ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

いろんなことがあった日

2009年03月25日 | ひとりごと
息子Kが最近始めたバイトは、見知らぬ家の戸別訪問をして、窓や屋根、ドアや壁などの修繕が必要かどうかを尋ねるというものでした。
彼は前にも一度、環境保護に関するアンケートに答えてもらい、それに賛同する人に寄付をお願いするというバイトをしたことがあります。
これも結局は見知らぬ人にいきなり話しかけて、何かをお願いするという部類の仕事でした。
知らない町を歩き続け、ドアというドアをノックして、無視されたり嫌がられたり、時には親切にもしていただきながら丸一日働いたのに、
結局その仕事主の団体はインチキ団体であることが分かり、連絡を取っても無しのつぶて、まあいい経験をしたんちゃう?で終わってしまいました。

それからしばらくは、1週間にたった2日しかない大学と、週末のゲームトーナメントの賞金稼ぎ以外はなにもせず、クィーンに住む友人のアパートに足繁く通っては泊まったりしていたK。
洗濯するでもない、勉強もあまりするでもない、夜中に起きて昼過ぎまで寝て、まあよく遊んでること!と感心しながらも、見て見ぬふりをして放っていたら、
いきなりまた、こんなこっちゃアカン!と言い出し、今回の仕事を見つけ、面接を受け、採用され、明日から仕事だという晩に部屋の中をピカピカにしたK。
翌日の朝、「僕の部屋、すごいで」と言いに来たので、どれどれちょっと拝見と立とうとしたら、「いや、まだ100%じゃないから見んといて」とK。
なるほど、新しい生活の始まりということね。今までのダラダラしまくってた自分にケジメをつけたいってことね、ふんふん。
彼はよくこういう行動パターンを繰り返します。とても分かり易いです。
今週の月曜日が最初の仕事日でした。少し緊張気味のK。肌寒いを通り越して冬に逆戻りしたような日でしたが、薄着で出かけてしまいました。
どこのお家にも断られたそうですが、インディアのご家族が「うちは借家なのであんたに仕事を頼むことはできないけど、さ、ちょっと中に入ってカレー食べていきなさい」と、Kを夕食に誘ってくれたそうです。

そうして今日、仕事が始まって二日目、家に戻るなり深いため息をついたK。
「どないしたん?」
「これもろた」
彼の手には違反チケットがヒラヒラと……。
「なにしたん?」
「スピード違反。けど、その道、途中から制限速度が変わっててん。夜やったし暗かったし、初めて走った道やから知らんかった。35マイル制限がいきなり25マイルになってて、そこを40マイルで走ってた……らしい」
「まあよくあるパターンやけど……」
「今日は2回警察に止められた」
「え?!他にも違反したん?」
「いや、車と違て仕事の方」
「なんのこっちゃ?」
「この仕事は、あの町(モリスタウンというここから西に30分ほど走った所にある町)ではしたらあかんねんて」
「……」
「そやし、仕事も今日で終わってしもた」
「はぁ~……」
こういうのを踏んだり蹴ったり、というのでしょうか?

この2回の経験を生かして、今後は訪問販売とか寄付を募る団体の仕事をしようと思わないでほしいなあ。
彼はいつも、人と直接関われる仕事がしたいと願っているみたいなのだけど、同じ関わるのでも、違う関わり方ができる仕事を選んで欲しいと思う母です。
あまりに落ち込んだからか食欲も出ず、今まで食べなかったK。今やっとキッチンに来て、なんかゴソゴソ出してます。やっと食べる気になったかな?


さて、わたしのはちっちゃなことですが、『チーム・メリッサ』のトレーニングが終了しました。
今回は主催者側のYMCAの経済的な事情のための終了なので本物です。
1月から始まった、わたしにとっては結構大変だったイベントに、結局最後までメンバーとして留まれたことを嬉しく思っています。
それに、平日は必ずなにがしかの運動をしなければ気持ちが悪い自分になったことも良かったし、なによりも体重が5キロ減りました?!
これからも、せっかくついたこのいい癖を残していければいいな~(って……もともとがナマケモノなので、今一自信が無いのですが……)。


と、ここまでを書いていると、大津時代の親友Wちゃんからメールが送られてきました。
また、Mちゃんとお茶して、まうみを酒の肴、もとい、コーヒーの肴にしておしゃべりしまくりました~とかいうメールかな?と思いながら開けてみると、
彼女のおかあさんが亡くなったという知らせなのでした……。
Wちゃんのおかあさんとは、彼女がすっかりおばあちゃんになられてからお出会いしたので、過去の彼女のことを知らないわたしですが、それはそれは温厚な、上品な、そして知的な女性でした。
ステンドグラス工芸を趣味にされていて、その作品はプロ並み。
ステンドグラスは作品の繊細な外見からは想像もできない重労働と危険が伴う作業であることを、彼女に教えてもらって初めて知りました。
素材に使うガラスは思っているよりはるかに分厚く大きなもので、それを必要な分だけ切り刻んでいくのが大変なのよ、とおっしゃっていました。

おばあちゃんにはいつも、とても親切にしていただきました。すてきな洋服もいっぱいいただきました。
なにもご恩返しができないまま、わたしはこんな遠くから、ただただご冥福をお祈りさせていただくことしかできません。
Wちゃん、あなたのおかあさんはきっと、一緒に暮らせた晩年の毎日を楽しく思い出しながら人生を終えられたと思います。
そばで見ていて、本当にいい親子だといつも思っていました。
Wちゃんのご主人も、とても自然に、とても和やかに、本当の親子のように接しておられて、その姿もとても素晴らしいと思っていました。
だからこそきっと、Wちゃんちの3人の息子達は、あんなに優しい、真っすぐないい青年に育ったんだろうと思います。


いろんな思いが押し寄せてきた一日でした。
こんな日は、これでクイクイッと心のツボを押して、よぉ~くほぐしてから眠るのが良さそうです。



これはわたしの1番のお気に入り小物。高校時代のブラバンの先輩W君からもらったツボ押し器。ドイツ製です。
長らくの間行方不明になっていて、とても困っていました。
こないだのKの部屋の大掃除で、ひょっこり見つかりました。
この微妙なカーブを描く金属のしなりが、絶妙の押し具合を作ります。
いっぺん使ったら病み付きになっちゃいます。他のどんなのと比べてもやっぱりこれに勝る物を見つけることはできません。
もうかれこれ25年は使っているはずです。お世話になってます、ほんとに。ありがたいです。

コメント (9)
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