雨が降り続いた。
空から一直線にぶっとい筋を立てて落ちてくるゲリラ雨。
掠れた点線を物静かに作る霧雨。
いろんな雨が降った。
そして、気温は一向に上がらず、とうとうヒーターのオイルバーナーのスイッチを点けた。
6月だというのに…。
おかげで、庭の草花に水やりをする手間が省けたけれど、それにしても寒い…。
そんな雨降りが一休み。
お日様まで顔を出した!
おぉ~なんて久しぶりなんだろう!
うちの庭は、背の低い雑草がびっしり生えている。
白詰草を見ると、いつもレンゲ畑を思い出す。
レンゲは生えてこないのかなあ…。
白詰草には、ハチやチョウチョやガがいつも遊びにきている。
あんまり久しぶりに晴れたので、みんな大興奮して、ちっともジッとしてくれない。
と、しっかりと言い訳してから、ピンボケ写真集。
庭続きのカーラの家とうちの敷地にまたがって生えている『ゲタの木』の赤ちゃんがまた、ニョキニョキ大きくなってきた。
シカの大好物ハニーサックルが満開。
ヘビイチゴさんも大にぎわい。
家の前では、ちびっこ桃の木になんと、実がたくさん生っていた?!
桃栗三年柿八年、まさにその通りの3年目の初夏に、実をいっぱいつけてくれたのだけど、膝ぐらいの背の高さしかないのに、いったいどうしたら良いのだろうか…。
年々でっかくなるブラックベリーにも、どんどん実が生りだした。
ほんでもってイチヂクさんも、やっと根付いてくれたようで、葉っぱに元気が戻ってきた。
そんな命あふれる緑を撮りながら喜んでいたのに…。
夕方から、畑の様子を見に来た歩美ちゃん。
さあ、そろそろ家の中に入ろうかという時に、
「あ、なにこれ?なに?」と、彼女の叫び声が聞こえた。
慌てて畑の方に後戻りして、彼女の指差す方を見ると…一羽の鳥が、目だけパチクリするだけで全く動けないまま、畑の木枠のところでうずくまっている。
ああどうしよう…。
赤ん坊ではなく、けれどもまだ成鳥というわけでもなく、綿の手袋をはめて、小さなダンボール箱にワラを敷き詰め、そこにそっと入れてみた。
お腹が減ってるだろうか…。
ちっちゃなミミズだったら食べられるだろうか…。
おかあさん鳥はどこにいるんだろうか…。
箱の中の鳥に、掘り出したミミズを、木の枝をお箸がわりにして与えたが、くちばしは固く閉ざされたまま。
一瞬だったけれど、きっと親鳥の声が聞こえたのだろう、まるで餌をもらう時のように、くちばしを大きく開いて一所懸命におねだりをした。
とりあえず、野生動物に悪さをされないよう、玄関ポーチの垣根のてっぺんにそぉっと箱を置いて、対策を練ることにした。
次男くんが撮った写真。
核ゲーの彼は、大勢のフォロワーさんたちにこの写真を見せて、鳥の種類と餌の情報を求めた。
すると、みるみるうちにいろんな人たちからのありがたい返事が送られてきた。
マネシツグミだと思われる。
餌は昆虫。
ううむ…雨続きで、昆虫がほとんどどこかに隠れてしまっている。
すると、動物保護団体の方からの連絡が入り、こういう場合は、元の場所(つまり、我々が発見した場所)に戻してやるしかない、と言われた。
そ、それはできない。
だって、うちの裏庭ときたら、野生動物の憩いの場で、雨が上がった今、みんなやれやれ、やっと止んだかと、ゾロゾロと姿を現わす可能性が大きい。
生きているけど動けない鳥→格好の餌である。
もちろん、我々人間なんて、瀕死の鳥からしてみたら、そんな野生動物よりもっと恐ろしい怪物なのかもしれない。
そんなのが、変な声を出して寄ってきて、おまけになんだかわからないもので体を掴まれたりした日にゃ~、そのショックで死んでしまうかもしれない。
でも、どうしても置いていくことができなかった。
時間が過ぎるに従って、どんどんと弱っていった。
見つけた頃にはもたげられていた頭がしゅんとして、羽根全体が小さくまとまり始めた。
ああ、これは助からないな。
そんな思いがふと心の中をよぎった時、いきなり両方の羽根を広げて、バタバタとはためかせた。
飛べるなら飛べ!
そう思って応援したけど、羽根は虚しく空を切るだけで、体は全く浮かず、地面を滑るように横に動くことしかできなかった。
ワラの中に血を見つけた。
外傷が全く見当たらないので、多分内臓がやられたのだ。
鳥は急に、それはそれは苦しそうに、そして悲しそうに、大きな声で鳴いた。
それは10分だったか20分だったか。
歩美ちゃんとわたしはただただ、「助けられなくてごめんね、苦しいね、辛いね」と声かけしながら見守った。
本当はきっと、やってはならないことだっただろうけれど、鳥の頭や背を優しく撫でた。
余計に怖い思いをさせたね。
ごめんね。
今朝、ショーティが眠っているすぐ近くに埋めた。
バードキラーの異名を持つ彼女の横では、安らかに眠れないかもしれないけれど…。
空から一直線にぶっとい筋を立てて落ちてくるゲリラ雨。
掠れた点線を物静かに作る霧雨。
いろんな雨が降った。
そして、気温は一向に上がらず、とうとうヒーターのオイルバーナーのスイッチを点けた。
6月だというのに…。
おかげで、庭の草花に水やりをする手間が省けたけれど、それにしても寒い…。
そんな雨降りが一休み。
お日様まで顔を出した!
おぉ~なんて久しぶりなんだろう!
うちの庭は、背の低い雑草がびっしり生えている。
白詰草を見ると、いつもレンゲ畑を思い出す。
レンゲは生えてこないのかなあ…。
白詰草には、ハチやチョウチョやガがいつも遊びにきている。
あんまり久しぶりに晴れたので、みんな大興奮して、ちっともジッとしてくれない。
と、しっかりと言い訳してから、ピンボケ写真集。
庭続きのカーラの家とうちの敷地にまたがって生えている『ゲタの木』の赤ちゃんがまた、ニョキニョキ大きくなってきた。
シカの大好物ハニーサックルが満開。
ヘビイチゴさんも大にぎわい。
家の前では、ちびっこ桃の木になんと、実がたくさん生っていた?!
桃栗三年柿八年、まさにその通りの3年目の初夏に、実をいっぱいつけてくれたのだけど、膝ぐらいの背の高さしかないのに、いったいどうしたら良いのだろうか…。
年々でっかくなるブラックベリーにも、どんどん実が生りだした。
ほんでもってイチヂクさんも、やっと根付いてくれたようで、葉っぱに元気が戻ってきた。
そんな命あふれる緑を撮りながら喜んでいたのに…。
夕方から、畑の様子を見に来た歩美ちゃん。
さあ、そろそろ家の中に入ろうかという時に、
「あ、なにこれ?なに?」と、彼女の叫び声が聞こえた。
慌てて畑の方に後戻りして、彼女の指差す方を見ると…一羽の鳥が、目だけパチクリするだけで全く動けないまま、畑の木枠のところでうずくまっている。
ああどうしよう…。
赤ん坊ではなく、けれどもまだ成鳥というわけでもなく、綿の手袋をはめて、小さなダンボール箱にワラを敷き詰め、そこにそっと入れてみた。
お腹が減ってるだろうか…。
ちっちゃなミミズだったら食べられるだろうか…。
おかあさん鳥はどこにいるんだろうか…。
箱の中の鳥に、掘り出したミミズを、木の枝をお箸がわりにして与えたが、くちばしは固く閉ざされたまま。
一瞬だったけれど、きっと親鳥の声が聞こえたのだろう、まるで餌をもらう時のように、くちばしを大きく開いて一所懸命におねだりをした。
とりあえず、野生動物に悪さをされないよう、玄関ポーチの垣根のてっぺんにそぉっと箱を置いて、対策を練ることにした。
次男くんが撮った写真。
核ゲーの彼は、大勢のフォロワーさんたちにこの写真を見せて、鳥の種類と餌の情報を求めた。
すると、みるみるうちにいろんな人たちからのありがたい返事が送られてきた。
マネシツグミだと思われる。
餌は昆虫。
ううむ…雨続きで、昆虫がほとんどどこかに隠れてしまっている。
すると、動物保護団体の方からの連絡が入り、こういう場合は、元の場所(つまり、我々が発見した場所)に戻してやるしかない、と言われた。
そ、それはできない。
だって、うちの裏庭ときたら、野生動物の憩いの場で、雨が上がった今、みんなやれやれ、やっと止んだかと、ゾロゾロと姿を現わす可能性が大きい。
生きているけど動けない鳥→格好の餌である。
もちろん、我々人間なんて、瀕死の鳥からしてみたら、そんな野生動物よりもっと恐ろしい怪物なのかもしれない。
そんなのが、変な声を出して寄ってきて、おまけになんだかわからないもので体を掴まれたりした日にゃ~、そのショックで死んでしまうかもしれない。
でも、どうしても置いていくことができなかった。
時間が過ぎるに従って、どんどんと弱っていった。
見つけた頃にはもたげられていた頭がしゅんとして、羽根全体が小さくまとまり始めた。
ああ、これは助からないな。
そんな思いがふと心の中をよぎった時、いきなり両方の羽根を広げて、バタバタとはためかせた。
飛べるなら飛べ!
そう思って応援したけど、羽根は虚しく空を切るだけで、体は全く浮かず、地面を滑るように横に動くことしかできなかった。
ワラの中に血を見つけた。
外傷が全く見当たらないので、多分内臓がやられたのだ。
鳥は急に、それはそれは苦しそうに、そして悲しそうに、大きな声で鳴いた。
それは10分だったか20分だったか。
歩美ちゃんとわたしはただただ、「助けられなくてごめんね、苦しいね、辛いね」と声かけしながら見守った。
本当はきっと、やってはならないことだっただろうけれど、鳥の頭や背を優しく撫でた。
余計に怖い思いをさせたね。
ごめんね。
今朝、ショーティが眠っているすぐ近くに埋めた。
バードキラーの異名を持つ彼女の横では、安らかに眠れないかもしれないけれど…。