人生日訓(321)
「これを知る者はこれを好む者に如かず」
論語に出ている孔子の言葉だが、本文にはもう一句次にそえ
たしてある。「これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」と言
っている。第一に出て来る「知る者」というのは、たとえば、自然
科学のうち花なり、昆虫なりのことを勉強して、その生態をよく
知っている者があるとする。「私は蜂のことを知っている」と言っ
ている間は、まだ本物でhない。本当に蜂のことを知っている者
というのは蜂が好きなのである。「好きこそ物の上手なれ」と世
間で言う通り、蜂が好きで仕方がないと言われるほどの人こそ
が、蜂の生態をよく知っているのである。本をよく読んで知って
いる人が、本を読むことが好きで仕方がないようになって段々と
本物に近づいてくるがまだ、もう一歩である。
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4月から咲く花「八重山吹」
開花時期は、 4/15 ~ 5/ 5頃。 ・”やまぶきいろ”と呼ばれる、 鮮やかな黄色。 ・山吹より咲き始めが遅い。 ・山吹は実がなるが、 八重山吹は実はならない。 ・「七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞかなしき」 後拾遺和歌集 兼明親王 (かねあきらしんのう) 山道の一軒家に 雨宿りを願った武将の 太田道潅(おおたどうかん)に 貸す蓑(みの)すらない その家の女性は、 八重山吹を差し出して 短歌を詠んだ。 八重山吹は 実をつけないことから、 ”みのひとつだになき”を 掛けている。
(季節の花300より)