に出る。

それは、関係した検事、外国人関係者、裁判官など、犯人を無罪にした人達を、公衆の面前に引きずり出し、暴行を加え謝らせる。

そのやり方は、爆薬を体に巻き付けいつ爆発するか、恐怖のどん底に陥れれてのものだ。

でもここにも大きな仕掛けがあった。

新人のキム・チョルハン 監督。『悪魔を見た』『息もできない』『哀しき獣』など、暴力映画の系譜を引き継ぐ作品だ。

『王の男』のカム・ウソンが、復讐に燃える刑事を演じている。
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「リンカーン」、南北戦争末期の議会の話です。

2013-04-28 17:26:06 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆☆

リンカーンが再選を果たし、2か月後からの話です。

リンカーンを演じた主演のダニエル・デイ=ルイス、アカデミー賞男優賞受賞の好演ですが、この映画はむしろ、議会が主役です。

南北戦争も末期、だが、そのままでは、奴隷解放が十分に行われない、憲法修正第13項を成立させる必要があった。上院は通過したが、下院では20票が不足していた。

そこで、反対者の切り崩し合戦が。

なかなかの役者がそろって、駆け引きが面白い。(ただ、これを面白いと思わなければ退屈だろう)

もちろん、要所で、リンカーンの雄弁が聞かれるが、脚本の妙もあって、なかなかの力演だ。指導者たるものかくあるべしの見本だ。

まあ、あとで暗殺されるのだから、命を張っての説得合戦だ。

南北戦争が、先に集結すれば、おじゃんになるということで、駆け引きが、この辺はスリリング。

一方、妻との確執というか、信頼というか、息子の参戦を巡っての確執と家庭問題も絡んでくる。

南北戦争の戦闘シーンも最初に描かれるだけで、アクション的な盛り上がりはない。

地味な映画だが、アメリカの歴史の一端を知るためにも、見て損のない映画だ。
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「レンタネコ」、レンタル猫屋をする乙女の話

2013-04-27 16:15:28 | 日本映画
おススメ度 ☆☆
    猫好き ☆☆☆


脚本演出は、「カゴメ食堂」「メガネ」の荻上直子監督。

人は誰も心に寂しさを抱えている。その寂しさを猫が埋めてくれる。自身猫好きの監督が、レンタル猫を営業する乙女を通して、猫と係る心寂しい人たちを描くドラマである。

おばあちゃん子であるサヨコ、おばあちゃんが死んで、家を継いでおり同時に猫も引き継いでいた。猫のほうが寄ってくるらしい。

そして自身が買っている猫を、レンタル猫として行商する。ただ、金儲けの気はないらしく、1000円で譲り渡す。

株とか占い師とかで儲けているとは言っているが、どこまで本当か。

老婆、単身赴任のサラリーマン、レンタカーの受付嬢、小学校の同級生などが、絡んで、それぞれ一つのエピソードが語られる。

市川実日子が主人公を演じ、どこかのほほんと明るい女性像を作っています。それにしても、結婚を決意しますが、恋らしきものは出てきません。


せめて恋愛話でもあればもっと面白いと思うんですが?

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NHKBSプライムシネマ 「サイコ」、映画ヒッチコックの舞台となった映画。

2013-04-26 15:19:19 | アメリカ映画
1960年作品。

映画「ヒッチコック」の舞台となった映画。

裏話を見てから、見るのも乙なもの。

浴室、シャーワー中の殺人事件。(当然女性ジャネットリーは裸だが、吹き替えを使っていたとか言われるが、カメラワークで実におとなしい映像。ただ、カーテン越しのナイフによる殺人は、ホラーの要素十分)当時映倫でもめたといわれているが、そんなものではない。ただ、このシーンはあちこちで模倣されている。

白黒だったが、なぜか血は赤かったような気がする。(実際は、チョコっレートを使ったとか)

前半は、不倫相手の男性と駆け落ちする女性が主人公。彼女は、仕事で銀行に預けなければならない4万ドルを着服して逃亡、そのスリルが、なんともたまらない。脚本の妙もあるが、たとえば現金のクローズアップとか、車で移動中の風景の変化とか、ちょっとしたコマにも工夫が見られ、サスペンスの王道だ。

製作費が乏しい中の撮影だけに、極力金をかけないようつとめているのがありあり。

だが、後半、女主人公は殺され、その殺されたモーテルを中心に繰り広げられる猟奇事件。私にはこちらのほうがもっと怖かった。

まず、失踪した女性を追って私立探偵がモーテルにやってくる。彼の帰りを待つ女主人公の妹と彼氏。二人もモーテルへ。そこで発見したものは?

後半、精神科医が、この事件の精神病の実態を解説するが、映画としてはつじつまが合っている。

アンソニーパーキンスは好演というか、地で行っているような不安感がよく出ていた。

ヒッチコックの鳥好きは、この映画で存分に見せつけられる。

私にとっては、あの「鳥」の印象が忘れられない。

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「ライジングドラゴン」、ジャッキーチェーン最後のアクション映画

2013-04-25 19:59:38 | 中国映画
おススメ度 ☆☆☆

ジャッキーチェーンも、もう59歳。もう引退してもいい年。

でこれが最後のアクションと断ってのアクション映画。

19世紀英仏軍の中国侵攻で、清朝時代の国宝が海外へ持ち出された。中でも「十二生肖」と呼ばれる十二支にまつわる動物頭部のブロンズ像は貴重で、これを収集しようとするコレクターが、ジャッキーチェーンにその仕事を頼んだ。

で、チームを組んで収集にあたるが、これ難航。ために大アクション映画となった。

主なところで、ローラー・ブレード・スーツで斜面を疾走する「ローラー・アクション」、フランスのお城への侵入、太平洋の無人島でのアクション、悪徳企業が運営する贋作製造工場内でのアクション、スカイダイビングアクション、今回は空中での格闘技で見せてくれます。そして最後は、火山の噴火口へ落ち込むシーンです。これは、あとでメイキングの映像が流れ、本人が敢行。大変危険なシーンでした。

話自体はおおまかで、噴飯なところもあるが、なにしろ、ジャッキーチェーンのアクションの素晴らしさに目をとられてしまいます。

お愛嬌に、韓国スターのクオンサンウが仲間に入っていて、格闘技を披露しています。

今まで少し、格闘技を封印してきたジャッキーの面目躍如でした。
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「霧の旗」、松本清張原作、橋本忍脚本、山田洋次監督、倍賞千恵子主演。

2013-04-25 15:34:51 | 日本映画
ツタヤで、50円セール。ついつい借りてしまった。

1965年作品。未見。

山田洋次唯一のサスペンスというが、なかなかの出来。若さがあって、いろいろと演出に工夫がある。

自分の兄が無実の罪で裁判にかけられ、東京の有名な弁護士に弁護を頼みに来るが、金がかかるなどの理由で門前払い。

その後兄は獄中で死亡。

弁護士は、その事件の調書を取り寄せ、調べるが、特に落ち度はない。

白黒の画面で、所々で、裁判の様子や、さらには殺人現場の様子などが挿入され、ちょっと長尺でダレルが、それでも、倍賞千恵子と弁護士を演じた秋沢修の好演で引き締まっている。

後半、バーに努める主人公。

一方、弁護士には、愛人がいた。(この愛人を新珠美千代が演じ、なまめかしい)

主人公の同僚の恋人であり、弁護士の愛人の恋人でもあるというちょっと出来過ぎの関係の男が殺される。たまたまそれを見届け、その場に弁護士の愛人がきたことで、細工をして、弁護士の愛人が犯人のように偽装する。

その後、弁護士は愛人を助けるべく、事情を知っている主人公に頼み込むが、主人公は、それをえさに、もう一つのたくらみを、そして弁護士を失墜させ、復讐を果たすというどろどろのドラマだ。

このような愛憎劇を山田洋次は、シリアスな目でとらえ、サスペンスをうまく盛り上げ、成功している。

主人公を演じる倍賞千恵子は、そのクールな演技で、寅さんのさくらなどとは全く別の顔をのぞかせている。

相手役の滝沢修は、その演技力で、まるで舞台劇のように演じている。

その後、この原作は、何回か映画、テレビ化されている。






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「天使の分け前」、暴力沙汰で捕まった青年がウィスキー泥棒で更生!

2013-04-24 17:31:12 | イギリス映画
おススメ度 ☆☆☆
    犯罪映画を許せるか?


社会派ケン・ローチの温かみのある犯罪映画。舞台はウィスキーの産地スコットランド。

暴力を繰り返し、人を傷つけ、暴れまくる青年ロビー。判決で300時間の社会奉仕が言い渡される。イギリスの乙な裁判制度だ。

そして、出合った奉仕作業の親方が、じつにいい親方で、休日には、ウィスキーの醸造所へ連れて行ってくれたりする。

そこで、ロビーはウィスキーのテイスティングの才能があることを発見する。

一方、ロビーの彼女は、妊娠、出産。子供の名前を付けて喜ぶも、彼女の父から嫌われ、都市を離れるよう要請され、又、その家族からは、暴力を受ける。

また、暴力行為を働いた被害者とも面談。でも、一生残る後遺症に悩まされる被害者。償って償い切れるものではない。

そこでひらめいた、職もない、貧困のどん底から立ち直れるかもしれない、アイデア。それは「天使の分け前」、すなわち樽から年々2%蒸発するウィスキー。ために年代物の価値が上がる。

仲間たちと、ウィスキー工場への旅が始まる。

この道中が、実に愉快。ローチの新境地だ。

ただ、やはり、暴力の連鎖と、粋とはいえ犯罪で利を得るやり方に引っかかっておススメ度は伸びない。

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「人生ここにあり」、精神病患者の社会復帰物語です

2013-04-23 16:59:44 | 映画
おススメ度 ☆☆☆

2008年イタリア映画。

イタリアでは、精神病患者を精神病院に閉じ込めることを廃止し、社会で暮らせるようにした「バザーリア法」が制定された。

1980年代のミラノで実際にあった話の映画化だ。

労働組合のネッロは、精神病院を出された患者たちのいる、“協同組合180”という病院付属の組織を任されることに。

薬漬けの患者たちを何とか一般人なみの生活をさせようと、床張りの仕事をとってきて、作業させる。ひょんなことから、寄木細工が認められ仕事は順調に。

だが、彼らとて、人間、性処理の問題とか、恋愛の問題とか、悩みも募る。そして、事件が、それはやはり、正常者とのトラブルだった。

そんな、精神障害者の、社会復帰物語だが、涙あり、笑い有りの感動作になっている。

ただ、障害者がテーマの映画だけに、様々な人々がおり、映画的には楽しいものではない。

労働者の組合問題ももう一つのテーマで、社会性はあるが、ちょっとなじみにくい。
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「舟を編む」、三浦しおん原作の辞書つくりの話です

2013-04-22 17:53:52 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆☆
      地味な映画好き向け

全編、辞書つくりの話、15年もかけて作られる辞書(大渡海)。

たしかに、普通の会社じゃ投げ出してしまう。

定年間近の辞書編集者が、後釜を探し始める。

今、一緒にいる男が、いささかおちゃらけていて、芯になる男がほしいのだ。

たまたま、営業に、オタクっぽい青年がいた。

この男こそ辞書作りに適任だった。

早速、辞書作りが始まる。

辞書作りって、地味すぎて映画になるのかなと思ったがこれがまことにうまく料理されていて、実に楽しい映画だ。

やはり、言葉というのは、人間だけが持つ見事な情報手段。なおかつ、この言葉は時代とともに変化していく。

古さと新しさその調和にこそ、辞書作りの面白さがある。

幹部から、辞書部がつぶされかかったり、様々な葛藤がある。

その一方で、新しく辞書部に配属されたオタク男性に、恋物語が。

一方、おちゃらけ男は、ちゃっかり者の恋人がいて、ドラマは面白い。

オタク男に松田龍平、おちゃらけ男にオダギリジョーと絶妙の配役に、演出の妙もあって、見事なアンサンブルだ。特に、松田龍平は、最初は人の顔も見れないオタクだが、後半ではきっちり辞書部を仕切る役に成長。その過程を見事に演じています。

恋人役の宮崎あおい、料理人を目指すしっかりした女性を演じ、引き締めています。

ほかのわき役も、生かされていて、演技陣は確か。

音の使い方など細部のこだわりが、映画を上質にしている。

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