ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

エジプト大使館にて演奏してきました。

2013-01-25 23:08:14 | 音楽
さて、大阪から戻った1月23日(水)、駐日エジプト大使館ホールにて、アラディーン・カルテットで演奏して参りました。

去年の2月にも、ヒシャム大使から直接依頼があった訳ですが、今回も依頼があり、光栄でした。

さて、前日に演奏曲についてのリスト提出の要望があり、出した所、去年演奏した、「En Nahar El Kharid」「Bahalam Biek」「Gamil Gamal」を演奏して欲しい旨を頂きました。

提出した4曲のうち、こちらで提出した曲は、ウンム・クルスームの「Bayeed Annak」のみ。

むむむ・・・。歌物ばかり。最近は大阪の仕事の関係でバタバタして時間を取られていたので、久々時間を取って練習しました。

前回と同じく、自分の持つ音響機材、マイク、マイクスタンド、小型ミキサー、小型アンプ、プリアンプ、譜面台、足台、ウードスタンドを引っさげて、会場に着き、セッティング。

瑞穂嬢、ミッチー、ペタシ君と、それぞれが到着して、サウンド・チェック後、全体のリハーサルを行って、準備を完了し、控え室で待っていました。

さて、去年のパーティでは、日本人のVIP らしい方々へのショーだったので、今回も同じかな、と思っていたら、なんと、ほとんどがエジプト人!!

スーツ姿の100人近いエジプトの来賓の皆さんが席に座って、我々の演奏を待っていました(笑)

さて、ここで、アラビア語を学んだ成果をという事で、アラビア語で自己紹介。「アッサラーム・アレイクム、私の名前はケンです。ウードの演奏方法をカイロで学び、8日間演奏しています。」

くすくすと笑い声がして「8年間」だよ、という助け舟があり、そこから暖かい拍手と声援がおこり(笑)

演奏が始まりました。

かなり緊張していた為、歌詞がすっ飛んだ所もあったりしましたが、皆さん大喜びしてくれ、Bayeed Annak を歌った時は、曲のパートの終わり毎に拍手が起きて、嬉しかったです。

Bahalm Biek、Gamil gamal では、コーラスの所を一緒に歌って貰ったりと、楽しく演奏させて貰いました。

演奏終了後、大使館員の方に「今日は、何のパーティーですか?誰も、今日の会が何だか言ってくれていないのですが?」と聞くと、

「ああ、エジプト革命記念日のパーティーですよ。本当は25日ですけど、繰り上げてこの日にしたのです。」と言うことでした(笑)

道理でエジプトの歌物が受けた訳です。

パーティーでは、立食形式になっていて、いろんな方から名刺を頂きました。

中には、NHKアラビア語講座のオサマ・イブラヒムさんとか、私が持っているアラビア語入門書の著者のアルモーメン・アブドーラさんとか、他には東京外語大の先生とか、日本語が上手な方がいっぱい居ました。

皆さん、「今まで日本人でウードの上手な人(つまり、常味さんの事)は見た事があるものの、ウードを弾きながら歌っている人は見た事が無い」という事で、えらくモテモテでした(笑)。

アラビア語も褒められ、やはり、ウードはアラブ世界の楽器であって、アラビア語で歌う歌い手の大事な楽器だと実感した一日でした。

ホール内は、完全にエジプト(笑)
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楽屋でデザートをほうばるお嬢様方。
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オサマさん、アルモーメンさんと記念撮影。
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徳島での演奏後記

2013-01-25 07:09:05 | 音楽
1月16日は、ドニアさんからのお仕事で、京都を中心に大活躍中のダラブッカ奏者、永田充君と共に徳島県に行きました。

ホテルの大きなパーティーでのお仕事でしたが、音響、照明と、専門のスタッフがいて、とても気持ち良く演奏できました。

徳島グランヴィリオホテルのスタッフの人達は、皆さん礼儀正しくて、素晴らしいと思いました。

今回、以前から欲しかったCOUNTRYMAN TYPE10 というDI (ディー・アイ、ダイレクト・イン・ボックス)を、持参しましたが、これが本当に良くて、ローノイズ、音も太く、艶やかになるので、高かったのですが、購入して本当に良かったです。

私は、常に、ウードにコンタク・マイクを付けて使っていますが、理由は、どんな所ででも対応して演奏できるようにする為です。

ウードと言う楽器は、楽器の構造上、演奏した音が聴衆側に一番大きく聞こえるようになっている、つまり、奏者には、その音自体、聞こえない上、

更に、マイクを立てて音を拾うと、ハウリング(マイクのヴォリュームを上げると、ピーという大きな音が出るあれ)が起きやすく、

大きな音を出して演奏するバンド内では、本当に音響さん泣かせの楽器です。

対抗策として、ウードの表面板にコンタクト・マイクをつけている訳ですが、そうすると、耳を直に当てて音を聞いているような「痛い音」が増幅されて、ミキサーで調節しなければならないのですが、

MCINTYRE のCF-70 というクラシック・ギター用のコンタクト・マイクは、本当に素晴らしくて、イコライジングをあまり使用しなくても、空気の層を通したような柔らかい音が出ます。

これに、チューブ・プリアンプを繋げると、一層素晴らしい音が出るのですが、問題は、モニター。

大音量のバンド内では、自分の音が大きく聞こえるように、モニタースピーカーが無いと本当につらく、(これは、カーヌーンも同じく)必要不可欠な存在なのですが、

会場によっては、モニターアンプが無い場所も多く、結局、小型のギターアンプを持っていって代用品として使うものの、プリアンプを使うと、アウトプットが一つしかない為、モニター用の別系統を作って・・・・みたいに、ドンドン機材が増える訳です。

で、DI を使うと、アウトプットが二つあるので、一つは、ミキサー卓へ、もう一つはモニター用ギターアンプへという形で私は使用しています。

ともあれ、今回のシステムは上手く機能してくれ、演奏も上手く行きました。

永田充君、流石!でした。

演奏後、温泉に行き、皆さんがお勧めの「徳島ラーメン」を食べました。

徳島ラーメン、美味しかったです~!

ドニアさん、充君、そして呼んで頂いた皆様、ありがとうございました!

写真左:温泉で乾杯する、ドニア嬢、充君
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写真中:徳島ラーメン「東大」、美味しかった!!
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写真右:初の鳴門大橋(鳴門の渦も見る事が出来ました♪)
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