ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

ウードを弾いてホロリとした日~JEWELS OF THE ORIENT GALA SHOW後記

2009-09-26 04:00:23 | 音楽
お越しいただいた皆様、本当にありがとうございました!

きっと楽しんでいただけたであろう、素晴らしいショーになりました。

特に、シャリーン、アルテミスとアラディーンが共演した所は、本当に素晴らしかったと思います。

シャリーンは、エジプトのマフムード・レダに師事した経歴もあり、本当にエジプトらしいパフォーマンスでした。

特筆すべき所は、彼女の希望で「アルフ・レイラ・ワ・レイラ」を演奏し終わった後、ヴァイオリン、アコーディオン、フルート、ウードの順番でタクシームを弾いたとき、

シャリーンが音楽に同化していき、踊りがふわっと軽くなっていきながら、それぞれのタクシームにあわせて踊りが変化し、

最後のウードのタクシームの所は、弾いている内容と彼女の踊りが一体になって、素晴らしいフィニッシュを決めることができました。

そして、拍手を得た後の「レッサ・ファキル」のイントロをウードで弾いた瞬間、物凄く良い間で弾けたな!と、我ながら感心した瞬間、

「あれ?なんで涙が出るのだろう?」

と、突然ホロリとした瞬間があって、ハッと我に返ってシャリーンを見ると、彼女も同じくホロリと泣いているのが見え、

「あ、シンクロしてるんだ!」と思わず唸りました。

あの瞬間は、今思い出しても、ステージに魔法が掛かったとしか思えない最高の瞬間でした!

後で、シャリーンにそのことを伝えたら、「私も、ああいったことは、今まで数回しか経験したことが無いわ。」と言ってました。

そして、アルテミス。

本日受けた個人レクチャーで彼女にはロマの血が入っていないとの事でしたが、(と言うより、誰かが、日本で、勝手にそう思って言っていたらしいのですが)

祖父の時代にアメリカに移住したトルコ系ギリシア人の血を引き、

ジプシーのダンスと切っても切り離せない、情熱的なトルコの伝統的なベリーダンスのスタイルと、

アラディーンのパフォーマンスが混然と成って、

火花が散るような素晴らしいステージになりました。

アルテミスは、何度も何度も、本番のステージで「スーパー!」を連呼してくれ、

アラディーンの得意な情熱的な演奏を、心から賞賛してくれました。

アルテミスも、シャリーンも、本当に長い間ベリーダンスを愛し、何度もリサーチを重ね、世界中で様々な経験をしてきた尊敬すべきダンサーなだけに、

今回、この二人のダンサーと共に共演でき、そして心からの賞賛を得たことは望外の喜びでした。

今後とも、こういった魔法の掛かったような素晴らしいステージになるよう、更に努力を重ねていこう、とつくづく思った夜でした。