前回に、引き続き、陶芸の科学的要素(燃焼の科学)の、話を進めます。
① 燃焼
a) 目標温度まで、温度を上げる。温度上昇しない(停滞)原因の続です。
ニ) 窯の大きさに対して、作品の量が少ない場合と、多い場合では、当然温度上昇に差が出ます。
・ 作品の量が少ない(棚板の使用枚数が少ない)と、ある温度までは、温度上昇は、速いです。
しかし、もう少しで、目標温度と言う段階で、急に温度上昇が、停滞する場合が有ります。
作品の量が少ない為、蓄熱(熱を貯めて置く事)の効果が、少ない為、熱がどんどん、
煙突から、逃げて行くからだと、思われます。
次回の窯焚きの際、窯道具の支柱や、割れた棚板などを、窯の中の空きスペースに入れ、
蓄熱効果を増せば、温度が停滞するのを、防ぐ事が出来ます。
・ 作品の量が多いと、「ゆっくりと」温度上昇します。速度は遅いが、確実に上昇します。
但し、多過ぎる場合には、焼きむら、即ち、窯の中の温度差が、大きくなり、
良く焼けた所と、焼けない所が、出易いです。
それ故、温度が低く成り易い場所は、作品の間隔を開けて、熱の道を、作ります。
b) 次に、焼成で大切な事は、酸化焼成か、還元焼成かを決める事です。(点火前に決める)
同じ釉でも、酸化と還元では、焼成後の色が、違います。
) 還元の場合、何度で、還元焼成に入るかを、決めます。
1230~1250℃で焼成する場合、950度前後から、還元操作をすると良いと
書かれた本が多いですが、私の経験では、900℃程度で、還元操作を行います。
理由は、酸化から還元へと移る際、窯の中の雰囲気は、還元操作をしたからと言いて、
急に還元にならず、若干時間差(10分~20分程度)が出ると、思われます。
それ故、速めに還元操作をした方が、確実に窯の中は、還元雰囲気に成ると、思われます。
) 還元が掛かる、タイミングについて
還元は、釉の原料に含まれる、酸化物から、酸素を奪い取る、化学反応です。
即ち、地球上に有る物質は、空気中の酸素で、酸化され、酸化物になっています。
酸化物(釉の原料)は、本来の色(金属の色など)とは、異なる色をしています。
還元とは、その本来の色を、取り戻す、化学作用で、燃料中の炭素が、釉の原料中の、
酸素を奪い、炭酸ガス(二酸化炭素)となり、排出されます。
・ 還元は、釉の表面が、熱で熔け始まる前が、一番有効と言われています。
即ち、釉は、表面より熔け、ガラス化します。完全に熔けたガラスは、酸素を通しません。
この状態で、還元を掛けても、ほとんど効果が望めません。
又、化学反応は、温度が高い程、活発になります。それ故、ガラス化する直前が一番、還元が
掛かり易い事に、成ります。
酸素や、燃料の供給量を調節し、還元の弱、強を決めます。
・ 酸化は、色釉の発色が良く、還元では、所定の色が、出なかったり、変化します。(窯変)
個人の窯(量産品の窯以外)では、複雑な色に焼き上がる、還元焼成に、人気が有ります。
・ 温度上昇は、中性炎の場合が、一番良いと言われています。
強酸化、強還元では、温度は上がり難いです。
酸化焼成 還元焼成
① 燃焼
a) 目標温度まで、温度を上げる。温度上昇しない(停滞)原因の続です。
ニ) 窯の大きさに対して、作品の量が少ない場合と、多い場合では、当然温度上昇に差が出ます。
・ 作品の量が少ない(棚板の使用枚数が少ない)と、ある温度までは、温度上昇は、速いです。
しかし、もう少しで、目標温度と言う段階で、急に温度上昇が、停滞する場合が有ります。
作品の量が少ない為、蓄熱(熱を貯めて置く事)の効果が、少ない為、熱がどんどん、
煙突から、逃げて行くからだと、思われます。
次回の窯焚きの際、窯道具の支柱や、割れた棚板などを、窯の中の空きスペースに入れ、
蓄熱効果を増せば、温度が停滞するのを、防ぐ事が出来ます。
・ 作品の量が多いと、「ゆっくりと」温度上昇します。速度は遅いが、確実に上昇します。
但し、多過ぎる場合には、焼きむら、即ち、窯の中の温度差が、大きくなり、
良く焼けた所と、焼けない所が、出易いです。
それ故、温度が低く成り易い場所は、作品の間隔を開けて、熱の道を、作ります。
b) 次に、焼成で大切な事は、酸化焼成か、還元焼成かを決める事です。(点火前に決める)
同じ釉でも、酸化と還元では、焼成後の色が、違います。
) 還元の場合、何度で、還元焼成に入るかを、決めます。
1230~1250℃で焼成する場合、950度前後から、還元操作をすると良いと
書かれた本が多いですが、私の経験では、900℃程度で、還元操作を行います。
理由は、酸化から還元へと移る際、窯の中の雰囲気は、還元操作をしたからと言いて、
急に還元にならず、若干時間差(10分~20分程度)が出ると、思われます。
それ故、速めに還元操作をした方が、確実に窯の中は、還元雰囲気に成ると、思われます。
) 還元が掛かる、タイミングについて
還元は、釉の原料に含まれる、酸化物から、酸素を奪い取る、化学反応です。
即ち、地球上に有る物質は、空気中の酸素で、酸化され、酸化物になっています。
酸化物(釉の原料)は、本来の色(金属の色など)とは、異なる色をしています。
還元とは、その本来の色を、取り戻す、化学作用で、燃料中の炭素が、釉の原料中の、
酸素を奪い、炭酸ガス(二酸化炭素)となり、排出されます。
・ 還元は、釉の表面が、熱で熔け始まる前が、一番有効と言われています。
即ち、釉は、表面より熔け、ガラス化します。完全に熔けたガラスは、酸素を通しません。
この状態で、還元を掛けても、ほとんど効果が望めません。
又、化学反応は、温度が高い程、活発になります。それ故、ガラス化する直前が一番、還元が
掛かり易い事に、成ります。
酸素や、燃料の供給量を調節し、還元の弱、強を決めます。
・ 酸化は、色釉の発色が良く、還元では、所定の色が、出なかったり、変化します。(窯変)
個人の窯(量産品の窯以外)では、複雑な色に焼き上がる、還元焼成に、人気が有ります。
・ 温度上昇は、中性炎の場合が、一番良いと言われています。
強酸化、強還元では、温度は上がり難いです。
酸化焼成 還元焼成