ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「患者が次々と死んでいます」 ニューヨーク医療崩壊の現場を告発する救急医

2020年03月29日 | 日本とわたし
このビデオを観てください。
現場のあまりの厳しさに言葉が出ません。
わたしたちのために闘ってくれる人たちに、せめて安心して仕事や治療をしてもらえるように、迅速な支援を求めます!

「患者が次々と死んでいます」ニューヨーク医療崩壊の現場

書き起こしをしました。
コリーン・スミス医師(エルムハースト病院・救急医):
この病室の患者は皆、今足が見えている人たちは、彼らは皆、コロナの患者です。
本当にやりきれない思いです。
完全に手遅れになってしまったというほかありません。
分かっていました。
何がやってくるかは分かっていたのです。

「米国での感染爆発の中心ーニューヨーク市
これは市内の救急病棟のひっ迫した状況を伝える貴重な取材である」


今日は時間が経つにつれて、どんどん状況が悪くなっていきます。
大型の冷蔵トラックを入手し、亡くなった患者の遺体を保管しなければなりませんでした。


今は、数台の人工呼吸器をなんとか調達しようとしています。
手に入らなければCPAP(※シーパップ・マスクを通じて気道に空気を送り込む装置)でも構いません。
CPAPがあれば、人工呼吸器は重症患者に優先して使えます。

「数時間後、エルムハースト病院に、他病院からの人工呼吸器が輸送されてきた。
今週3度目の緊急補充だとスミス医師は言う」


5、5台、それだけなのね。
これでなんとかしなきゃ。

「NY市の公立病院を管轄するトップは、エルムハースト病院が人工呼吸器不足に陥ったことはないと否定。
(市内の基幹病院である)エルムハーストには、最優先で機材と人員を次々と送り込んでいる」

人工呼吸器が5台届きましたが、すぐにまた足りなくなりそうです。
患者が死亡しない限り、また人工呼吸器を送ってくれと頼み込むことになるでしょう。
明日か明後日には。
行方不明の人工呼吸器が100台あるのです。
ここに届くはずだったのですが、誰も見ていません。

「物資不足は深刻になりつつあるものの、現状は医療体制を維持していると、市や病院の幹部は語る。
スミス医師によれば、現場の物資不足はすでに顕在化している」

組織のリーダーたちは、保健省のトップから大統領までが、状況はコントロールできていると言っています。
問題は無いと言うのです。
わたしたちに言わせれば、それはまったく現実とは異なります。
必要な支援がなされていません。
必要な医療機器や資材までもが不足しています。
患者の治療に必要な機器や資材です。
こんなことが、ここアメリカで起きているのです。
アメリカは先進国のはずです。
普段から、救急病院は多忙です。
急患の数は、だいたい日に200名ほどです。
今は400名以上です。
当初は咳と発熱のある患者を隔離し、医師や看護師は感染に注意するようにしていました。
その他の患者の周りでは、特別な注意は払っていませんでした。
そのうちに気づき始めたのです。
発熱のない腹痛患者がやって来て、胸部CTやレントゲン検査をすると、コロナウイルスによるものと同様の所見が認められたのです。
交通事故で運び込まれて来た人がいて、CTスキャンをすると、彼らの肺がコロナウイルス患者と同じ状態になっているのです。
どの患者がコロナウイルスに感染していることを知らずに治療していたケースがたくさんあったのではないか、
10名の専門研修医、数多くの看護師と複数の臨床医が、体調に異変をきたしました。
この状況は非常に恐ろしいです。
医師は皆、たとえ本人が希望しても、たとえ発症した場合でも、検査を受けることが困難です。
わたしたちは繰り返し、ウイルスに晒されています。
装着するべき保護具がありません。
朝着用したN95マスクは、あらゆる患者の診察に必要です。
一日中着用し、外すことはありません。
わたしが今日使ったN95マスクは、先週の金曜日から使っています。
N95マスクがなくなってしまうのではないかと、その心配が頭から離れません。

「刻々と変化する状況に、できる限りの対応を行うべく、屋外には軽症患者の検査用テントが設営された。

しかし、現場は依然として困窮を極めている」


今心配になってきていることは、やってくる患者に重症者が増えているということです。
発症した若い患者の多くは、喫煙者ではありません。
持病の無い、健康な人々です。
どこにでもいる普通の若者です。
30-50歳という年齢で、ここまで病状が悪化することは、通常は考えられません。

「緊急事態管理庁による物資の供給が行われる予定だが、これまでも予定されていたことの多くが実現していないという」

「心配ない」と多くの人が言っています。
状況はコントロールできている、必要なものが揃っている。
この状態が1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と続けば、中国でのように5ヶ月も続いてしまったら、
すでにこの段階で、ここまでひっ迫していることを考えると、明らかに必要なものは足りていません。
こうしてメディアに出て話をすることで、例え処分されても一向にかまいません。
いかに酷い状況かということを、人々に知ってもらいたいのです。
たくさんの死者が出ています。
治療に必要なものがありません。
救急病棟にも、病院全体にもです。
本当に大変な状況です。
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