わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動ろくろ(底作り、土を延ばす)

2009-10-21 23:00:08 | 電動ロクロ入門
引き続き、電動ろくろの、「基礎的事項」について、述べます。

 6) 土を上に延ばす

  ① 底を作る

    「土取り」し、穴を掘ったら、容器の内側の底を作ります。

     後から底を形作ると、手が底まで届かない場合や、土が振ら付き易いですので、

     先に底の形、大きさを決めてから、土を上に延ばします。

   ) 底の形状と広さ 

     内側の底の形状は、全体に平坦な形、鍋底の様に、なだらかに、内側に傾斜した形、

     抹茶茶碗の様に、茶溜まり(中心が凹む)の有る形など色々有ります。

     底の広さも、皿の様に、底が広い形や、徳利の様に狭い形など、作品に応じて、形を決めます。

   ・ 内側の底の形は、外側の形状に合わせて、形を決めます。内側と外側の形が大きく違うと、

     肉厚が厚くなり、全体に重くなったり、逆に薄くなり過ぎ、亀裂が入る場合が有ります。

   ・ 底を作る時に注意する事は、底の土を締める事です。指や「コテ」で下に押し付け、締めます。

     締めが不十分ですと、底割れの原因に成ります。

  ② 振れ止めをする

    底が出来たら、両手の親指を内側に、他の4本の指を外側に、親指と人差し指の間で、

   土の真上の3ヵ所を、押さえ込み、振れ止めと同時に、肉の厚さの調整も行います。

    又、真上から押さえ込みますので、高さも揃います。この状態から、土を延ばします。

     (この作業を省き、直ぐに土を延ばそうとすると、必ず、狂いが生じます)

   ③ 土を上に薄く延ばす。

     電動轆轤で一番難しい所は、この土を薄く延ばす事とです。

      (いかに薄く上に延ばせるかが、その人の技量を、反映します。)

     又、土の種類によっては、延び易い土と、延びずらい土(一般に、肌理が細かい)が有ります。

     初心者は、なるべく延び易い土を、選んでください。

   ・ 土を上に延ばす方法は、極限まで薄く、土を延ばしした後、形作りに入るやり方と、

     形作りをしながら、土を延ばす方法と、更に、この両方を、併用する方法が有ります。

   ・ 各々、長所短所が有りますが、最初に習った方法で、行うのが一般的です。

   ・ 土延ばしに専念後、形作りの場合、出来るだけ高く、筒状に延ばします。

     筒状ですので、下の土は、上の土を垂直に、支える為、下部の土も、薄くし易いです。

     更に、他の事を、考えなくて良いので、作業も、し易いです。

   ・ 形を作りながら、土を延ばす場合は、作業が早く成りますが、初心者には、かなり難しいです。

   ・ 併用する場合は、土延ばし専念後、形作りで、作品が所定の大きさ(寸法)に、ならない時、

     形を余り変えずに、土を延ばして、大きくします。

     (なぜ極限まで延ばした土が、更に薄く出来るのか、疑問に思うかも知れませんが、

      それは、形作りで、径を細くすると、肉厚は厚くなります。

      又、径を太くすると、肉厚は薄くはなりません。但し高さは、縮みます、その縮分が、

      太さの分と、肉厚の分に、変化します。更に、薄く延ばした土は、時間と伴に、下に沈み、

      背が低くなります、その分肉が厚く成ります。特に水を含んだ、軟らかい土は、

      上に延ばした直後から、直ぐに下に沈み込みます。それ故、形作りの際、

      更に土を延ばす事が、可能に成ります。)

   ・ 実際の、土を延ばすやり方は、人により、千差万別で、統一した方法はありません。

     しかし基本的な物(共通点)も有りますので、いくつか述べたいと思います。

 以下次回に続きます。

 電動轆轤入門 土延ばし  
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