二つ星の空

(旧「風からの返信」-11.21.09/「モーニングコール」/「夢見る灯台」/「海岸線物語」)

ゴールデンスランバー ~人が生きているこの街で~

2010-02-06 23:36:53 | Weblog
雪で100台以上立ち往生、76人避難 新潟(朝日新聞) - goo ニュース

ども。日本列島(全部じゃないかもしれないけど)えらいことになってます。

大雪。26年ぶりだってさ(苦笑)。おいら高校生だったはず。こんなにひどかったっけ?(あ、でも確かに小学生の頃は、冬は常に除雪車が出動してて、路肩に雪山が寄せられていて、歩道はけもの道になってて、しかもキロンキロンに凍ってたなぁ。。。昨日今日の様子と一緒だ(爆))

そんな日に、アホなおいらはやっと観に行ったんです。「ゴールデンスランバー」を。



(以下、ネタバレ注意。)


。。。

よかった。

とても、色々なことを感じる映画だった。

とても哀しいエンディングなのに、見終わった後、妙な明るさがあって、元気になった。
多分、登場人物が皆、優しいからだ。(一部を除いて(苦笑))

青柳の存在感が、いつでも「ふんわり」としていて、彼ならばこそ、天の助けも降りてくるだろう、人も助けたくなるだろう、と納得できる存在感、オーラを放っていた。

森田の場面を見て、原作を読んだ自分の記憶があいまいだったことを知った。
森田は、おいらが予想してたよりもっと深刻だった。そして、もっと強くて、もっと優しかった。

吉岡秀隆氏の渾身の演技に震えた。ものすごかった。一瞬一瞬、目が離せなかった。

バトンは、森田が持っていたのだ、ということ。
そのバトンを、青柳が、受け取ったのだ、ということ。

命のバトン、というと、陳腐に聞こえるかもしれないけれど、そうとしか言いようのない、「生きていくための力と運」を、全部、森田は、青柳に渡したんだ、と思った。i-podと一緒に。

最後の瞬間まで死にものぐるいで青柳を逃がそうとし、そして、逃がした、森田。

その最期は、原作以上に衝撃的で哀しかった。そして、その衝撃が青柳を走らせた、という、自然な流れに唸った。

ipod、おいらが持ってるのと同じ世代っぽいじゃんか(笑)。同世代感、最高でした。


4人の存在感、恋人の、家族の、友人の、先輩の、そして、行きずりの人達の、人間らしい「共感」という名の優しさ。

ボロボロのカローラが動き出すように。マンホールから次々飛び出す花火のように。そして、なにより優しい、初めてで永遠の口づけのように。

美しくて、優しい、夢のようなメッセージが、観る者に繰り返し届けられる。


ともすれば、隣の人の体温が感じられない、今の世の中だからこそ。

「生きていけ」「愛していけ」「信じていけ」
「生かしていけ」「信頼を守れ」「善意をつないで行動しろ」
「人として、生きろ」「他人に手をさしのべよ」

とりあえず、学生時代に友人は作っとけよ。という話(爆笑)なんだ、とも言えるよ。
それは、まったくもって、正しいメッセージだ。

子どもたち、生きていけ。無様でも、かっこわるくてもいいから、生き抜いていくんだ。

逃げる青柳を振り返る通行者。通報する看護師。写メをとろうとするアパートの住人。ラジコンヘリ好きの小梅ちゃん。

それに対して。

車に乗せてくれたカップル。サインをねだってきたウェイトレス。保土ヶ谷さんや轟親子、そして、カズの彼女と、見回りして青柳と遭遇してしまったお巡りさん。

どちらの生き方を選びますか。

(おそらく、キルオは、「自分だけ」のために生きていくことに倦んでしまっていたのだと思う。絶対の孤独と自由は、人間関係的な渇望を生むと思うから。だから彼は、「救済を必要としている」青柳に、のめりこんでしまったんだろう。)


後者を選ぶと、森田のような目にあうこともありますよ。(そう、キルオのようにも。)

そんなこんなの色々な電波が、この映画の中で飛び交っています^-^


人間の善意と哀しさと美しさを、夢のように魅せてくれた、まさにゴールデンスランバーのような3時間弱でした。

本当にありがとう。


いい映画だった。また観に行きたいな。そして、原作ももう一度読みたいと思った。


シェイクスピアは、昔、言った。
「我々の人生は、夢と同じ成分で織りなされている。」

ぼくらには、今、夢が必要だ。
明日へ向かうための、黄金のまどろみの中で、観る夢が。


ありがとう。明日を恐れずに、生きていくよ。
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in the wrong place at the wrong time...

2010-02-06 01:30:57 | Weblog
職場でヌード写真を開いた姿がテレビ中継されてしまい…(gooニュース・ひまだね英語) - goo ニュース

思わず笑っちまった、今日の記事は上のリンク先に。

「in the wrong place at the wrong time = まずい時にまずい場所にいた、不運だった」


だそうっす。ガッテン。心から。


本日は、まさにそんな日でした。でも、おいら「災難」に順応するのがえらく早いので、それなりにおもしろかったです(爆)。こうして、毎日毎日おもしろいから、進歩がないのか★(汗)



間違った時に、間違った場所にいては、いけないよ。人生の智慧って、そういうものなんだと思う。どうしようもないこともいっぱいあるのは承知の上。その上で、「できることなら気をつけて、避けろ」と言ってるんだろう。

それにしても、この記事のDaveさん、すごいな。こんな人生もあるのか(苦笑)。でも、こんな英語圏の軽さ?というか、人間らしさ、即座の善意が、好きだ。

だって、なんか、日本の企業やったら絶対に許さへん気がするもん。でも、この記事読んだら変わるのかな。


今の日本はむしろ、真面目に働いてても解雇される人が多いんだから、それを考えると、やるせない。

企業さんへ。苦しいのはわかります。
でも、わかってはるとは思うけど、1店閉店するたびに、なんぼの従業員の人達が職を失うんやろ、なんぼの仕入れ先が経営難に陥るんやろ、って思うてしまうんですわ。

誰もが「役に立っている」と感じて生きていける、そんな世の中ならいいのに。


雪はとまったのかな。まだ、風の音がする。明日も崖っぷち。生き延びよう。太陽の光を拝むまでは、目を閉じたりしないもんね。

みなさん、よい夢を。
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