ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

発表会を終えてつくづく思ったこと

2011年11月12日 | 音楽とわたし



近所の教会の、"ブルーの間"という部屋を借りての、生徒達の発表会が無事終わった。
みんな、それぞれに、ホホゥという演奏をしてくれた。
こちらで教え始めて十年、
ほとんどの子達が、ドの音からひとつずつ覚え、リズムを覚え、歌い方を覚え、
誰も専門家などになろうとは思ってないけれど、毎週レッスンを受け、少しずつ上手になって、毎年の発表会では、その成果をしっかり披露してくれる。
長い子で十年、短い子で二ヶ月、出会ってからの年月には差があるけれど、成長の証が見られる発表会はやっぱり楽しい。

楽しいけれど、実はすごく大変なのだということを、毎回わたしは忘れてしまい、ギリギリになって大変な目に遭う。
これはひとえに、懲りない性格というか、癖のような、いや、もしかしたら病気なのかもしれないけれど、
発表会前日の夜に、プログラムの順番について、眉間に3重のシワを寄せて思案していたり、挨拶文をあれこれ考えていたり、
このブログの日記で調べてみても、全く同じようなことをしてあたふたしている自分が必ずそこにいる。

そして今日は特に、自分が演奏する、ということについても、しみじみと思うことがあった。
というのも、二週間前にカーネギーで演奏した曲をまた今日も演奏する、という状況があったからだと思う。

同じ曲を、そりゃまあ、場所もお客さまも、それからピアノも全く違うのだけど、それでも、その曲を演奏する、ということには違いない。
それで、その演奏について考えたり準備したりしたいのだけど、発表会の場合は、このわたしがすべて、会のお膳立てをしなければならないので、
自分のことを考えたりかまったりする時間も余力も無く、あっという間に演奏の時間が来てしまう。

それで、ああ、自分はなんて幸運な人間なんだろうか……と、今日改めて思い、感謝した。
ただ弾く事だけに、自分のコンディションだけに集中していれば良い、ということのありがたさ。
周りで、どれだけの人達が支えてくれていて、いろんな細かい仕事や作業をしてくれていて、
特に家族などは、近しいだけに、練習の騒音に耐えながら、普段以上に手伝ってくれたり、気を遣ってくれたりする。

今日、頑張って弾いてくれた生徒達にありがとう!
今日、わざわざマンハッタンからやってきて、演奏してくれたサラにありがとう!
今日、すてきな演奏をしてくれた生徒達のいつもの暮らしの中で、ずっと支えてくれている家族の方々にありがとう!
ほんでもって、旦那よ、ちょこっとだけ運搬を手伝ってくれた息子KとMちゃんよ、ほんとにいつもありがとう!


発表会の後、カーネギーの代わりに招待した人達(その中にはMちゃんの両親、マイクとE子ちゃんもいる)とサラと一緒に家に戻り、なんやかんやと話しながら、ワインとチーズで乾杯。
早退組が帰った後、サラ、マイクとE子ちゃん、Mちゃん、それから旦那とわたしとで、昨日から作ったおかずと、熱々のトンカツで食事会をした。
息子Kはジャパニーズレストランのバイトで欠席。
いただいたたくさんのお花をサラにお裾分け。
わたしがいなくなったら、この家には花の世話をするような人間はいないので、残しておいても仕方がない。


などと、今日の発表会を思い出しながら書いていたら、近所からなにやら叫び声が聞こえてきた。
ドアを開けて聞いてみる。
ちょっと尋常ではないような気がして旦那に報告。
玄関に出てしばらく様子をみていた旦那、推測するに、ティーンか若い女性に怒鳴りつけている男性がいる。
なので警察に通報した。
あっという間に、三台のパトカーがやってきて、しばらく大騒ぎになったけど、とりあえず治まった様子。

さて、とうとうくったくたになった、という実感が、重石のようにわたしの頭のてっぺんに乗っかっている。
おやすみなさい。
コメント (6)
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