わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動ろくろ(土殺し1)

2009-10-18 22:35:02 | 電動ロクロ入門
引き続き、電動ろくろの、「基礎的事項」について、述べます。

 3) 土殺し

    殺しとは、物騒な言葉ですが、「意のままにする」「おとなしくさせる」とかの意味だと思います。

  ① 土殺しの目的

   これから作品を作る為の土を、轆轤の中央に移動する事です。(芯出しをする)

   これが上手に出来ないと、土の中央に穴を掘ると、壁の肉厚が凸凹します。(偏肉と言う)

   偏肉に成ると、遠心力に差が出て、土が「振ら付き」ます。更に土を伸ばすと、肉の厚い所は、

   高さが高くなり、全体に高さがバラツキます。

   土殺しは、轆轤で作品を作る際には、毎回必ず行いますので、マスターすべき、基本中の基本です。

   更に、土殺しは、土の練り癖を直し、轆轤作業をスムーズにします。

   又、菊練りと同様、「土の中の気泡を、除去する働きも有ります」と、本などで書かれていますが、

   真偽の程は、不明です。

  ② 土殺しの作業

   土殺しの方法も、人により、やり方も違いが有り、標準的なやり方は、有りません。 

   ここでは、私なりのやり方を、記したいと思います。

   電動轆轤の電源を入れ、「レバー」操作や「ペダル」を踏み込んで、轆轤を回転させます。

   回転速度は、やや速くします。土殺しの範囲は、1個作りと、複数個作りとでは、違いが有ります。

   1個作りの際には、轆轤に載せた土全部を、土殺しします。複数個作りでは、作品に必要な、

   1.5倍程度の最上部土を、土殺しすれば、十分です。

   ) 土の表面に泥(ドベ)を出す。

      両手を水の入った桶に入れ、濡らします。この手で、土を下から上に撫ぜ上げ、表面に泥を、

      出します。力は要りません、ただ撫ぜて下さい。

      この作業を、3度位続けると、泥(ドベ)が大量に発生します。

      この泥こそが、手が滑り、土との抵抗を、少なくして、轆轤作業を「スムーズ」にする物です。

      (勿論水も大切ですが、水よりも、泥の方が、土のヘタリを少なくし、且つ、手が滑り易いです。)

     ・ 毎回手に水を付ける替わりに、手(左手)に濡れた布を巻く方法も有ります。

       又、布を使うと、粗い土や、石粒の入った土等で、手を痛めるのを、防ぐ効果もあります。

  土殺しの、「土の延べ上げ、延べ下げ」については、次回に記します。

     
 電動轆轤入門 土殺し 
コメント
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