ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「レイルウェイ 運命の旅路」、日本軍捕虜となった英国軍兵士の苦悩

2014-09-30 14:30:45 | イギリス映画
おススメ度 ☆☆☆

戦争秘話好き ☆☆☆☆

鉄道マニアの初老の男性が、列車で相席となった女性に運命的な出会いをし、結婚。しかし、彼には第二次世界大戦時に重い過去があった。

元軍人の集まりに出ては、その苦汁を想い出し、家庭で癒されるはずが、さらに悶々とする、戦争脅迫症。

それもそのはず、言葉には尽くせない過酷な運命だった。

この映画は、実話をもとに構成されている。エンドロールで、実在の兵士と日本人通訳の写真がクローズアップされる。

実在の兵士が、書き上げたドキュメントをフィクションとして映像化したものだ。

第二次世界大戦当初、日本は電撃的な勢いで、シンガポールを攻撃、占領した。イギリス軍は降伏、兵士(2万6千人)は捕虜となった。

ジューネーブ条約に加盟していなかった日本軍は、捕虜を鉄道建設に携わらせた。

その鉄道は、タイとミャンマーをつなぐもので、「戦場に架ける橋」でも描かれた。ジャングル地帯で衛生面や悪天候で、この工事でも多くの人が亡くなった。

だが、当該兵士は、巧みに盗んだ器械で通信機(受信機)を製作。イギリスの放送を傍受していた。それをとがめられ、スパイと疑われ、ひどい拷問を受けていた。

前半のラブラブモードから、後半の復讐劇へと突入していく。(ネタバレ)







































その、拷問に立ち会った憲兵隊の通訳が生きて、かの地でガイドをしていることを新聞記事で知り。

復讐への旅が始まる。

兵士をコリン・ファースが、日本人通訳を真田広之が演じ、迫真の復讐劇が繰り広げられる。

拷問のシーンがかなり刺激的で、現在の対峙画面とが交互に移され、迫力満点。特に水責め。

われわれ日本人には、そこまでとも思うが、戦争中のこととてありえる話だ。

それにしても、英国人の復讐心は大変なもの、勿論その前に戦友の自殺という痛ましい出来事があり、気持ちはわかる。

和解のシーンは、鉄橋からナイフを投げ捨てるシーンだが、ちょっと弱い。

ただ、夫人と一緒に現地を訪れ、自分の気持ちを和らげることになる。(伴侶がいてこそ乗り越えられる苦悩)

戦争の痛さを存分に思い知らされる一作だ。
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「アバウトタイム 愛おしい時間について」、タイムスリップするラブストーリー

2014-09-29 19:19:19 | イギリス映画
おススメ度 ☆☆☆☆

『ラブ・アクチュアリー』などで知られるラブコメに定評のあるリチャード・カーティス演出。

自分に自信のない21歳になった主人公。父から家系として、自分に限ってタイムトラベルすなわち、過去をさかのぼれる能力があると知らされる。

ある意味SF映画だが、恋物語に焦点があたり、出会った運命の人と添い遂げるべく、何度も過去をさかのぼって、恋愛を成就させる。

女性を演じるのがレイチェル・マクアダムス。彼女、親しみやすく、キュートでラブロマンスにもってこいの笑顔の持主。

彼女を口説き落とす過程が、同じシーンの別パターンで描かれ、ほほえましい。

決して、あふれるほどの情熱も、激しいセックスシーンもないのに、何ともハートフル。

それは、主人公のドーナル・グリーソンにも言え、ぎこちないながらも実直な性格が微笑ましい。

そして、素敵な結婚式の後、子供までできて、後半は、父の死を中心にファミリードラマとなる。妹やおじまでからんですてき。

父を演じるのが、『ラブ・アクチュアリー』のビル・ナイ。いささか飄々とした感じだが、主人公と卓球するという父子関係がすばらしい。

イギリスの海辺の町とロンドンとで繰り広げられるコメディタッチのラブアンドファミリードラマ。

SFというハンデもどこかへ飛んでしまいそうな、脚本と音楽。

見終わった後の爽快感はGood.
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「サイレントウォー」、盲目の暗号解読師とその上司の女性の恋

2014-09-28 09:19:27 | 中国映画
おススメ度 ☆☆☆

中国映画、スパイ映画好き ☆☆☆☆

ワタシ的には、お気に入りの映画ですね。(長いという人もいますが、それは感じ方ですね)

最近中国映画の上映が少ないですが、この映画も、小劇場での公開ですね。

1949年、第二次世界大戦が終わって、中国では、共産党と国民党が闘い、ほぼ決着がついたころ。蒋介石は台湾へ逃げましたが、その残党が、まだ中国におり、活動していました。彼らは、無線(モールス信号)を使って連絡をしており、それを傍受するするため部隊が作られました。

無線傍受には、かなり耳のいい人が必要で、ピアノ調教師に白羽の矢を立てるが、盲目の助手に目をつけ、猛特訓のすえ、無線傍受の担当者に。

この盲目の暗号解読者に、トニーレオン。彼を連れてきた女性担当者にジョウシュン。この二人の演技が目を引きます。

演出は、「インファナルアフェア」のアラン・マック&フェリックス・チョン。香港映画らしい雰囲気がすばらしいです。

ややセピアがかった映像が、古い中国を引き立たせ、戦後の中国の状況が垣間見れて、その点でも興味をひきます。

スパイ映画といっても、暗号解読ですから、地味ですね。

だが、ラストにかけての、殺人劇は、アップとスローの映像とひきつける音楽。あっと驚く展開です。

まあ、最後は共産党万歳ですが。


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「さまよう刃」、強姦して殺された娘の復讐にかける父親の情念

2014-09-27 19:14:46 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆☆

韓国犯罪映画好き ☆☆☆☆

ワタシ的には、復讐に萌える父親像に感情移入して、最後までくぎ付けでした。(娘を持つ父親でこそわかる父娘の感情)

東野圭吾原作で、日本でも寺尾聡主演ですでに映画化されている。

ただ、韓国では、国状も違い、かなり大胆な改変をしているので、リメイクではなく、再映画化だ。

織物工場で、上司に叱られながら黙々と働く実直な父親。酔っ払って帰って、娘にちゃんとした応対をしてやれなかったその翌日、娘は挨拶もなく、怒ったふりで学校へ出かけた。

その夜は雨、残業で迎えに行ってもやれず帰ってきたが、娘はいない。(これが、最後まで娘にきちんとしたことをしてやれなかった苦悩の原点がある)

翌日、職場に刑事が訪ねてきて、娘の死を告げられる。ぼうぜんと事実を受け止められない父親。

これらの事件を追っている刑事は、少年法ゆえに早く出所した青年の態度に、罪の意識が乏しいのを気に病んでいる。それゆえ、父親の怒りの気持ちに同情的だ。

そして匿名のメールで訪れた先の家で、娘が薬を飲まされ、強姦され、殺された様がDVDに撮られていたことを知る。そこで、こらえきれず、帰ってきた少年をバットで殴り殺す。

もうひとりの少年を追って、雪深き街へ。

そこには、少女売春の宿があり、更には、スキー場へ。この雪山での格闘はやや冗長。だが、父親は凍死寸前までいって、夢で娘に出会う。そこでやっと人を殺す罪の深さと、愛するものを失った喪失感がわき上がってくる。(ラストにつながる)

韓流らしい強引さも秘めながら、主演のチョン・ジェヨンの好演(むしろ彼のキャラだからこそ光るのだが)と監督イ・ジョンホの粘り強い演出が、映画に迫力を与えている。

警察の動きもかなり丁寧に描かれ、警察ものとしても見られる。
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「リスボンに誘われて」、初老の男性がある本を追いかけてリスボンをさまよう

2014-09-26 16:34:59 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆☆

文学的な映画好き ☆☆☆☆  ドイツ・スイス・ポルトガル合作(ただしセリフは英語)

ワタシ的には、結構面白かった映画です。

映画館も結構混んでいて、初老の男性が多かったのはなるほどと思い至ります。

というのも、基本的にこの映画57歳の大学教授の自分探しの映画ですから。

偶然が重なって、学校を放り出して、リスボンをさまよう。

それにしても、リスボンの古い町並みは、この映画にふさわしい。

ヨーロッパの西の果てのリスボンは、音楽ファドでも知られる、一見地味な街です。日本人をほとんど見かけない、ヨーロッパの穴場です。

でこの映画で描かれるのは、1970年代のポーランドの革命前後。革命といえば若者。それに恋愛が絡んで何ともエキゾチック。

さらには、いささか哲学的な散文がそこここに。

革命前後の慌ただしさは見れるものの、基本静かに物語は進むので、ある意味では退屈なところも。

ファストシーンでは、妻を亡くし孤独な主人公の生活に続いて、橋から飛び降りようとする女性の出現と、またまた突然の失踪。残された本に挟まれた乗車券。と興味を引く展開。

ラストは、リスボン駅、偶然知り合った眼医者(女性)との会話で、次の展開があるのか?

ジェレミー・アイアンズが主人公を演じ、これがまた、渋い。まったくの適役で、映画が引き立っている。
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「ファイアブラスト 恋に落ちた消防士」、消防士に恋する自分勝手女

2014-09-25 16:21:12 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆☆

韓国ラブドラマ好きには、おすすめ。

消防士の映画なので、消防士の活躍が十分描かれています。(ただ、日本と比べて、ちょっとずさんっぽい)。

それに恋愛が絡んで結構楽しめます。

ただ、相手の女性が、女医で、自分の医療ミスを、被害者との交渉中に、たまたま出くわした消防士が被害者に殴られたのをいいことに、裁判で有利となるよう証言を求めてしつこく付きまとうようになる。

この辺、動機として、日本の常識からちょっと度外れ、韓国ドラマだから眼をつむろう。

さて件の女性、裁判に助けを求めたはいいが、だんだん、その消防士を好きになる。

そしてメロドラマが始まる。

何しろ気の強い韓国女性のこと、何かにつけて問題を起こすが、引き下がらない度胸は大物。

消防士は、最愛の妻を救えなかった喪失感が消えず、女性の求愛も目ではない。

そこで、医療事故で、共犯だった同僚とともに、取らされた休みを利用して、ボランティア消防士になり、件の消防士に急接近。

一方、消防士はなかなかの熱血漢で、周りの止めるのも聞かず、命の危険を冒して救助活動に専念。この辺は、なかなか手に汗ものの展開だ。

予定調和の結果になるのだが、温かい気持ちにしてくれるのは確か
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「猿の惑星 新世紀(ライジング)」、進化した猿と人間の戦い

2014-09-24 18:28:52 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆☆☆

名作SF『猿の惑星』の前日譚(たん)『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』の続編。

進化した猿とウィルスのより滅亡状態になった人類。

サル社会では、シーザーがリーダーとなり、「人(猿)を殺さない」のモットーの世界を築いてきた。

人間社会にエネルギー枯渇問題が起こり、水源地を回復して電気を得ようとの計画が持ち上がり、先遣隊が森に分け入る。

そこで偶然出会った猿と人間。

恐怖から人間は銃を発砲、猿を傷つける。

人間の側にも、猿の側にも、好戦的な人物がいる。

それがこの映画の肝。

平和はいかにして築かれるのか、そして、家族愛の問題。

二つのテーマが交錯して、物語は進む。

モーションキャプチャー、即ち人間の動きを電気的に映像化し、猿を動かすという方法で、猿でありながら人間のような動きをする。その技法が進化し、本作では、猿はもう猿の動きでなく、人間の動きをするようになっている。

そのため、猿でありながら、人間と同じように感情移入ができ、この映画を成功させている。

戦争でありながら、どぎつい殺人の描写は少なく、猿同士の決戦は、大規模な争いを演出し手に汗をにじませる。(人間が銃を持っているので、当然銃の射撃や爆破などアクションシーンも豊富)

まだこの映画は序章であり、次がもう用意されている。だが、これでも一区切りがつくのでそん色はない。、
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「ガーディアンズオブギャラクシー」、マーベルの新しい宇宙コミックの映画化

2014-09-23 16:43:09 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

宇宙コミック好き ☆☆☆☆

MARVELがまた新しいコミックを映画化した。

今回は、役者たちが一癖も二癖もある面々で、まっとうな人間は主人公のピーター。

彼は、母の死に際宇宙に連れていかれる。そして母から預かった1970年代のカセットテープとラジカセ。実はここが味噌で、1970年代の音楽がこの映画のテーマでもあるのだ。

その軽やかなノリと、壮大なスペースオペラが、3D画面で圧巻として襲ってくる。

ガーディアンたちは、ピーターが刑務所で知り合った面々。

戦うアライグマのロケットと相棒の植物人間グルート、緑の美女ゴモラ。復讐に燃える破壊王ドラックス・ザ・デストロイヤー。

無限の力を持つパワーストーンを主人公が手に入れたことから、争いが勃発。

宇宙での様々な飛行物体が、出ては消え、出ては消え、それは攻撃での爆発でもあり、様々な能力で戦うので、一瞬の油断もできない。

でも、活劇は、エログロや血の吹き出しなども抑えられ、子供たちでも安心して見ていられる。

アライグマの奮闘や、樹、そのもので戦う不思議。その枝が防御に役立つなんて。

そして結成した軍団が、徹底的に破壊されながら、押し返す様は、予定調和的だが感動させられる。

続編が作られるのは決定しており楽しみだ。
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「セインツ 約束の果て」、強盗と妊娠した女性の望まれる逢瀬

2014-09-22 19:13:00 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆

クライムサスペンス好き、西部映画好き ☆☆☆

1970年代のテキサス。

広大な原野、粗末な民家、逆光でとらえた風景が実に美しい。

愛を交わす二人、そして女は妊娠。

最期と決めた強盗で、警官を撃ってしまい、夫は刑務所へ。

女は、子供を抱え、ずっと夫の帰りを待つ。

純愛物語は、西部の背景と音楽が似合う。

セリフも状況説明も少ない。

行間から読み解く、二人の愛の深さ。

4年後、夫は脱獄を重ね、ついに女性の元へ帰ってくるのか。

その演出と演技の確かさゆえに、海外や批評家には受けのよい作品だ。

だが、強盗という罪と、殺人(傷害)という罪を背負った二人。

実際は、警官を撃ったのは女性だった。男はその罪をかぶって刑務所に。

そんな二人の関係が、切ないが、やはり、強盗の動機がはっきりせず、

罪の償いでもない行為に、やはり、引いてrしまう。

ラストの悲劇も、それが報いとしかいいようのない展開。

男と女がいいだけに余計感じてしまう。
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「メイジーの瞳」、6歳の少女が親の離婚で振り回されるでも、とってもハートフルな映画です

2014-09-21 16:39:42 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

子供好き、夫婦について考える人 ☆☆☆☆

邦題はあまりしっくりこないが、メイジーの瞳は何を見ていたのか。

離婚した父と母が子の親権争いをする。それって子供には大変な負担だ。

この映画は題名通り、6歳の少女の目を通して彼女を取り巻く物事が進んでいく。

父母は、メイジーのことをとっても可愛がってくれる。

だが、自分が大事、まず母親がロック歌手で興行の旅に出るという、そもそも母親失格。だから家政婦に面倒を見てもらっているのだが、

夫が仕事の関係で家出をしてしまい、同時に家政婦もいなくなる。

そんな状態では、だれが娘の面倒を見るのか?

映画は、娘視点のため、親たちの考えや行動が説明されるわけではない。

節々で交わされる会話や、電話で、その状況が察せられる。

二人の親にとって、娘は可愛いが、仕事や生活には重荷だ。

すぐ他人に預けたがる。

ひどい時には、約束の時間に現れず娘は中途半端な状態に置かれる。

それにしてもその状況を察し時には甘え、時には寂しく、でも明るいメージーがいる。

亀や凧など、時々の情景が娘の心情風景に反映して巧みだ。(ネタバレ)































親から置き去りにされ他人の厄介になり孤独をかみしめる娘。

6歳の娘は精一杯、愛を受けたい。そして遊びたい。

だが、物語の展開は、元家政婦と、新しい父親(バーテンダー)によって、救われる。

母親に選択を迫られ、結局他人の男女に身をゆだねるメージー。

それはある意味、悲劇だが、メージーの精いっぱいの選択だった。



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