ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

ほんとうのような、うそのような、はじめてのような、デジャブのような

2020年03月27日 | ひとりごと
10日に一度の食料品の買い出しに行った。
行き先はコリアンマーケット。アジアン野菜が豊富だし、いつも飲んでる漢方のお茶はここでしか買えない。
店はいつもより空いていたけど、ガラガラというわけでもない。
けれどもお客は全員マスクを着用していたし、使い捨ての薄い手袋をはめていた。
店の入り口では、買い物カートの手すりを除菌してくれる係の人がいた。
店の中はK-ポップの音楽が静かに流れているだけで、お客さんも店員さんもほとんど話すことなく、黙々と買い物や仕事をしていた。
店内に居る時間をできるだけ短くしたかったので、買うべき物のみに集中した。
商品棚はいつもと同じで、売り切れている物は一つも無かった。
成人3人家族が10日間食べるのに必要な野菜と肉と魚とおやつの干し柿、今のところは外出禁止令が出ていないので、こうやって買い物に出られるのはありがたい。
近くにこれまたコリアンのオーガニック専門店に寄って、じゃがいもパウダーとオーガニック小麦で作った麺のインスタントラーメンを手に入れる。
極たまに、「ラーメン食べたい発作」が起こるからだ。
けれどもグルテンを断っているので、いくらオーガニックであっても、じゃがいもパウダーが主体であっても、食べてから一日ぐらいはお腹がすっきりしない。
だから食べるのにはちょっと覚悟が要る。

食べ物というと人間だけじゃなく猫の食べ物調達も難しくなってきた。
お店はまだ開いているけど、オンラインで買う人がほとんどになったから、注文の時点から配達までがものすごく混雑して手に入りにくくなった。
あらかじめお店に注文しておいて、商品を店の外に出しておいてもらい、それを受け取りに行くという方法も始まった。
とにかく人との接触を避けることに全力を注いでいるようだ。
そうやってどんどん隔離が進んでいるから、春の陽気に浮かれる通りには、ジョギングや散歩を楽しむ人や家族が増えてきた。
もちろん2メートル以上の間隔を空けて。
春の花がどんどん咲いてきて、ウキウキする季節がやってきたのに楽しめない。
それで人々は余計に落ち込んでいる。
家の中では小さな言い争いがいつもより増えて、どこかの国などDV被害の増加に伴うセラピストの支援が始まったと聞いている。

オンラインレッスンにも大分慣れてきた。
来週からはほぼ全員を教えることになりそうだけど、夫はまだ休業していて、我が家の収入はかなり深刻な状態が続いている。
来月中旬に1回目の支給(年収80000ドル以下の大人一人につき1200ドル)の小切手が届くらしいので、それまでなんとか持ち堪えなければならない。
来週から気温が12℃前後にまで上がるらしい。
今は家でレッスンをしていないから、生徒たちのために温度調整する必要も無いので、厚着をすれば暖房費を節約できる。

書いているうちに日が経って、今日は猫たちの食料と三大保存野菜(じゃが芋、人参、玉ねぎ)とニンニクを買いに、オーガニックマーケットに行った。
店の中に入るのはもっぱらわたしで、時々咳が出る夫は車で待機。
あんなに大勢のアメリカ人がマスクを、それもかなり本格的なものを着けているのを初めて見た。
もちろん手には使い捨てのビニール手袋。
できるだけ距離を取りながら買い物をしている。
レジ付近には、ここで待てという印の線がビニールテープで引かれていた。
レジの前に立てるのは一人のみで、列に立つ間も2メートルの間隔を空けなければならない。

わたしたちは今、新型ウイルスとの戦いの中に生きている。
こんな時にも店を開き、わたしたちのために働いてくれる従業員の人たちに、心からお礼が言いたくなった。
レジの女性に、「ありがとう、おかげで必要な物が手に入りました」とお礼を言うと、「お互いさま、無事に乗り越えましょうね」と微笑んでくれた。

おまけ・散歩道の風景





コメント
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