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ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

わたしたちを「たかが衆愚』と見くびっている『日本会議』集団に、そろそろゲンコツを食らわせる時がきた!

2015年06月24日 | 日本とわたし
『日本会議』という集団の名前が、ちらほらと目に付き始めてから、ずいぶんと時間が経ってしまいました。
海外のメディアでは、戦前復興を狙うロビー集団と紹介されていることが多いのですが、
最近特に、この集団の在り方や根回しに近い活動が問題視され始めているにも拘わらず、マスコミにはあまり取り上げられていません。
まあ、マスコミ(特に大手)の体たらくはなにも、この『日本会議』についての無報道っぷりに限ったことではないのですが…。

インターネットで検索すると、山のように情報が出てきます。
↓これはそれらの中のひとつ。
なぜ報道されない?安倍首相も属する極右団体『日本会議』が政治を牛耳ってる
http://matome.naver.jp/odai/2143424055925855801

東京新聞などでは以前、記事として取り上げられていました。
たくさんの記事の中から、少し古いものですが、わたし自身に読み易かったものを、ここに紹介させていただきます。

↓以下、転載はじめ

第2次安倍晋三改造内閣 最大右翼組織「日本会議」が占拠
http://tamutamu2014.web.fc2.com/abekaizounihonnkiagi.htm

改憲・超タカ派の「日本会議国会議員懇談会(日本会議議連)から15人」

安倍晋三首相を含め、第2次安倍改造内閣の19人の閣僚のうち15人が、
日本の侵略戦争を正当化する改憲・右翼団体「日本会議」を支援するためにつくられた「日本会議国会議員懇談会」(日本会議議連)の所属議員である

超タカ派・改憲勢力が政権中枢に躍り出た形で、まさに「日本会議」内閣である。

2013年2月現在の役員表によると、日本会議議連(289名の国会議員が参加)には、安倍首相と麻生太郎副総理・財務相が特別顧問に就任
高市早苗総務相、菅義偉官房長官、下村博文文部科学相が副会長山谷えり子国家公安委員長が政策審議会長有村治子女性活躍担当相は政策審議会副会長を務めている。
また、衛藤晟一、礒崎陽輔両首相補佐官、加藤勝信官房副長官らも、役員に名を連ねる。

改造内閣で日本会議議連に所属していないのは、太田国交相、小渕経産相、松島法相、西川農相の4人。
もっとも、西川農相と二階自民党総務会長は、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」には名を連ねている
どちらにも所属していないのは、公明党の太田国交相、小渕経産相と松島法相だけ、ということになる。

自民党新役員でも、谷垣禎一幹事長が同顧問稲田朋美政調会長が政策審議会副会長を務め、また茂木敏充選対委員長も議連メンバーである。

日本会議は「憲法改正をめざす国民運動」を進めるとして、各地でフォーラムなどを開催
同議連や地方議員懇談会が、地方議会で、「憲法改正の早期実現」を求める意見書を採択させる先頭にたっている

日本会議のHPを見ると、
私たちは、美しい日本の再建と誇りある国づくりのために、政策提言と国民運動を推進する」と書かれており、
憲法改正、愛国心教育、“自虐的”な歴史教育の是正、戦後レジームからの脱却等々の安倍政権の政策は、すべて日本会議が提言してきたものだ。



日本会議は、
「男らしさや女らしさを否定する男女共同参画条例が各県で制定され、子供や家庭をめぐる環境がますます悪化」しているなどとして、男女共同参画や夫婦別姓に反対
2010年3月の「日本の国柄と家族の絆を守るためストップ!夫婦別姓」と題した集会には、高市、山谷、有村、稲田各氏が参加して意見表明
同11月の集会では、山谷氏が「国民世論を無視している」と、夫婦別姓に反対を表明している。

政治評論家の森田実氏は、
そういうウルトラ右翼の内閣が誕生したわけです。
大メディアは、『安定感のある内閣』だとか『重厚布陣』だとか報じていますが、とんでもない。
こんなアブない内閣はありません」と断じている。

元法大教授の五十嵐仁氏は、
日本会議が安倍政権を裏で操るというより、もはや一体化しているとみるべきです。
内閣に(19人中)15人も入ったのは、自民党が右翼政党に変質したことの証左でもある。
安倍首相をはじめとする日本会議系の右翼議員に党が乗っ取られ、内閣も官邸も占拠された
このままでは国が乗っ取られてしまいます」と、危惧している。

安倍内閣が、憲法破壊と歴史修正を強引に推し進める根源に、これら極右グループの存在があるが、
2014年2月に、米議会調査局がまとめた報告書は、「日本会議」を名指しで警戒
安倍氏は、戦時中の行為について、日本は不当な批判を受けていると議論するグループと連携」とし、
安倍政権の歴史修正の動きとして、2013年12月の安倍首相の靖国参拝を強行した背景に、日本会議の存在があると分析している。

また、海外メディアでは「ナショナリスト組織」(米ニューヨーク・タイムズ)や「ナショナリスト・シンクタンク」(英エコノミスト)などと報じ、国際社会でも危険視されている。

集団的自衛権の行使を容認し、自衛隊法の改正など有事法制を整備して、軍備強化で世界平和に貢献するという方針も、日本会議が目指す「誇りある国づくり」の一環で、
それを着実に進めてきたのが安倍政権であり、改造によって、ますます日本会議が掲げる政策を「実行実現」する内閣になったのである。


日本会議国会議員懇談会に加入する閣僚(2014年9月)

安倍晋三総理
麻生太郎副総理
高市早苗総務相
岸田文雄外相
下村博文文科相
塩崎恭久厚労相
望月義夫環境相
江渡聡徳防衛相
菅義偉官房長官
竹下亘復興相
山谷えり子公安委員長
山口俊一沖縄・北方相
有村治子女性活躍相
甘利明経済再生相
石破茂地方創生相


==========================

政権に巣食う改憲・右翼団体「日本会議」勢力 主張・言動に見る異常
【しんぶん赤旗】2014年9月7日


安倍晋三首相を含む19人の閣僚のうち15人が、改憲・右翼団体「日本会議国会議員懇談会」(日本会議議連)に加盟している第2次安倍改造内閣(本紙6日付)。
その日本会議と、同議連が展開する主張や活動は、どのようなものなのでしょうか―。


侵略戦争を 「正義の戦争」

「諸悪の根源は、東京裁判史観」

日本会議議連の平沼赳夫会長(次世代の党党首)が、日本会議設立10周年のさいに寄せたあいさつ文の言葉です。
戦後、日本がサンフランシスコ条約で受諾し、国際社会復帰の基礎となった極東国際軍事裁判(東京裁判)が下した、日本の侵略戦争に対する断罪を否定しようというのが、日本会議の根本思想です。
 
日本会議は、過去の日本の侵略戦争を「アジア解放」の「正義の戦争」と美化してきた靖国神社への「二十万人参拝運動」を展開
天皇参拝実現に向け、歴代首相に参拝を強く要求してきました。


改憲目指して「愛国心」強制
 
日本会議は、日本国憲法、とりわけ不戦と戦力不保持を定めた憲法9条への攻撃を続け、「国防体制」充実のための改憲を主張
日本会議議連や「靖国」派の地方議員でつくる「日本会議地方議員連盟」が、地方議会で、「憲法改正の早期実現を求める意見書」を採択させる先頭に立っています
3日の内閣改造を受け、「この日が憲法改正運動のスタートとなる」(日本会議大阪のフェイスブック)と、改憲に期待を寄せています。
 
日本会議は、改憲に向けた世論構築のために、「愛国心」教育強化などを求めてきました。
 
女性活躍相に就任した有村治子氏は、昨年の参院選で、日本会議推薦候補として当選。
推薦を受け有村氏は、
戦後の教科書からは、万世一系という言葉は消えました。そこから始めていかなければいけない」(日本会議の月刊誌『日本の息吹』13年6月号)などと、
天皇中心の「日本の国柄」を、教育に持ち込む狙いを語っています


「慰安婦」記述教科書を攻撃
 
日本会議は、南京大虐殺や旧日本軍「慰安婦」問題での教科書の記述などを指して、
「わが国の歴史を悪しざまに断罪する自虐的な歴史教育」(「日本会議がめざすもの」=同会議ウェブサイト)などと攻撃しています。
 
通常国会で、「慰安婦」問題で旧日本軍の関与を認め公式に謝罪した「河野談話」(1993年)の、検証や見直しを政府に求めたのは、
山田宏議員(当時=日本維新の会所属、現・次世代の党幹事長)ら、日本会議議連所属の国会議員です。
 
今回入閣した山谷えり子国家公安委員長は12年5月、「慰安婦」記念碑を設置した米東部ニュージャージー州パリセーズパーク市を訪問し、同市市長らに記念碑撤去を求める行動に及んでいます。


「男女共同参画」に反対
 
男女の社会的差別をなくす「ジェンダーフリー」の運動や教育が、世界で広がっていますが、これを否定しているのも日本会議です。
 
日本会議議連所属議員らも、「性差別」の廃止をうたう政府や各県の「男女共同参画」の動きまで、「男らしさや女らしさを否定する」ものと批判
10年3月に、「日本の国柄と家族の絆を守るためストップ!夫婦別姓」と題して開いた集会には、
今回初入閣した高市早苗総務相や、山谷、有村両氏のほか、自民党政調会長に就任した稲田朋美氏が参加しました。

↑以上、転載おわり


で、その自由民主あらため日本会議党は、
集団的自衛権の行使容認などを含む『安全保障関連法案』が、
「法案が複雑でうまく国民に説明できていない。ビラを使って理解を得たい」などと言って、
「平和安全法制の整備」と題した100万枚のビラを作り、街頭などで配ることにしたらしいです。

そのビラなんですが、こんな大ウソがつ~らつらと並べられています。

「国民の命と平和な暮らしを守る大切な法律です。
『スキのない構え』でさらに抑止力を高めます。
戦争に巻き込まれることも徴兵制も、決してありません」

いやもう、超がつくお粗末な答弁しかできない連中の思いつくことに、またまたお金が湯水のように使われたんだなあと、深いため息が出るばかり…。
そのデタラメとウソつきっぷりを、きっちり断罪してくださったものがこれ。


http://got.angry.jp/panf/


そしてさらに、『日本会議』が発行した『押しつけ憲法』デマビラと、それを添削してくださった元自衛艦の泥憲和さんの添削ビラと記事をここに。

『日本会議』版


『泥憲和』版


【火の粉を払う】
ツイッターにこんなコメントが届いた。
「捨て垢、大変失礼いたします。
(中略)こちらの添削チラシから誠に勝手ながら引用させていただいた所、日本会議支持と見られる改憲派ネトウヨに絡まれて困っています。
ひとつお力添えを願えたら嬉しいのですが」

日本会議の「押しつけ憲法」デマビラにつけた解説のことだ(写真上)。
 
ツッコミを入れていったら、もとの文章で残ったのは「マッカーサー」と「軍事占領中」だけ、というひどい代物だった。
 
コメント欄を見たら「GHQに添削されてんだから押しつけ憲法だ」というようなコメントがわらわらと。
要望だからコメントを書き込んできた。

コメント
「誤解が多いので指摘する。
GHQが憲法制定に介入したのは草案レベルまで。
憲法本体の審議に介入していない。
審議して内容を改めることもできたのに、国会の多数派はそうしなかった。
国民が憲法の内容を支持していたからだ。
憲法を公布して1年か2年後に、国民投票を実施するようマッカーサーが勧めているが、政府は無視した。
国民の意思で憲法が定着するのを避けたのだ。
国民投票しておけばよかったのに」

 
相談を持ちかけてきた捨て垢さんへのコメント
「日本国憲法には、自由民権運動の伝統が結実しています。
マッカーサー草案は彼の案ではなく、鈴木安蔵の案が下敷きで、鈴木案のベースは自由民権の植木枝盛憲法草案です。
憲法は、支配層には「押付け」ですね。
民衆にとっては、ファッショに奪われた人権を「取り戻した」といえます 。

支配層がマッカーサー草案を丸呑みした原因は、主体性の欠如です。
主体性の欠如は、無謀な戦争に至った要因でもあります。
責任を押し付けあう。
誰も決断しない。
声の大きい者に従う。
勇気が欠如したエリートたちが、空気に乗って、ズルズルと戦争に向かいました。
みんな腰抜けですわ。

主体性の有無がドイツとの違いです。
ドイツ憲法も、占領軍の関与で作られましたが、ドイツ国内に押付け論は存在しません。
占領軍と緊張関係を保ちつつ、ドイツ自身が憲法を作る意思を持って、主体的に取り組んだからです。
結果的に、占領軍の案に似たものになったのですが。

GHQに抵抗する気なら出来ました。
ろくに抵抗しなかった腰抜けが、後から「押しつけだ」と騒いだ。
内容抜きの議論です。
戦後70年近くも国民が支持してきたのに、何をいまさら。
憲法が押し付けなら安保も同じ。
再軍備もそう。
改憲論だって、もとは米国生まれですよ。

改憲論者は、『押付け安保』や『押付け再軍備』ハンタイと騒ぎません。
なぜなら、それがアメリカの意向に沿うものだから。
結局、力の強い者、声の大きい者に付き従っているだけのことです。
主観的にはそう思っていないだろうけれどね。
戦前のエリートもそうでした。

沢山押し寄せているネトウヨですが、どこかで聞きかじった理屈をしたり顔で繰り返しているだけ。
国益論や安全保障論、外交論のすべてにわたって、内容的には護憲論が圧倒しています。
政治的力関係では残念ながら負けてるね。
逆転しないとね。
がんばりましょう」



この泥さんには、わたしはいつも励まされています。
そして、たくさんのことを教えてもらいました。
彼のことを、東京新聞が記事にまとめています。
昨年の7月28日付の記事です。

「集団的自衛権は他人のけんかを買うこと。逆恨みされますよ」

神戸市の街頭での泥憲和(どろのりかず)さん(60)=兵庫県姫路市=の「叫び」が、インターネット上で広がっている。
4月にがんで余命一年と宣告された元自衛官。
集団的自衛権の行使容認が閣議決定される前日の6月30日、マイクを握った。

初対面の若者たちに交じり、解釈改憲反対のビラ配りを手伝っていた。
聞こえてくる演説を、「分かりにくい」ともどかしく感じた。
話が途切れた時、たまらず「ちょっとしゃべらせて」と、頼み込んだ。

「私は元自衛官で、防空ミサイル部隊に所属していました」
「自衛隊の仕事は日本を守ること。見も知らぬ国に行って殺し殺されるのが仕事なわけない」

5分余りで話し終わると、自民党支持者を名乗る中年男性が、「あんたの話はよう分かった。説得力あるわ」と寄ってきた。

フェイスブックに全文を載せると、瞬く間に、賛同する人たちが転載を繰り返し、ネット上に広がった。
離れて暮らす長男から、「おやじ、ほめられすぎ」と冷やかされた。

泥さんが自衛隊に入ったのは1969年。
6年間働き、故郷の姫路市に戻って、皮革加工の仕事を始めた。
被差別出身の仕事仲間と付き合いを深める中で、両親や親類と縁遠くなった。

差別感情が強く残っている現実に直面し、被差別の解放運動に関わり始めた。
その延長で、平和運動にも携わる。
自衛隊を違憲と考える仲間たちに、合憲という自分の意見を納得してもらうため、勉強を続けてきた。
自衛隊は「専守防衛」
自衛官時代に、国民を守り憲法に従うという役割を教わった」。

神戸での街頭演説は、これまでの活動の到達点でもある。

2009年12月、京都朝鮮初級学校に対する街宣活動が起きた。
「日本からたたき出せ」「スパイの子ども」。
ネットで知った泥さんは、ヘイトスピーチと呼ばれる差別的な発言をするデモに憤り、現場で反対の声を上げる「カウンター」活動も始めた。

憎悪がむき出しとなる社会と歩調を合わせるように、政府は、戦争放棄の憲法を解釈でねじ曲げようとする
がんの宣告を受けたのを機に仕事を辞め、講演会など表舞台にも立つようになった。

「ヘイトスピーチをする人を蹴散らすことはできるかもしれない」。
中心人物を孤立させ、社会的に包囲することが、自分の役割と感じている。

「その間に、多くの人が良識を発揮してほしい。日本国民のピースマインドは、ばかにできませんよ」
コメント (4)
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「あれだけの原発事故を経験した日本が、このトルコの地に原発を建てようとしている事を思うと悲しくなる」

2015年06月24日 | 日本とわたし
守田さんから、続々とメールが届きます。
豊富な知識、行動力、希望を失わない強さ、そして弱者を思いやる温かさが、彼の文章の中にはこめられています。
講演会場の最前列に陣取り、守田さんの生声で発せられる言葉の一言一句を聞き逃すまいと、必死にメモを取る自分の姿を想像しながら、今日もここに紹介させていただきます。


守田さんも深く関わっておられる兵庫県篠山市では、原子力災害対策の進展が見られました。
それもこれも、篠山市の酒井市長ご自身が、原子力災害対策検討委員会という、自治会、消防団、医師会、原子力の専門家、市民などで構成されている会の提言を真摯に受け取られたからです。

独自に安定ヨウ素剤を事前配布する
事故が起きたら「とっとと逃げる」ための具体的な方策を、さらに積み上げていく

けれども、酒井市長はまた、
避難計画については、国においても県においても定めておらず市民が完全に避難できる方法などあり得ないとも思われます」
ともおっしゃっています。

このように危険極まりない巨大な施設を、日本は50以上、研究施設と銘打たれたものを含めるとさらにもっと多くの数を、抱えさせられてしまいました。

そして甚大な事故を起こし、何一つまともな解決も為されないまま、国土はもちろんのこと、地球を恐ろしい放射能で汚し続けています。
なのに輸出ですと?
守田さんはそのことについて、こんなふうに書かれています。

「原子力産業は風前の灯火となっている。
それでは困る、なんとか生き延びたい思う世界の原子力村が、さまざまに延命策を考え続けている。
その大きな柱が原発輸出。

日本では今、すべての原発が停まっている。
停まっていながら、電力の不足などまったく起こっていない。
私たちも日常生活で何も困っていない。

原発など、もともといらなかったから。
むしろ電気は余っている。
それをどう過剰に使わせるかが課題となってきた。
だから今、リニア新幹線などという、ものすごく電気を使用するプロジェクトまでが浮上している。
電気の使い先を見つけないと、原発に未来がないから。

ウランがまったく売れない。
経済大国日本が、こんなに長期に原発が停まっていることが分かれば、原発の不必要性が世界中に知れわたってしまう。
この状況を打開するために行われようとしているのが原発輸出。

とくに、原発が平均で4年以上も停まっている日本にとっては、そうでもしなければ運転員も含めた技術の維持ができない。
だから海外で原発を作り、運転したい。
ウランの需要を、こじ開けるようにして作るため。

日本の原発がもう何年も動いていない事実を世界に知られないためにも、原発輸出を進めるためにも、
なんとか一つの原発でも再稼働させたい。

それが今、安倍政権が遮二無二進めていること。
これは本質的には、びつつある世界の原子力村の断末魔の叫びなのだ。


そしてもうひとつ、その原発を押し付けられようとしているトルコのシノップ市民の方の言葉を。

「あれだけの原発事故を経験した日本が、この地に原発を建てようとしていることを思うと悲しくなる」

↓以下、転載はじめ

守田です。

当面する講演のお知らせです。
まずこの間、僕が力を注いできた原発災害対策について、6月28日に京都市龍谷大学深草キャンパスでお話します。
13時開場、13時半開会です。

福島原発事故から4年 守田敏也さんに学ぶ「原発事故・避難計画」
https://www.facebook.com/events/839804416103316

今回は篠山市での原子力災害対策の進展を踏まえてお話したいと思います。
これまでもお伝えしてきたように、僕は兵庫県篠山市の原子力災害対策検討委員会に参加し、他の委員のみなさんとともに、
原発事故が起こった時に篠山市民がどのように身を守るのかの対策を練ってきました
その中で、6月17日に、篠山市の酒井市長に、委員会の総意として提言書を提出しました。
前々から準備されてきたことですが、これを受けて篠山市は今秋から、
独自に安定ヨウ素剤を事前配布することを決めるとともに、
事故が起きたら「とっとと逃げる」ための具体的な方策を、さらに積み上げていくことを決めました。

安定ヨウ素剤の事前配布が行われれば、原子力規制庁が求めている5キロ圏内以外で、全国初の試みになります。
ぜひ、この動きが他の市町村にも拡大していけばいいなと思っています。
この日の様子を記した市長日記と神戸新聞の記事をご覧下さい。

安定ヨウ素剤配布へ(市長日記)
【篠山市ホームページ】2015年06月18日
http://www.city.sasayama.hyogo.jp/pc/mayor/diary/post-826.html



安定ヨウ素剤配布へ(市長日記)
更新日:2015年06月18日

昨日、6月17日、篠山市の原子力災害対策検討委員会から「提言」を受けました。
この委員会は自治会、消防団、医師会、原子力の専門家、市民などで構成され、熱心に議論されてきました。
提言の内容は
(1)市民が避難する計画の策定
(2)安定ヨウ素剤の事前配布
(3)事故の際の対策本部の設置による市民への情報提供や勧告
(4)日頃からの災害全般に対する備えの強化
などとなっています。

万一の事故の場合、何より大切なのは「とっとと逃げる」こと
そして逃げる時には「(甲状腺の内部被ばくを防ぐため)安定ヨウ素剤を服用」するということです。
避難計画については、国においても県においても定めておらず市民が完全に避難できる方法などあり得ないとも思われますが、
どこにどのように避難すべきなのかのガイドラインは示したいと考えます。

又、安定ヨウ素剤については、昨年3月に5万人分を、市役所や診療所に備蓄しているのですが、
いざという時に、市民に行き届けられません
そこで、特に服用が必要な成長期にある子どもや希望者を中心に、事前配布の準備をすすめたいと考えます。

篠山市は福井の原発から約50キロの距離になりますが、
安定ヨウ素剤の事前配布は、30キロ圏外では全国で初めてとなるとのことです。


安定ヨウ素剤、今秋から事前配布へ 篠山市
【神戸新聞】2015年6月17日
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201506/0008131412.shtml



安全を確保するためには、原発を再稼働させないことがもちろん大事です。
しかし原発は止まっていても、燃料プールがある限り、過酷事故を起こす可能性があり続けます
プールが損傷し、水が抜けて冷却ができなくなれば、燃料が溶けだして、もの凄い放射能が飛び出してきます
また、全国の燃料プールが、つめつめの猛烈に危険な状態になっているので、地震などの大きな揺れで燃料が接近した場合に、臨界爆発が発生する可能性もあります

その意味で、原子力災害対策は、全国に17000トンもある燃料棒のすべてが安全な状態に移されるまで必須のものです。
そのために、篠山市での取り組みを含めて、この間考察してきたことをお話しますので、ぜひご参加下さい。

これと共に、6月27日に京都府向日市で、7月4日に大阪府の新大阪で、世界の原発の動向とトルコへの原発輸出問題についてお話します。

・向日市
日時:
6月27日 9:30より
場所:
寺戸公民館(阪急向日駅から300メートル)

・新大阪
日時:
7月4日 14:30 - 16:30
場所:
市民交流センターひがしよどがわ403号室(JR新大阪駅東口より北へ徒歩3分)




原発産業は、世界的にも斜陽を深めています
今、世界の原発の「平均年齢」は、なんと30歳!
国によっては、30年が使用期限とされてきたところもあります。
多くが老朽化していて、廃炉に向かいつつあるのです。

なぜこれほど「平均年齢」が高いのか
答えは明白。
スリーマイル島、チェルノブイリと続いた深刻な原発事故以降、世界各地で原発建設を許さない市民の力が増して、建設がストップされてきたからです。
このため原子力産業は風前の灯火となっています。
それでは困るなんとか生き延びたいと思う世界の原子力村が、さまざまに延命策を考え続けています。
その大きな柱が原発輸出です。

日本では今、すべての原発が停まっています
停まっていながら、電力の不足などまったく起こっていない
私たちも日常生活で何も困っていません。
なぜでしょうか。
この答えも明白です。
実は、原発などもともといらなかったからです。
むしろ電気は余っているのです。
それをどう過剰に使わせるかが課題となってきたのです。
だから今、リニア新幹線などという、ものすごく電気を使用するプロジェクトまでが浮上しています
電気の使い先を見つけないと、原発に未来がないからです。

それだけではありません。
日本の原発は今、平均で、4年1カ月も停まっているのです。
世界で最大の出力を誇っていた柏崎刈羽原発3号機・4号機などは7年10カ月、さらに2号機は7年11カ月も停まっています
確実に8年を越えます
8年も停めていたプラントに未来はありません

この事実こそが、世界の原子力村にとって強烈な脅威なのです。

一つに、ウランがまったく売れない
二つに、経済大国日本が、こんなに長期に原発が停まっていることが分かれば、原発の不必要性が世界中に知れわたってしまうからです。

この状況を打開するために行われようとしているのが、原発輸出です。

とくに、原発が平均で4年以上も停まっている日本にとっては、そうでもしなければ、運転員も含めた技術の維持ができないからこそ、海外で原発を作り、運転したいのです。
ウランの需要を、こじ開けるようにして作るためでもあります。

しかし一方で、
日本の原発がもう何年も動いていない事実を世界に知られないためにも、
また原発輸出を進めるためにも、
なんとか一つの原発でも再稼働させたい

それが今、安倍政権が遮二無二進めていることですが、
これは本質的には、滅びつつある世界の原子力村の断末魔の叫びなのだということを、しっかりとみておく必要があります。

その上で私たちが押さえるべきことは、
自国でも危険性が明らかであるがゆえに動かすことのできない危険な原発を、
この国から輸出することなど、けして道義的に許されることではない
、ということです。

僕はとくにトルコに関わっていますが、日本から原発を輸出しようとしているシノップという町は、とても美しい漁場です。
同時に、トルコの方たちのリゾート地でもあり、多くの方に憩いを提供してきている素晴らしい町です。
こんなところに、けして原発など作らせてはなりません。

さらに、エルドアン政権はとても暴力的です。
デモに対して警官隊にガス銃を乱射させ、2013年には10人近い人々が殺されてすらいます。
その一人は、買い物に来ていただけの10代の少年でした。

ぜひ講演を通じて、こうしたトルコの事情を知ってください。
マスコミではなかなか流れない貴重な情報です。

トルコの方たちは、原発建設を止めるために、懸命に行動しています
この4月27日にも、チェルノブイリ原発事故29年に際して、シノップに4万4千人もの人が集まりました。
トルコの方たちの奮闘は、トルコに原発を作らせないためだけでなく、世界の原子力村の延命策に立ちふさがる行為でもあります。
その意味で、トルコの方たちの奮闘は、私たちの未来をも照らしてくれる行動です。
だからこそ、トルコと日本の民衆の強い結びつきで、なんとしても原発輸出を止め、延命策にふたをし、原子力の灯を消していきたいと思います。
核のない未来の展望がそこにあります


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本はトルコに原発を輸出しないで! ― 4万人の市民の叫び ―
http://www.nonukesasiaforum.org/jp/134a.htm



トルコのプナールさんからのメッセージと「緑の新聞」の記事です

シノップで4万人が「日本は原発を輸出しないで!」と叫んだ!

日本政府がトルコ政府と契約をして、原発を輸出する予定のシノップ市で、4万人が集まって、
「原発反対!」
「日本は原発を輸出しないで!」と叫びました
(4月25日)。

日本人のみなさまにお知らせです。
(Pınar Demircan)



「原発に通行権はない!」 ― シノップで4万人の叫び(プナール・デミルジャン)
【トルコ「緑の新聞」 】2015.4.25

トルコを含めヨーロッパで、何百万人もの健康に爪痕を残した史上最悪の災害、チェルノブイリ原発事故の追悼記念集会が、
29年後の今日、シノップで行なわれ、4万人が参加した。



40年間、反原発闘争をくり広げ、国民が反対しているにもかかわらず、
政府、官僚が協定に調印し、原発建設を強行するなら、国民は道に出て列を作り、これに反抗する。
この国に住む人々に、原発は必要ないのだ!


イスタンブールからも1000人が参加した、シノップでの反原発集会は、80を超える民間団体と市民のサポートで巨大になった。
シノップ県反原発プラットフォームと公務員労働組合連合のよびかけで、市の中心で始まったデモ行進の列は、シノップ・ウールムムジュ広場へと続いた。
地元の漁師たちも、「シノップに原発はいらない」と書かれたポスターを漁船に吊るして、デモに参加した。
民家や小売店の窓でも、同じポスターが目に留まった。



停電が一日中続いた3月31日の翌日、シノップ原発建設へ向けた協定が調印された
この停電の原因は、「電力の過剰供給」だったことが、のちにエネルギー大臣の話で明らかになったのだが、
エネルギーの過剰供給があるにもかかわらず、さらなるエネルギー創出のため、政府が原発建設を申請したことに、私たちは戸惑いを隠せなかった。

協定への調印がなされた直後に、アックユで原発建設の起工式が行なわれ、すぐに原発の宣伝広告が世間に出回った。
この広告に子供を起用したことに、国民はとくに強く反発し、撤廃を求めた
業界団体は、広告の撤廃を、法的に申請せざるをえなくなった
しかし政府は、原発建設に必死になっているため、広告を撤廃するどころか、
4月23日「子供の日」に、首相の椅子に座る子供たちの耳に囁き、「原発建設は必要だ」と言わせた

その結果、4万人が、「原発にNO! 原発に通行権はない!」と叫ぶため、25日シノップに向かうこととなった。

チェルノブイリ事故の29周年追悼のため、シノップと同様のデモが明日26日、
イスタンブール、アンカラ、メルシンなど多くの県と、アックユ原発から90km離れたキプロスで行なわれる。
未来と、健康な次世代を願うすべての人に参加してほしい。


シノップ観光地図とプナールさん

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★シノップ市は、黒海沿岸の美しい町で、農漁業がさかんです(人口57000人)。
原発建設には大多数の住民が反対しており、地元の合意は得られていません
しかし4月1日、トルコ国会は、シノップ原発についての日本との契約締結を承認しました

三菱とアレバが、原発4基を建設。
17年に着工予定とされています。
シノップの人々は、
「あれだけの原発事故を経験した日本が、この地に原発を建てようとしていることを思うと悲しくなる」といっています。

●トルコへの原発輸出と反対運動の現状 ― ことばが通じなくても、原発のない未来のために、私たちは共に闘える(アスリハン・テューマー)
http://www.nonukesasiaforum.org/jp/123a.htm もご覧ください

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なお、私たちがもう一つ踏まえなくてはならないのは、
原子力の灯が消えても、膨大な放射性廃棄物が残ってしまうことです。
この核のゴミをどうするのかも、これからの私たちの大きな課題です。
私たちが警戒しなければならないのは、とんでもない無法で酷い処理が行われつつあることです。
この点で注目すべき学習会が、27日の午後に岡山で行われるので、僕も向日市での講演を終え次第、かけつけて参加するつもりです。
その情報も記しておきます。

-「核のゴミ」について考える市民勉強会- 
HKB47勉強会IN岡山 
「日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像」
講師は沢田嵐さんです。
13時から、岡山コンベンションセンター407会議室にて


以下、詳細な案内を記しておきます。
ぜひそれぞれの企画にご参加下さい!

*****

*京都府向日市(6月27日)

「世界の原発の動向と健康問題」講演会・意見交流の後、第4回総会を開催
日時:
6月27日午前9時半~12時ごろ
場所:
向日市寺戸公民館
講師:
守田敏也
主催:
原発をなくす向日市民の会
連絡先:
事務局筒井 075-931-3788

***

*岡山市(6月27日)

「核のゴミ」について考える市民勉強会(HKB47 勉強会 IN 岡山)
「日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像」

日時:
2015年6月27日(土)午後1時半~5時(開場1時)
場所:
岡山コンベンションセンター407会議室(定員50名)
岡山市北区駅元町14-1 ?086-214-1000(代表)
講師:
沢田嵐氏 (ブログ”あざらしサラダ”管理人&「市民放射能測定センター」(Cラボ)ボランティアスタッフ)
※「HKB47」は、沢田氏が管理人を務める情報共有コミュニティの名称です。
ゲスト:
庭山由紀氏(元群馬県桐生市市議)
参加費:
500円(施設、機器使用料)(当日受付)

【資料】
「日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像」(沢田嵐著、旬報社)

***

*京都市・龍谷大学深草キャンパス(6月28日)

「福島原発事故から4年 守田敏也さんに学ぶ「原発事故・避難計画」」
日時:
2015年6月28日(日曜日)午後1時 開場 / 1時半 開会 / 4時半 終了
場所:
龍谷大学深草キャンパス22号館2階201教室
講師:
守田敏也氏(フリージャーナリスト)
主催:
原発を考える伏見フォーラム
連絡先:
ふしみ原発ゼロパレードの会事務局
TEL:
075-604-2133 [ 京都南法律事務所 ・溝江 ]

***

*大阪府 新大阪(7月4日)

「日本はトルコに原発を輸出しないで! ― 4万人の市民の叫び ―」
日時:
2015年7月4日 午後2時開場 2時半~4時半
場所:
市民交流センターひがしよどがわ 403号室 (JR新大阪駅東口より北へ徒歩3分)
講師:
守田敏也氏 (フリージャーナリスト)
参加費:
700円
主催:
No Nukes Asia Forum Japan <連絡先>080-6174-8358
協力:
COA-NET

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守田敏也 MORITA TOSHIYA
[blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
[twitter] https://twitter.com/toshikyoto
[facebook] https://www.facebook.com/toshiya.morita.90
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