ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

夜回り先生こと水谷修さんの講演を見る。

2009-03-30 01:31:10 | インポート
夜回り先生こと水谷修さんの講演を友人を連れて行きました。

やっぱり、TVで観たとき以上の迫力を感じました。

私の友人にも、覚醒剤依存が長く亡くなってしまったのが居ましたが、

その彼も、新たに立ち直ろうと思っても、覚醒剤でボロボロになった体に太刀打ちできず、退院した後、結局部屋で誰にも知られずに亡くなっていました。

お酒に対して、強い、弱いがあるように、ドラッグに対しても強い、弱いがあるのです。

依存症は、れっきとした医療機関による治療が必要な病気です。

愛の力では救えない、というのが水谷の実感したことだ、と言われていましたが、まさにその通りだと思います。

水谷先生の話が面白いな、と思ったのは、悲惨な体験話ばかりではなく、そういった経験を元に、

そういった悲惨な「夜の世界」から如何に脱出するのか、また避けるのか、という実践的な話が豊富だったことも感心しました。

また、話がうまい!

さらに、一番感動した話は、

水谷先生の元に寄せられる「自殺して良いよね」「どうせ自分の命だもの」といった叫びに対して、

「君の命は君の命じゃないよ、君は命を託されているんだよ。」と教えるといったエピソードでした。

そのエピソードに挿入された沖縄戦の話。

壕に逃げ込んだ人々が、次々に投げ込まれる手榴弾から子供達を守るために、手榴弾に覆いかぶさり、自らの命を投げ出して守り抜いた人たちが居たこと。

本当は次世代の命を育んで行く事が、先に生まれたものとしての生来備わった本能なのですね。

水谷先生の語る話の背後には「こういった悲惨の連鎖をなんとか断ち切りたい。」「もっと素晴らしい未来を見せてあげたい。」といった

偉大な愛が感じられました。

理屈云々ではなくて、人間というものは、偉大な魂を持った人間に触れることによって、本来備わる生き抜く力を発揮させることが出来る。

まさに仏教で言うところの「慈悲」の実践だと感じました。

ともあれ、一人の人間として、飾らず、自分の信じる道を突き進む姿に感銘しました。

水谷先生、頑張ってください!

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