2. 民族・言語・宗教に関連した連合
(オスマン・トルコ再興のゆりかご!)
2-2.テュルク諸国機構(OTS)
テュルク諸国機構(Organization of Turkic States, OTS)は、テュルク諸語を公用語とする国家により構成される組織であり、メンバーはトルコのほか、中央アジアのアゼルバイジャン、カザフ、キルギス、ウズベキスタンの5カ国で構成される。オブザーバーとしてトルクメニスタン、ハンガリー、北キプロスが参加している。
2009年に設立され、トルコのイスタンブールに事務総局が、アゼルバイジャンのバクーに議会が設けられ、2年に1度首脳会合が行われている。OTS構成国の中では人口、GDPなど社会・経済規模でトルコが圧倒的な存在感を示している。
OTSは言語或いは民族的なアイデンティティによる緩やかな共同体であったが、近年は加盟国の石油天然ガス資源が注目されている。さらに中国の一帯一路政策、ロシアのウクライナ侵攻により中央アジアの経済的、地政学的重要性が高まっている。
トルコのエルドアン大統領は旧オスマン帝国の栄光の再現を目指し、OTSの連帯強化に乗り出している。OTSは中国、ロシア及び西欧を牽制し、ユーラシア大陸のカギを握る存在を目指している。
(続く)
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