わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸用粘土について (粘土と磁器土)

2009-10-08 17:23:37 | 陶芸入門(初級、中級編)
陶芸では、一般的に粘土を使います。(陶器、土物とも言います。)

粘土以外に、磁器土を使う磁器が有ります。(石物と言われます。)

粘土には、紙粘土や、油粘土、樹脂粘土、銀粘土などの、種類が有りますが、陶芸では、

自然界に存在する、天然素材である粘土を使い、他の粘土は、置物、アクセサリー、遊び用に

使われ、焼き物の原料とは、区別します。

 陶芸用の粘土や磁器土で、手(肌)が荒れる事は、ありません。

 肌理の細かい粒子で、出来ている為、手触りが良く、水を含ませると、すべすべして、滑らかです。

 粘土は、化粧品の中にも、微量含まれて居ます。それだけ安全と言う事です。

 大抵の方は、陶器と磁器との差が、何処にあるのか、考えても居ないかも知れません。

 1) 陶器と磁器の違い

   前記の様に、原料の違いがあり、作品の性格や、焼成温度などに、差が有ります。

   粘土は、質はともかく、色々な場所(普通の場所)に存在します。

   磁器土は、陶石と言う特別な石を、砕き、粉にして、粘土状にした物です。

    (勿論、陶芸材料店では、両方の土が、市販されています。)

  ① 可塑性(かそせい)

    作品を作る際、粘りが有り、ひび割れしにくく、加工し易い性質を、可塑性といいます。

    粘土は、磁土に対して、可塑性が大きいです。

    即ち、作り易い事に成ります。

  ② 耐火温度

    粘土は、1250℃程度で焼成する事が多いですが、磁土は、1300℃前後で、焼成します。

  ③ 作品の肉厚

    磁器は、原料が石である為、粘土より強く、且つ高い温度で、焼成している為、

    肉厚を薄く(軽く)作る事が出来ます。

    (薄く作ると言うより、成形した作品を、削って薄くします。)

  ④ 粘土で作った作品は、磁器製より、保温効果が大きい。

    粘土で作った作品は、肉が厚い為と、粘土中に微小な隙間が出来る為、熱を通し難くなります。

    それ故、土鍋の様な作品には、向いています。

  ⑤ 磁器は白さが命です。

    粘土は色々な不純物を、含んでいる為、なんらかの色が付きます。
   
    それ故、作品を作る際、粘土に異物が入っていても、さほど問題に成りません。

    一方、磁器の肌は、真っ白です。異物が入ると、一目で斑点として、表れます。

   それ故、作品を作る際には、異物が入らない、環境を作らなければ成りません。

   特に、鉄分を嫌いますので、鉄製の「かんな」などは、使えません。

   又、色が白い為、絵が映えます。有田焼や、九谷焼が代表的な物です。

  ⑥ 磁器を扱う、陶芸教室等の、教えてくれる所は、ほとんど見受けられません。
   
   それ故、磁器を作る人は、限られた人達とも、いえます。

陶器と磁器 
コメント
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