おすすめ度 ☆☆☆☆ (劇場鑑賞)
1996年のアトランタ五輪開催中に起きた爆破テロ事件。今年東京でオリンピックがあるが大丈夫かな。
元警察官で警備員のジュエル。感を働かせて、時限爆弾を発見。
爆弾は破裂するが、大災害は免れ、警備員は英雄視される。
この話は実話で、1997年に雑誌『ヴァニティ・フェア』に寄稿された記事が原作。
もともと、ドキュメンタリー映画化が企画されたが、紆余曲折の末、クリントイーストウッドが監督を務めることになった。
ジュエルを演じたのが、「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のポール・ウォルター・ハウザーで、実在のジュエルに似ているという。ラストのどんでん返しの証言が見事。
この純朴でFBIの調べに進んで協力するお人よしを見事に演じている。
ジュエルの過去などを調べたFBIは、犯人ではないかと疑う。
一方で、FBI担当官が、マスコミの女性とセックスがしたいがために情報を流すという、卑劣な行為でジュエルを犯人に仕立て上げる。
ここに、一枚加わるのが、ジュエルの旧知の弁護士が、ジュエルを信じてFBIと対峙する。「スリー・ビルボード」のサム・ロックウェルが好演。
さらに、犯人に仕立て上げられた息子をかばう母親の姿に涙する。この母親をキャシーベイツが好演。
まさに演出と演技で見せる職人技だ。
SNSの拡散など、いつ犯人に仕立て上げられるか不安な今日を見事についた傑作だ。