昨日は民音主催のジョージア国立民族合唱舞踊団を「ルスタビ」の昼公演を見に行きました。
合唱、演奏、そして舞踊と、本当に見応えがあって素晴らしいステージでした。
ジョージアは黒海と世界最大の湖のカスピ海に挟まれ、大コーカサス山脈の南麓に面した国で、ジョージア正教というキリスト教の国です。
演目を見ていて気づいたのは、トルコの黒海地方の音楽や踊りと全く同じ物があるという事です。
音楽は、ドリと呼ばれるシリンダー型の両面太鼓によって叩き出される16分の12拍子、8分の6拍子を元にした2拍子を中心に、8分の5拍子、8分の7拍子、を織り交ぜたる激しい舞曲と、
それに合わせた高速回転する男の舞踊があり、その男性の踊りが、これが圧巻で、つま先立ち、つま先立ちを利用したピルエット、膝を使った高速回転舞や、信じられない位高く跳躍した後、着地をつま先を利用して膝で行う(!)という大技が繰り広げられ、ともかく凄い!の一言でした。
女性の踊りは、本当に豪華な衣装で、優雅で美しい物や、時に足さばきの激しい物もあり、息をのみました。
また、男性、女性の群舞では、一糸乱れぬフォーメーションを作ったりと、観客席から何度も感嘆の声が出るステージでした。今まで観たステージの中でもベストに入る内容で、本当に見に来た甲斐がありました。
ともあれ、ジョージアの舞曲と、トルコの黒海地方の舞曲は、元々は同じコーカサス地方の文化の物なので、踊りと衣装も似ているのは当然ですが、
やはり違ったモノを感じたのは歌曲と弦楽器でした。
ジョージアでは、ポリフォニーで歌い、楽器もチョングリ(Chonguri)という4本のガット弦を張った小さな弦楽器の伴奏で歌うので、楽器の響きは中央アジア周辺で演奏されるコムズやドンブラ等の音の響きに近く、
合唱はヨーロッパの教会音楽のような荘厳な響きの物が多く、この辺りは、やはりキリスト教文化なのだなぁ、と思った次第です。
ちなみに、発売されているパンフレットによると、ヨーロッパの教会音楽が、逆にジョージア発のポリフォニー音楽を取り入れた、という説が現在は有力だそうです。同じく、ワインもジョージアが起源だそうですから、ジョージアの事をもっと研究する必要があるようですね。
ともあれ、この公演は始まったばかり。ジョージア国立民族合唱舞踊団「ルスタビ」は結成50周年という佳節であり、11月19日まで日本各地を公演して回りますので、皆さん、この機会をお見逃しなく!
ジョージア国立民族合唱舞踊団「ルスタビ」の特設サイト
http://www.min-on.or.jp/special/2018/georgia/index.html
民音の「ルスタビ」のサイト。Web上からチケット予約が出来ます。
https://www.min-on.or.jp/play/detail_160038_.html…