なんて寒い夏なんだろう…長袖と分厚い靴下を履いて、部屋にはヒーターを入れた。
なんて暑い夏なんだろう…一気に薄着になり、人様からいただいた古い窓用クーラーを数個、慌てて取り付けた。
なんて蒸し蒸しする夏なんだろう…まるで梅雨のように降り続く雨に、畑の野菜の根も腐り、百歳を超える家のあちらこちらから、加齢臭がじわじわと漂い始めた。
そんな、一体全体どうしたいねん!と、誰かに向かって文句をぶちまけたくてウズウズしていたら…、
やっとやっと来てくれた、乾いた冷やっこい風がそよそよと吹く、六月晴れの毎日。
今月半ばまで続いていた伴奏バイトの疲れがなかなか抜けなくて、心身ともにグダグダしていて、
そんな自分を引きずるようにしてパソコンの前に座っても、キーを叩き始めるとおでこの辺りがモヤモヤとしてきてアウト!
わたしはどうしてしまったんだろう…と心配になったけど、これもまたわたしだと思い切って、自然に任せることにした。
いろいろとたまってしまった事や気持ちをちょっとだけ。
もはやどうしたらいいのかわからなくなったっぽい蚊除けの植物。
イチジクの実に筋が見えてきた!
去年の今頃、死を前にとてもしんどい思いをしていたショーティを、優しく包んでくれた紫陽花。
別の場所の紫陽花も、ポツリポツリと咲き始めた。
今は卒業の季節。
毎年この時期、高校を卒業した子の家では、卒業おめでとうパーティが開かれて、夜中まで結構にぎわっていることが多いのだけども、
こんな大掛かりなのは初めて見た!
近所の人、近所じゃない人、いろんな人がワラワラと集まってくる。
先週の土曜日は、車で西に30分ほど走った所にある町に住む、友だち一家の引っ越しの手伝いに行った。
日本からアメリカへ、そして9年暮らした町から隣町へと、15年の間に大きな引っ越しを2度経験した者としては、少しでも助けになりたい。
友だちも我々同様、大きな家具以外は自分たちで済ませるという引っ越しだったのでなおさらのこと。
どんなにまとめても、そしてそのまとまった物をどんなに運んでも、一向に前に進んでいる気がしないあの恐怖感は、一生忘れることはできない。
時計の針だけがスルスルと進み、二進も三進もいかずに疲れだけがどんどん増して、部屋の隅っこで丸まって寝ている猫をじぃーっと見ながら、猫の手も借りたいほどっていうのはこのことか…などと考えた。
わたしの手は猫の手よりはマシである。
「来なくていい」と何度も言うのを無視して行くと、来てよかった…と心底思える状況が目の前に広がっていた。
彼らのアパートの周りで、おっきな蜘蛛のおっかさんが、一所懸命に卵を守っていた。
翌日の日曜日は父の日で、夫の父親が75歳を迎えた誕生日も近いので、ペンシルバニアとニュージャージーの間にある小さな町のレストランに集合して祝うことになった。
ちょいとイヤな予感がしたので、クィーンズに住む長男くんに、夜中にメールをしてみた。
「明日やけど、どうやって行くつもり?」
「あ、電車で行く」
「じゃ、明日レストランで」
「あっ!」
「え?」
「めっちゃ遠いやん」
「そやから聞いてんねん!」
「まずそっちに行って一緒に行く」
「ほんなら、10時半までに着くようにしてや」
「ほーい」
やれやれ…。
雲ももう見飽きた。
古い建物がいっぱいの町。お、晴れてきた!
なんかいい感じの落書き。
3人のとーちゃん、そしておとうさん、父の日と誕生日おめでとう!
2時間ほどでお開きになり、家に戻ってきた我々は、今度は我が家バージョンの父の日を祝うことに。
なんという堂々とした入道雲よ。
近くにある『PIG and PRINCE』のバーカウンターで、軽い食事をした。
そして週明けの月曜日、わたしは久しぶりの面接を受けた。
前に住んでいた町の、小さな私立の学校の、中学と高校のコーラスの先生になるために。
この学校に通っている生徒たちの何人かが、わたしのピアノの生徒でもあるのだけれど、
その生徒の親から、もう何年も前から、うちの学校の音楽の先生になって欲しいと懇願されていた。
なにやら、音楽の先生に、すご~く不満があるらしい…。
そんなこと言われても、わたしには学校の教師になる免許が無い。
だからずっと、ずっとずっと、その話が話題に上がると断ってきた。
何年か経ち、新しい音楽の先生がやって来て、その先生がまた、前のひどい先生に輪をかけてひどいという。
う~ん…。
ちょうどコーラスの先生がやめて、だからまずコーラスの先生から始めて、んでもっていつかは音楽の先生にみたいな…。
ちょっと校長に尋ねてもいいかしらん?
ということで、コーラスだけならできるかもと、面接を受けることにした。
履歴書と、随分前にインタビューを受けてタウン誌に載った記事と一緒に送った。
58歳の初体験か…悪くないな。
校長との面接を経て、今日また、芸術コーディネーターとの面接を受けた。
大いに気に入ってもらい、オッケーが出た。
免許が無いことも言った。
すると、「音楽を教えられるのは免許ではなく経験ですから」と、にっこり笑って言ってくれた。
教え始めてから今年で早40年。
これまでの経験をうんと活かせたらいいなあ。
中学と高校の生徒たちは、精神的にこんがらがっている時期に入っている子が多いけれども、
無理強いすることなく、音楽を楽しんだり、真剣に取り組んだりできるクラスにしたいなあ。
週に5クラス。
一年のうちの前半は、クリスマスコンサートに向けての準備。
コンサートの後は、あなたの好きなアイディアでやって欲しい。
ちょっくら頑張ってみようと思っている。
昨日の晩は、キツネの、それもかなり大地主的なキツネの嫁入りだった。
20メートルほど先は晴れ。
まるで、庭の水撒きは大変だろうからと、神さんが手伝ってくれているような気がした。
そして夕焼け。
自然はほんとに飽きない。
なんて暑い夏なんだろう…一気に薄着になり、人様からいただいた古い窓用クーラーを数個、慌てて取り付けた。
なんて蒸し蒸しする夏なんだろう…まるで梅雨のように降り続く雨に、畑の野菜の根も腐り、百歳を超える家のあちらこちらから、加齢臭がじわじわと漂い始めた。
そんな、一体全体どうしたいねん!と、誰かに向かって文句をぶちまけたくてウズウズしていたら…、
やっとやっと来てくれた、乾いた冷やっこい風がそよそよと吹く、六月晴れの毎日。
今月半ばまで続いていた伴奏バイトの疲れがなかなか抜けなくて、心身ともにグダグダしていて、
そんな自分を引きずるようにしてパソコンの前に座っても、キーを叩き始めるとおでこの辺りがモヤモヤとしてきてアウト!
わたしはどうしてしまったんだろう…と心配になったけど、これもまたわたしだと思い切って、自然に任せることにした。
いろいろとたまってしまった事や気持ちをちょっとだけ。
もはやどうしたらいいのかわからなくなったっぽい蚊除けの植物。
イチジクの実に筋が見えてきた!
去年の今頃、死を前にとてもしんどい思いをしていたショーティを、優しく包んでくれた紫陽花。
別の場所の紫陽花も、ポツリポツリと咲き始めた。
今は卒業の季節。
毎年この時期、高校を卒業した子の家では、卒業おめでとうパーティが開かれて、夜中まで結構にぎわっていることが多いのだけども、
こんな大掛かりなのは初めて見た!
近所の人、近所じゃない人、いろんな人がワラワラと集まってくる。
先週の土曜日は、車で西に30分ほど走った所にある町に住む、友だち一家の引っ越しの手伝いに行った。
日本からアメリカへ、そして9年暮らした町から隣町へと、15年の間に大きな引っ越しを2度経験した者としては、少しでも助けになりたい。
友だちも我々同様、大きな家具以外は自分たちで済ませるという引っ越しだったのでなおさらのこと。
どんなにまとめても、そしてそのまとまった物をどんなに運んでも、一向に前に進んでいる気がしないあの恐怖感は、一生忘れることはできない。
時計の針だけがスルスルと進み、二進も三進もいかずに疲れだけがどんどん増して、部屋の隅っこで丸まって寝ている猫をじぃーっと見ながら、猫の手も借りたいほどっていうのはこのことか…などと考えた。
わたしの手は猫の手よりはマシである。
「来なくていい」と何度も言うのを無視して行くと、来てよかった…と心底思える状況が目の前に広がっていた。
彼らのアパートの周りで、おっきな蜘蛛のおっかさんが、一所懸命に卵を守っていた。
翌日の日曜日は父の日で、夫の父親が75歳を迎えた誕生日も近いので、ペンシルバニアとニュージャージーの間にある小さな町のレストランに集合して祝うことになった。
ちょいとイヤな予感がしたので、クィーンズに住む長男くんに、夜中にメールをしてみた。
「明日やけど、どうやって行くつもり?」
「あ、電車で行く」
「じゃ、明日レストランで」
「あっ!」
「え?」
「めっちゃ遠いやん」
「そやから聞いてんねん!」
「まずそっちに行って一緒に行く」
「ほんなら、10時半までに着くようにしてや」
「ほーい」
やれやれ…。
雲ももう見飽きた。
古い建物がいっぱいの町。お、晴れてきた!
なんかいい感じの落書き。
3人のとーちゃん、そしておとうさん、父の日と誕生日おめでとう!
2時間ほどでお開きになり、家に戻ってきた我々は、今度は我が家バージョンの父の日を祝うことに。
なんという堂々とした入道雲よ。
近くにある『PIG and PRINCE』のバーカウンターで、軽い食事をした。
そして週明けの月曜日、わたしは久しぶりの面接を受けた。
前に住んでいた町の、小さな私立の学校の、中学と高校のコーラスの先生になるために。
この学校に通っている生徒たちの何人かが、わたしのピアノの生徒でもあるのだけれど、
その生徒の親から、もう何年も前から、うちの学校の音楽の先生になって欲しいと懇願されていた。
なにやら、音楽の先生に、すご~く不満があるらしい…。
そんなこと言われても、わたしには学校の教師になる免許が無い。
だからずっと、ずっとずっと、その話が話題に上がると断ってきた。
何年か経ち、新しい音楽の先生がやって来て、その先生がまた、前のひどい先生に輪をかけてひどいという。
う~ん…。
ちょうどコーラスの先生がやめて、だからまずコーラスの先生から始めて、んでもっていつかは音楽の先生にみたいな…。
ちょっと校長に尋ねてもいいかしらん?
ということで、コーラスだけならできるかもと、面接を受けることにした。
履歴書と、随分前にインタビューを受けてタウン誌に載った記事と一緒に送った。
58歳の初体験か…悪くないな。
校長との面接を経て、今日また、芸術コーディネーターとの面接を受けた。
大いに気に入ってもらい、オッケーが出た。
免許が無いことも言った。
すると、「音楽を教えられるのは免許ではなく経験ですから」と、にっこり笑って言ってくれた。
教え始めてから今年で早40年。
これまでの経験をうんと活かせたらいいなあ。
中学と高校の生徒たちは、精神的にこんがらがっている時期に入っている子が多いけれども、
無理強いすることなく、音楽を楽しんだり、真剣に取り組んだりできるクラスにしたいなあ。
週に5クラス。
一年のうちの前半は、クリスマスコンサートに向けての準備。
コンサートの後は、あなたの好きなアイディアでやって欲しい。
ちょっくら頑張ってみようと思っている。
昨日の晩は、キツネの、それもかなり大地主的なキツネの嫁入りだった。
20メートルほど先は晴れ。
まるで、庭の水撒きは大変だろうからと、神さんが手伝ってくれているような気がした。
そして夕焼け。
自然はほんとに飽きない。