昨年12月15日で定期運用を終了した元京王5000系の富士急行1000系ですが、2009年8日8日より富士登山電車として大規模な改造を受け観光用列車に変身した1201編成については定期運用こそないものの、団体列車やツアー列車などでの運用で残留することになりました。デザインはJR九州で実績のある水戸岡鋭治氏が手掛けており、路線開通時の車両であるモ1号車をイメージしたという錆び朱色塗装にレトロモダン調のデザインで、日本一豊かな登山電車をコンセプトに掲げています。定期運用から離脱していましたが、1001号編成引退時の特別ダイヤによる運転では連結して運用され注目を集めました。今年2025年1月1日には、事前応募制の迎春富士山号として、久しぶりに2両編成で運転されています。
元日の晴れた空の下を招待客を乗せて健在ぶりをアピールした1201編成。1号車モハ1205には「赤富士」、2号車モハ1305には「青富士」の愛称が付けられ、定期運用が設定されていた頃は1号車が指定席とされてきました。運転開始後はしばらくは普通列車として一般仕様の1000系に併結される形で運転されますが、2010年3月13日以降は2両ともに座席指定制の快速として用いられていました。
2020年3月14日には運転体系見直しで再び普通列車運用に戻りますが、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響もあり、同年4月25日で期限を定めない運休とされ以降は定期列車からは離脱している状態でした。1001編成引退に伴い併結可能な車両として復帰を果たし華を添えただけでなく、晩年期の最後の頑張りといった様子でした。
大改造で2ドアに改められ1号車「赤富士」車内。濃い茶色と赤い色調が中心で、大型4人掛けボックスの他に展望カウンターなども備え、ライブラリーコーナーと称して書棚が設けられているのも斬新なところです。
2号車「青富士」車内。展望ベンチの他に休止こそしていますがグッズや飲食物を販売するカウンターが車端部に設置されていました。1000系引退時のダイヤではどちらも特別料金一切無しで利用できていたので、乗り得列車でもありました。
他の1000系が引退する中で、唯一生き残れた1201編成ですが、老朽化などもあり既に部品確保も困難になっている中で果たしていつまで活躍する姿を見れるのやら、動向を見守りたいですね。