わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸は総合芸術である 8(見せる焼き物)

2009-10-06 17:01:05 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
焼き物は、実用的な面と、純粋に見せる(鑑賞用)だけの物とが、有ります。

 壷や置物、細工物と呼ばれる物や、陶壁などは、実用性よりも、見せる焼き物として、存在しています。

 又、茶道具の様に、実用性と、鑑賞用を兼ね備えている物も、有ります。

③ 茶道具の場合

   一般家庭では、抹茶茶碗等は、用の無いものでしょう。

   茶道の心得た人や、茶道を習っている方は、良い茶道具に魅せられます。

   茶道具は、「見せると物」とも言えます。茶会などでは、「お道具拝見」と言い
  
   茶碗は勿論、茶壷、水指、香炉、香合、花器等の陶器類の外、茶筅、掛け軸など、

   茶に関する事項(物)が、「見せる物」と言えます。

   又、それらについて、師匠は勿論、お弟子さんも、基礎的な知識が要求されます。

   勿論、茶会以外での、日々の「お稽古」にも、お稽古用の、茶碗が必要です。

   茶碗も季節によって、形も変わります(夏なら夏茶碗、冬なら筒茶碗など)。

   それ故、数多くの茶碗が必要で、所持していると、思います。

 ④ 純粋に、見せる為の作品

   焼き物は、基本的には、使われる事を、前提にして作られています。

   しかし、絵画や、彫刻と同様に、見せる(鑑賞する)為に作られた、陶芸作品も有ります。

   ) 置物、細工物など

     信楽焼きの「狸」の置物や、動物などの形の、「細工物」と呼ばれる置物等は、

     明らかに、鑑賞用に作られています。

   ) 陶壁

     大きな建物の、壁面を飾る、陶壁は、見せる為に作られた物の、代表的な焼き物です。

     作り方も、陶芸と言うより、瓦を作る職人の様な、作業に成ります。

     作品も大きく、厚みなどに「ボリューム」が有り、遠くから、見るように、作られています。

   ) 大きな壷や、飾り大皿なども、見せる為の物も多いです。

      元来は実用に供され、現在では、もっぱら、置物となってしまった、壷や飾り皿などは、

      見せる為に、作られた焼き物と、言えます。

      ホテルや、旅館、公共の建造物などに、飾りとして、置いてある場合が、多いです。

      又、大きな陶芸展に出品される作品も、実用性よりも、見栄えを重視する、作品が多く、

      見せる為の物の様に、見受けられます。

   ) 美術的価値があり、実際には使われる事が無い、焼き物も有ります。

      美術館や、博物館などに、展示されている物から、個人の持ち物まで、かなりの数が、

      有ります。

      国宝や、重要美術品なども、実際には、使われる事は、稀、又は皆無でしょう。

以上にて、「陶芸は総合芸術である」の話を、終わりに致します。


 見せる為の焼き物
コメント
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