西武ホールディングスは、本年5月12日に2022年3月期決算実績概況および「西武グループ中期経営計画(2021〜2023年度)」の進捗を発表しましたが、補足資料内に「サステナ車両」の導入に関する記述があり、「無塗装車体、VVVFインバーター制御等の他社からの譲受車両を当社独自の呼称として定義」とあり、関東大手私鉄ながら他社車両の購入を検討している事が示され衝撃を与えました。その目的は抵抗制御、界磁チョッパ制御で残る車両の置き換えを目指して行くとのことで、支線からの導入になるとの事ですが、これらの情報を見るに、西武鉄道の路線群から孤立している多摩川線の新101系が真っ先に置き換えられるのでは…という予想が浮かびます。
窓周りがベージュのツートン旧塗装を纏う1245F。置き換えが完了すれば、長らく続いた西武の3扉通勤車の歴史に終止符が打たれることになります。余談ですが、この正面スタイルを一新して新101系と区別されるようになったグループは、西武通勤車としては初の外部への発注で、かつては箱根山・伊豆戦争で対立関係にあった東急グループの東急車輌製造(現在の総合車輌製作所)である事が特徴です。
現在は赤電塗装(写真)と黄色+ベージュ旧塗装に加え、伊豆箱根鉄道カラーの3色の新101系が運用され懐かしい昭和の雰囲気が漂う多摩川線ですが、他社車両で置き換えられるかも知れない事になるとは全く想定外でしたね。
ワンマン改造・リニューアルでイメージを一新した車内。かつてはクリーム系の化粧板に焦茶色の座席モケットでしたが、現在残るワンマン対応編成は白系の配色に青の座席となり爽やかで明るい雰囲気になりました。
ドア上にはLED表示器と開閉予告装置も新設され、同時に車椅子スペースも設けられたことからバリアフリーにも対応しています。
秩父線山岳区間にも対応出来る高性能車として、広範囲に渡り運用され秩父鉄道線への乗り入れも見られた101系ですが、いよいよその歴史にも終止符が打たれる日が近づいて来たようです。新たに導入予定の車両に関してはまだ協議中との事ですが、公式発表が期待されますね。