二つ星の空

(旧「風からの返信」-11.21.09/「モーニングコール」/「夢見る灯台」/「海岸線物語」)

「死亡推定時刻」再び。※依然としてネタバレ注意

2006-09-13 22:03:08 | 吉岡秀隆
我ながらしつこい、と思うが、書き残したことがあったので。

巷で「昔の吉岡にそっくり」と評判の金井勇太。以前「学校」シリーズでは確かにそう思った。でも、今回は、むしろ、萩原聖人に似てるように見えた。目がそっくり。そうでもない?あ、あと、面会のシーンの映り込みの構図はおもしろかったな。合成だと思うんだけど、本当にプラスチック(アクリル?)ボードに映り込んでいるようだった。

恒蔵(松平健)と利一(小林薫)の若い頃の回想シーン。恒蔵役の若手俳優は、「うん、なんとなくオッケー」と言ってしまいそうな、目力があった。一方、利一役の若手俳優は、演技は良かったんだけど、顔は「岸部一徳?」的だった。小林薫に見えないこともないけど。その直後にCMがあって、国分太一が出た瞬間、「あ~、小林薫は、この系の顔なんだよな!」と何故かすごくガッテンしてしまった^-^;そうか、小林薫って、ジャニーズ顔(?!)だったんだ。。。

CMと言えば、カップ麺の宣伝で、内田有紀が出てなかったか???(一瞬)やめろよ~かわいそうじゃんか~と思ったり。。。

恒蔵の一人娘、大後寿々花、本当によかった。愛らしくて純粋で、愛おしくてならなかった。彼女が死んでしまう場面は、辛くて見ていられなかった。その場面にクラシックのあの名曲を持ってきた杉田監督は正しい。でも、それにしても、辛すぎるよ。。。

川井との約束を違えて、証言を変えた医師。「白い巨塔」に出てなかったっけ?と思った。この人、何となく、好きだ。(今回は、食えん役だったけど。)

それにしても、永作博美は、どーしてこんなにツルピカにつやつやしててかわいいんだろうv 卵みたいだ^-^;彼女が吉岡の妻役でも、よかったのにぃ~~~(←しつこい^-^;)でも、本当に美貴子役、よかったなぁ。。。

松平健は、やはり存在感が大きかった。おもしろいもので、悪役とわかっていても、松健が演じると、ヒーローっぽく正当化されちゃうくらい、オーラが出ている^-^;さすが、だ。

小林薫の演技は、すごかった。鬼気迫る迫力だった。吉岡と二人並んでると、「コトー?!」と思いそうになったけど、よく見ると、全然違うんだ。妖気ただよってるもん^-^;彼が、最後に川井弁護士を見つめ続けていたのは、何故なんだろう、と、ずっと心に引っかかっている。そこに、何かのメッセージを感じて。。。

ほっとけば、利一街道まっしぐらな気配濃厚の川井弁護士だが、そうはなりそうもない雰囲気もぷんぷん。きっとね。みんなが助けちゃうんだよ^-^;そこが、彼の人徳なのだ。(マジで。)だからこそ、利一が一層かわいそうなのだ。

土門拳の写真は、どーしてこんなにすごいんだろう。今頃になってはまりそうだ。うう。。。(もともと好きだったけど、こんなに凄いとは知らなかった。そーゆー風に、見える年齢になったのか。。。)

以上、「散漫で冗長な感想」でしたm(_ _)m
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ドラマ「死亡推定時刻」※ネタバレ注意

2006-09-13 00:33:16 | 吉岡秀隆
最近、暴言が続いています。すみません。今日もやります。

9月9日(土)午後9時~ ドラマ「死亡推定時刻」。

出演:吉岡秀隆(弁護士:川井倫明)
   松平 健(誘拐殺人事件被害者の父:渡辺恒蔵)
   永作博美(恒蔵の妻:美貴子)
   金井 勇太(逮捕された青年)
   大後寿々花(恒蔵の一人娘)
   勝村政信(報道記者:滝本功)
   戸田恵子(川井弁護士事務所の事務員)
   國村 隼(警察署長)
   小林 薫(恒蔵の実兄:利一)

ストーリーは、オフィシャルに任す。
○ttp://www.fujitv.co.jp/ichioshi06/060909suitei/index2.html

とても充実したページなので、味わってくらはい。

感想は、、、とても好きだ。だが、重かった。

好きな俳優ばかり。理解できる世界観。実在感のある人物達。だからこそ。

あのドラマ見て、消化不良になったり、嫌な気分になった人は、ある意味、まっとうな人かもな、という気がする。真剣に見て、感情移入すればするほど、救われないから。でも、「哀しかったけど、いいドラマだった」と思う人もまた、優しくまっとうな人なのだと思う。ドラマから、何かを学び、消化することができたのだから。

杉田監督のすごいところは、川井を徹底的に人間として描いたことかもしれない。川井は、決してヒーローとしては描かれていない。もちろん、吉岡の超絶な演技と、杉田監督の超弩級演出、そして共演者達の渾身の演技により、とても魅力的に描かれてはいたが、気の毒なぐらい人間的に、その奥の歪みや哀しみまでが、画面に現れていた。

川井の矛盾(冤罪に立ち向かう正義を持ちながら、利一の最後を「事故だと思いたい」と言ってしまう、心理的傾斜。運転手はどうなるよ。)

川井の危うさ(恒蔵に飲み込まれまい、とする強さと、利一を強引に引き留められなかった弱さ。「弁護士」を逸脱しなかったのは彼の理性だが、それによって、誰も救われなかった。)

川井、、、魅力的で、愛すべき人間なのに、とても危うい。哀しい。でも、だからこそ、惹きつけられて、ほだされてしまうのだろう。恒蔵も。美貴子も。(そして、戸田さんも^^)

こんな人物造形は、カタルシスがないけれど、そんなの百も承知で、杉田監督は撮っている、ような気がする。

応える吉岡も、全然「善人臭」を出さずに、正義感の強い、でも生きることが少し下手な、土星人(笑)っぽい弁護士を、見事に創り上げている。

左薬指の指輪が、妙に場面場面で目立っていた。川井の奥さん。。。ファンは生殺しかよ~(;;)でも、何だか、あの指輪すら、哀しい。「ああ、家庭持ってる男なんだな。。。」という人間くささが、帰るところのある男の象徴として、きちんと存在してるのに、その家庭の匂いはちっともしない、という不思議さ。多分、それも、監督は計算済みだ。あの時期の吉岡だからこその、独特の雰囲気が、すごく伝わってくる。(と、勝手に思う。)

なんか、ね。今までで一番アグレッシブな吉岡を見たような、そんな気分だ。それは、決して、嫌なことではない^^

咀嚼・嚥下・消化に恐ろしく時間のかかるドラマだけど。消化した後、胃にもたれる内容だけど。とても見応えのあるドラマだったと思う。

こんなドラマばっかり毎日見るのは、いやだ。でも、年に1回ぐらい、思い切り、こんなドラマを見て、自己嫌悪や悩みに包まれながらも、生きることや、この国のこと、60年前に子どもだった人達の、その後のこと、などを考えてみたい。

エンド・ロールの写真が秀逸。「ALWAYS三丁目の夕日」と似て非なる世界。土門拳だったんだね、あの写真。あの子ども達が、その後、どんなことを経験し、どんな大人になったのか。想像している内に、何となく、涙が出た。同情ではなく。おいらもその中の一人だと、思ったから。(いや、あの写真の中には、さすがにいないけどね^-^;)

土門拳について知りたい人は、↓へ。
○ttp://www.domonken-kinenkan.jp/

ああ、なんか、まとまらないけど。よかったよ。きっと。ずっと、忘れない。

(ただ、あの病院のシーンは、まんま「優駿(オラシオン)」だよなぁ~。あの演出だけは、杉田演出、というか、展開の中でいやんなところ^-^;)
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