いよいよやってきました、浴衣浚い本番
朝8時に家を出て、余裕を持って会場入りをしました。
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到着するとまず、「本日はおめでとうございます。よろしくお願い致します」と、
楽屋にてお一人お一人にご挨拶をします。
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お師匠さんの楽屋には涼しげなのれんが掛けられます。
お名取のお兄さん・お姉さん方がご祝儀をお渡しした後、一人ずつご挨拶に伺います。
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舞台へ移動し、花道や舞台上で自分の立ち位置や距離を確認し、
お師匠さんからいくつかアドバイスをうける「居所合わせ」を行います。
この作業が非常に重要で、皆さんとても真剣に取り組んでいらっしゃいました。
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この劇場はきちんと花道が設けられ、すっぽんも使うことができます。
私もいずれすっぽんを使う演目を踊ってみたいです。
ただ、そうなると人間ではない役なんですけどねぇ・・・
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浴衣浚いはお化粧は自分ですが、結髪と着付けは専門の方にお願いします。
今回は新鹿の子という可愛らしい演目なので、新日本髪に結って頂きました。
涼しげな水色の糸巻きの簪と、団扇の豆簪を飾りました
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浴衣を着付けてもらって、娘の出来上がり
結髪も着付けも終わるとテンションも上ってきます。
そしていよいよ自分の番。
花道の裏で待機している間、緊張でどんどん手が震えてくるのがわかります。
パートナーの子と励ましあいながら、太鼓の音を聴いていました。
三味線の音が聞こえ始め、花道の揚幕が「シャンッ
」と音を立てて開きます。
上手側で踊る私が先に絹傘を手に花道に出て、パートナーの子が後に続きます。
そこからはもう無我夢中。
お稽古場とはまったく違う舞台の床はとても滑りやすく、苦戦しながらも踊ります。
花道での踊りを終え舞台へ移り、手踊り、毬唄、振出笠、女持ちの扇子・・・
生演奏ならではの間のずれと緊張もあり、お稽古どおりに踊ることはできず、
いくつか失敗もありましたが、なんとか無事に踊りきる事ができました。
終わった瞬間の達成感と高揚感は、言葉では言い表せません。
一度舞台に立ったらやめられないというのは、本当にその通りだと思いました。
失敗はありましたし、まだまだ上手な訳でもなく、経験年数並の踊りだったものの、
自分なりに最大限のお稽古をした結果なので、精一杯やり切った感覚があり、
悔いは一切ありません。
歌舞伎座などで「よっ
成田屋
」などの声をかける人を大向うといいますが、
今日は朝から大向うさんが来ていて、私の演目でも名前を声かけてくれました。
誰が呼んだわけでもないのですが、うちの浴衣浚いを気に入ってくださっていて、
毎回来てくださっているようです。
踊っている時に声がかかるというのは、なんだか誇らしくて嬉しいものです
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楽屋に戻ると家族や友人や同僚が来てくれていて、たくさんの花束を頂きました。
素人の踊りを見る為に時間と電車賃を使って来てくださり、本当に嬉しかったです
皆さんに心からお礼をお伝えし、まきものをお渡ししました。
自分の番がおわるとホッとして、どっと疲れが出てきました。
ご飯を食べたり少し休憩をして、お姉さんお兄さん方の踊りを見に客席へ。
お名取の皆さんの踊りはキレがあって美しく、勉強になる事がたくさんありました。
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そんなこんなで夜8時。
いよいよ最後の演目、お師匠さん方プロの舞踊家による「太刀盗人」が始まります。
幕が上った瞬間出てきたのは、立派な松羽目とその前に座る大人数の地方さん。
四挺四枚、とっても豪華です
太刀盗人はとても面白い演目で、それをお師匠さん方がお仲間で演じるので、
息もぴったりと合って、かと思えば舞踊部分は素晴らしく、とても素敵な演目でした
パートナーの子はもう1つ別の演目に出たのですが、感動するほどにとても上手で、
そんな子と一緒の舞台に立てたことを誇らしく思いました。
彼女のように上手に踊れるようになったら、どんなに幸せだろう・・・・
大量のお花とプレゼントを抱え、帰宅したのが夜10時。
とても疲れましたが本当に楽しい一日で、日舞への思いは更に強くなりました。
もっとたくさんお稽古して、もっともっと上手になって、いつか絶対にもう一度、
今回のパートナーと一緒の舞台に立ちたいです。
*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*
今回、現在のパートナーと組むことになったのが4月。
それまでに覚えた振りを全て忘れ、全く違う振りを一から入れなおしました。
仕事でなかなかお稽古にいけない4・5月に焦り、6月からは週2回のお稽古に。
春から仕事&お稽古で全力疾走でここまで来ました。
夜遅くにお稽古場に着く私を笑顔で待っていてくれたパートナーの子。
夜中からのお稽古でも、いやな顔一つせずしっかり指導してくださるお師匠さん。
お稽古翌日、眠そうな顔をしていると心配してくれる上司。
何時に帰ってくるのかわからない状況でも、夕飯を用意してくれる家族。
仕事とお稽古で精一杯で何もしてあげられないのに、応援して支えてくれる人。
この4ヶ月を乗り越えられたのは、ひとえに周りの皆さんのおかげです。
私一人では今日という日を迎えることはできませんでした。
支えてくれた全ての人達に、心からの感謝を。
本当にありがとうございました。
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朝8時に家を出て、余裕を持って会場入りをしました。
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到着するとまず、「本日はおめでとうございます。よろしくお願い致します」と、
楽屋にてお一人お一人にご挨拶をします。
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お師匠さんの楽屋には涼しげなのれんが掛けられます。
お名取のお兄さん・お姉さん方がご祝儀をお渡しした後、一人ずつご挨拶に伺います。
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舞台へ移動し、花道や舞台上で自分の立ち位置や距離を確認し、
お師匠さんからいくつかアドバイスをうける「居所合わせ」を行います。
この作業が非常に重要で、皆さんとても真剣に取り組んでいらっしゃいました。
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この劇場はきちんと花道が設けられ、すっぽんも使うことができます。
私もいずれすっぽんを使う演目を踊ってみたいです。
ただ、そうなると人間ではない役なんですけどねぇ・・・
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浴衣浚いはお化粧は自分ですが、結髪と着付けは専門の方にお願いします。
今回は新鹿の子という可愛らしい演目なので、新日本髪に結って頂きました。
涼しげな水色の糸巻きの簪と、団扇の豆簪を飾りました
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浴衣を着付けてもらって、娘の出来上がり
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結髪も着付けも終わるとテンションも上ってきます。
そしていよいよ自分の番。
花道の裏で待機している間、緊張でどんどん手が震えてくるのがわかります。
パートナーの子と励ましあいながら、太鼓の音を聴いていました。
三味線の音が聞こえ始め、花道の揚幕が「シャンッ
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上手側で踊る私が先に絹傘を手に花道に出て、パートナーの子が後に続きます。
そこからはもう無我夢中。
お稽古場とはまったく違う舞台の床はとても滑りやすく、苦戦しながらも踊ります。
花道での踊りを終え舞台へ移り、手踊り、毬唄、振出笠、女持ちの扇子・・・
生演奏ならではの間のずれと緊張もあり、お稽古どおりに踊ることはできず、
いくつか失敗もありましたが、なんとか無事に踊りきる事ができました。
終わった瞬間の達成感と高揚感は、言葉では言い表せません。
一度舞台に立ったらやめられないというのは、本当にその通りだと思いました。
失敗はありましたし、まだまだ上手な訳でもなく、経験年数並の踊りだったものの、
自分なりに最大限のお稽古をした結果なので、精一杯やり切った感覚があり、
悔いは一切ありません。
歌舞伎座などで「よっ
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今日は朝から大向うさんが来ていて、私の演目でも名前を声かけてくれました。
誰が呼んだわけでもないのですが、うちの浴衣浚いを気に入ってくださっていて、
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踊っている時に声がかかるというのは、なんだか誇らしくて嬉しいものです
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皆さんに心からお礼をお伝えし、まきものをお渡ししました。
自分の番がおわるとホッとして、どっと疲れが出てきました。
ご飯を食べたり少し休憩をして、お姉さんお兄さん方の踊りを見に客席へ。
お名取の皆さんの踊りはキレがあって美しく、勉強になる事がたくさんありました。
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そんなこんなで夜8時。
いよいよ最後の演目、お師匠さん方プロの舞踊家による「太刀盗人」が始まります。
幕が上った瞬間出てきたのは、立派な松羽目とその前に座る大人数の地方さん。
四挺四枚、とっても豪華です
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太刀盗人はとても面白い演目で、それをお師匠さん方がお仲間で演じるので、
息もぴったりと合って、かと思えば舞踊部分は素晴らしく、とても素敵な演目でした
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パートナーの子はもう1つ別の演目に出たのですが、感動するほどにとても上手で、
そんな子と一緒の舞台に立てたことを誇らしく思いました。
彼女のように上手に踊れるようになったら、どんなに幸せだろう・・・・
大量のお花とプレゼントを抱え、帰宅したのが夜10時。
とても疲れましたが本当に楽しい一日で、日舞への思いは更に強くなりました。
もっとたくさんお稽古して、もっともっと上手になって、いつか絶対にもう一度、
今回のパートナーと一緒の舞台に立ちたいです。
*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*
今回、現在のパートナーと組むことになったのが4月。
それまでに覚えた振りを全て忘れ、全く違う振りを一から入れなおしました。
仕事でなかなかお稽古にいけない4・5月に焦り、6月からは週2回のお稽古に。
春から仕事&お稽古で全力疾走でここまで来ました。
夜遅くにお稽古場に着く私を笑顔で待っていてくれたパートナーの子。
夜中からのお稽古でも、いやな顔一つせずしっかり指導してくださるお師匠さん。
お稽古翌日、眠そうな顔をしていると心配してくれる上司。
何時に帰ってくるのかわからない状況でも、夕飯を用意してくれる家族。
仕事とお稽古で精一杯で何もしてあげられないのに、応援して支えてくれる人。
この4ヶ月を乗り越えられたのは、ひとえに周りの皆さんのおかげです。
私一人では今日という日を迎えることはできませんでした。
支えてくれた全ての人達に、心からの感謝を。
本当にありがとうございました。