この1年半以上、イタリア料理教室に通ってきましたが、今年の7月でほとんどの
主だったコースを受講し終わってしまうので、その先をどうしようかと考えて、
夏以降は茶懐石とフランス料理を習うことにしました
イタリア料理教室は通常月に2~3コース、多いときにはなんと4コース受講して
いましたが、茶懐石もフランス料理も月に1コースずつなので、両方通えるかなぁ
なんて思っています
夏以降の本格スタートに先立って、気になっていたお教室に体験レッスンに行く
ことにしました。今日はフランス料理教室の体験レッスンです
こちらのお教室は人気が高く、開催日数が少ないこともあって、なかなか予約が
とれなかったのですが、今回はなんとか残り1席に滑り込むことができました
こちらのお教室では、ウェルカムドリンク・食前酒・前菜2種類(1種類はスープ
になる場合もあります)・メイン・デザートの、6種類を教えて頂きます。お料理
だけでなく、そのメニューに合わせたテーブルコーディネートのレッスンも
先生の作って下さったウェルカムドリンクを頂きながら、レシピの内容の説明や
コーディネートのお話などをお伺いしました
今日のウェルカムドリンクはエッグノック。クリスマス~年始にかけて飲まれる
ドリンクで、卵と砂糖を白っぽくなるまで泡立てたところに温めた牛乳を入れ、
カップに注いでシナモンとナツメグを振り、最後にブランデーやラム酒を垂らす
温かいドリンクです
今日は少し先取りをして、4月ごろに使えるテーブルコーディネートを教えて頂く
ことになっているようで、テーマはイースター。
イースターはキリスト教においてとても大切な行事。イエス・キリストの復活を
祝い、同時に春の到来を喜ぶ日でもあります
イースターには2つシンボルがあり、生命と復活の象徴であるイースターエッグ、
そしてその卵を運んできたとされるイースターバニー
です。
イースターのテーマカラーは一般的にイエローとパープル、もしくはパステル系
カラーなのだそうですが、今日はあえて対極である黒をメインに、黒=冬の中で
色とりどりの鮮やかな春の花が映えるコーディネートだそうです
まずはナプキンの折り方から教えて頂きました。今日は「デルタ」という折り方
だそうで、とっても簡単。折った上に小物を飾ったりネームプレートを置いたり
できるので、かなり使えそうな折り方です
黒いテーブルクロスの上に黒とプラチナ使いのショープレート。プレートの上に
黒い紙ナプキンを置き、ナプキンの上には黒と白でデコパージュしたイースター
エッグに色鮮やかなお花を飾って
テーブル上の装花はイースターエッグや色鮮やかなお花を使ったもの。周りには
イースターバニー
の置物を飾っています。
テーブルコーディネートができたところで、早速調理にかかります。
まずは冷やし時間のかかるデザートからです。デザートは「Verrine fraise」。
ヴェリーヌとはグラスに入った層の分かれたデザートを指しますが、最近では、
デザートに限らずお料理でもヴェリーヌと表現するそうです
鍋に白ワイン・砂糖・レモン汁を入れて火にかけ、沸騰したら火からおろして、
水でふやかしたゼラチンを加えて溶かします。
グラスに適当な大きさに切ったいちごと冷凍のブルーベリーを入れ、鍋の中身の
半量を使ってグラスに注いだら、冷蔵庫で冷やし固めます。残りの半量は常温の
まま置いておきます。
生ではなく冷凍のブルーベリーを使うことで、解凍される時にブルーベリーから
水分とともに色素が出ますので、それがワインゼリーに溶けて綺麗なピンク色に
なるのだそうです
イチゴをミキサーにかけてピューレ状にしたら、その1/3を小鍋に移し、砂糖・
ハチミツを加えて温めます。火から下ろして、水でふやかしたゼラチンを加えて
溶かしたら、残りのピューレ・レモン汁を加えて混ぜて、さらに六分立てにした
生クリームを加えます。
イチゴのピューレは加熱をすると色が変わってしまううえに、冷やし固めるのに
時間がかかりますので、1/3だけ加熱します。
冷やし固めておいたフルーツ入りのワインゼリーの上に流し込み、再度冷蔵庫で
冷やし固めて層を作ります。
常温にしておいた残りのワインゼリーは氷水で冷やしながら泡立て器で泡立て、
冷やし固めたムースの上に載せます。これをさらに冷やし固め、最後にイチゴと
チャービルを飾れば完成です
今日のデザートは冷やし固める時間が必要なので、他のお料理を作る合間合間で
作業をして仕上げました。
お次は前菜。今日は前菜のうち1種類はスープ。「Potage Crécy à la vanille」。
Crécyとは人参の産地で有名なフランスの都市の名前で、人参を使ったお料理には
Crécy風といった意味合いで使われます。
鍋にバターを溶かしてスライスした玉ねぎと人参を入れて、弱火で30~40分ほど
じっくり炒めます。イタリア料理教室と同じく、この時に塩を少し入れることで
野菜の旨味や甘味を引き出し、ブイヨン要らずのスープが出来上がります
十分に炒めたら水とバニラビーンズを加えて、沸騰直前くらいの火加減で7~8分
ほど煮込みます。この時にバニラビーンズを入れずに水だけにしておき、食べる
時にオリーブオイルにバニラビーンズを入れて作ったバニラオイルを垂らしても
香りが引き立って良いのだそうです
バニラオイルは今日のスープだけではなく、サツマイモ、かぼちゃ、栗などの、
甘味のあるスープに良く合うそうですよ
ミキサーにかけて牛乳で伸ばしたら、必要であれば塩で味を整えれば完成です。
牛乳で伸ばさずにピューレ状にしたまま冷凍しておくと、例えば白身魚のポワレ
などの下にソースとして敷いたりして使うこともできるそうです。
スープを器に盛り付ける際には、泡立てた牛乳とチャービルなどを乗せると色の
対比が鮮やかで見た目が綺麗になります。
もう1種類の前菜を作ります。「Charlotte d’asperges aux Saint-Jacques」。
シャルロットとはお菓子の名前などで良く聞きますが、もともと貴婦人のかぶる
円形の帽子を指す言葉だそうです。
今日はアスパラガスを使って、自家製マヨネーズで和えたジャガイモとホタテを
囲んでシャルロット仕立てにします。
ボウルに卵黄・マスタード・シロワインビネガー・塩コショウを入れて良く混ぜ
たら、サラダ油を少しずつ垂らしながら混ぜ合わせていきます。ブレンダーなど
機械を使う場合には一度に油を入れて良いのですが、手で混ぜるときには、分離
しやすいので少しずつ入れるのがポイントです。
サラダ油ではなくオリーブオイルで作っても良いのですが、そうするとこってり
した仕上がりになるので、オイル選びはお好みで良いと思います。
クリーム状になったら、みじん切りにしたケッパーとチャービルを加えて完成。
チャービルが無い場合には、イタリアンパセリやディルでも良いので、ハーブを
入れることをお勧めします。
じゃがいもは茹でて1cm角に切って、帆立は7~8mm角に切っておきます。そこに
作りたてのマヨネーズを加えて良く混ぜ合わせます。
アスパラガスは塩茹でしておき、セルクルの高さに合わせて切ってから縦半分に
切ります。その切った断面をセルクルにくっつけるようにして並べていきます。
この時に穂先だけを少し長めにしてバランスよく配置すると、王冠
のように。
並べたアスパラガスの内側にマヨネーズで和えたジャガイモとホタテを入れて、
上からスプーンなどで押さえるようにしてしっかりと詰めます。中央にイクラと
チャービルを飾ったらセルクルを外して完成です
今日は中身にフランス版ポテトサラダを詰めていますが、レストランなどでは、
サーモンのムースやカニのサラダなどを詰めるものもあるそうです。また周りを
囲むのはアスパラではなく、ズッキーニを薄く長くスライスしたものなどでも。
色々とアレンジの効くお料理です
メイン料理「Daurade à la vapeur parfumèe cerisier, sauce beurre blanc」を
作っていきます。鯛の切り身にオリーブオイルを塗り、塩を軽く洗い流した桜の
葉を巻きつけて、蒸し器で10分ほど蒸します。
みじん切りにしたエシャロット・白ワインビネガー・白ワインを鍋に入れ弱火に
かけて、水分がほとんどなくなるまで煮詰めます。日本でエシャロットというと
小さなラッキョウのようなものの上に緑の細長い葉が伸びているものを想像する
ことが多いと思いますが、あれはエシャロットではありません
赤玉ねぎが小さくなったようなものが本当のエシャロットなので、手に入らない
場合には玉ねぎで代用してもかまいません
ブールブランソースはフレンチでは良く使われるのですが、白いバターソースと
いう意味なので、本来は生クリームを使わずバターのみで作るものだそうです。
そうするとカロリーも高いうえに綺麗に出来ないことも多く、生クリームを使う
やり方が増えてきているのだとか
というわけで、今日は煮詰めたエシャロットに生クリームを加えて軽く煮詰め、
それを漉したところにバターを加えて、ブールブランソースを作りました。
付け合せには菜の花、空豆、スナップエンドウなどの春野菜を塩茹でしておき、
バターで軽く炒めたものを添えます。
食前酒はストロベリー・グレープフルーツ。正確にいうとお酒ではありません。
グラスにグレープフルーツジュースを入れ、そこにストロベリーシロップを注ぐ
だけでできあがりです。綺麗な2層のドリンクが出来上がりました
それぞれの液体の比重の関係で、そそぐ順番を逆にするとピンク色のドリンクが
出来上がりますよ。
全ての調理がおわったところで、早速試食タイムに。完璧にコーディネートした
テーブルの上に素敵な前菜がならんで、まるでレストランに来たかのようです
食前酒のストロベリ・グレープフルーツには、デザート作りで余ったフルーツを
可愛いピックに挿したものを添えて。かき混ぜると鮮やかなピンク色になるので
女性にはとても嬉しいドリンクですね
前菜はアスパラガスと帆立貝のシャルロット仕立て。見た目がとっても綺麗で、
崩すのがもったいなくてなかなか食べ始められなかった一品。アスパラを綺麗に
並べる以外はそれほど難しくないのに、おもてなしに喜ばれそうですね
スープは人参のポタージュ バニラの香り。盛り付けの最後に乗せる、泡立てた
牛乳が良いアクセントになって見た目も華やかですね。器使いもとても素敵で、
ショープレートは洋食器ですが、スープの器は有田焼のプラチナシリーズです。
プラチナ繋がりで、まるでお揃いで買ったかのよう
メインは桜香る鯛のア・ラ・ヴァプール ブールブランソース。プレートの中央が
黒地なので、白いソースに緑色のお野菜がとても映えます。鯛自体には味付けを
しておらず、桜の葉の塩味とブールブランソースでさっぱりとした一品
デザートはいちごのヴェリーヌ。一見手がかかっていそうなのに、とても簡単で
可愛いデザートが出来上がりました。グラスの下に敷いているのは私たち夫婦も
大好きなスガハラガラスのプレートです。前菜にもこちらを使いました
食後の紅茶は毎月替えるそうですが、今日の紅茶はデザートや食前酒に合わせ、
「FORTNUM&MASON」のフレーバー・ブラックティー(ストロベリー)を。
甘いいちごの香りがする紅茶なので、デザートのヴェリーヌにぴったりでした
フランス料理のお教室はもっと敷居が高いかなぁと思っていたのですが、そんな
ことは全くなく、先生もとても気さくな方で、楽しいレッスンでした
食材もスーパーで気軽に手に入るものを中心に、なるべく簡単な方法でお料理が
出来るようにとレシピを工夫してくださっているので、それも助かります。
自宅からも車で20分ほどと近く、このお教室なら通い続けることができそうです
ので、フランス料理教室はこちらに決めようと思います
レッスンは1.5ヶ月に1コースというスローペースなので、イタリア料理や茶懐石
などの他のレッスンに通いながら、のんびりと通っていこうと思います。