季節の花と言葉の花束

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季節の花「桔梗 (ききょう)」

2019-06-25 04:43:54 | 暮らし
名言名句(664)

「いま 六月 わたしの庭に 恋という名の薔薇がいる」

『菊池 敏子』


ある日、彼女は、売れ残りの貧弱な薔薇の苗木を買いました。

LOVEという名の苗木でしす。頼りなさそうに三十糎(せんち)

ばかりの苗の先の小さな紅色の薔薇が可憐に思えたのですが、

いかにもひ弱なその風情が、「成就せぬ恋を思わせて、不憫

だった」ので、「この瀕死の恋を蘇生させたら」と思います。

店の主人に、育つでしょうか、と聞いたところ、人の恋がしば

しばそうであるように、あまり想いをかけすぎると、このLOVE

も息苦しさに窒息しかねないから、との答えが返ってきました。

花屋の主人も、なかなかの詩人です。

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6月から咲く花「桔梗 (ききょう)」

開花時期は、 6/10 ~ 8/10頃。
・夏の花だが、
 「秋の七草」のひとつに数えられる。
・漢名の「桔梗」を
 音読みしたら「ききょう」。

・開花直前の
 丸くふくらんだ状態がおもしろい。
 これは、開花前には花びらが
 互いのふちで  
 くっついたまま膨れていくために、
 つぼみのときは
 風船のようにふっくらして見える、
 ということらしい。
 プチュッとつまむと
 水がはじけ出る。
 (花がかわいそうなので
  やめましょう♪)


・薬効   せきどめ、去痰
・薬用部位 根
・生薬名 「桔梗根(ききょうこん)」

 また、この薬用成分の
 サポニンというものは
 昆虫にとっては有毒なため、
 昆虫からの食害から
 自らを守っている。
 (キキョウサポニンと呼ばれる)


・昔から武士に好まれたようで、
 家紋に取り入れられたり、
 江戸城には「ききょうの間」や
 「桔梗門」の名前がある。


・万葉集に出てくる「あさがお」は、
 この桔梗の
 ことだろうといわれている。

・平安時代の辞書には
 「阿利乃比布岐(ありのひふき)」
 として載る
 → 「蟻(アリ)の火吹き」
  蟻が桔梗の花びらをかむと、
  蟻の口から
  蟻酸(ぎさん)というの出て、
  桔梗の花の色素アントシアン
  というのを変色させるために、
  紫の花の色が赤く変わる。
  (蟻が火を吹いたように見える)


・「桔梗」は「きちこう」とも読む。

・8月12日、9月2日の
 誕生花(桔梗)
・花言葉は「清楚、気品」(桔梗)


・「桔梗の花
  咲く時ぽんと 言ひそうな」
   加賀千代女 

 「朝顔は
  朝露負(お)ひて
  咲くといへど
  夕影にこそ 咲きまさりけれ」
   (朝顔=桔梗)
   万葉集 作者不詳

(季節の花300より)



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