2011年3月22日 本会議反対討論
会派「虹と緑」を代表して、提案されております26号2011年度一般会計予算、32号国民健康保険事業会計予算、51号国民健康保険条例一部改正議案に反対の立場で討論します。
2011年度予算は、今年度限りで退任される小嶋市長、小嶋市政の16年間の集大成という本格予算の性格を持っております。
しかしながら、この予算は3つの制約要因があります。
第1の制約は、2年前の衆議院選挙、昨年の参議院選挙における与野党逆転の繰り返しによる国の制度改正の動向の不明確さであります。第2次総合計画の主要事業、実施計画は1年間見送り、今年度2010年~2014年の5ヵ年の第2次総合計画の主要事業計画、2012年~2014年第2期実施計画を策定しましたが、「子ども手当て」をみても先行き不透明な状態は現在もこれから続いていきます。
第2の制約は、人口減少に相関しながら税財源は長期的には縮小し、少子高齢化対策への財源支出の増加、一方で高度経済成長期に建設された公共施設や道路等の社会資本の一斉の更新時期を迎え財政が賄えない時代の始まりです。
この事態の打開に向けて藤沢市、習志野市、政令市では新潟市、さいたま市などでアセットマネジメント戦略への取組みが始まっております。静岡市も既に1236の公共施設の年度別、累計床面積などの基礎資料は作り始めましたがまだ全庁的な取組に至っておりません。今年度の包括外部監査も資産管理をテーマとしています。そうした中で都市局住宅政策課においては、これまでの整備手法で行くとこの10年間だけで1000億円近い更新・維持費用が予測されるとして、先行的にアセットマネジマント手法用により70年間を見通した上で新規建設はおこなわない、10年間の整備計画を作り上げました。
清掃行政について言えば、西ヶ谷清掃工場のストーカー炉から100億円の起債により200億円をかけて溶融炉を新設しましたが、旧い施設を継続して使用した場合の経費と溶融炉による施設経維持費の比較検証しながら、拡大生産者責任の導入と市民の生活スタイルの変革に基づき最終処分場、沼上清掃工場を建設計画の是非を検討するが必要になります。
いずれにしてもアセットマネジメント手法に基づく住宅整備計画は第2次総合計画に反映しておらず、全庁的取組みが始まる時、第2次総合計画の大幅な見直しが必然となります。
第3の制約は、3月11日に起きた日本国家と社会の存立を揺るがすM9の東北関東巨大地震による地震、大津波、原発震災からの復旧・復興に向けた多大な財政負担であります。いまだ、被災の全容は把握できておりませんが、国際的原子力災害レベルで行くとチェルノブイリ事故のレベル7に次ぐ5~6、死者・行方不明者は2万人をこえ、35万人を超える避難所生活者、23万人とも言われる福島原発避難指示区域、屋内待機の区域の住民、メリカ政府の判断に従えば80キロ圏内の避難指示となり、郡山市、福島市、いわき市全域で更に100万人が避難対象で、被害総額は現段階で20兆円といわれる程の世界で誰も経験したことのない大震災被害であります。 農産物、海水での基準値を越える放射性物質の検出。現在、東電職員、消防庁、警察庁、自衛隊の方々、死を覚悟してのメルトダウンを食い止める放水を行っていますが最悪のシナリオ回避はいまだ不透明な段階で更に被害総額が増加することは間違いありません。 既に「子ども手当て」3歳未満2万円の7000円の増額分2000億円を地震復興資金に回すという案がでており、最悪シナリオの福島原発の爆発が起きた時、国家予算の再編成は必死であり、今年度予算の修正、凍結、先送り事業も当然予測されます。
今回の震災被害は、私達日本が広島・長崎という原爆による被害から復興した経験に匹敵する国家・社会の存立に関わる事態といえます。そして、私ども静岡市にとっても、30年間におこる確立87%という東海地震と浜岡原発、更に東南海地震、南海地震という複合的巨大地震の重なりを考える時直ちに、浜岡原発の停止と自然エネルギーシフト、化石燃料依存社会からの大転換に向けた第2次総合計画の主要事業、実施計画の見直し、原発震災防災計画策定が必要になります。
こうしたことから、会派「虹と緑」として私と宮澤議員は3月19日、福島原発から50キロ、放射能汚染区域を抱えるが故に陸の孤島と化したいわき市に、いつ爆発かという恐怖感を抱え雨ガッパで放射性物質~防御しながら、水、500ミリリットル24本入りペットボトル192ケース、マスク、オムツ、米など6トン近い支援物資を多くの方々からの義捐金を支えに山崎運輸さん、ダイドードリンク・カシイ産業さんからの力を借りて届けてまいりました。小名浜市役所支所長との面談、壊滅した小名浜国最港、5つの漁村地区、江名中学校避難所を地元市議会議員の佐藤和良さんに案内をしていただいて被災後の現状をつぶさに見てまいりました。被害の甚大さにただ呆然とするばかりでした。
いわき市については、昨日の朝日テレビにおいても放射能汚染区域・屋内退避地区を北に抱えているということで、郡山までは支援物資が来ていても運転手さんの拒否でいわき市にガソリン、支援物資が入らない実情が15分ほどのニュース番組で紹介されました。小名浜支所長さんが支援に感謝しながらも浜岡を抱えた静岡市に現段階でお伝えしたいことは3点あります、と。
第一は、放射能汚染による屋内待機指示区域を抱えたということで支援物資が入らない異常事態についてです。いわき市長は、危ないなら避難指示をだすべき、そうでなければ安全宣言をすべきと政府に強い抗議を行っています。支所長は、これまで我々も阪神大震災、中越地震、中越沖地震、現地に支援に行き何回も防災訓練もやってきたが全く違う現実がおきている。やむをえず県や政府の指示を待たずに、爆発したらヨウ素剤を飲んで逃げてくれと、全住民に配布したとのことでした。静岡市は浜岡から50キロですが、圧力容器の圧力を抜くためのベント操作で120キロはなれた女川で高濃度の放射性物質が検出したように、駿河湾の西風が多いことを考えると高濃度放射性物質からの避難指示の地域が静岡市にも出てきます。現在の放射能汚染を想定した防災計画はスリーマイル原発事故を教訓にした10キロ範囲だけです。現在、いわき市に起きていることは明日の静岡市に重なります。
第二は、静岡市もいわき市も広域であり、津波により通信施設が破壊された時の情報共有ができない初期初動体制を想定した防災計画が必要であること。
第三は、いわき市も重要港湾の小名浜港を抱え港からの救援物資の調達が考えられたが、みなと案内人である国家資格を持った人たち、石油備蓄基地など大企業の社員たちが放射能汚染区域ということで社員に脱出指示がなされ行政機能だけでなく社会機能も失われた。ガソリン不足は深刻、清水港を持つシ静岡市も港湾のあり方は再検討した方が良い、など短い時間でしたが貴重な防災計画におけるアドバイスを受けました。いわき市は放射能汚染区域を抱えるということですが、実は、福島市が1時間7,94マイクロシーベルト、郡山市が2,54、会津若松市が0,36、いわき市が0,73です。静岡市としてまず支援金、そして現地で求められているのは避難指示区域の拡大と移動・住宅支援です。静岡市は66戸の公営住宅を準備したとのことですが民間とも連携しながらもっと多数の一時的避難住宅の確保が求めらます。
こうした3つの制約は静岡市の2011年度予算の大幅な変更を迫る事態が予想されていることを指摘した上で、こうした時こそ政令市静岡市の持つ大きな潜在力を信じて地方から政治を変えていく戦略のもとで静岡市の将来像を皆さんと共に共有していきたいと考えています。
今年度一般会計予算2762億円、特別会計、1869億8850万、企業会計875億7600万、計5507億6450万は多くの課題を抱えていますが、3つの議案への反対理由を4点簡単に述べたいと思います。
第一は、国民健康保険事業における保険料、最高限度額の値上げについてであります。
国民健康保険制度は、過去の国が国の負担割合を削減してきたことによる財政難、リーマンショックなど景気後退により国民健康保険加入者が失業者や非正規雇用の方々が増え、300万以下の所得の方が80%という実情の中で財政的に破綻をしつつあります。
高齢者の自然増や少子化対策としての社会保障費の増加は時代のトレンドとなり医療費は毎年増加傾向にあり2009年度で35兆円を越えました。長期的には、医療費は抑制するのか、増加を前提にするのか、税・保険料・診療費など負担割合をどう調整するのか、大きな分岐点に立ち年金問題同様に超党派的分野の課題です。
短期的打開策として市の繰り出し金増加の範囲を保険料の現状維持のレベルか引き下げにまでもっていくか、あるいは現状の国のレベルを超えている一部負担金減免制度の対象者の範囲を更に広めるのか、をめぐって厚生委員会でも陳情、請願が出されました。その中の静岡商工会の方々からの保険料や最高限度額など現状を凍結して、減免制度の拡充など国民健康保険制度のあり方を根本的に検討する場を作るべきとの陳情が出されました。この陳情の趣旨に賛成し、今回の引き下げ請願は継続の立場で臨むということから、国保会計事業値上げを含む26号、32号、51号には賛成できません。また、国保運営協議会は市長部局の諮問機関であり、毎年繰り返される問題は市議会による諮問機関の設置や参考人制度の活用などこれまでの市長部局の提案に賛成・反対というスタイルを改めていく必要があります。
第2は、予防接種行政に関連して、子宮頸がん、ヒブワクチン、小児性炎球菌ワクチンの導入予算についてであります。
昨年の段階で予防接種導入原則である安全性、必要性、有用性において、慎重な議論が必要であるという立場でこれらのワクチンの導入に反対してきました。子宮頸がんワクチンについては検診を優先すべきで、現在のワクチンだけでは2種類だけで15種利のウイルスに対応していない、接種後に血管迷走神経反射として失神が現れるという副作用が明らかになりました。ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンにおいてはこの3月連続して6例の死亡事故が発生し厚生労働省は「一時見合わせ」措置を取りました。サノフィパスツール社のワクチンを国内に納入している第一三共はワクチンに異物混入があったとして130万本を自主回収しました。静岡市内でも同じ製造番号のワクチンが流通していたことも保健予防課の調査でわかっています。
静岡では、現段階で幸いにして死亡事故は確認されていませんが、川崎市や都城市など死亡して1ヶ月経過して死亡が公表されるなどワクチン接種と安全性に関しての医療現場、行政の側の認識のゆるみがあることを指摘しなければなりません。重篤な副作用事故があった場合の責任がどこにあるかなど、静岡市は過去の事故を踏まえて慎重な対応をしてきました。早急な公費負担を求める請願採択を決めた静岡市議会や国の法の枠組みも作らない勇み足的施策、求めてきた親御さん含め、改めて、この予防接種の必要性について議論をはじめるべきであると考えます。
第三は、清水駅東地区文化施設についてであります。
清水駅東地区文化施設へのPFI手法の導入、建設資材高騰を背景に入札企業が表れない事態や合併特例債の活用の期限切れという中で不透明な契約過程に対して反対をしてきました。このPFI手法にもとづく起債は77億で特例債最期の事業ですが危惧すべき事態です。今後の財政の見通しで起債の額は昨年度一時的に減りましたが、臨時財政対策際の全額活用というモラルハザードも含め起債残高は増加をしており、公債費も増加の一方です。国においては三位一体改革=小泉改革からの脱却という意味で地方交付税の確保という財政構造は変わりつつありますが、交付税の地方交付税の特別会計の累積残高を考える時、将来世代への財政負担はできるだけ避ける責任が現役世代にあります。
第四は、東静岡地区における多目的アリーナについてです。
既に静岡県は草薙運動場建設に着手しており、多目的アリーナ事業は建設を白紙撤回すべきです。
最後に指摘したいことは、社会福祉協議会など外郭団体の改革についてであります。
新たな公共サービスに担い手は、官なのか、民なのか、新しい公共なのか、大いなる議論の場が必要です。静岡市は職員定数を減らしながら非常勤嘱託職員を増加させ、一方で外郭団体への就職斡旋という国制度とは内容を異にしますが天下りにより外郭団体による公共サービスの提供を続けてきています。そうした中で、不適製経理における課徴金3200万円を税からの支出することに何の責任も取らない無責任体質が露呈し、今回の社会福祉協議会の不祥事はある意味で、この公共サービスの提供主体をどこに定めていくかの議論不在の中で地域福祉は社会福祉協議会に依存、天下りと指定管理者制度への多用、補助金など税支出の増加、新しい公共議論の不足が今回の不祥事を起こしたといえます。社会福祉協議会への人件費負担を今年度から廃止したということは新たな改善であり評価して行きたいと思いますが今後の調査に慎重に見守りたいと思います。
以上述べて反対討論としたいと思います。
会派「虹と緑」を代表して、提案されております26号2011年度一般会計予算、32号国民健康保険事業会計予算、51号国民健康保険条例一部改正議案に反対の立場で討論します。
2011年度予算は、今年度限りで退任される小嶋市長、小嶋市政の16年間の集大成という本格予算の性格を持っております。
しかしながら、この予算は3つの制約要因があります。
第1の制約は、2年前の衆議院選挙、昨年の参議院選挙における与野党逆転の繰り返しによる国の制度改正の動向の不明確さであります。第2次総合計画の主要事業、実施計画は1年間見送り、今年度2010年~2014年の5ヵ年の第2次総合計画の主要事業計画、2012年~2014年第2期実施計画を策定しましたが、「子ども手当て」をみても先行き不透明な状態は現在もこれから続いていきます。
第2の制約は、人口減少に相関しながら税財源は長期的には縮小し、少子高齢化対策への財源支出の増加、一方で高度経済成長期に建設された公共施設や道路等の社会資本の一斉の更新時期を迎え財政が賄えない時代の始まりです。
この事態の打開に向けて藤沢市、習志野市、政令市では新潟市、さいたま市などでアセットマネジメント戦略への取組みが始まっております。静岡市も既に1236の公共施設の年度別、累計床面積などの基礎資料は作り始めましたがまだ全庁的な取組に至っておりません。今年度の包括外部監査も資産管理をテーマとしています。そうした中で都市局住宅政策課においては、これまでの整備手法で行くとこの10年間だけで1000億円近い更新・維持費用が予測されるとして、先行的にアセットマネジマント手法用により70年間を見通した上で新規建設はおこなわない、10年間の整備計画を作り上げました。
清掃行政について言えば、西ヶ谷清掃工場のストーカー炉から100億円の起債により200億円をかけて溶融炉を新設しましたが、旧い施設を継続して使用した場合の経費と溶融炉による施設経維持費の比較検証しながら、拡大生産者責任の導入と市民の生活スタイルの変革に基づき最終処分場、沼上清掃工場を建設計画の是非を検討するが必要になります。
いずれにしてもアセットマネジメント手法に基づく住宅整備計画は第2次総合計画に反映しておらず、全庁的取組みが始まる時、第2次総合計画の大幅な見直しが必然となります。
第3の制約は、3月11日に起きた日本国家と社会の存立を揺るがすM9の東北関東巨大地震による地震、大津波、原発震災からの復旧・復興に向けた多大な財政負担であります。いまだ、被災の全容は把握できておりませんが、国際的原子力災害レベルで行くとチェルノブイリ事故のレベル7に次ぐ5~6、死者・行方不明者は2万人をこえ、35万人を超える避難所生活者、23万人とも言われる福島原発避難指示区域、屋内待機の区域の住民、メリカ政府の判断に従えば80キロ圏内の避難指示となり、郡山市、福島市、いわき市全域で更に100万人が避難対象で、被害総額は現段階で20兆円といわれる程の世界で誰も経験したことのない大震災被害であります。 農産物、海水での基準値を越える放射性物質の検出。現在、東電職員、消防庁、警察庁、自衛隊の方々、死を覚悟してのメルトダウンを食い止める放水を行っていますが最悪のシナリオ回避はいまだ不透明な段階で更に被害総額が増加することは間違いありません。 既に「子ども手当て」3歳未満2万円の7000円の増額分2000億円を地震復興資金に回すという案がでており、最悪シナリオの福島原発の爆発が起きた時、国家予算の再編成は必死であり、今年度予算の修正、凍結、先送り事業も当然予測されます。
今回の震災被害は、私達日本が広島・長崎という原爆による被害から復興した経験に匹敵する国家・社会の存立に関わる事態といえます。そして、私ども静岡市にとっても、30年間におこる確立87%という東海地震と浜岡原発、更に東南海地震、南海地震という複合的巨大地震の重なりを考える時直ちに、浜岡原発の停止と自然エネルギーシフト、化石燃料依存社会からの大転換に向けた第2次総合計画の主要事業、実施計画の見直し、原発震災防災計画策定が必要になります。
こうしたことから、会派「虹と緑」として私と宮澤議員は3月19日、福島原発から50キロ、放射能汚染区域を抱えるが故に陸の孤島と化したいわき市に、いつ爆発かという恐怖感を抱え雨ガッパで放射性物質~防御しながら、水、500ミリリットル24本入りペットボトル192ケース、マスク、オムツ、米など6トン近い支援物資を多くの方々からの義捐金を支えに山崎運輸さん、ダイドードリンク・カシイ産業さんからの力を借りて届けてまいりました。小名浜市役所支所長との面談、壊滅した小名浜国最港、5つの漁村地区、江名中学校避難所を地元市議会議員の佐藤和良さんに案内をしていただいて被災後の現状をつぶさに見てまいりました。被害の甚大さにただ呆然とするばかりでした。
いわき市については、昨日の朝日テレビにおいても放射能汚染区域・屋内退避地区を北に抱えているということで、郡山までは支援物資が来ていても運転手さんの拒否でいわき市にガソリン、支援物資が入らない実情が15分ほどのニュース番組で紹介されました。小名浜支所長さんが支援に感謝しながらも浜岡を抱えた静岡市に現段階でお伝えしたいことは3点あります、と。
第一は、放射能汚染による屋内待機指示区域を抱えたということで支援物資が入らない異常事態についてです。いわき市長は、危ないなら避難指示をだすべき、そうでなければ安全宣言をすべきと政府に強い抗議を行っています。支所長は、これまで我々も阪神大震災、中越地震、中越沖地震、現地に支援に行き何回も防災訓練もやってきたが全く違う現実がおきている。やむをえず県や政府の指示を待たずに、爆発したらヨウ素剤を飲んで逃げてくれと、全住民に配布したとのことでした。静岡市は浜岡から50キロですが、圧力容器の圧力を抜くためのベント操作で120キロはなれた女川で高濃度の放射性物質が検出したように、駿河湾の西風が多いことを考えると高濃度放射性物質からの避難指示の地域が静岡市にも出てきます。現在の放射能汚染を想定した防災計画はスリーマイル原発事故を教訓にした10キロ範囲だけです。現在、いわき市に起きていることは明日の静岡市に重なります。
第二は、静岡市もいわき市も広域であり、津波により通信施設が破壊された時の情報共有ができない初期初動体制を想定した防災計画が必要であること。
第三は、いわき市も重要港湾の小名浜港を抱え港からの救援物資の調達が考えられたが、みなと案内人である国家資格を持った人たち、石油備蓄基地など大企業の社員たちが放射能汚染区域ということで社員に脱出指示がなされ行政機能だけでなく社会機能も失われた。ガソリン不足は深刻、清水港を持つシ静岡市も港湾のあり方は再検討した方が良い、など短い時間でしたが貴重な防災計画におけるアドバイスを受けました。いわき市は放射能汚染区域を抱えるということですが、実は、福島市が1時間7,94マイクロシーベルト、郡山市が2,54、会津若松市が0,36、いわき市が0,73です。静岡市としてまず支援金、そして現地で求められているのは避難指示区域の拡大と移動・住宅支援です。静岡市は66戸の公営住宅を準備したとのことですが民間とも連携しながらもっと多数の一時的避難住宅の確保が求めらます。
こうした3つの制約は静岡市の2011年度予算の大幅な変更を迫る事態が予想されていることを指摘した上で、こうした時こそ政令市静岡市の持つ大きな潜在力を信じて地方から政治を変えていく戦略のもとで静岡市の将来像を皆さんと共に共有していきたいと考えています。
今年度一般会計予算2762億円、特別会計、1869億8850万、企業会計875億7600万、計5507億6450万は多くの課題を抱えていますが、3つの議案への反対理由を4点簡単に述べたいと思います。
第一は、国民健康保険事業における保険料、最高限度額の値上げについてであります。
国民健康保険制度は、過去の国が国の負担割合を削減してきたことによる財政難、リーマンショックなど景気後退により国民健康保険加入者が失業者や非正規雇用の方々が増え、300万以下の所得の方が80%という実情の中で財政的に破綻をしつつあります。
高齢者の自然増や少子化対策としての社会保障費の増加は時代のトレンドとなり医療費は毎年増加傾向にあり2009年度で35兆円を越えました。長期的には、医療費は抑制するのか、増加を前提にするのか、税・保険料・診療費など負担割合をどう調整するのか、大きな分岐点に立ち年金問題同様に超党派的分野の課題です。
短期的打開策として市の繰り出し金増加の範囲を保険料の現状維持のレベルか引き下げにまでもっていくか、あるいは現状の国のレベルを超えている一部負担金減免制度の対象者の範囲を更に広めるのか、をめぐって厚生委員会でも陳情、請願が出されました。その中の静岡商工会の方々からの保険料や最高限度額など現状を凍結して、減免制度の拡充など国民健康保険制度のあり方を根本的に検討する場を作るべきとの陳情が出されました。この陳情の趣旨に賛成し、今回の引き下げ請願は継続の立場で臨むということから、国保会計事業値上げを含む26号、32号、51号には賛成できません。また、国保運営協議会は市長部局の諮問機関であり、毎年繰り返される問題は市議会による諮問機関の設置や参考人制度の活用などこれまでの市長部局の提案に賛成・反対というスタイルを改めていく必要があります。
第2は、予防接種行政に関連して、子宮頸がん、ヒブワクチン、小児性炎球菌ワクチンの導入予算についてであります。
昨年の段階で予防接種導入原則である安全性、必要性、有用性において、慎重な議論が必要であるという立場でこれらのワクチンの導入に反対してきました。子宮頸がんワクチンについては検診を優先すべきで、現在のワクチンだけでは2種類だけで15種利のウイルスに対応していない、接種後に血管迷走神経反射として失神が現れるという副作用が明らかになりました。ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンにおいてはこの3月連続して6例の死亡事故が発生し厚生労働省は「一時見合わせ」措置を取りました。サノフィパスツール社のワクチンを国内に納入している第一三共はワクチンに異物混入があったとして130万本を自主回収しました。静岡市内でも同じ製造番号のワクチンが流通していたことも保健予防課の調査でわかっています。
静岡では、現段階で幸いにして死亡事故は確認されていませんが、川崎市や都城市など死亡して1ヶ月経過して死亡が公表されるなどワクチン接種と安全性に関しての医療現場、行政の側の認識のゆるみがあることを指摘しなければなりません。重篤な副作用事故があった場合の責任がどこにあるかなど、静岡市は過去の事故を踏まえて慎重な対応をしてきました。早急な公費負担を求める請願採択を決めた静岡市議会や国の法の枠組みも作らない勇み足的施策、求めてきた親御さん含め、改めて、この予防接種の必要性について議論をはじめるべきであると考えます。
第三は、清水駅東地区文化施設についてであります。
清水駅東地区文化施設へのPFI手法の導入、建設資材高騰を背景に入札企業が表れない事態や合併特例債の活用の期限切れという中で不透明な契約過程に対して反対をしてきました。このPFI手法にもとづく起債は77億で特例債最期の事業ですが危惧すべき事態です。今後の財政の見通しで起債の額は昨年度一時的に減りましたが、臨時財政対策際の全額活用というモラルハザードも含め起債残高は増加をしており、公債費も増加の一方です。国においては三位一体改革=小泉改革からの脱却という意味で地方交付税の確保という財政構造は変わりつつありますが、交付税の地方交付税の特別会計の累積残高を考える時、将来世代への財政負担はできるだけ避ける責任が現役世代にあります。
第四は、東静岡地区における多目的アリーナについてです。
既に静岡県は草薙運動場建設に着手しており、多目的アリーナ事業は建設を白紙撤回すべきです。
最後に指摘したいことは、社会福祉協議会など外郭団体の改革についてであります。
新たな公共サービスに担い手は、官なのか、民なのか、新しい公共なのか、大いなる議論の場が必要です。静岡市は職員定数を減らしながら非常勤嘱託職員を増加させ、一方で外郭団体への就職斡旋という国制度とは内容を異にしますが天下りにより外郭団体による公共サービスの提供を続けてきています。そうした中で、不適製経理における課徴金3200万円を税からの支出することに何の責任も取らない無責任体質が露呈し、今回の社会福祉協議会の不祥事はある意味で、この公共サービスの提供主体をどこに定めていくかの議論不在の中で地域福祉は社会福祉協議会に依存、天下りと指定管理者制度への多用、補助金など税支出の増加、新しい公共議論の不足が今回の不祥事を起こしたといえます。社会福祉協議会への人件費負担を今年度から廃止したということは新たな改善であり評価して行きたいと思いますが今後の調査に慎重に見守りたいと思います。
以上述べて反対討論としたいと思います。