ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

原発は全然安くない!限りない負担を伴う負の遺産!こんなのもういらない!

2016年12月08日 | 日本とわたし
先日こんなニュースを目にしました。
日本の電気利用者に課されている電気代に、原発にかかる負担のあれこれを溶け込ませて払わせようと、
ずる賢い連中が、コソコソと、様々な調整をしている、というものです。
もちろん、主流のマスコミは、そのことについては結果のみで、経過の中身をほとんど(もしかして全く)伝えてはいかないでしょう。
東電の賠償や廃炉費用はすでに、国民負担に転嫁されはじめています。
東京電力福島第一原発(1F)事故の賠償・廃炉費用や、老朽化で廃止をする原発の廃炉関係費用を、託送料金に上乗せして回収しようではないか…。
電力会社の負担を軽減し、国民負担を増大させる議論が、二つの委員会で交わされているのです。
事故の責任があいまいなまま、また、原子力政策の見直しも無いまま、負担を押し付けられることを、まあ仕方がないなんて思わないでください!

『原発は安い』など、今ではデタラメの神話と化しているのに、原発にかかる費用見積もりを隠し続けている電力会社と国…。
本当にこのままでいいのですか?

今日の記事の、特に最後に載せた談話は、とても読みにくく長いものですが、時間を見つけてぜひ読んでください。
下記の二つ目の東京新聞の記事が、この談話をとても簡潔にまとめてくださっています。
知っていなければならないことが、たくさん書かれています。
お急ぎの方や、どうしても時間が見つからない方は、赤文字や太文字の部分だけでも読んでください。

東電賠償の費用負担で…新電力に“見返り” 経産省
【テレ朝ニュース】2016.12.03

東京電力福島第一原発の賠償費用について、経済産業省は、新電力に一部を負担させる見返りに、大手電力から原子力などの電気を調達できるようにする方向で、調整しています

東電が支払う賠償費用は、当初の5兆4000億円から、8兆円を超える額に膨らむとみられ、
経産省は、そのうち3兆円を、電線の使用料に上乗せして、電力自由化で参入した新電力にも、負担させる方針です。
しかし、一方的な負担では、新電力の理解が得られないため、負担の見返りとして、発電所の保有で劣っている新電力が、市場でさらに電気を調達できるよう、
大手電力に対して、原子力や火力の電気を、電力卸売市場に放出させる
方向で、調整しています。

ただ、大手電力が、自前の電気を市場に放出することは、電力自由化を進めるために経産省がこれまでも働き掛けてきたことで、自由化に向けて必要な措置です。
新電力にまで事故の賠償費用を負担させることは関係なく、経産省幹部も「バーターだ」と話しています。
経産省は来週、有識者会議を開いて、正式決定する方針です。

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「東電を破綻処理し責任明確に」 原発ゼロの会、処理費上乗せ反対の談話
【東京新聞】2016.12.08
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201612/CK2016120802000132.html

超党派の議員連盟「原発ゼロの会」は7日、東京都内で記者会見し、
東京電力福島第一原発の事故処理など、膨らむ原発費用を、国民の電気料金に上乗せする政府の方針に対して、反対する談話を発表した。
国民にツケだけ回す前に、東電を破綻処理して責任を明確にするよう求めている。
 
経済産業省は、「過去に原発でつくった電力の価格は、賠償のための積み立て費用を含まなかったため安かった」として、「過去分」の費用を、電気料金に上乗せしようとしている
しかし、価格を決めていたのは、大手電力会社と経産省。
談話は、両者の「甘かった判断の問題だ」と指摘。
消費者に負担を求める前に、東電を破綻処理して、経営陣と株主の責任を明確にし、資産を売却するなどして、資金を捻出するべきだと主張した。
 
また、予定より早く廃炉を決めた、原発の廃炉費用の一部も、電気料金に上乗せする方針に対しても、
「政府は、『原発は安い』と主張しているのだから、追加負担を求めなくても対応できるはずだ」と指摘した。
 
そもそも経産省は、必要な費用の見積もりを明らかにしないまま、有識者会合を設置して、電気料金への上乗せなど、国民に負担させる手法だけ先に固めてきた
会見で、河野太郎共同代表(自民党)は、
「議論の前提となる数字が出てこないことに、自民党からも、経産省に対して、強い不信感が出ている」と批判した。
 
原発ゼロの会には、与野党の議員78人が参加。
河野氏ら自民党の議員も4人加わっている。

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「原発コスト安」は嘘だった-国民への8.3兆円負担転嫁の前に政策転換を
【change.org】
https://www.change.org/p/経済産業大臣-世耕弘成-原発コスト安-は嘘だった-国民への8-3兆円負担転嫁の前に政策転換を

2016年9月、「原発の廃炉費用を新電力にも負担させる方向」とのニュースが、私たちを驚かせました。
9月下旬の報道では、東電福島第一原発事故の廃炉・賠償費用と、既存の原発の廃炉費用と、あわせて8.3兆円にものぼる、とも伝えられました。
その後、9月27日より、経済産業省で「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」と「東電1F問題委員会」が設置され、議論が進むにつれ、話が具体的に見えてきつつあります。

1)福島第一原発事故の廃炉費用、賠償費用の件
(東京電力改革・1F問題委員会で議論)

2)廃炉会計制度と、解体引当金制度
(電力システム改革貫徹のための政策小委員会で議論)
と2つの議論があります。
これらを、「託送料金」のしくみなどを利用して、回収できるようにしようという議論です。
その理由づけとして、

3)原発の電気を卸売り市場に流し、使いやすくする「市場整備」=ベースロード電源市場、非化石価値取引市場の創設など
(電力システム改革貫徹のための政策小委員会ー市場整備WGで議論)
の議論があり、
原発の電気を皆で使うのであれば、託送料金での回収は適当、という方向です。

・東電1F問題委員会資料:
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment.html

・電力システム改革貫徹のための政策小委員会
(11月11日 第2回会合開催)
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/kihonseisaku/denryoku_system_kaikaku/002_haifu.html

事故の責任があいまいなまま、また、原子力政策の見直しを伴わない国民への負担転嫁は、新電力事業者や国民を説得できるものではありません。 

福島第一原発事故の賠償・被害最小化を最優先として、東京電力の責任を明らかにし、
莫大な費用がかかることが明白となった原子力発電については、これまで利益を得てきた事業者が責任を持って、安全な廃炉に向けた対策を取るべきです。
経済合理性を欠く原発を、維持を前提として国民負担で支えることは、電力自由化の理念にも反し、受け入れられるものではありません。
パワーシフト・キャンペーンは、福島第一原発事故の廃炉・賠償については東京電力の責任で、また今後の廃炉費用をめぐっては、政策転換の議論を行うことを、強く要請します。


【1.事故の責任があいまいなままに、国民負担は許されない】
東京電力福島第一原発事故については、東京電力に一義的な責任があるとされながらも、原子力損害賠償支援機構を通じて、他の電力会社と政府が、賠償費用を支援しています。
東京電力が責任を取っているとは言えない一方で、東京電力の2015年度の営業利益は、3400億円を超えています
一民間企業の起こした甚大事故について、企業を事実上「救済」しながら国民負担を求めることについて、倫理的にも経済的にも、理解を得られるものではありません。

【2.「原発の事故費用・廃炉費用は莫大」明らかに-政策変更なき国民負担は許されない】
2014年の「エネルギー基本計画」をはじめ、各電源のコスト検証において、原子力については、事故処理・賠償費用を勘案してもなお、「コストが低廉な電源」と位置づけられてきました。
しかし今回、東京電力福島第一原発事故の廃炉・賠償費用は、東京電力だけでは負担できないこと、
また、他の原発の廃炉費用も、原発を保有する電力会社では支払いきれないことが、公にされたと言えます。
そうであれば、まずは、新規原発の建設可能性について撤回し、また、既存の原発の廃炉も早急に検討する方向で、具体的に政策転換を行うべきです。

原発のリスク、費用、事故被害の大きさについての国民的議論なしに、国民負担に転嫁することは、電力自由化の趣旨にも反しています。
原発の費用負担と、原発電気の卸電力市場での取引や、「非化石電源」としての扱いなど、市民・消費者に受け入れがたい政策に反対し、
「東京電力改革・1F問題委員会(東電委員会)」、および「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」を、注視していきます。


【声明:「原発コスト安」は嘘だった-国民への8.3兆円負担転嫁ではなく、原発政策の転換を】
http://power-shift.org/info/160921/

・団体賛同 
https://goo.gl/forms/cgWgqKCNNnINN2Jo1

・個人賛同 
このChange.org署名とあわせて集計します。

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原発ゼロの会 公式ブログより
東電賠償・廃炉費用、老朽炉廃炉費用の託送料金上乗せについて(談話)
2016年12月7日
原発ゼロの会役員
http://genpatsu0.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-033b.html

東京電力福島第一原発(1F)事故の賠償・廃炉費用や、老朽化で廃止をする原発の廃炉関係費用を、託送料金に上乗せして回収するなど、電力会社の負担を軽減し、国民負担を増大させる議論が、
経済産業省の「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」(貫徹小委)と、「東京電力改革・1F問題委員会」(東電委員会)で進んでいる。
前者は今年9月27日、後者は10月5日にスタートし、いずれも年内に一定のとりまとめをするという。
 
国民的議論はもちろん、国会の関与も一切ないままに、原則を歪めた国民負担増大案がまとめられるのであれば、言語道断である。
これまでに提案されている託送料金上乗せ案(参考資料)には、根拠がないか、飛躍した論理が用いられており、そもそも、議論の前提となる数字等も、十分に公開されていない。
 
原発ゼロの会は、各種費用の託送料金上乗せに反対するとともに、「原発の後始末費用」については原則に立ち返るべきであると、強く主張する。

■ポイント
【総論】

1. 既に東電賠償・廃炉費用は国民負担に転嫁されはじめている
2. 東電債務超過回避のために費用見積りを隠すべきではない
3. 老朽炉の廃炉関係費用の見積りを明らかにすべき

【東電賠償・廃炉費用について】
4. 原賠機構一般負担金「過去分」はあり得ない
5.「使用済燃料再処理等既発電費」の前例を悪用すべきではない
6. 1F廃炉費用の託送料金上乗せの根拠がない
7. 1Fへの廃炉会計制度(廃止措置資産)適用には歯止めがない
8. 東電破綻処理、株主・貸し手責任の完遂が前提

【老朽炉の廃炉費用について】
9.「安全神話」の反省がない
10. ベースロード電源市場とのバーターにすべきではない
11. 廃炉促進の特別法で分割償却を担保すべき
12. 託送料金上乗せは電力会社に不当な損益改善効果
13. 会計制度を歪めるべきではない
14.「原発は安い」というコスト計算に意味はない


【参考資料】

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原発ゼロの会役員
共同代表:河野太郎(自民党)、近藤昭一(民進党)
世話人:阿部知子(民進党)、逢坂誠二(民進党)、初鹿明博(民進党)、真山勇一(民進党)、笠井 亮(日本共産党)、河野正美(日本維新の会)、玉城デニー(自由党)、照屋寛徳(社民党)
顧問:加藤修一(公明党)、山内康一(民進党)、鈴木 望(日本維新の会)
事務局長:阿部知子(民進党)
* 原発ゼロの会には、8党・会派及び無所属の衆参国会議員78名が参加しています。
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【総論】
1. 既に、東電賠償・廃炉費用は、国民負担に転嫁されはじめている

 
福島第一原発事故費用については、既に、多額の国民負担が生じている
 
1Fの廃炉・汚染水対策費用のうち、「安定化維持費用」(毎年経常的に発生する修繕費、委託費、消耗品費等。2015年度は836億円)と、
「廃止措置資産償却費」(廃炉のために新たに取得した設備等や、5・6号機の廃止措置中も役割を果たす設備等の減価償却費。金額不明)の一部は、
既に、東電の電気料金原価に算入され、消費者に転嫁されている。
凍土壁の費用などには、廃炉に係る研究開発として、国費が支出されている。
通常の廃炉を想定して、2011年度までに東電の電気料金から積み立てられた原子力発電施設解体引当金(1,856億円)も、廃炉費用に充てられる。
コールセンターなど、東電の賠償対応費用も、料金原価に算入されている(2012~2014年度の平均は259億円/年)。
 
一方、原発事故の損害賠償に備えるために、2011年9月に、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(原賠機構)が設立された。
これは、原子力事業者による支え合いの仕組みであり、損害賠償費用に充てるために、原子力事業者は毎年、一般負担金を原賠機構に納付している(2015年度は1630億円)。
この一般負担金も、各電力会社の料金原価に算入されている
一般負担金は「将来の事故」に備えるという建前であるが実際は東電の賠償を支えるものである。
 
また、1Fサイト外の除染に要する費用も、賠償に含まれるものであるが、除染費用は国が立替えており、東電に求償すべき費用は、原賠機構が保有する東電株の売却益で、賄う予定となっている。
しかし、除染費用は、国の予算ベースでも、既に3.8兆円(2017年度概算要求までの累計)と、2.5兆円という見積りを超過している上に、
東電株売却益も想定に届かないとされており、潜在的な国民負担である。
 
また、除染により取り除いた土壌や廃棄物を保管する、中間貯蔵施設の費用には、電源開発促進税が充てられ、電気利用者に負担が転嫁されている
 
このように、電気料金や税という形で、既に多額の国民負担が発生している
我々が把握できた範囲で、参考資料にまとめたが、公開情報の制約から、十分に明らかにできたとは言えない。
政府は、議論の前提として、賠償・廃炉費用の全体像と金額、及び負担関係を、明瞭に示すべきである。


2. 東電債務超過回避のために、費用見積りを隠すべきではない
 
政府は、東電が債務超過になる恐れがあるとして、東電委員会で東電改革案がまとまる年末まで、1F事故賠償・廃炉費用の最新見積りを公表しない方針のようだ。
一方で、電気事業連合会が、8.1兆円の資金が不足するという試算を政府に示し、国費負担を要請したとか、
経産省が、賠償・廃炉費用の総額は20兆円を超えると推計した、といったことが報じられている。
政府は、過去に例がないため、費用見積りが難しいと言うが、合理的に見積れる範囲であっても、東電が実質的に債務超過になる可能性がある。
賠償・廃炉費用の規模感が、具体的に示されないままに、費用負担の仕組みや統合・再編を含む、東電改革の論議が先行するのは、本末転倒である。


3. 老朽炉の廃炉関係費用の見積りを明らかにすべき
 
2012年の原子炉等規制法の改正で、原発の運転期間が40年に制限され、審査を通った場合に限り、20年の延長が認められることになった。
既に、関西電力美浜1、2号機、中国電力島根1号機、四国電力伊方1号機、九州電力玄海1号機、日本原電敦賀1号機の6基が、運転期間延長申請をせず、廃炉とすることが決定した。
 
原発の廃炉費用は多額に上るため、運転期間中から、原子力発電施設解体引当金を積み立てることとされており、その引当費用は、電気料金原価に算入されている。
ところが、2013年に制度が改正される以前は、発電量に比例して引き当てる、生産高比例法が採用されていたこと等により、
引当金の残高が、本来積み立てるべき総額に不足する、という事態が生じている(引当計算の前提だった稼働率76%に達しなかった等による)。
この引当不足額は、通常の会計処理であれば、特別損失として一括計上されるべきものである。
 
また、廃炉決定時点における固定資産(原子力発電設備、核燃料)の残存簿価については、固定資産除却損が計上され(改修等があるため、老朽炉でも設備の残存簿価がある)、
さらに、上記解体引当金の対象となっていない核燃料解体費用等も発生するが、これらも、特別損失として計上されるべきものである。
 
しかし、多額に及ぶこれらの費用を、廃炉決定時点で一括認識し特損計上することは、電力会社の財務に悪影響を及ぼすため、廃炉の決定を躊躇うことが懸念された。
そのため、2013年と2015年の2回にわたり、「廃炉会計制度」が整備され、廃炉関係費用の分割償却と、電気料金原価算入を可能にすることによって、廃炉を促進することとされた(その他、解体引当金の引当てを、生産高比例法から毎年定額引当に変更し、不足が生じないようにされた)。
 
上記6基に廃炉会計制度が適用され、その対象費用については、参考資料の通りに明らかにされている(2016年3月末の残高は、6基合計で約1,800億円である)。
しかしながら、今後も、運転期間延長を申請せず、廃炉となる老朽炉が出ることが想定されるが、その場合に、どの程度の費用が発生し得るかを試算するための基礎データが、十分に公開されていない
原子炉毎の解体引当金総額の見積額、及び未引当額等は、公表されているが、廃炉会計制度の対象となる、固定資産の残存簿価、及び減価償却費の年額(これにより将来の廃炉決定時の残存簿価が推計できる)、及び核燃料解体費用等の見積額も、原子炉毎に明らかにすべきである。
こうした費用の国民負担への転嫁が、検討されているのであれば、公開が優先されるべきである。


【東電賠償・廃炉費用について】

4. 原賠機構一般負担金「過去分」はあり得ない

 
資源エネルギー庁は、原賠機構の一般負担金について、
「本来、これらの費用は、福島第一原発事故以前から確保されておくべきであったが、制度上、こうした費用を確保する措置は講じられておらず、当然ながら、料金原価に算入することもできなかった」と主張する。
そして、過去に、
「安価な電気を利用した需要家」に遡及して負担を求めるべきだが、現実的ではないとして、全需要家が遍く負担する、送配電網の利用料である託送料金に上乗せして、回収することを検討している。
すなわちこれは、原発を持つ電力会社だけでなく、新電力の利用者も、賠償費用を負担することになる
 
原賠機構の一般負担金は、東電以外の電力会社にも電気料金原価への算入を認め、また株主からの責任追及を回避するために、将来の事故に備える支え合いの仕組みであるとの建前をとるが、実質的には東電支援に充てられてきた
 
にもかかわらず、この期に及んで、こうした「過去分」なる理屈が持ち出されたことには、大いに違和感がある。
販売時に、原価に含めていなかった分を遡及して取り立てるなどということは、通常の商取引ではありえない。
販売側が、自己責任で処理すべきものである。
 
そもそも、事故リスクを過小評価し、事故費用の備えを怠ったどころか、
リスクに備えると、原発が危険だと思われる恐れがあり、また投資に金が嵩むことから、賠償費用の備えをせず、安全投資も抑えた、国及び電力会社の甘い判断の問題
である。
安全神話」を流布させてきた責任を棚に上げ、賠償の原資不足を電気利用者全員で負担しろと言うような、事故検証と断絶した費用負担論は認められない


5.「使用済燃料再処理等既発電費」の前例を悪用すべきではない
 
「過去分負担」問題は、使用済み核燃料の再処理費用を発電時に積み立てる、使用済燃料再処理引当金の創設時(2005年)にも起きている。
制度開始以前に発生した使用済み燃料の再処理費用、いわゆる既発電分について、原発を持つ電力会社の電気料金ではなく、託送料金で回収する案が示され、
PPS(現・新電力)が反発し、「(過去分をPPSの顧客に負担させるのは)今回の小委員会で最後」にするとして、議論が終了し、
2005年度から15年度間にわたり、「使用済燃料再処理等既発電費」を電力会社が費用計上することとなり、その相当額が託送料金に含まれている。

資源エネルギー庁は、逆に、この議論を、託送料金で回収することの前例として示しており、悪質極まりない


6. 1F廃炉費用の託送料金上乗せの根拠がない
 
1Fの廃炉費用は、東電の合理化努力により捻出するというのが、現下の検討の基本とされている。
電気料金に1F廃炉費用を含めることは、経営判断であり、消費者にも、その価格を受入れるか、他社に移るかの選択肢がある。
 
しかし、送配電事業の合理化による、原価低減分の扱いは別である。
合理化分を、東電の送配電部門(東京電力パワーグリッド)の託送料金(自由化後も引き続き規制料金)に反映させず、廃炉費用に充てるならば、
新電力を含む東電管内の全利用者が、廃炉費用を負担することになる
それが認められる根拠も示されないままに、送配電事業の合理化分を廃炉費用に充てるために、「制度的手当」をどうするかという議論に飛躍している
 
廃炉・汚染水対策のうち、安定化維持費用については、既述の通り小売料金(小売自由化後も2020年までの経過措置として規制料金)原価に算入されているが、
そもそも発電をしておらず、売上を生まないにも関わらず、経常費用として原価算入を認めた判断は問題であり、送配電網の利用料である託送料金の原価たり得ないことは、なおさら明白である。


7. 1Fへの廃炉会計制度(廃止措置資産)適用には歯止めがない
 
1F廃炉費用のうち、固定費については、廃止措置資産(廃炉・汚染水対策のために新たに取得する設備等)への廃炉会計制度の適用を継続し、その減価償却費を、託送料金に上乗せすることも検討されている
元々、廃炉措置資産という区分は、通常炉の廃炉を促進するために、2013年の廃炉会計制度導入の際に設けられたものであり、事故を起こした1Fに適用するためには、通常炉とは別途の根拠を必要とする。
しかし、その根拠が示されないままに、資金確保のための「政策対応」に、議論が飛んでいる。
 
そもそも、通常炉に関しても、「発電と廃炉は一体の事業」という理屈で、廃止措置中も引き続き役割を果たす設備(原子炉格納容器など)について、
固定資産除却損(特別損失)の一括計上ではなく、減価償却の継続と電気料金原価算入を認めた、2013年廃炉会計WGの論理には問題がある。
同WGは、事故炉にも留保なく適用することを認めたが、これを維持するのであれば、廃炉・汚染水対策のための新規取得資産が、際限なく廃止措置資産として計上されることになる。
その矛盾を放置した上に、特例を設けることは現に慎むべきである。


8. 東電破綻処理、株主・貸し手責任の完遂が前提
 
負担の前提となる責任の所在の議論があいまいなまま、1Fの事故費用負担の現状や、廃炉や賠償にかかる費用の具体的な見積りも示されていない中で、
このまま費用負担の論議や、統合・再編を含む東電改革論議が先行するのは、本末転倒
である。
原則に戻って、費用認識をし、経営責任の明確化と、株主・貸し手責任の徹底を前提として、廃炉と賠償の完遂という特殊事情を踏まえつつ、東電の今後を議論すべきである。


【老朽炉の廃炉費用について】

9.「安全神話」の反省がない

 
3.11の反省を踏まえて、原子力規制委員会が創設され、原子炉等規制法も改正されて、40年運転制限やバックフィットが導入され、新規制基準も策定された。
 
にもかかわらず、安全神話の下での60年運転計画を前提に、老朽炉の40年廃炉は、原発の40年運転制限の導入や、新規制基準の策定という政策変更を理由とした「計画外廃炉」に当たる、
あるいは、新たな基準を既存炉に適用するバックフィットを理由とする廃炉も、計画外廃炉となるなどとして、国民負担に転嫁するのは、
福島第一原発事故の検証を無視した議論であり、認められない。


10. ベースロード電源市場とのバーターにすべきではない
 
当初、資源エネルギー庁は、電力小売自由化後も、大半の新電力は、大手電力会社の電源から常時バックアップを受けて供給力を補っており、
大手電力会社の、原発を含む電源から受益をしているという、アクロバティックな「現在受益論」を唱えたが、さすがにこれは評判が悪く、取り下げた
しかし、託送料金上乗せを認める見返りとして、大手電力会社のベースロード電源に対する新電力のアクセスを確保することなど、原発を、いわば「公益電源」化する議論は維持されている
ベースロード電源の開放は、大手電力会社と新電力の競争条件を対等にして、競争を促進する必要条件であるが、託送料金上乗せの交換条件にするものではない
また、「公益電源」などという言葉で惑わせ、託送料金を通じた消費者負担で、原発を優遇することを正当化すべきではない
 
電気そのものの価値から、二酸化炭素を排出しないという「非化石価値」を分離して取引できるようにする、「非化石価値取引市場」創設も検討されている。
その主要な目的は、再生可能エネルギーの推進と、FIT(固定価格買取制度)賦課金の国民負担軽減である。
しかし、原発を非化石電源として、再エネと同列で扱うことは問題であり、原発の環境汚染リスクという、負の価値を減殺させる不当な優遇措置となるため、認められない


11. 廃炉促進の特別法で分割償却を担保すべき
 
通常炉の廃炉費用に関する今般の検討の「目的」としては、「原発依存度低減、廃炉の円滑化」が掲げられており、
資源エネルギー庁の資料は、廃炉促進を前面に出した上で、会計上の制約を訴える構造となっている。
資源エネルギー庁は、計画外廃炉については、一括費用認識が問題であって、「電力会社が廃炉に関係する費用負担を回避したい訳ではない」とする。
直接的なキャッシュフローではなく、バランスシートへの影響(債務超過、あるいは財務指標悪化による資金調達リスク)のみが問題であるのならば、
特別損失一括計上ではなく、費用として分割計上できるよう、会計上の特則を担保できればよいはずである。
その場合であっても、電気事業会計規則など、経済産業省令レベルで処理するのであれば、国民、国会の監視・関与が効かない。
あくまで会計原則の例外であることを明確にしつつ、廃炉促進を目的とする特別法を制定して、分割償却を担保すれば、透明性も確保でき、望ましい


12. 託送料金上乗せは、電力会社に不当な損益改善効果
 
廃炉費用を、利益(=電気料金-本来の原価)から捻出する場合は、分割償却と特損一括計上との間で、電力会社の通算損益は変わらない。
しかし、廃炉費用を託送料金に上乗せすることは、廃棄する資産の対価を、消費者から別途徴収することと同じであるので、電力会社の損益にとってプラスの効果が生じる
また、発送電分離後の廃炉費用は、原子炉を所有する発電会社に帰属するのに対し、
託送料金収入と、これに対応する費用(託送料金原価)は、送配電設備を所有する送配電会社に帰属するため、会計上の矛盾が生じる(廃炉費用を賦課金の形で徴収する場合でも、事実上、価値のない資産の対価として、消費者に追加負担が生じることには変わりがない)
加えて、廃炉費用(原子力発電施設解体引当金)の見積りが、上振れして膨らんだ分も、託送料金に上乗せされる可能性が示唆されている
資源エネルギー庁は、「見積り総額を経産大臣が承認する」ことで、妥当性を確保する現行の仕組みを継続するとするが、廃炉費用が際限なく託送料金に転嫁される、抜け道を作ってはならない


13. 会計制度を歪めるべきではない
 
廃炉が決まった原発は、もはや発電をせず、売上を生まないのであるから、廃炉費用には原価性がなく、特別損失として計上されるべきものである。
しかしながら、廃炉会計制度では、電気料金の総括原価方式の原価として算入することによって、廃炉費用に原価性を付与して、一括費用認識(特損計上)を回避している
 
2020年の規制料金撤廃以降は、この原価性を維持できないことから、残る規制料金である託送料金の原価として、一括費用認識を回避することが目論まれているが、
託送料金制度を利用しても、原価性のないものに、虚構の原価性を付与することには変わりがない
本来、電気事業会計制度と電気料金制度との間には、「会計制度を基礎にした電気料金」という関係があるはずである。
つまり、電気事業会計の社会性を担保するために、企業会計の原則に従うことが当然に求められ、その会計を基礎として電気料金が算定される。
しかし、廃炉会計制度では、電気料金原価に算入するという結論に会計制度の方を合わせる、「電気料金を前提とした会計制度」という逆転が起こり、会計制度が歪められている
これ以上、原子力発電に関する会計制度を、歪めるべきではない(金森絵里氏『原子力発電と会計制度』参照)。


14.「原発は安い」というコスト計算に意味はない
 
福島第一原発事故により、多額の賠償・廃炉費用が発生するという経験をした後でも、「原発は安い」と主張されている。
「原発は安い」と言うのであれば、通常炉・事故炉を問わず、賠償・廃炉費用は、利益(過去利益を含む)から捻出すべきである。
託送料金上乗せを求めるならば、「原発は安くなく、電力会社が負担に耐えられない」ことを認めなければ、筋が通らない
 
まずは、1F賠償・廃炉費用、及び通常炉の廃炉関係費用の見積りを、明らかにすべきである。
また、計画外廃炉の場合、電力会社は、稼働継続と廃炉との間で損益を比較して、合理的に判断しているはずである。
本来電力会社が捻出すべき費用が、安易に消費者につけ回されてはならず、原発によってどれだけの利益が蓄積されているのかをはじめ、原発に係る通算損益の計算、電力会社の負担能力に係るデータも明らかにすべきである。

以上
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会う、ハグする、食べる、おしゃべりする、ちょっぴり涙ぐみながらお別れする

2016年12月07日 | 友達とわたし
あけみちゃんの忠告と手伝いのおかげで、身軽なまま東京へ行ったのは、宏さんとの初対面ティータイムと、幸雄さんが演奏するアイリッシュミュージックのライブを聴くためだった。






まずは赤坂見附のレストランで、宏さんに会う。
フェイスブックで知り合うと、初対面という感じがしない。
すぐに打ち解けるし、いきなり深い話もできる。
宏さんは、いろんな部分で気が合うというか、共感できる人で、一度でいいから会って話したいと思っていた学者さん。
だからわがままを言って、忙しいスケジュールの中、時間を割いてもらった。

そこから電車を乗り継ぎ、今度は世田谷区のCAFE MURIWUIまで出かける。

ギターとフィドルを演奏してくれた幸雄さんは、元ロックバンドのギタリスト。ヤマハのLMコンテストでグランプリを取ったツワモノバンドだった。
そもそも、なんで幸雄さんと知り合ったのかというと、長年プラントに従事していた彼が、原発事故後から、分かりにくい東電の説明を、それはそれは分かりやすく説明し直してくれていて、
それでフェイスブックの友になってくれないかと、こちらの方からお願いしたのが始まり。
それからというものの、しょっちゅう心配かけたり迷惑かけたりするばかりで、ほんとに申し訳なく思っている。

な、の、に、

本番当日の、本番直前に、最寄りの駅に着くわたしを、ライブの場所が見つかりにくいからと、駅まで出迎えに来てくれるというではないか?!
いや、一人で行けるからと言っても、大丈夫大丈夫と、全く聞き入れてくれない。
だからまたまた甘えることにしたのだけれど、幸雄さんがバッチリ調べて教えてくれた時刻表通りに行くはずが、なんと人身事故で電車が遅れ、2回目の乗り継ぎの電車に乗り遅れてしまった。
今回は、携帯電話が使えるようにして行ったので、遅れる事情を伝えられはしたが、ライブの開演を遅らせてしまったのはこのわたしです!すんません!
駅の改札口で、少し離れて待ってくれていた幸雄さんと美保ちゃん。
横浜の、偶然にも幸雄さんちのご近所に住む美保ちゃんは、ライブを一緒に聞きに行こうとわたしが誘った。

でも、迎えに来てもらったのは正解だった。
絶対に見つけられなかったと思う…わたしと美保ちゃんだけだと…。

会場に入ると、二郎さんと明日香ちゃんがいた。
毎週金曜日の夜に、国会前の希望のエリアで、声を上げ続けている二人。


二郎さんは『校長』というあだ名のドラム隊&神の手を持つ整体師さん、明日香ちゃんは、類稀なるコーラー&前進座の女優さん。
(*マガジン9の、今週も脱原発『希望のエリア』のあきらめない人々を読んでみてください)
顔を見た瞬間、「もう来ないのかと思った…」と言われてしまった。

急いでホットジンジャエールを注文し、席に着く。

ボソボソと話す幸雄さんのコメントの後、いよいよ演奏が始まる。
フルート奏者の知世さんは、フルートはもちろんのこと、ティン・ホィッスルやコンサーティーナをコロコロと軽やかに演奏してくれて、その多様な才能に聞き惚れた。
フィドルの薫くんは超自然体。だけどもきっと天才肌なのだろう、すごい技術と歌心を、ひょうひょうと、まるで当たり前のことのように聞かせてくれる。
幸雄さんは、その若者たちが持つ音楽性と勢いに、ある時は寄り添い、ある時は待ったをかけたりなだめたりしながら、生き生きとしたリズムとメロディを作り上げていく。
ああ気持ちがいい!

それにしても、アイリッシュ音楽って面白い。
まず始まり方。
クラッシックのように、あらかじめ決められたものではなくて、今度はこの曲をやりたいと言った人が演奏をし始めると、それに続いて他の人がこっそり加わっていって、いつの間にか全員で、という感じ。
メロディの糸が絡まり合い、いろんな色や空間を作り出す。
自分にできるとは思わないけれども、もっともっと聴いていきたいと思った。

この3人、なんとも自然体でふんわりしてるのに、演奏に入るとすごい!
幸雄さんはしばらくの間、ライブ活動をお休みすると言っていたが、もしまたこのメンバーが演奏するような企画を見つけたら、ぜひぜひ聴きに行ってみてください。オススメです。



左端の女性は、幸雄さんが一番好きなシンガーソングライター、舟久保香織さん



ライブの後、幸雄さん、二郎さん、明日香ちゃん、美保ちゃんとわたしの5人で、近所の中華屋さんに行って、ワイワイガヤガヤと話し込む。
そして夜遅くに美保ちゃんちに到着。
お茶を飲みながら、互いにたまっていた話をする。
すっかり遅くなってしまったのに、朝からこんな豪華な朝ご飯(名付けて料亭朝ご飯)を作ってくれた美保ちゃん。




北海道出身の彼女が、北海道産のユリ根や野菜を使って作ってくれた、それはそれは美味しい朝食だった。
もっとゆっくりしていたかったけど、大阪の弟んちに戻ることになっていたので、午前中に横浜を出発。
道中で雨が降ってきた。

弟のところでも、またまたゆっくりはできなかったのだけど、鍼治療の勉強に大分まで行っていた夫と合流し、4人で一緒に、近くの名の通ったお寿司屋さんに食べに行った。




全部めちゃウマ!












夫が頼んだ八海山の表面張力!


お代は全て弟のおごり。大変ご馳走になりました!ほんまにうまかった!おおきに!


そして次の朝、またまた三重県の、今度は名張市に戻った。
でっかい旅行カバンは、あけみちゃんが待ち合わせの駅まで運んでくれた。
わたしといえば、もう随分長い間会っていないみっきーや、大阪から会いにやって来る叔母に会うので、なんだかドキドキしたりしていた。

みっきーは、元はと言えば、ヤマハ講師時代の同僚だったのだけど、いつの間にか友人になり、親友になった。
わたしが離婚をするべきか否かで悩んでいた時も、離婚した後も、なぜかいつも、とても大切な転換期や決断時を迎えている時には必ず、そばにいてくれた人だ。
特に、離婚をほぼ決めたものの、やはり恐ろしくて踏ん切りがつかなかった時、ここに行こう!と行って、雑誌を見せてくれたのがここ、露天風呂だらけの『中房温泉』
当時は、銭湯でさえ苦手だったわたしに、山奥の露天風呂に入れとな?
いやだ〜無理だ〜と、温泉に着いてからも文句を言ってたのに、最初に恐る恐る入った風呂でお尻を火傷しそうになり、次に飛び込んだ蒸し風呂(とてつもなく真っ暗で暑かった)で吹っ切れて、
それからはみっきーがたじろぐぐらいに積極的に、羽織った浴衣を脱ぎ捨てては、露天風呂を次々にはしごして、最後のでっかい温水プールに行き着いた頃にはもう、よし、離婚するぞ!と決めていた。
それにしても、あの温水プールを囲むように建っていた旅館の部屋の窓に、巨大ヤモリのように張り付いて覗いていたおっさんたちは今、どうしているのだろうか…。

みっきーがわたしたちに見せたいと言って連れてってくれた、近所の神社。




まずは手を清めて、


真っ黄っきだったイチョウはもう、すっかり丸坊主になっていた。


でもきれい!


でっかい灯篭。


その横にはなぜか鹿さんたちが。


本堂でお祈りする。






それから地震除けのお寺が、みっきーの実家の近くにあるというので、そこにも行ってみた。
可愛いナマズさんのお守りを買い、境内の端っこに行って見ると、なんとも美しい雲と夕焼けのコラボが。


そして夜は、味噌おでん!うまかった〜!


翌日の朝、みっきーお手製のおからパンをいただき、まずは車で10分ぐらいの所にある通子先生の家まで、みっきーの車で送ってもらう。

わたしの大好きな、いつかこんなのを持ちたいと夢見る、高北家のキッチン!


孝さんも元気そう!大きな地図帳で調べるのって、ネットで調べる癖がついてしまったわたしたちの目には、とっても新鮮だった。


わたしたちが来るからと、お弁当風ランチを作ってくれた通子さん。






どれもこれも、本当に美味しゅうございました!ありがとう!



次に行った伯母の家では、90歳を超えた伯母と、うんと年下の叔母、そして多分16年ぶりのいとこが会いに来てくれていて、夫はただ一人の男として殿さま扱い。
まあわたしも、全く手伝わせてもらえなかったのだから、お姫さま扱いと言えるのだけど…。

キッチンは、60代、70代、90代の女性で大にぎわい。




できました!


ここではもう、カフェインが、グルテンが、などという話はややっこし過ぎて、だからとうとう1年ぶりにお腹に入れてみたところ、とりあえず何事もなく一安心。
懐かしい話に花が咲き、まるで毎年顔を合わせているような気持ちになって、あっという間に時間が経ってしまった。
わたしたちのためにと、朝から立ちっぱなしで準備してくれていた伯母は、疲れ過ぎたのか食事前に眠ってしまい、だから次の日の朝にまた、顔を見に来るからと約束して別れた。


翌日の朝、またまた、みっきーがおからで作った、美味しい野菜ケーキをいただいた。


この日は、彼女はある所で、オカリナを演奏することになっていて(彼女はオカリナの先生なのだ)、その場所を聞いてぶったまげた。
2000人もの人が集まる、橋下徹氏の講演会の始まりと終わりに、もう一人のオカリナ教師と一緒に、デュエットで演奏するのだそうな…。
なんでまた橋下氏の?と聞くと、支持してるとかそんなんじゃなくて、たまたまそういう仕事がまわってきたのだと言う。

そんな忙しい日に、朝からまたまたお世話になった夫とわたしなのだった。

心ばかりのお礼に。


昨日、ちゃんと話せなかった伯母に会いに、もう一度お邪魔した。


綺麗な真っ赤な実がたくさん!


再びみっきーんちに戻り、荷物をまとめてさあ出発!何から何までありがとう、みっきー!


すごく元気なレタスさん。


カエルが潜って暮らしているというプランター。


津駅前でお別れの写真。


そして最後の最後に、いとこのともちゃん家族に会いに、横浜に行った。
彼女とも16年ぶり。一人娘の来未ちゃんには、まだ一度も会ったことがなかった。
彼女が予約してくれていたホテルにチェックインし、地下鉄に乗って、彼女の家に向かった。
途中、ピアノのレッスンを終えて、わたしたちが来るのを待っていてくれた来未ちゃんを迎えに行き、恥ずかしがり屋で最初は無口になると聞いていた来未ちゃんの様子を見ていたのだけど、
いやもう、しゃべるしゃべる、これがまた、ものすごくしっかりしていて、大人びているのだ。
そしてとても優しい。

ともちゃんが作ってくれた、超〜美味しい夕食を、写真に撮らないままパクパクと食べてしまったので、ここに載っけることができない…残念無念。
食事の後、来未ちゃんの電子ピアノを弾かせてもらったのだけど、重たいカバンを引っ張り続けてたからか、ずっと弾かずに食べてばっかりだったからか、あっちこっちでコケてしまい、ミスタッチの連続?!
やばい!こんなんじゃ来未ちゃんをがっかりさせてしまうじゃないかと焦っていたら、
「ピアノが違うから弾きにくいんだよ」とぼそりと言う来未ちゃん。
いやあ、こんなかばい方、小学生にできるのかなあ…。
彼女が弾くピアノは、とても感受性が豊かで、タッチもしっかりしている。
教師からすると、教えたい気持ちになるタイプの子供である。
近くに住んでたらなあ…。

駅まで見送ってくれるという来未ちゃんが、道すがら、トランプのことを話し出した。
「もう最悪だよね。なんであんな人が選ばれちゃったんだろ?私は家族を大事にする人間だ、なんて言ってたけど、家族を大事にするなんて当ったり前じゃん。バカみたい」
「環境問題も戦争も、一体どうなっちゃうんだろう…ほんと心配だよ」

まあ、クリントンはクリントンで、また別の問題が山積みなんだけどね。などと心の中で思いながら、ああ、この子とはサシで、ゆっくりと話してみたいもんだと、しみじみと思った。


本当に、嵐のように、人々の間を通り過ぎて行ったわたしたち。
みなさん、本当にお世話になりました!
楽しかったし、とっても美味しかったです!
ありがとう!
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伊賀焼とヴァーチャルリアリティと歌姫と

2016年12月07日 | 友達とわたし
日本に帰省する際に、いつも悩ましいのは、誰と会うかを決めること。
80歳を超えた母とはできるだけ一緒に時間を過ごしたいから、友人や親戚に会いに行ける時間は、いつもたったの1週間弱になってしまう。
だからもう、とんでもなくバタバタするし、今回はごめんね、またいつかねと、先送りになってしまう人が続出する。
いつか、発表会後の休暇を、思い切って1ヶ月ぐらい取って、お正月も含めてのんびりしたいと思ってはいるものの、そんな勇気も出ないまま、とうとう17回目の冬を迎えている。
まあでも、空と海を残して1ヶ月も留守にできないだろうし、わたしが日本に行くと言うと必ず、僕にも平等の権利があるなどと言ってくる夫が、じゃあ行っておいでと送り出してくれるとも思えない。
ここ数年は、毎年帰ることができているのだから、それだけでもありがたいと思わないとね。
母の家に滞在していた最後の日は、大津の友人二人と京都駅で会い、互いに元気でいることを喜び合い、その後、大津まで迎えに来てくれた宏弥師匠と一緒に、車の中で積もる話をしながら、また母の家まで戻った。
そしてその翌日から、友だちの家にお世話になりながら会いに行く、という毎日が始まった。

今回は、これまでずっと会えずにいた人に会うことにした。

その一人、というか二人が、あけみちゃん&洋くん夫妻。
彼らはともに、第一線で活躍している陶芸家で、彼らの一人娘の綾香ちゃんは、これまた第一線で活躍しているメゾソプラノ歌手。
三人ともに、キラキラと輝く星一家なのだ。

洋くんのお父さんは、古伊賀焼きの第一人者、谷本光生氏。
光生氏は、山深い里山の広大な敷地の中に、自宅陶房と、彼自らが発掘した品や、自他の作品を収めた展示場を建てた。
彼らとはずいぶん前に知り合い、以来ずっと大ファンであり続けているのに、会ってもろくに話ができないまま月日が過ぎていったのだけど、
数年前に起こった(まだ継続中だからここに書くことはできない)トンデモな人間によるトンデモな悪事に巻き込まれた彼らから、その話をチラチラ聞かせてもらっているうちに、
今以上に荒らされてしまう可能性がある光生氏の作品の数々を、何としても目に焼き付けておきたい、彼らともゆっくり話したいと思い、超多忙のふたりに無理を言ってお邪魔させてもらった。

******* ******* ******* *******
谷本 光生(たにもと こうせい) 窯名:三田窯(みたよう)
大正5年10月5日伊賀市三田に生まれる。
本名 光生(みつお)
洋画、書、俳句、彫塑、篆刻、曼荼羅などの趣味を背景に、戦後古伊賀、伊賀焼の復興に尽力し、谷本伊賀を確立。
作陶の他に抽象版画も手がけ、東京銀座のサロン・ドゥ・ボナで、シルクスクリーンによる版画の個展を開く。
自宅陶房には。縄文・埴輪時代から鎌倉・室町・桃山・江戸・明治・大正期までの伊賀焼を中心に。展示場を増設し、発掘品や作品を公開中。
谷本伊賀の他には、日本初「抽象陶画」の制作、版画「シルクスクリーン」、コンピュータグラフィックスなどにも新境地を拓き、着目される。
******* ******* ******* *******


伊賀上野の駅まで迎えに来てくれた洋くんの車に乗って、ぐんぐんぐんぐん山に入っていく。
その道ったらもう、とんでもなく狭くて、だけどここも往路なんだと聞いてたまげてしまった。
もうすっかりアメリカンサイズに慣れてしまってる自分だけど、こんな道をぐいぐい走っていたこともあったのだと、ちょっと懐かしくなったりもした。

到着して、話し込んでいる間にどんどん日が暮れて、気がついたら真っ暗になってしまった。
慌てて、洋くんの仕事場と、まだ見たことがなかった光生氏の展示館に、洋くんと彼のお弟子さんに案内してもらう。

真っ暗闇の中で撮った写真なので、色合いや存在感がちゃんと表せてないけれども…。

洋くんの穴窯。


奥がとても深い。




火を焚く薪にも、いろんな種類があるのだなあ。


神棚。


光生氏の自宅前から見ると。


展示館には、発掘品、作品がたくさん並べられていたけれど、すでに不正に持ち出されてしまった物も多い。






この皿の色合いや質感は、どうしても伝えきれない…。










光生氏が、全て木から作った筆。毛筆ではなくて樹筆というべきか?




富士山のような絵画を見て、黒澤監督の『夢』の赤富士を思い出した。


孫の綾香ちゃんから影響を受けて始めた、コンピュータグラフィックスによる作品。


そしてこれは、ネパールに何度も通っては集めたという曼荼羅の数々。








版画「シルクスクリーン」の展示館。








すごいとしか言いようのない芸術作品の数々を生み出した、すごいとしか言いようのない芸術家の父を、洋くんはとても尊敬し、心身ともにずっと支えてきた。
そんなお父さんと服飾デザイナーのお母さんの血を引く洋くんの手と心は、その作品に出会った人の魂を揺さぶるような伊賀焼を、次々に生み出していく。

作品の一部を見せてもらった。ちゃんと伝えられないのがとても残念!
洋くんの作品のちゃんとした映像は、ここで。




あけみちゃんの工房と作品は、うっかり撮り忘れてしまったので、ここを見てください。


さてその夜は、感謝祭をミスしたアレッサンドロ君とわたしのためにと、あけみちゃんが感謝祭ディナーを作ってくれた。
どうこのご馳走!




洋くんとお弟子さんが作ってくれたシューマイ鍋。


料理はもちろんだけども、器が贅沢すぎてうっとり…。




お友だち夫妻も合流して、美味しくいただいた後、アレッサンドロくんが開発したバーチャル世界で遊ぶことに。






初めての経験だったけれども、めちゃくちゃ現実味がある空間の中の物を、手に取ったり操作したりできたりして大興奮。
彼は今、京都のあちこちを細かに撮影し、それをヴァーチャルリアリティの世界に移して、人々に京都を体感してもらうというプロジェクトに関わっている。
そして彼はまた、テコンドーの達人だったりする。

やっと思いが果たせて興奮したのか、なかなか眠れなかった。
次の日の朝に出て、東京に向かい、その日一泊しただけでまた、大阪と三重に戻って来ると言ったら、
「まさかまうみちゃん、そのでっかい荷物と一緒に行くつもりじゃないよね」とあけみちゃん。
「え、そのつもりだけど」
「ダメダメ、絶対にダメ!そんなバカなことしちゃダメ!わたしが送っといたげるから、ここに置いていきなさい!」

そ、そんな…申し訳なさすぎるし、送り賃だってかなりかかるんじゃ…。
などとウジウジしているわたしを見て、「もうほんとに信じられないんだから!」と呆れるあけみちゃん。

結局甘えさせてもらい、横浜と東京で会う人たちへのお土産と着替えだけ持って行ったのだけど、行ってみてつくづく思った。
あけみちゃんの言うことを聞いてよかったと。
そして、これまで一度もそんなふうに考えずに、パンパンに膨れた重たいったらないカバンとバックパックと一緒に、あちこち周っていた自分の姿を思い出して、深いため息をついた。

次回からは賢くやろう。


🌸綾香ちゃんからのメッセージ🌸

ホセ・マリアとのCD「Sakura Variations~さくら変奏曲~」が完成しました〜♪
リリース記念のコンサートは、12月9日に、東京ハクジュホールで、19:00開演です。
チケットまだありますので、聴きに来て頂けるようでしたら、メッセージでご連絡下さい〜

また、コンサートには来れないけど、お手元にCDが欲しいという方も、メッセージ下さい♪
全てホセ・マリアの作曲とアレンジで、さくら変奏曲、クリスマス歌曲集、そして人生の歌曲集が入っています。

リリースを先取りして、人生の歌曲集から少しお聴き下さい。



Sakura Variations Release Concert(さくら変奏曲リリース記念コンサート)
日時:
12/9(金) 開場 6:30pm 開演 7:00pm
 
場所:
東京ハクジュホール

問い合わせ先:
ムジカキアラ Tel: 03-6431-8186


【谷本綾香】
英国以外では、スペインとの縁が深く、音楽を通してスペインとの交流に貢献するプロジェクトも数々行っている。
2014年より、スペインのギターリスト、ホセ・マリア・ガジャルド氏とのプロジェクト、”Alma Española en Japón”を開始し、
9月より日本でコンサートツアー。
11月にはロンドンの日本大使館において、日本スペイン交流400周年記念事業の一環として、Sakura Variationのプレミアコンサートが、スペイン・日本大使館の共同で開催。
同時に、ロンドン日本大使館のGreen Park Youth Concertと名付けられたコンサートシリーズで、期待の若手音楽家として、谷本綾香が紹介された。

2016年末にはホセ・マリア・ガジャルド氏とのプロジェクト”Alma Española en Japón”のプロジェクトで日本ツアーを行う予定。
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WATER IS LIFE!!(水は命だ!!)

2016年12月05日 | 世界とわたし
WATER IS LIFE!! (水は命!!)

そう叫びながら、マンハッタンのグランドセントラル駅のメイン・コンコースのインフォメーション・ブースの周りで、マネキン・フラッシュ・モブに参加しました。







ワカコちゃん発案のこのモブ、わたしが呑気に旅行している間に、ミナセン・ニューヨークのみんなが寄り集まって、たくさんのサインを書いてくれたのですが、
当日が近づいてくるにつれ、参加者がどんどん増えてきて、しかも集団行動があまり得意ではない(これは偏見ではありませぬ)アメリカンが多いというので、ワカコちゃん、そしてディレクターのあっこちゃん、かなり心配していたんじゃないでしょか?
ともあれ、現場の警察や警備の人たちに対する交渉は、場慣れしているユカちゃんがバッチリ済ませてくれて、通行の邪魔にならないように気をつけてくれたらいいから、という許可をもらっていよいよ開始。
ユカちゃんのコールに呼応して、わたしたちの気持ちがメイン・コンコースの、プラネタリウムのような青空天井に響きます。

WATER IS LIFE!!を合図に、10秒間でポーズと立ち位置を決め、それから5分間静止。
手には、『WATER IS LIFE』や、パイプライン建設に莫大なお金を投資している銀行の名前が書かれたサインを持って。















そして同じ時間に合わせて、カナダに出張中の歩美ちゃんも。


ドレスコードは黒。そしてサングラス。
一旦マネキンになったら、誰から話しかけられても応えてはならず、もちろん自分から話しかけたりせず、ツンツンと突かれても知らぬふりをして、ひたすら静止の5分間。
というのが、マネキンモブのお約束なのですが、やっぱり30人以上もの多国籍の大人に、これを徹底するのは難しかったようです。

たくさんの通行人の人たちが立ち止まり、興味を示してくれたり、写真を撮ってくれたりしたのですが、
わたしたちがいったい何のために抗議しているのかを知らない人が、思ったよりたくさん居て、ああ、沖縄の基地問題と同じ構造なんだと痛感しました。
ひとり、ブツブツと話しながら、わたしたちの様子をビデオに収めている女性がいたので、どんなメッセージを伝えようとしているのですか?と尋ねると、こう話してくれました。
「わたしの友人が、先月20日の警察による攻撃で、腕にとてもひどい傷を負ったの。
もしかしたら彼女は、腕を失うかもしれないの。
親御さんもとても心配していて、悲しんでる。
でも、彼女はとてもしっかりした人で、大丈夫って言ってる。
こうやって、いろんな場所で、いろんな人が声を上げてくれていることを彼女が知ったら、きっと勇気が出るし励みになると思う。
本当にみなさん、ありがとう!」


その攻撃は、凍てつく夜空の下で行われました。

「まぎれもない戦争行為」感謝祭の最中、アメリカ先住民のデモ隊と警察が衝突
【THE HUFFINGTON POST】2016.11.24
http://www.huffingtonpost.jp/2016/11/24/dakota-pipeline-protest_n_13197362.html?utm_hp_ref=japan

感謝祭まっただなかのアメリカで、アメリカ先住民を含むノースダコタ州の住民と警察の間に衝突が起き、約300人が負傷した。

毎年11月第4木曜日は、「サンクスギビングデー」や「七面鳥の日」とも呼ばれる、アメリカ・カナダの代表的な祝日だ。
感謝祭には、約400年もの歴史がある。
1621年秋、アメリカ先住民とイギリスからやってきた入植者が、共に収穫を祝い、お互いを暴力から守る目的で、感謝祭は始まった。

そんな感謝祭の最中、ノースダコタ州では、先住民が主導するデモ隊と警察との間に、大きな衝突が起きた。
現地では、石油パイプライン「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設をめぐって、先住民が、数カ月に渡って、デモ活動を続けていた。

スタンディングロック・スー族が率いるデモ隊は、パイプラインの建設によって水源が汚染され、彼らの聖地が破壊される、と主張を続けていた。

現地時間11月20日夜、デモ隊と警察の衝突が激化した。
ワシントンポスト紙によると、デモは10時間にもおよび、約300人のデモ隊参加者が負傷したという。
スタンディングロック・スー族の人々は、警察による催涙ガスやゴム弾、放水銃の攻撃を受けた
26人が、頭部や四肢に重症を負い、マイナス5度の気温の中で放水を受けたことによる、低体温症で病院に運ばれた





「これは、まぎれもなく戦争行為です」

スタンディングロック・スー族の代表フランク・サンチェス氏は、ハフィントンポストUS版のインタビューに対して答えた。

石油パイプラインは、ノースダコタ州からイリノイ州へ、原油を輸送するために、37億ドル(約4150億円)の予算をかけて建設される。
パイプラインは、スタンディングロック・スー族の居留地近くにある、ミズーリ川を横切って建設される予定だ。
この開発によって、水源が汚染される可能性があるとして、先住民たちは抗議デモを開始した。

アメリカ政府は、このパイプラインは、最も安全かつ効率的に原油を輸送できる方法だ、と説明しているが、
デモ隊は、
「スタンディングロック・スー族ら、先住民の居留地を侵害しない」と約束した条約(フォート・ララミー条約)に反している、と主張。

自らを、「水の保護者(water protectors)」と表現するデモ隊と、ノースダコタの警察当局の衝突は、20日に沸点に達した。
デモ隊は、パイプライン建設地付近で封鎖されていた、橋の突破を試みた。
押し迫るデモ隊を止めるため、武器が使用された。
武器の使用について、モートン郡保安局は、デモ隊が暴力的になったためだ、と説明している。

長い間、経済的に困窮してきたスタンディングロック・スー族のサンチェス氏は、建設工事のため封鎖されている橋は、居留地に向かうための主要な移動経路である、と話す。
また、抗議者たちは、何世紀にもわたって維持してきた、土地と水を守ろうとしているだけだ、と語った。

「私は、自分の土地で、戦争捕虜になった気分だ」

サンチェス氏はそう語った。

「そうとしか言いようがない。
私たちには狩りをし、魚を釣り、植物を採る権利がある。
今までずっと、そうやって生活してきた。
私たちの暮らしをこれからも続けていくには、有刺鉄線のフェンスや、"立入禁止"と書かれた看板を、取り除く必要がある」


サンチェス氏は今週、スタンディングロック・スー族の代表として、ワシントンD.C.に赴き、アメリカ政府に対して、ロビー活動を行った。
彼は、1851年に、フォート・ララミー条約に調印した人物の、直系の子孫だ。
この条約で、アメリカ政府は、5州の一部をスー族に譲渡し、外部の人間がスー族の領地に侵入することを、厳しく制限する規制に同意した

しかし、サウスダコタ州で、金が発見された1877年、アメリカ合衆国議会は、すぐさまその協定を破った
金の鉱脈が見つかったブラックヒルズ山地を、政府のものにし、その後も、政府による土地の収奪は続いた

「この問題は、何年も前に決着しようと思えばできた。だが、私たちには弁護士を雇うお金もない」

サンチェス氏は嘆く。

アメリカ政府は、この問題をふまえ、パイプラインの建設作業を、一時的に中断している。
アメリカ陸軍工兵隊は、スタンディングロック・スー族の土地で、建設を進めるかどうかの決定には、もう少し時間が必要だと述べた。
By Laura Bassett

******* ******* ******* ******* 

そして、陸軍が、スー族に対して定めた、退去期限の12月5日の前後を通して、デモ隊を守る『人間の盾』になる、と宣言した退役軍人の人たち。
この宣言と行動は、大きな力となったようです。


「ダコタ・アクセス・パイプラインのデモ参加者たちを守れ」退役軍人2000人が「人間の盾」に
【THE HUFFINGTON POST】2016.12.04
http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/04/dakota-access-pipeline_n_13407758.html

ノースダコタ州のスタンディングロック・スー族居留地で、「ダコタ・アクセス・パイプライン」建設に抗議している人々は、退役軍人たちの大きな支援を受けることになる。

ダコタ・アクセス・パイプラインは、石油パイプライン会社「エナジー・トランスファー・パートナーズ」が、ノースダコタ州からイリノイ州までをつなぐ、1172マイル(約1886キロ)のパイプラインを建設するプロジェクトだ。
建設ルート近くの居留地に住む、アメリカ先住民スタンディングロック・スー族は、水源のミズーリ川が汚染されることを懸念し、抗議デモを続けている。

Facebookページによると、2000人以上の退役軍人が、デモ参加者たちを守るために、12月4日から7日にかけて、「人間の盾」として行動することに同意している。
11月29日、彼らは、「スタンディングロックを支援する退役軍人たち」という運動を開始した。
ダコタ・アクセス・パイプラインの建設をめぐり、数カ月にわたって、デモ参加者たちと警察が衝突を繰り返してきたことを受けて、退役軍人たちが立ち上げた運動だ。

このグループが計画を発表したのと同日、当局は、デモ参加者に罰金を課したり、拠点にしているキャンプへの物資の供給を妨害する、と警告した。
その後、当局は、この警告を取り下げたが、ノースダコタ州のジャック・ダーリンプル知事は28日、「悪天候が予想される」ため、即時退去命令を発した。
この命令は、依然として、有効となっている。

しかしデモ参加者たちは、CBSに対し、自分たちは動かない、と述べた。
地域コミュニティの人々は、4つの州にまたがって、1日に47万バレルの石油を輸送する、この37億8000万ドル(約4290億円)のパイプラインが、
主要な水源を汚染し、先祖の墓地や聖なる祈りの土地を、破壊するのではないかと懸念している。
ガーディアン紙は、建設業者は、すでに一部の文化遺産を破壊してしまった、と報告している。
抗議を行うエイモス・クック氏は、取材に対し、
「自分たちがここに来た目的を達成するまでは、どこにも行くつもりはない」と述べた。

退役軍人たちは、陸軍が、スー族に対して定めた、退去期限の12月5日の前後を通して、抗議を行う。
彼らのFacebookのイベントページでは、同グループの目的は、「我々の国を支援」し、「国内で行われているこの野蛮な不正を止める」ことだと述べられている。
抗議は非暴力的に行われるが、デモ参加者たちが、警察の攻撃によって負傷していることから、参加者には防護服、ガスマスク、耳栓、射撃用防音機などを持ち寄るよう、呼びかけられている。
麻薬、アルコール、武器の持ち込みは認められない。

また、「スタンディングロックを支援する退役軍人たち」は、11月上旬に、クラウドファンディングサイト「GoFundMe」に募金ページを立ち上げており、
デモ参加者に、食料や移動手段、必要物資を提供するための、寄付を募っている。

彼らの寄付についての詳細は、こちらから。

******* ******* ******* *******

そして昨日、わたしたちが抗議活動をしている最中に、
認可権限を持つ米国陸軍工兵隊(U.S. Army Corps of Engineers)が、スタンディングロック・スー族の居留地に近い、湖底でのパイプライン建設を許可しないと発表したのでした。


ダコタ・パイプライン、陸軍が見直しを検討:抗議デモ参加者に歓喜の渦
【RollongStone】2016/12/05
http://rollingstonejapan.com/articles/detail/27207

米陸軍工兵隊が12月4日、ダコタ・アクセス・パイプラインの建設予定地の、地役権の承認を行わず、"代替ルートを検討する"と発表したことを受け、
スタンディングロック・スー族の居留地に集まった、何千人もの抗議デモ参加者は、歓喜に沸いた。

米陸軍土木工事部門のジョーエレン・ダーシー次官補は同日、
「これまでに、スタンディングロック・スー族とパイプライン建設側で、幾多の協議と情報交換を重ねてきました。
しかし、すべきことが未だたくさん残されていることは明らかです。
この計画を迅速に完了し、責任を全うするためには、パイプラインの設置ルート見直しを検討するのが、最善の策です」
と語っている。

12月2日には、2,000人の退役軍人が、抗議デモ参加者を守るために抗議活動に参加するなど、抗議デモ参加者と警察機関の間の緊張が高まっていたが、
今回の発表を受け、抗議デモに集まった人々は、喜びに包まれている。


2016年12月4日、ノースダコタ州のキャノンボール郊外で、スタンディングロック・スー族の居留地の端のオセチ・サコウィン・キャンプを見下ろす丘の上に、支援者の退役軍人たちが「唯一の水」と書いた旗を立てている。/ SCOTT OLSON VIA GETTY IMAGES

12月4日の発表前、米司法省は、パイプラインが水の供給を脅かし、先住民の聖域を傷つけると繰り返し主張する抗議デモ参加者に対し、12月5日までに退去するよう通告していた。

米内務長官サリー・ジュエルは、12月4日の発表は、
「パイプラインの代替ルートと、その潜在的な影響に関する綿密な調査、ならびに評価が確実に行われるようにするもの」であり、
「条約、連邦法、ならびに先住民族のリーダーとの協議によって、保障されている先住民の権利が、環境影響評価書の作成における調査に、必要不可欠な要素であることを強調するもの」であると、声明を通してコメントしたと、ワシントンポスト紙は報じている。

予算37億円のパイプライン工事の、地役権認可申請を却下するという陸軍の発表を受け、スタンディングロック・スー族のチェアマンであるデーブ・アーチャンボルト2世は声明を発表し、
「我々は、政府の決断を全面的に歓迎し、オバマ大統領、陸軍司令部、司法省、内務省がとった、歴史の行く先を修正し、正義を行うという一歩に、最大限の感謝を持って賛辞を送ります。
スタンディングロック・スー族、ならびに全インディアン部族は、このオバマ大統領が下した歴史的な決断への感謝を、永遠に忘れることはありません」
と、政府の決断についてコメントした。

また、声明の中で、アーチャンボルト2世は、抗議活動に参加した人々について、
「このことのために声を上げてくださった、すべての方々に感謝します。
また、この運動を率いてくれた、我々の部族の若者に感謝します。
我々を応援してくれた、世界中の方々に感謝します。
我々の水を守るために、我々の戦いのために、野営地へと出向いてくださり、我々を応援してくださった何千人もの方々、
また、様々な方法で、時間、力、お金を、我々のために費やしてくださった、何万人もの方々に感謝します。
そして特に、我々とともに立ち上がってくれた、他地域に居留する、他民族の方々に感謝します。
あなたがたの困難の時には、我々が必ず、あなたがたのために立ち上がります」
と続けた。

さらにアーチャンボルト2世は、来るトランプ政権や、その他の先住民族の権利を脅かす人々について、
「今回の決断を尊重と、ここに至るまでの複雑な過程の理解」を望んでいる、と述べている。
(By Daniel Krepsーtranslation by Yu Sekine)

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「我々の国を支援」し、「国内で行われている、この野蛮な不正を止める」

このような目的がなぜ、日本の高江や辺野古の現場には存在しないのでしょうか?
電車に乗って、バスに乗って、飛行機に乗って、違う県や町から、異国から、大勢の人々が集まらないのでしょうか?
水は命。
海も命。
森も命。

「私たちには狩りをし、魚を釣り、植物を採る権利がある。
今までずっと、そうやって生活してきた。
私たちの暮らしをこれからも続けていくには、有刺鉄線のフェンスや、"立入禁止"と書かれた看板を、取り除く必要がある」

沖縄を蝕む米軍基地の増設と戦う人たちにとって、このダコタでの戦いと小さな勝利が、少しでも励みになることを願いつつ、
いや、まだまだ油断してはならない。
相手は狡猾で、力も金もある。
これはあくまでも中断であり、見直しであり、だからまた、どこかの地域の人たちが、戦わなければならないことになる。
という現実を思うと、いつの間にか、我々市井の市民という立場の人間に課されてしまっていた権力との戦いが、まだまだ続いて行くことが見えてきて、深いため息が出ないわけでもありませんが、
ここで諦めたり、くじけたり、どうでもいいやと投げてしまったり、知らない方が楽だと責任放棄をしたりするわけにはいきません。
どこの国にも子どもがいます。
自然があります。
動物もいます。
それらの未来を、わたしたちが汚したり、傷つけたり、命を奪ったりすることは、絶対に許されないのです。

さて、このダコタアクセスパイプラインに、た〜んまり投資している銀行の中でも、堂々のトップクラスに位置する日本の銀行の名前を、ここに示しておきます。
みずほ銀行、東京三菱UFJ、日興証券、SMBC、三井住友銀行です。
まだ他にもあるかもしれません。
でも、これらの銀行は巨額です。

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外に出ると、クリスマスツリー屋さんがオープンしていました。


モブデモをやっている時も、きれいに飾られた駅の構内を、買い物袋を両手にいっぱい持ちながら、通り過ぎて行く人たちがたくさんいました。
そんな人たちを、サングラスを通して見ているうちに、
凍えるような気温の中で、体を突き刺すような冷たい放水を受け、催涙ガスやゴム弾を撃たれ、傷つけられているダコタの人たちの姿が、
紐でグルグル巻きにされ、車の屋根から引きずり降ろされ、ボートから落とされた挙句に沈められている高江や辺野古の人たちの姿が、
わたしの脳裏に浮かんでは消え、また浮かんでは消えして、とても複雑な気持ちになりました。


12月6日・高江オスプレイパッド建設差し止め請求訴訟
地裁前集会と裁判傍聴の呼びかけ

http://takae.ti-da.net/e9184126.html

今、高江では、オスプレイパッド建設が、国家権力の名のもと、機動隊による市民弾圧のうえ、違法に強行されています。
連日、大量の資材が運び込まれ、急ピッチで工事は進められています。
施工ミスなどの指摘がある中、年内完成とうたわれています。

国は、返還を急ぎ、実績を明らかなものにしようと、
11月18日、地権者に「財産引渡通知書」を送付。
12月20日、返還記念式典、
12月22日、北部訓練場の過半の返還実施へと、矢継ぎ早に手続きを予定しています。
 
高江の住民31名は、国を相手に、工事の中止を求める「高江オスプレイパッド建設差し止め訴訟」を起こしています。
同時に、その判決がなされるまで工事中止を求める、仮処分の訴えも行いました。
(仮処分の決定は、12月6日以降に出る見込みです)
 
SACO合意が負担軽減など、全くのまやかしです。
危険なオスプレイの基地を、次の世代に残してはいけません。
県民の命を繋ぐ水源地を守るため、やんばるの自然と暮らしを守るため、この裁判で工事を差し止めにし、建設中止を訴えていきたいと思います。


下記の日程で、裁判訴訟があります。
事前集会・裁判傍聴もあります。
是非、ご参集よろしくお願いします。

2016年12月6日(火)
13:30~那覇地裁前・城岳公園前にて事前集会
14:30~傍聴券配布(時間の変更があるかもしれません)
15:00~第2回本案訴訟(高江オスプレイパッド建設差し止め請求)公開


主催:「ヘリパッドいらない」住民の会  
連絡先:090-9789-6396
 
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日本の電車と田んぼと富士山の巻

2016年12月03日 | ひとりごと
今回、はじめの8日間は、母の家で過ごしたのだが、あまりテレビを付けないようにしているのにも関わらず、呆れるほどにたくさん、トランプと、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領、そして友人の崔順実(チェ・スンシル)被告のことが報じられていた。
日本のことはというと、どうでもいいようなことばかりで、大きな地震が起こった時も、今稼働させてしまっている原発について言及した局は無かった。
本当におかしくなっている。
いや、もともとこんなだったのだけど、気がついていなかったのか?

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日本に戻るといつも、電車事情に感動する。
ここまでたくさん走らなくてもいいのではないか?と思うほど、きっちり時間通りにやって来て、止まるべき所にきちんと止まる電車。
これにすっかり慣れてからアメリカに来たわたしは、最初、そのお粗末な公共交通機関の実態を信じることができず、しょっちゅう怒っていた。
でも、今にして思えば、日本が異常に便利過ぎるのだ。
働いている人たちの中に、自分たちの働きと能力が十分に反映された収入をもらっている人は、決して多くはないというのに…。

ここ数年、都会にいるほんの数日間に、人身事故や気分が悪くなった人がいるとのアナウンスが流れ、電車が止まったり遅れたりするのに出くわす回数が増えた。
電車に乗る時間など、ほんとにしれてるのに、その間だけでも数回はある。
たまたまなのだろうか…それとも、こんなのが日常に起こってるのだろうか…。

そして、プラットホームに、転倒防止の柵が設けられている駅が増えた。


スマートフォンを操作しながら歩く人が増えたから、というのを聞いたのだけど、そうなのかな…。

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そしてもちろん富士山!
もう好きで好きで、新幹線で移動の際は必ず、富士山側の窓側の席を頼み、窓に張り付くようにして眺める。
今回はどうしても、窓側の席が取れなくて、だからわたしが写真を撮ってる間中、窓側に座っていた男の子は、席を倒して協力してくれた。

ちょっと面白い富士山。


雲に隠れたってかっこいい富士山。


縦にしても素晴らしい富士山。


ああもう、本当に惚れぼれ…。


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富士山じゃない山や、田んぼの景色にも、心が動かされる。












まだ幼かった頃、近所の佐和子ちゃんと弟の3人でよく、崖の下一面に広がっていた田んぼで遊んだ。
当時は、休耕田にはレンゲが植えられていて、田んぼの真ん中に座り込んではレンゲの首飾りを作ったりした。
カエルやザリガニがいっぱいいて、それを釣って遊んだ。

相愛の子ども音楽教室という所に、毎週土曜日の午後に通っていた頃は、この近鉄電車に乗った。


長谷寺、榛原、室生口大野…何度も何度も口ずさんだ駅名だ。


もう一つ、特に増えたと実感したのはこれ、ソーラー発電。


特に、田舎の風景の中に、大小さまざまな形で設置されているのを見た。
日本の電力作りが、やっと変化しようとしているのだろうけれども、その企業までもに、廃炉費用を負担させようとしている政府。
そしてその負担は、原発の電気を使いたくないからと、購入先を変えた人たちにまで及ぶ。
本当なら、そういう企業だからこそ、国が援助するべきなのに、足を引っ張るようなことをするのは間違っている。
さらには、そんなことをしようとする政府に、断固として抗議するべきなのだが、全く報道されないのだから、知らないままでいる人だらけ。

なんとかしなくてはと思うけれども、わたしなど、知らせるにはあまりにも力が足りない。
インターネットを使える人たちが、もっともっと、社会のあり様を知ろうとしない限り、本当のことがわからないまま日が過ぎていってしまう。

猫たちの世話を引き受けてくれている夫の姉から、時々メールが送られて来る。
2週間経ってようやく、空ちゃんが撫でさせてくれたなどという近況報告の最後に、旅をうんと楽しんでね、トランプリアリティが待ち受けてるんだからと書かれていて、
それを読んだ途端に、どーんと気分が落ちてしまった。
そうだ、そうだった、とんでもない現実が待っているんだった。
本当に、どうなってしまうんだろうか、アメリカは。
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母とパターゴルフの巻

2016年12月03日 | ひとりごと
日本でのお楽しみのひとつ、母と義父と弟、そして今年は夫も一緒の、小旅行に出かけた。
行き先は近場(義父が一人で運転できる距離)の温泉で、パターゴルフ(母がハマっている)ができる施設がある所、というのがここ数年の条件だった。
今回は、温泉ではないけれども、二人が気に入って何度も通っている(らしい)、豊田市の『フォレスタヒルズ』
パターゴルフの施設がなかなか良くて、なにしろ食べ物が超〜美味しいのだそうだ。

足が痛い、腰が痛い、目がかすむと、会うと必ず困っている母だが、ホテルに着いてまず18ホール、翌日もまた18ホール、そして翌々日のチェックアウト前にまた18ホールをこなす82歳、すごくないか?

大阪在住の弟が、諸々の事情から車で母の家まで来てくれて、そこから豊田市まで一緒に乗っけてってもらえることになった。
おかげで母は大助かり。
京都からやって来る夫は、夜勤明けの義父に四日市まで迎えに行ってもらい、そこから長島のサービスエリアで合流し、ホテルに向かった。

無事ホテルに着き、さっそくゲーム開始。


ホールまでは結構歩く。




お、入る入る!




難しい所から復活するのがうまい弟。


構えがなかなか決まってる夫。



一日目の夕食。








なぜか逆さまになったまま修正が効かない…ま、いっか。









翌日の朝、ラジオ体操をする母と義父。


わたしはここまで腰を落とせるだろうか…。


さあ出発!

今日はピンクの母。




鯉がいっぱいいる池のすぐそばを歩くと、餌をもらえると勘違いした鯉の集団が、続々と集まってくる。


星座が刻まれた岩。


さあ、ゲーム開始!
















お疲れさん。



二日目の夕食。


















どれもこれも超が10ほど付く美味しさ!板前さん、ありがとう!


朝食だって美味い!



そして三日目、チェックアウトまでにもういっぺんやる?と聞くと、満面の笑顔の母。はいはい、やりましょう。

義父と弟は散歩組。だから今回は母と夫とわたしの3人。












あ、こんなとこに入っちゃった。


鳥さんものんびり。


それにしても母はタフだ。18ホール回った後で、もう9ホールやろうと言って、夫とわたしはヨロヨロと付き合った。
本当にありがたいことだと思う。
遠く離れて暮らしているだけに、文句を言いながらもこうして元気にしてくれている母と義父には、心から感謝している。

今年もみんな、それぞれ元気に集まることができて、とっても楽しかった、美味しかった、本当にありがとう!


大分在住の鍼の師匠の教えを請いに大分に飛ぶ夫は、大阪まで戻る弟の車に乗り(弟はこのことのために車を出してくれた)、新大阪まで送ってもらった。
途中のサービスエリアまで一緒に走っていた時に、突如現れたこの車?!


なんと、焼き芋屋さんなのであった…。


サービスエリアの、どこのトイレが空いてるかを報せる電光掲示板…ここまでサービスが必要なのかなあ…。


可愛らしい子ども用トイレ。
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なばなの里

2016年12月03日 | ひとりごと
ついつい連絡を怠っていた母に、旅行直前にメールをすると、
「18日は、なばなの里というところに行って、美しいイルミネーションを楽しもうと思っています」
という返事が着た。
それで、
「いいなぁ〜、写真をいっぱい撮って来てね!」と返事をすると、
「何ボケてんの、あんたを連れてってやろうと思ってるんやないの」と、思いっきり呆れられてしまった。

あ、そうか、その時は日本に居るんだった…。

というわけで、なばなの里に到着。


光の点灯時間は日替わり。今日は5時というので、それまでの時間に腹ごしらえをした。

小手鞠の花。


ここはどんなふうになるんだろう…。


点灯時間5分前、先ほどの花壇の周りに、人がわらわらと集まってきた。
バン!という音楽と共に、あっという間にこの世界。


思わずうわっ!と叫んだ母とわたし。


入り口も可愛く灯りがついていた。


紅葉だってなかなかのもんだ。


道すがらの垣根も、


植木も、


そして池の周りも、








宇宙船みたいな観覧車。


光のトンネルに着いた。




いつも写真を写すとなるとしかめっ面をしている義父が、珍らしくいい笑顔。


そこを抜けると、












今年のテーマは『大地』。








観ている人たちの影が、光の祭典に溶け合っている。




ここは秋の光のトンネル。


それを抜けると、ライトアップされた紅葉が待っていた。
鏡池と紅葉。








池に映った紅葉を見つめていると、底なしの闇に引き込まれるような気持ちになる。


人生で初めて、大掛かりなイルミネーションを観させてもらった。
それも、80を過ぎた母に、おんぶに抱っこで連れてってもらって…。
来年の春には還暦を迎えるというのに、まだまだ甘えているトホホな娘なのである。
まあ、息子や娘には絶対に世話にならない!というのが母の信念なので、わたしが申し出たとしても断固として断られてしまうのだけど…。

なばなの里、来年の5月はじめまでだそうです。
正直言うと、これほどの光と原発のつながりを考えなかったわけでもないけれども…。
点灯時に、あの花壇の前で待つのをお勧めします。
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2016年日本旅行・プロローグ

2016年12月03日 | ひとりごと
11月14日
今年は、長い夏休み(6月の中旬から9月の第2週目まで)の間に、結構みんな頑張って、レッスンに来たり、来れなくてもバカンス先にキーボードを持ち込んだりして練習をしていたので、
新学年が始まり、新しい学校や学年のスケジュールが把握できなくて、レッスンの回数が減るようなことがあっても、11月の発表会を無事迎えられるのだろうか…と心配するような生徒が出てこなかった。
今年はだから、いつになく楽に当日を迎えられるかも…と期待しつつ、それでも油断してなるものかと気を引き締めて教えていたつもりだったが、それはいきなりやって来た。
発表会前の最後の1週間、レッスンにやって来る生徒たちの演奏が、いきなり崩れ出した。
それは月曜日から始まり、金曜日まで続いた。
まるで、レッスン室に、『曲が突然弾けなくなる菌」が蔓延しているみたいに…。
当然、臨時レッスンの連続で、その間にプログラムの最終版を仕上げ、プリントアウトし、挨拶文を考え、生徒たちが楽しみにしているトロフィーの注文をし、届いたトロフィーを入れる、生徒たちの名前を貼った紙袋を用意し、会場に飾る花束と、一部と二部の間の休憩時間に飲食する飲み物やスナックを買い揃えたりしていると、
もう全く時間が足りなくて、その日その日の夕飯の支度だけで精一杯。
だから当然のように、日本行きの出発日の前日に、家の中の掃除や洗濯、空と海の世話を泊まり込みでやってくれる、夫の姉と歩美ちゃんのための寝床作りを、全部まとめてやらなければならなくなった。
いやはや、全く学べない人なのだ、わたしは…。

さて、発表会は、パニックに陥っていた子たちも踏ん張り、毎年司会を担当してくれている夫から、今年は特にみんなの上達がよくわかったと、まあ身内びいきではあるが褒めてもらった。
わたしもへバーデン症候群ダイエットのおかげか、テーピング無しでもピアノが弾けるようになったので、久しぶりに演奏しようかという気になり、
それで、最近、連弾ごっこをし始めた友人のジェーンに、ラベルの『マ・メール・ロア』を一緒に弾いてくれないか、と尋ねたら快諾してくれたので、それをプログラムの最後に入れたのだけど、本番の2週間前になっていきなり、「ごめん!予定が入ってた!」とキャンセルされて大弱り!
急遽、近くに住んでいるピアノ教師のさわみちゃんに、駄目元ですがりついた。
彼女には常々、「わたしは人前では絶対に弾きたくないの。だから誘っても無駄だからね」と言われていただけに、ほんとに駄目元だったのだけど、
同じ仕事をしているよしみからか、発表会を開催することの大変さを知っている者としての情けもあってか、たった10日ほどの準備期間しか無いにも関わらず引き受けてくれた。
このラベルの曲は、子ども用に作曲されたもので、だから技術的には難しくは無いのだけれど、
ここは長いフレーズとして歌うか、一音一音にこだわるかなどと、表現やテンポの調整をしたり、互いのタイミングなどについて話し合いを重ねていく時間がなんとも楽しくて、
こんなに近くに、それも音楽の嗜好や表現の波長が合う相棒がいたんだという幸福感が、疲れきっていたわたしの心を元気にしてくれた。

わたしたちの演奏を聴いて、なんだかよくわからないけど、涙が出そうになったという親御さんがちらほらいて、嬉しかった。
またお願いしてもいいよね、さわみちゃん♪

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11月15日
今は、トロントで乗り換えた、羽田行きの飛行機の中である。



結局、出発の前日は、3時間しか眠れなかった。
しかもわたしは、バタバタといろんなことをしている間に、空ちゃんをとても傷つけてしまった。
16日間も留守をするのだからと、いつもより早めに、海ちゃんを散歩に連れて行った。
その後、僕も行きたいとばかりにドアのそばに来ていた空ちゃんに、ハーネスを付けようと近づくと、いつもなら絶対に不可能だったのに、スルッと付けられた。
びっくりしながらも、彼を抱っこして玄関のドアを開けたところ、突然気が狂ったみたいに暴れ出し、わたしを引っ掻いて腕から落ちた。
ハーネスとリーシュを付けたまま、部屋の中を暴れ回り、あちこちで頭や体を打ち、やっとのことでハーネスから抜け出してからは、わたしのベッドの下に籠ったっきり全く出て来ない。
どこか怪我をしてやしないかと心配して覗いても、まん丸目玉を暗闇の中で光らせているだけで、ピクリとも動かない。
明日から留守をするからと、焦ったわたしが悪かったのだ。
後悔先に立たず。
3時間ぐらい経って、ようやく出てきてくれたけど、態度はまだまだかたい。
出発までに仲直りができるかなと思いつつ、やらなければならない事だらけで、ゆったりと撫でてあげることもできない。
でも、彼は許してくれた。
旅行中の連絡先の表を作っている時に、いつものように、わたしが座る椅子の背に乗ってきて、わたしのお尻を温めてくれた。
ありがとうね空ちゃん。

仕事帰りにやって来てくれた歩美ちゃんに、伝達事項を伝え、一緒に冷蔵庫の掃除夕飯を食べた後、やっとパッキング開始。
朦朧としているので、服の組み合わせが頭に浮かんでこない。
猫たちは、あ、またどっかに行くんだな…ボクらを置いて…と、だんだん気分が暗くなっているようで、そんな姿を見るとまた、こちらも悲しくなってしまう。

でも行く。
日本はわたしの故郷だし、会いたい人がいっぱいいる。

出発は大雨だった。

******* ******* ******* ******* *******

11月16日
今回の旅は、最初の日と、母たちと行く小旅行の2日間、そして最後の4日間だけが、夫と一緒に行動する日だ。
羽田空港の入国出口から出ると、夫にぐんぐん近づいてくる人がいた。
後ずさりする夫にもめげず、その人は満面の笑顔で両手を広げ、ハグをした。
え?美保さん?
いったいどうやって時間がわかったの?
わたしたちが利用する航空会社の名前も、出発する時間も、どこから乗るかも、全く知らないはずなのに。
嬉しさで疲れが吹っ飛んだ。
空港内のレストランで一緒に夕飯を食べ、美保ちゃんが持ってきてくれた美味いもん袋を図々しくもらい、予約してあった蒲田のホテルに向かった。

クタクタに疲れているはずなのに、二人して同時に、夜中に目が覚めた。
寝直すことなど絶対に無理なほど、ぴーかんに…時差ボケ第1号。

美保ちゃんグッズでパーティ!どれもこれも、グルテンフリー&無添加で超うま!


蒲田の朝。




近所のスーパーで、お惣菜とおにぎりを買い、ホテルの部屋で食べた。
さあ始まるぞ、一年よく頑張ったで賞旅行!
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